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2010年7月の記事

2010年7月30日 (金)

USEN対キャンシステムの訴訟和解と総務省報告書の記載

 半月ぶりに更新したところなのに、立て続けの記事ですみません。

 有線放送事業に関するUSENキャンシステムの紛争については、独占禁止法がらみということもあって、当ブログでも何度か取り上げました。
 → 「USEN対キャンシステム事件判決(東京地裁)」(09/2/9)
 → 「キャンシステムの退職金訴訟判決(東京地裁)」(09/10/29)

 そして、マスコミでも報道されていますが、この事件について、7月28日、東京高裁で和解が成立した模様です。事件の内容については、上記の以前の記事をみていただくこととします。

 和解の内容の詳細はわかりませんが、USENキャンシステムに対して解決金として20億円を支払うというもののようです。これについては、キャンシステムは自社サイトで公表しています。
 → 「株式会社USENに対する損害賠償請求訴訟の和解終結のお知らせ」
                                 (PDF)

 現時点では、USEN側からの発表は見あたりませんが、同社の同日付IR情報に和解金として20億円の記載がありますので、この点については間違いないものと思われます。
 → 「特別利益および特別損失の計上に関するお知らせ」(PDF)

 ということなのですが、ちょっと気になる報道があります。数日前に朝日、読売その他で報道されているのですが、キャンシステムの取締役でもある岩永浩美参院議員(25日で任期満了・自民党)が総務省に対し、違法状態を続けていた同社などを擁護する発言をしていた、というものです。
 詳しくご紹介する余裕はありませんが、総務省の「有線音楽放送事業の正常化に関する検討チーム」が今年6月に公表した報告書には、「㈱大阪有線放送社正常化後は、同社の正常化前に働きかけをしていた国会議員のほとんどが有線音楽放送業界に無関心になっている。ただし、キャンシステム㈱の取締役でもある国会議員が、㈱大阪有線放送社の正常化について疑義を持っており、同社の正常化の検証を求める等の働きかけをし、㈱大阪有線放送社の過去の違法な事業拡張に照らし、キャンシステム㈱をはじめとする(社)全国有線音楽放送協会に所属する有線音楽放送事業者が正常化できていないことについて擁護する発言をしたことは認められるが、結果的にこれが具体的に行政の判断等に影響が及んだといえる証拠はなかった。」との記載があります。
 → 総務省「有線音楽放送事業の正常化に関する検討チーム調査報告書」
                                 (PDF)

 この報告書が6月に出されたことと今回の両社の和解成立との間に関係があるのかどうか私にはわかりませんが、気になるところではあります。

 

ロイヤルホームセンターに対する排除措置命令(独禁法)

 猛暑のせいというわけでもないのですが、半月近くブログ更新しないままになってしまいました。恐縮至極です。
 先日、映画「インセプション」を観てきました。夢を舞台にした映画ですが、テンポの速いストーリーで入り組んでいるため、観客のほうは寝ている暇はありません。ネタばれはいけませんので詳しくは書きませんが、映画「マトリックス」と落語「天狗裁き」のような映画だったと言っておきましょう(笑) なお、エンドロールの最後のところは仕掛けがあったと思うのですが、音楽に・・・。

 さて、本日、公正取引委員会は、ロイヤルホームセンター株式会社(大阪市西区)に対し、独占禁止法(大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法1項、7項)に違反する行為を行ったとして、排除措置命令を出しています。

 → 公取委サイト 報道発表資料(PDF)

 この件に関しては、昨年12月に、同社に公正取引委員会の立入検査が入っており、当ブログでも触れています。
 → 「ホームセンターに対する公取委立入検査と印刷業者に対する
    下請法違反勧告事件」
(09/12/15)

【違反行為の概要】

  1.  ロイヤルホームセンターは,遅くとも平成18年11月23日以降,店舗の閉店又は全面改装に伴い自社の店舗で販売しないこととした商品及び棚替え又は商品改廃に伴い定番商品から外れた商品について,これらの商品の納入業者であってその取引上の地位が自社に対して劣っているものに対し,当該納入業者の責めに帰すべき事由がないなどにもかかわらず,これらの商品を返品していた。
  2.  ロイヤルホームセンターは,遅くとも平成18年11月23日以降,店舗の開店若しくは閉店,全面改装又は棚替えに際し,これらを実施する店舗に商品を納入する納入業者であってその取引上の地位が自社に対して劣っているものに対し,当該納入業者以外の者が納入した商品を含む当該店舗の商品について,売場への搬入,陳列,撤去,売場からの搬出等の作業を行わせるため,あらかじめ当該納入業者との間でその従業員等の派遣の条件について合意することなく,かつ,派遣のために通常必要な費用を自社が負担することなく,当該納入業者の従業員等を派遣させていた。
  3.  本件について,公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ,ロイヤルホームセンターは,平成21年12月21日以降,前記行為を取りやめている。

【排除措置命令の概要】

  1.  ロイヤルホームセンターは,上記行為を取りやめている旨を確認すること及び今後当該行為と同様の行為を行わない旨を,取締役会において決議しなければならない。
  2.  ロイヤルホームセンターは,前記1に基づいて採った措置を,納入業者に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
  3.  ロイヤルホームセンターは,今後,上記行為と同様の行為を行ってはならない。
  4.  ロイヤルホームセンターは,今後,次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
     ア 納入業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての行動指
      針の作成
     イ 納入業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての,役員
      及び従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的
      な監査

2010年7月15日 (木)

「平成21年著作権法改正のポイント」(経産省・情報大航海プロジェクト)

 壇俊光弁護士のブログ「壇弁護士の事務室」に、情報大航海プロジェクト(経済産業省)の一環として作成された「平成21年著作権法改正のポイント」が紹介されています。事業者向け解説書と銘打たれています。
 これは、今年2月付での作成になっているのですが、「情報大航海プロジェクト」公式サイトにも見あたらず(たぶん)、広く紹介されるのは初めてではないかと思い(たぶん)、案内させていただきます。当記事の冒頭にリンクしています壇弁護士のブログからご覧ください。

 目次は以下のようになっており、それぞれの改正点ごと(1~6)について、条文紹介と論点等についての解説がなされています。

 0. はじめに
 1. 情報検索サービスを実施するための複製等の可能化について
                           (47条の6)
 2. 情報解析のため複製等の可能化について(47条の7)
 3. 送信の遅滞・障害防止、バックアップ、中継の効率化のための複製の
  可能化について(47条の5)
 4. コンピュータでの著作物利用に伴う複製について (47条の8)
 5. 美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等の可能化について
                           (47条の2)
 6. 権利者不明の場合の利用の円滑化を図るための仕組みについて
              -裁定制度の拡充-(67条の2、103 条)
 参考資料リスト

2010年7月14日 (水)

農協組合員で構成される花卉出荷組合の独禁法違反行為に対する警告(公取委)

 今日は京都など近畿地方も大雨が続き、河川の水量もずいぶん増えていました。九州や山口、広島などは、もっと大変な状況です。梅雨末期ということもあり、まだ、このような天気が続くかもしれませんが、重大な被害が起こらないよう祈るばかりです。皆様も充分ご注意ください。

 さて、本日、公正取引委員会は、新函館農業協同組合(新函館農協)の組合員で構成されるJA新はこだて花卉生産出荷組合(花卉組合)に対し、独占禁止法8条4号(事業者団体による構成事業者の機能又は活動の不当な制限の禁止)に違反するおそれがある行為を行っているとして、花卉組合に対して警告を行いました。また、新函館農協に対しても要請を行っています。
 → 公取委 報道発表資料(PDF)

 最近の農協関係の独占禁止法違反事件としては、昨年12月に、公正取引委員会は、大分県の農協の行為が、独占禁止法で禁止する不公正な取引方法一般指定13号(拘束条件付取引)に該当するとして、排除措置命令を出しており、この件については、当ブログでも取り上げました。
 → 「大分大山町農協への排除措置命令(独禁法・拘束条件付取引)」
                            (09/12/10)

【警告と要請の概要】

  1.  花卉組合は、平成15年1月頃以降、花卉組合の組合員が生産する花卉について、その全てを新函館農協に出荷すること等を内容とする規約を定めるとともに、これに反して新函館農協以外の者に出荷した花卉組合の組合員を議決権のない準組合員に降格させるなどして、花卉組合の組合員に対し、その全てを新函館農協に出荷するようにさせることにより、花卉組合の組合員の事業活動を不当に制限している疑いのある行為を行っている。
  2.  花卉組合の上記行為は、独占禁止法8条4号の規定に違反するおそれがあることから、公正取引委員会は、花卉組合に対し、上記行為を取りやめ、今後、このような行為を行わないよう警告した。
  3.  新函館農協は花卉組合の事務局を務めているところ、新函館農協の職員が、上記規約の制定等に係る事務に携わるとともに、上記行為について検討するため開催された花卉組合の総会、役員会等に出席していた事実が認められた。このため、公正取引委員会は、新函館農協に対し、花卉組合及び花卉組合以外の新函館農協の組合員で構成される事業者団体が、今後、上記と同様の行為を行うことのないよう、新函館農協の職員に対し独占禁止法の研修を行うなど再発防止のための措置を講ずるとともに、これら事業者団体に対し同様の行為を行わないための指導を着実に実施することを要請した。

2010年7月 9日 (金)

また、悪質ドロップシッピング業者に業務停止命令

 今日は、非嫡出子の法定相続分の民法規定についての裁判に関して、大法廷に回付されたと報じられています。これ民法によって、非嫡出子が嫡出子の半分の相続割合とされている現在の規定に関して、憲法違反の判断が最高裁によってなされる可能性が出てきました(もちろん、そうと決まったわけではありませんが)。
 私もこの民法規定は違憲であり見直すべきと考えます。ただ、今回の大法廷回付により、現実に非嫡出子を含む遺産分割の事案をどう考えるか、また、過去に民法規定に従って分割済みの事案がどうなるのか、など、実務的にも悩ましい問題に直面することになりそうです。

 さて、悪質ドロップシッピング業者の問題については、当ブログで何度か取り上げています。
 → 「アフィリエイトとドロップシッピング」(07/2/12)
 → 「アフィリエイト、ドロップシッピングの危険性(東京都)」(09/2/7)
 → 「『ドロップ・シッピング被害110番』(大阪弁護士会)」(09/4/28)
 → 「DS集団訴訟第1回弁論期日だったので」(1/27)
 → 「悪質ドロップシッピング業者に対する業務停止命令(東京都)」(3/1)
 → 「悪質ドロップシッピング業者ウインドに対する業務停止命令など
                       (消費者庁)」
(4/10)

 これらでも紹介しましたように、最近、消費者庁や東京都が、悪質ドロップシッピング業者に対して、特定商取引法の「業務提供誘引販売」の規定に違反するとして、業務停止命令を出していました。対象業者は計3社(ネット、バイオ・インターナショナル、ウインド)です。

 そして、本日、消費者庁長官から権限委任を受けた関東経済産業局長が(特定商取引法69条3項)、株式会社IB(今年3月に株式会社インタービジネスから会社名を変更しています。)に対して、明日10日から12ヶ月間、業務提供誘引販売取引に関する新規の勧誘、申込み受付及び契約の締結を停止するよう命じました(特定商取引法57条1項)。また、特定商取引法56条1項に基づいて、「営業員が、確実に収入が得られる保証がないにもかかわらず、確実に高収入が得られるかのように告げて勧誘していたことが、それは虚偽である。」旨を、契約した者に対し通知するよう指示しています。

 認定された違反行為は、以下のような不実告知、誇大広告、広告における表示義務違反及び交付書面の不備記載です。

  1. 業務提供利益に関する事項に係る不実告知(同法52条1項4号)
     同社は、業務提供誘引販売取引についての契約の締結について勧誘をするに際し、相手方に対して「ビジネスプラン80万円の人は、月に収益15万円は取っているとみんながいっています。」などと、確実に高収入が得られる保証がないにもかかわらず、確実に高収入が得られるかのような不実を告げていた。
  2. 誇大広告(同法54条、省令42条2号)
     同社は、同社のホームページにおいて、「1日『30分の作業』で月に30万円』以上稼げる!」などと記載していましたが、これらの記載は根拠がないものであった。
  3. 広告における表示義務違反(同法53条3号、省令41条2項)
     同社は、同社のホームページにおいて、特定商取引法に定められた事項を当該広告に表示しなければならないにもかかわらず、業務提供利益の指標を表示するときに、業務提供利益の見込みについて正確に理解できるように根拠又は説明を表示していなかった。
  4. 交付書面の記載事項不備(同法55条1項、2項、省令43条、44条、45条)
     同社は、契約を締結するまでに交付しなければならない業務提供誘引販売業の概要について記載した書面に、必要記載事項を正しく記載しておらず、また、契約を締結したときに交付しなければならない契約の内容を明らかにする書面についても、必要記載事項を正しく記載していなかった。

2010年7月 8日 (木)

『消費者法判例百選』(有斐閣)

 今朝早くのゲームで、ワールドカップサッカーの決勝進出国が決定し、オランダとスペインのヨーロッパ対戦となりました。時間が時間なので観戦しにくいのですが、何とか決勝も睡眠時間を工夫して後半以降くらいは見たいとおもっています。

 さて、先日出版された別冊Jurist「消費者法判例百選」(有斐閣)を入手しました。法律を学ぶ者にとってはお馴染みの「判例百選」シリーズですが、これは、ずいぶん以前に出された「消費者取引判例百選」の新版的なものです。しかし、タイトルが変わった通り、取り上げる分野はかなり拡がっています。
 入手したばかりですので、ざっと眼を通しただけですが、ご紹介いたします。

 私の興味分野から言えば(消費者法分野なので全部と言えば全部なのですが)、広告関連(№12・広告掲載新聞社の責任の事件、№13・抵当証券商法のタレントの責任の事件)、フランチャイズ関連(№1・情報提供義務、№16・安全指導、監督義務違反)、ネット取引関連(№28・オークションでの瑕疵担保、№101・個人情報流出)、独占禁止法・景品表示法関連(№108・表示主体、№109・比較宣伝広告、№110・価格カルテルと消費者の損害賠償請求)といったところでしょうか。№101は、ヤフーBBの情報流出事件で、私も原告弁護団の一員として関与した事件です。

 また、この百選では、裁判例の解説のみならず、1頁ものの「コラム」が24掲載されています。それぞれ面白そうです。上にあげた分野の関連では、「インターネットと消費者」(齋藤雅弘弁護士)、「経済法と消費者法」(白石忠志教授)などがあります。

2010年7月 5日 (月)

第三者名義不動産に対する承継執行文付与の可否についての最高裁判決(権利能力なき社団・・朝鮮総連)

 数日前に報道されていたものですが、朝鮮総連に対する不動産(本部ビル)の強制執行に関して、最高裁判所は、債権者(整理回収機構)から申し立てられていた「承継執行文の付与」を認めないという判決を出しています。裁判所サイトにこの判決は掲載されています。もっとも原告、被告の名は出てませんが、既に広く報道された社会性のある事件ですので、ここでは実名で記します。

 平成22年6月29日 最高裁第三小法廷 判決(上告棄却)

 これは、朝鮮総連が、権利能力のない社団であることから、その保有する不動産を朝鮮総連の団体の登記名義にしておらず、第三者(本件では別の法人)の登記名義にしている場合に、民事執行法27条2項の「承継執行文」を付与することはできない、とした原審東京高裁判決を支持したものです。

 最高裁判決は、
権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,構成員の総有不動産に対して強制執行をしようとする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,強制執行の申立書に,当該社団を債務者とする執行文の付された上記債務名義の正本のほか,上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属することを確認する旨の上記債権者と当該社団及び上記登記名義人との間の確定判決その他これに準ずる文書を添付して,当該社団を債務者とする強制執行の申立てをすべきものと解するのが相当であって,法23条3項の規定を拡張解釈して,上記債務名義につき,上記登記名義人を債務者として上記不動産を執行対象財産とする法27条2項の執行文の付与を求めることはできないというべきである。

 と判断しています。なお、この判決には、田原裁判官の補足意見(岡部裁判官も同調)が付けられています。

 この判決結果だけを見ると、朝鮮総連側が勝ったということになるのですが、最高裁判決が上記下線部で判示していますように、本件のような場合には、別途、朝鮮総連及び登記名義人に対して、当該不動産が朝鮮総連の構成員の総有であることの確認判決を得ることができれば、強制執行は可能であるとの積極的な判断を示しています。
 そして、報道によれば、整理回収機構側は、上記の手続に併行して、既にそのような訴訟を進めており、1審で勝訴し現在東京高裁で控訴審の審理中ということであり、こちらの訴訟の判決での勝訴が確定すれば、当該不動産の強制執行が可能ということになります。
 この問題のように、実務上、扱いが確立されておらず裁判所の判断がどうなるか微妙な場合の法律手続の選択は大変悩ましいものです。そういった場合の債権者側の手続選択の具体的な実例としても参考になるかと思います。

 なお、今回の最高裁判決については、町村泰貴教授がmatimulogで既に触れておられますので、興味のある方はご覧ください。

2010年7月 3日 (土)

ドコモ、KDDIに対する消費者団体訴訟(京都地裁)

 サッカー・ワールドカップは、日本代表は敗退したとはいえ、大健闘でした。決勝トーナメントに残った各国の試合もさすがに見応えがあり、つい夜更かしをしてしまいます。また、日本人審判の活躍についても、応援していきたいと思います。

 さて、マスコミ報道もされていますが、先日(6月16日)、適格消費者団体であるNPO法人「京都消費者契約ネットワーク」(高嶌英弘京都産大法務研究科教授)が、NTTドコモとKDDIの両社を被告として、消費者契約法に基づき、携帯電話通信サービス契約に関する解約料条項の使用差止請求訴訟を京都地裁に提起しました。

 この両社への訴訟では、それぞれの通信サービス契約契約(ドコモFOMAサービス「ひとりでも割」「ファミリー割」KDDIau通信サービス契約「誰でも割」)において、2年の提起契約を締結した消費者が、契約の満了以外の事由で解除を会社に通知したときなどには、会社に対して、9975円の解約金を支払うことになっている条項などの使用の差し止めを求めているものです。

 → 京都消費者契約ネットワーク 取組公表ページ

 ここに、訴状も掲載されているので、詳しくはそちらを見ていただけば良いのですが、いわゆる2年縛りの条項についてのものです。2年以内の解約に対して解約金が必要となるだけでなく、2年の期間後も、その期間満了月を超えると、また2年縛りとなるという拘束がかかることになっています。このような両社の解約料条項が消費者契約法(以下、同法)上違法であるとして、団体訴訟を提起したものです。

 細かくいうと

 1.消費者の利益を一方的かつ不当に害する条項として、同法10条違反で無効

 2.高額の違約金を定める条項として、同法9条1号で無効

 3.長期の不当拘束は、同法10条、9条1項に違反

 などとするものです。

 京都、大阪の適格消費者団体の活動が活発なため、京都地裁は、消費者団体訴訟のメッカとなってしまったようですが、関西ばかりではなく、首都圏の適格消費者団体がこのような訴訟提起を行っていこうとしないのは本当に不思議ですね。むやみに訴訟を提起することがいいとまでは思いませんが、当初、消費者団体訴訟制度の新設にあたって心配する意見もあった「訴権の濫用」などという状況では全くありません。この現状では、他の地域、特に首都圏の団体の活動は、あまりにも消極的に過ぎると言わざるを得ません。関西の団体よりも、経済的基盤も人的基盤も充実していると思われるのに、何のための適格消費者団体なのかと思ってしまいます。積極的な活動を行っていただきたいと思います。

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