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2010年11月 3日 (水)

無期懲役刑の仮釈放の実態(法務省)

 2名の女性を殺害した被告人に対して、裁判員裁判で無期懲役の判決が出された事件がいろいろと話題になっています。前の法務大臣の死刑執行署名の時などと同様に死刑論議がまた高まることになると思います。

 死刑の是非が議論されるときに、無期懲役について「無期といっても、仮釈放制度により、短い年数で出所できる」という話を、ネット上や時にはマスコミなどでも見ることがあります。しかし、これは実態を踏まえていない話です。間違いと言ってもいいかと思います。

 法務省は、「無期刑受刑者の仮釈放に係る勉強会」における無期刑受刑者の仮釈放の在り方等についての検討結果をまとめた報告書(平成20年11月)を公表しています。(下記の発表ページ内に報告書等がリンクされています。本記事では紹介していない統計資料もありますので、この問題に興味のある方は必読です。)

 → 法務省「無期刑受刑者の仮釈放の運用状況等について」

 これによれば、

 平成10~19年の無期刑の執行状況及び無期刑受刑者に係る仮釈放の運用状況として、

  1. 無期刑受刑者のうち、仮釈放が許されるのは、多くても年間十数人。仮釈放時の在所期間は20年以上の者が大半であり、しかも近年長期化傾向。
       無期刑新仮釈放者の平均在所期間は、平成10年に20年10月、
       平成17年には27年2月、平成19年には31年10月。
  2. 仮釈放を許されずに相当長期間服役している者が少なくない。
       平成19年末無期刑受刑者1,670人中、在所期間40~50年
       の者は13人、同50~60年の者は5人
  3. 仮釈放が許された者よりも在所中に死亡する者の方が多数。
       平成10~19年の無期刑新仮釈放者は79人、無期刑死亡者は
       120人

と報告されています。
 また、無期刑により新たに刑事施設に収容された者(無期刑新受刑者)は、平成10~11年には45人程度であったところ、平成15年には114人、平成18年には136人と増加、平成19年には、89人と減少に転じたものの、それまでの無期刑新受刑者数の急増に伴い、年末時点で刑事施設に在所中の無期刑受刑者(年末在所無期刑者)も、平成10年の968人から平成19年の1,670人へと急増し、10年間で約1.7倍となった、ということです。

 なお、平成20年の新受刑者は53人、年末在所無期刑者は1,711人、新仮釈放者は4名、死亡者7名となっています。
 → 「無期刑の執行状況及び無期刑受刑者に係る仮釈放の運用状況について」
         ※ 平成21年9月に平成20年分の資料を更新したもの(PDF)

 死刑の是非についての考え方はいろいろかと思いますが、間違った前提での議論は止めていただきたいと思います。特に、マスコミは世論をミスリードする危険性が高いですからね。

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