フォト

weathernews

ツイッターでつぶやく

無料ブログはココログ

« 著作権フェアユース規定のパブコメ(文化庁) | トップページ | NFLに米独禁法適用の連邦最高裁判決 »

2010年5月26日 (水)

訴訟記録コピー代(司法協会)とiPad

 アップル社の新型端末iPadの国内販売開始が間近となってきました。ツイッターの私のTL(タイムライン)上でも、既に米国販売商品を入手して使っている弁護士さんもおられるたり、国内販売予約を済ませている人も多くおられ、今後のそれぞれの使用方法のレポートを楽しみにしています。私は、それを見てからですね(今は、android携帯端末のXperiaをいじっていますし。)。今朝の日経新聞にも出ているように、接続する通信回線をどうするかというのも選択ポイントになります。

 さて、あの事業仕分で、昨日は、司法協会の裁判記録謄写(コピー)料金(1枚50円)が俎上にのぼり、テレビニュースなどでも取り上げられていました。

 裁判記録のコピーの方法は裁判所によって違うのですが、ここで典型的に問題となるのは、裁判所の記録書類のコピーをする場合に、弁護士などが、自分たちで直接行うことができず、司法協会の職員に依頼して、必要な記録書類のコピーを作ってもらう場合です。
 この場合、弁護士側がセルフコピーをするのではありませんので、司法協会が反論していたように、司法協会職員は、元の事件記録を毀損しないように一枚一枚丁寧に(自動送りはできませんね)コピーする必要があって時間もかかり、当然人件費もかかるので、単純にコンビニなどでのセルフコピー料金と比較できない、というのも全くの言い訳というわけではありません。
 また、ニュースではあまり伝えていませんが、このような記録のコピーが大量に必要になるのは、民事の事件の当事者の場合は比較的少ないのです。なぜならば、通常の民事裁判では、訴状や準備書面といった書類は相手方にコピー(副本)が送られるのが原則ですので、裁判所にある記録をコピーするというのは、例外的な場合になります。例えば、民事訴訟を途中から(控訴審からとか)受任したが、それまでの訴訟記録書類が何らかのの理由で依頼者の手元に揃っていないとか、民事保全事件(仮処分、仮差押)のように相手方当事者に申立書や証拠書類の副本が送られてこない事件で検討が必要であるとか、の場合です。また、一般的には民事訴訟では記録書類の量も刑事事件に比べて少ないことが多く(例外はもちろんありますよ。)、その点からも問題は少ないことになります。

 問題が大きいのは、刑事訴訟の弁護人の立場で、刑事事件の弁護人となった弁護士は、起訴された刑事事件の書類(その大部分は証拠書類)をコピーしてきて検討しなければなりません。裁判所や検察庁から記録のコピーを送ってくれるわけではないのです。刑事事件の場合は、この書類の量が多く、事件によっては、相当な量になってしまいます(段ボール何箱もという場合も)。あのオウム真理教事件では、膨大な書類の量になりコピー費用も大きな金額になったと聞きます。オウム真理教事件で弁護人の費用が一般の人から驚かれるような金額になって批判的な意見も出ていましたが、実際には、こういった実費負担は馬鹿にならないのです(その膨大な資料の保管だけだって、東京ではかなりな負担となるでしょうし。)。

 ただ、司法協会の利益を減らしてコピー料金を下げるとしても、上に述べたようなコピー作業のコストもありますので、今のシステムを前提とすれば、どこまで下げることができるのかはわかりません。普通に考えれば、コンビニ等のコピー料金まで下げることは難しいようにも思います。
 なので、司法協会のコピー作業はやめて、裁判所に設置したコピー機を利用した弁護士のセルフコピー方式をとることにすれば、もっと費用を下げることは可能でしょう(もっとも、裁判所側は記録毀損が心配なので、その対策は必要になるでしょう。)。
 それでも、セルフコピー方式をとる場合には、当然ながら、弁護士(実際には事務員さんでしょうけど)の作業コストが必要になります。ちょっとした記録のコピーであればいいですが、大量のコピーとなれば、誰がやろうが大変です。何百、何千枚の書類を一枚一枚コピーしていくことを考えれば、時間も相当かかります。場合によっては、そのためにアルバイトでも頼まないといけないかもしれませんね(これはこれで別に守秘義務の心配も出てきます。)。結局、それに必要な弁護士側のコストは依頼者に転嫁しないといけないことになります。

 抜本的な解決としては、訴訟記録の電子化(もちろん原本はちゃんと当事者が直接に検証できるようにしておかなければいけませんが)ということでしょうか。そうでなくても、今はデジカメの性能が非常に良くなりましたので、訴訟記録をデジカメで撮影して、コピープリントが必要なもののみコピーするということをするということになるのかもしれません。

 そして、その画像データをiPadに放り込んで、被告人との接見や裁判に赴くというのが、近い将来の弁護人の姿になっているかもしれませんね。と、冒頭のマクラに戻りました。

« 著作権フェアユース規定のパブコメ(文化庁) | トップページ | NFLに米独禁法適用の連邦最高裁判決 »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

法律」カテゴリの記事

裁判」カテゴリの記事

コメント

記録謄写 IPAD で検索して,このブログを見つけました。4年前の記事なのですね。

私は,昨年から,IPADのスキャナ機能で記録を謄写を始めました。

 1 費用がかからない,2 謄写が早い(コピー機に載せなくていい),3カラーで見れる,4 保管場所を取らない,とメリットは多いです。
 
 紙の記録と違って一覧性に悪いという問題がありますが,IPADのスキャナデータを事務所のプリンターで印刷してしまえば,問題解決です(どちらにしても安い)

国選弁護で,謄写費用の問題はいつも問題になりますが,「IPADでやればいいのに」,といつも思います。法曹界のIT化は遅れてます。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/183277/48460677

この記事へのトラックバック一覧です: 訴訟記録コピー代(司法協会)とiPad:

« 著作権フェアユース規定のパブコメ(文化庁) | トップページ | NFLに米独禁法適用の連邦最高裁判決 »