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2010年2月の記事

2010年2月27日 (土)

チリ大地震の報に寄せて

 今朝目覚めてラジオを付けたら沖縄の地震のニュースでしたが、今度は午後になって地球の裏側のチリでの大地震が報じられています。
 チリ地震というと50年前の太平洋を越えた大津波を思い出しますが、現時点(午後10時前)ではまだ影響はわからないようです。しかし、ハワイやオーストラリア、ニュージーランドでは津波警報を出されたことも先程報道されています。前回のチリ地震の時は22時間半で日本に到達しています。ただ、今回の地震は前回に比べれば少し小振りのようで(それでもM8.6~8.8とされています。)、あまり影響のなければいいのですが。いずれにせよ、特に太平洋沿岸の方々は今後の報道などに充分ご注意ください。

 → 気象庁 遠地地震情報

 今の所、(津波が来るとしても明日午後ということもありましょうが)日本のニュースでも、土曜でもあり、冬期五輪の報道などもあってか、さほど大騒ぎはしていないようです。
 しかし、テレビニュースでなくても、インターネット上のUSTREAMでは現地のテレビ局の映像がずっと流されているのを見ることができます。このこと自体、インターネット社会の放送や報道のあり方を考えさせる出来事でもあり興味深いところでもあるのですが、それはさておき、このUSTREAMの映像を見る限り、震源地から離れている首都サンチアゴでも建物などに相当の被害が出ているようであり、まだ2桁程度の人数が報じられているにすぎない死亡者数ももっと多くなるだろうと想像できます。

 震源地から相当離れたサンチアゴでこれであれば、(日本の阪神淡路大震災の時でもすぐ近くの大阪市内の被害はもっと少なかったですので)今回の地震の巨大さがわかります。おそらく、情報が途絶しているであろう震源地近くでは大変なことになっているのではないかと思われます。

 先日もハイチで大きな地震被害があったばかりですが、今回の地震でも国際社会の素早い救援が必要かと思います。何よりも被害が少しでも小さなものであることを祈るばかりです。

【追記】(2/28 0:30)
 その後、気象庁からは、情報第4号が出されています。それによれば、チリ沿岸の津波の状況は、最大2.3メートルとなっています。気象庁では、28日午前6時ころにハワイ諸島に津波が到達する予定なので、その状況を見て、日本への影響を分析するようです。ロイター電では、ハワイでは最大4.8メートルの津波の可能性と報じられており、心配です。
 サンチアゴより震源に近い(約100キロ)チリ第2の都市コンセプシオンでは、橋が落ちたり、建物が倒壊したりしているようで、相当の死傷者がいるものと思われます。日本の報道では、現在、死者100人を超えたとしていますが、それどころではないでしょうね。阪神淡路大震災の報道でも、当初はそんな感じでの報道でしたが・・・・早朝に地震で飛び起きた私がNHKラジオのニュースを聞いて、人身に関する最初の報道は、天理市内で女性が慌てて家を飛び出て怪我をした、というものでしたし、それから結構な時間、そんな風な報道でした。

【追記】(2/28 10:10)
 気象庁が、大津波・津波警報(注意報)を出しましたね。ハワイなどでも津波が到達しているようです。おおきな被害が出ませんように。

2010年2月26日 (金)

シャンピニオンエキス景表法違反事件についての請求却下審決(公取委)

 今日の公正取引委員会の報道発表では、審決が2件出ています。一つは出光興産に対する課徴金納付命令についての審決ですが、もう一つはシャンピニオンエキスについての景品表示法違反事件に関する審決で、以前も触れましたが、後者はちょっと珍しい争点の事件ですので、こちらを紹介します。

 景品表示法の所管は公正取引委員会から消費者庁に移りましたが、以前からの審決手続は公正取引委員会が引き続き担当しています。なお、景品表示法が改正され、消費者庁移管後の排除命令については、このような審決手続はなくなりました(一般的な行政手続による)。

 さて、今回の審決ですが、当該事案については、以下にリンクしましたように、当ブログで3回ばかり取り上げてきました。要するに、シャンピニオンエキスの消臭効果の表示について、公正取引委員会景品表示法違反だとして、それを使用した商品のメーカー数社に対して、排除命令を出したところ、その対象メーカーではなく、原料のシャンピニオンエキスを製造する会社(リコム)がこれを不服として、公正取引委員会に審判請求を行ったというものです。

 → 「口臭、体臭等の消臭効果についての不当表示(景表法)」
                           (09/2/3)

 → 「排除命令の対象でない者による取消審判申立(景表法)」
                           (09/3/8)

 → 「シャンピニオンエキス不当表示事件の審判開始(公取委)」
                           (09/6/4)

 そして、本日の審決に至ったわけですが、結果は「却下」です。本件の争点は、中身の判断の前提部分、つまり、「排除命令の受命者ではない審判請求人が本件各審判請求について審判請求適格を有するか否か、すなわち、本件各審判請求が独占禁止法66条1項にいう『その他不適法であるとき』に該当するか否か。」というところです。民事訴訟でいうならば、原告適格があるか否か、ということですね。
 → 公取委サイト 報道発表資料(PDF)
 → 同 審決書(PDF)

 公正取引委員会は、本件審決において、審判請求をなし得る者は、行政事件訴訟法9条1項の「法律上の利益を有する者」と範囲を同じくするとみるべき、とし、審判請求人リコムにおいてシャンピニオンエキスの製造、販売が妨げられるものでもなく、また、排除命令の拘束を受けるものではないから、たとえ、リコムと排除命令対象業者などとの間のシャンピニオンエキスの販売その他の取引状況等に変化が生じ、これによりリコムに何らかの損害が発生し、また、リコムと対象業者との間に何らかの紛争が生じるおそれがあるとしても、景品表示法上保護され、あるいは考慮されるべき利益に当たるものということはできず、単なる反射的利益にすぎない、として、リコムの審判請求を却下しました。

 法律の解釈としては、妥当な結論だろうな、とは思いますが、審判請求をしたリコムの気持ちはよくわかるところです。

2010年2月25日 (木)

自動車部品メーカーに対する日米欧の独禁当局の協調調査か?

 2月とは思えない暖かさが続きますね。うちの熟年シマリス「チップ」も春が来たのかと勘違いして一日中飛び回っています。私も今日の昼間はコートを着て歩いていたら汗をかきました。皆さんも体調には充分ご注意ください。

 さて、トヨタのリコールの問題が大きく取り上げられています。これと直接の関係はないと思うのですが、昨日の当ブログの記事の枕のネタにしました大手自動車メーカー向け電線の受注調整の件で公正取引委員会が立入検査をしたという報道については、本日、国際的な拡がりを見せています、今日の報道では、これが日米欧の独禁当局の歩調を合わせた動きのようになってきています。

 日本については、紹介したように、昨日、公正取引委員会が、自動車の車内配線に使われる「ワイヤーハーネス」という電線の受注調整が独占禁止法違反である疑いがあるとして、矢崎総業(東京都港区)、古河電気工業(千代田区)、住友電気工業(大阪市)など数社の本社や事業所20数ヶ所を立入検査したというものでした。

 本日の報道によれば、米国でも、自動車部品メーカーのデンソー矢崎総業東海理化のそれぞれ米国法人3社が、FBI司法省から23日に反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで捜索を受けたということです。時事の報道では、これも自動車用電線「ワイヤーハーネス」に関するものとされています。

 報道によれば、米司法省は、この動きについて、欧州連合(EU)やその他政府当局と連携を取りながら捜査を進めている、と言っているようですね。トヨタ問題とは別に今後の進展に注目していきたいところです。

【追記】(12/1/20)
 平成12年1月19日、公正取引委員会は、本件で排除措置命令、課徴金納付命令を出しました。

 → 「1社当たり過去最高課徴金(ワイヤーハーネス談合)」(12/1/20)

2010年2月24日 (水)

アリコ個人情報漏洩に対する業務改善命令(金融庁)

 報道では、本日、自動車メーカー向け電線の価格カルテル(独占禁止法違反)の疑いで、公正取引委員会が電線メーカー大手の矢崎総業、住友電気工業、古河電気工業などに対して立入検査を行ったことが報じられています。電線関係はカルテル事件が多いな、というのが正直な感想です。

 さて、それとは全く別の話が本題ですが、アリコジャパンの個人情報漏洩事件について、本日、金融庁が同社に対して、業務改善命令を出しています。
 → 金融庁サイト 報道発表資料
 なお、この件については、当ブログでも少し触れました。
 → 「アリコ・ジャパンの情報流出事件」(09/9/12)

 今回の業務改善命令について詳しくは金融庁資料を見ていただくとして、今回の業務改善命令にあたって、アリコ及び業務委託先の管理体制の問題点、個人顧客情報漏えいの要因としては、次のとおりとされています。

  1.  本件業務委託先においては、ホストコンピュータへのアクセスに必要となるID 及びパスワードを日常的に担当者間で使い回しする等、個人顧客情報管理が杜撰であり、情報漏えいが起こり易い状況にあった。また、ID の使い回しは、一旦、情報漏えいが生じた場合に、実行犯の特定を困難にするという問題にもつながった。
  2.  他方、アリコにおいても、個人顧客情報の管理態勢に以下のような重大な不備が認められた。
    ① アリコのシステム部門においては、本件業務委託先が個人顧客情
     報を扱っていることについての認識が不十分であったため、本件
     業務委託先に対する立入検査においても、個人顧客情報保護の観
     点から、深度ある確認・検証を行っていなかった。そのため、上
     記1で述べたような、本件業務委託先における杜撰な個人顧客情
     報管理の実態を把握できず、また、牽制や是正も十分に行ってい
     なかった。
    ② さらに、アリコのシステム管理において、個人顧客情報保護上、
     以下のような問題が認められた。
    ⅰ)ホストコンピュータへのアクセス権限の付与範囲について、業
     務遂行の実態に応じた必要最小限のものになっていないこと。
    ⅱ)サーバーや業務委託先のコンピュータ端末の一部において操作
     履歴が残らないものがあったため、不正利用に対する牽制効果が
     不十分であるとともに、万一不正利用があった場合に原因究明を
     困難にするという問題があったこと。
    ⅲ)業務委託先の従業員にホストコンピュータへのアクセス権限を
     付与する際の本人確認が不十分であり、付与後の管理も不十分で
     あったこと。
    ③ 上記①及び②の問題の背景には、個人顧客情報保護に係る担当部
     門において、業務委託先も含めた全社的な個人顧客情報の漏えい
     リスクを網羅的に把握・分析し、かつ予防的な施策を検討する態
     勢ができていなかったこと、更には、当社経営陣において当該リ
     スクの重要性を踏まえた深度ある検証や、必要となる指示等を行
     っていなかったこと。

 ホストコンピュータへのアクセスのID、パスワードの杜撰な管理というのは、ヤフー個人情報漏洩事件でも似たような管理がなされており、それが賠償責任の根拠ともなりました。このような大手企業にかぎらず、IDやパスワードの管理というのは、実際の現場では結構難しいもので、セキュリティを重視すると現実の仕事がやりにくくなるという状況になるわけですが、自社が管理している個人情報の重要性を認識して管理を行ってほしいものですね。一般企業でもそうですが、電気通信事業者や保険会社であれば当然のことではないかと思われます。

2010年2月22日 (月)

音楽情報サイト問題について続報(消費者庁)

 昨日あたりから昼間は暖かいですね。私は、昨日の日曜は泉州国際市民マラソンに参加しました。数年前に一度出たフルマラソンのレースですが、今回はちょっと暖かすぎるくらいの良いコンディションでした。無事に制限時間内に完走することができました。心配していたのですが、フルマラソンの連続完走記録を何とか継続することができました。

 さて、先日ご紹介しました消費者庁iTunes社に対する照会文書に関連して、消費者庁は、今月19日、社団法人日本クレジット協会に対して以下のような文書を出しています。この問題については、消費者庁は積極的に文書発出、情報公開を続けていますね。
 → 消費者庁サイト
  「音楽情報サイトの利用を巡る消費者相談への対応状況の照会について」

 ここで、消費者庁がクレジット協会に対して、クレジットカード会社各社に確認したうえで回答を求めたのは、以下のような事項です。

  1. 音楽情報サイトの利用者において、心当たりのない利用料金の請求を受けたといった事例が発生しているという実態を把握しているか。
  2. 同種事例の発生、拡大を防止するため、音楽情報サイト運営事業者に対して、原因究明を求めたり、措置を講ずるよう働きかけたりなどしたことがあれば、事業者別に教えてほしい。
  3. これらの事例の、月別、請求金額、内容。
  4. 発生原因。
  5. 対応策。
  6. 発生防止のため、どのような活動が有益、必要であるか。

 しかし、いまだにiTunes社のサイトには、この問題についての発表ないですね。

2010年2月18日 (木)

英会話教室事業者に対する6ヶ月間新規勧誘・契約等業務停止命令(消費者庁・特商法)

 本日、消費者庁は、英会話教室の役務を提供する特定継続的役務提供事業者である株式会社FORTRESS,JAPAN(フォートレスジャパン、本社:東京都新宿区)に対し、特定商取引法47条1項に基づき、平成22年2月19日から平成22年8月18日までの6か月間、特定継続的役務提供に関する業務の一部(新規勧誘、申込み受付及び契約締結)を停止するよう命じたことを発表しています。国(消費者庁)と地方自治体(東京都)による初めての連携調査・同時行政処分ということです。

 併せて同社に対し、同法46条に基づき、営業員が、英会話のレッスンに関し、あたかもいつでも好きなときに受講できるかのように告げて勧誘していたことがあるが、それは虚偽である旨を同社の運営する「グローバルトリニティー」又は「ハーツ」の受講生に通知するよう指示しています。

 認定されている違反行為は、不実告知、迷惑勧誘ですが、詳しくは、以下の公表資料をご覧ください。なお、ゼンケンキャリアセンター株式会社(現リンゲージ株式会社)が、フォートレスジャパン社と業務提携契約を締結し、英会話教室(グローバルトリニティー及びハーツ)の運営、解約手続きを含む顧客対応等の業務を行っていた関連事業者であるとして公表されています。

 → 消費者庁サイト ニュースリリース資料(PDF)

 なお、この英会話教室事業者に関しては、NPO法人消費者支援機構関西からの消費者団体訴訟の被告となっていたことから、当ブログでも何度か取り上げました。詳しくは、以下の先月の記事およびそのリンク先をご覧ください。

 → 「消費者団体訴訟の和解条項に違反した英会話学校に対する
    違約金請求(KC's)」(1/19)

2010年2月17日 (水)

音楽情報サイトiTunes社に対する文書照会(消費者庁)

 今朝は國井先生の告別式に出席しました。哀しい場ではありますが、何人かの懐かしい顔にも会うことができました。

 さて、本日、消費者庁が、iTunes社に対して照会書面を出したことを公表しています。
 実は、2月12日に、消費者庁は、「インターネットをめぐる消費者トラブルについて」の第4弾として、「音楽情報サイトの利用者が心当たりのない利用代金の請求を受ける事例の発生について」という広報を行っています。
 ここでは、会社名は出さずに、「インターネットを介して、有料で音楽を配信するサービスを提供する音楽情報サイトの利用者が心当たりのない代金の請求を受けた事例に関する情報が、消費者庁の消費者情報ダイヤルや各地の消費生活センターに寄せられています。」「これらの事例の多くは、利用者がクレジットカードの利用履歴や請求書の明細等を確認した際、心当たりのないクレジットカードの利用履歴等が記載されていることに気付いたというもので、中には高額の代金が請求された事例も含まれています。」として、情報提供、注意喚起が行われています。
 → 消費者庁
 「インターネットをめぐる消費者トラブルについて」(#4「音楽情報サイト」)

 そして、今日は、この問題に関連して、iTunes社に対して、消費者庁消費者情報課長名で、照会文書を発したことを公表したものです。
 → 消費者庁 「音楽情報サイト運営事業者に対する照会について」

 いわば公開質問状ですが、対象会社を特定して、この段階で迅速に公表しているというのは、それだけこの問題の被害について、消費者庁が深刻に考えているからだろうと思われます。今後のiTunes社の回答、対応が注目されるところですが、今見たところでは、iTunes社のサイト上でのニュースリリースはありませんでした。
 今回の消費者庁による照会事項の概要は以下の通りです。

  1. iTunes Storeでは、心当たりのない利用料金が請求された事例をどの程度把握しているか、その詳細は?
  2. iTunes Storeでは、その原因は何と考えているか、原因究明の方針、予定は?
  3. iTunes Storeでは、ID・パスワード情報、クレジット情報等の保護にどのような努力が払われているか?
  4. 心当たりのない利用料金請求に、どのような対応をしているのか?
     (1)相談窓口等のサポート
     (2)ID使用停止等の措置は迅速に講じられているか?
     (3)クレジット会社、利用者に対し、利用状況の確認等に必要な情
        報は提供されているか?
     (4)利用事実がない場合、請求を中止するなどの措置が講じられる
        余地はあるか?
  5. iTunes Store利用者からの電子メールによる質問等の回答にどの程度の時間がかかっているか?電子メール以外に電話等の受付窓口を設ける予定はないか?

【追記】(2/22)
 追加情報を別記事にしました。
 → 「音楽情報サイト問題について続報(消費者庁)」(2/22)

2010年2月16日 (火)

國井和郎先生ご逝去・・思い出・・

 ちょっと、今回は極めて個人的なことで失礼します。

 國井和郎元大阪大学法学部教授が亡くなられたとの報せを今朝いただきました。先生は、私の恩師です。大阪大学法学部に入って、すぐにサークルの法律相談部に入ると、顧問としておられました。その当時はまだ30歳台の助教授で、言いたい放題の元気さで、その被害を被った学生諸氏は数知れないことは承知していますが、私にとっては、生涯最大の恩師です。ゼミ親でもありました。他の方には大変申し訳ないですが、私は國井先生にいじめられた記憶はありません。先生によれば、「こいつは、怒鳴りつけるぎりぎりのところでかわす。」ということでした(苦苦笑)要領だけ良くてすみませんです。

 学生時代に、阪大法律相談部の連中と一緒にお手伝いした現在のご自宅への引っ越しも鮮明に覚えていますし(終わって夕食に屋台のラーメンを食べさせていただいたなぁ)、私が卒業旅行として初めて海外にいった欧州旅行の途中、ちょうど、國井先生がパリに留学してこられた初日と一緒になり、私だけ団体旅行の日程と離れて、國井先生の宿泊先を訪れ、パリのスーパーで買い出しをしたことも30年位前のことですが、とても懐かしい思い出です。
 ホテルのレストランで國井先生がフランス語でフルーツを頼むと2人の食事なのに山のような果物の山が来たことも覚えています。最初滞在先のホテルに私もやっとたどりついたら、先生も私の顔を見て、すごくホッとされていました。空港からホテルまでのタクシーのひどさを私に語っておられましたね。あのころ、日本ではほとんど知られていなかったボジョレヌーボーのことを教えていただいたことも蘇ってきます。日本で有名になるまで、あちこちで蘊蓄を偉そうに使わせていただきました。

 また私の大学時代の別格の恩師であられる中野貞一郎教授に仲人をお願いすると、國井先生にやってもらってくれと言われ、先生ご夫妻に仲人をしていただきました。結果的には、私の未熟さゆえに先生には申し訳ないことにはなってしまいましたが・・・・(苦笑)・・・その節もありがとうございました。

 数年前からご病気と闘っておられ、ご家族も大変だったと思います。まだまだお若く大変残念ですが、あっちの世界でも、先生らしく頑張って下さい。何だかんだ言って、大変真面目で一生懸命されていた先生でした。ちょっと口が過ぎただけですよね(微笑)。

 ゼミコンパで酔っぱらっては、いつもおっしゃっていた言葉、「君たちは恵まれた才能がある。それを自分のためではなく、社会のために返していかなければならない。」。50歳にもなり、ちょっと疲れてきて、いい加減になってきたのかなと思う私ですが、もう一度、先生のお言葉を思い返して、これからも大切にしていきたいと思います。

 先生に何もお返しができないままになってしまいました。

 合掌。本当にありがとうございました。

2010年2月15日 (月)

また独禁法改正?と下請法違反勧告事件

 また更新が止まってしまいました。ちょっと忙しい状態がつづいてますのですみません。

 さっきツイッター(Twitter)で、民主党の藤末健三参議院議員が、「この国会で独禁法を改正します。優越的地位の濫用の取締を強化します。」と書いておられるのをみて、えっ、と思ったのですが、そんな動きがあるのでしょうか。確かに民主党のマニフェストはそのような方向の話は書いてはいますが。

 要するに、大企業による中小企業いじめが問題なので、独占禁止法の優越的地位濫用行為や下請法による規制を強化しようということです。ただ、どのような規制強化をしようとするのか、藤末議員のtweet(つぶやき)だけからは分かりませんが、全国にたくさんある中小企業いじめ事案をつぶしていくには、法令上の規制を強化してもあまり実効性はなく、現実に違反行為を摘発していくための人手を増やす、つまり公正取引委員会の組織強化の必要があると思います(もちろん支出増につながります)。

 ところで、ブログ更新をさぼっている間に、今年に入って下請法違反事案に対する公正取引委員会の勧告が4件出ています。いずれも下請代金の不当減額事案に関するものです。
 対象事業者は、コイズミ物流株式会社(大阪府東大阪市 貨物運送)、諸星運輸株式会社(神奈川県小田原市 貨物運送)、丸眞株式会社(名古屋市守山区 タオル等製造)、株式会社とりせん(群馬県館林市 食料品等製造)となっています。
 これらの勧告については、いつものように公正取引委員会のサイトにそれぞれの事件についての資料が掲載されていますが、2月3日付の公取委事務総長会見でも触れられています。
 → 公取委サイト 事務総長会見記録(2/3)

 この会見では、上記勧告の紹介に続いて、「中小事業者取引公正化推進プログラム」の実施状況独占禁止法適用除外制度の見直しなどについても説明がなされています。ただ、ここでも、上記の藤末議員の言うような法律改正の話は全く出ていません。あくまでも現行法下での取り締まりや啓発の強化方針が語られているのみです。

 蛇足ですが、キリン・サントリー統合白紙の報道前のため、その話の進捗状況についての質疑応答もなされてますね。

2010年2月 8日 (月)

図表の無断掲載に関する著作権判決(東京地裁)

 なぜか著作権関係が続いてしまうのですが、今回も裁判所サイトに掲載された東京地裁判決のご紹介です。
 ところで、時々、このブログに紹介しているような事件、判決について、私が直接関与したものと思って、連絡をいただくことがあります。先週末にも某大手新聞社の記者が誤解して電話取材してきました。よく読んでいただければ分かると思うのですが・・・・

 さて、今回の判決の事案は、ネット販売についての書籍等の刊行を業とする原告が、その原告が出版する月刊誌「月刊ネット販売」に掲載した図表(複数)を、被告の出版社がその書籍に無断で掲載して販売したとして、それが原告の編集著作物に対する複製権、貸与権、出版権を侵害したものと主張して、損害金500万円及び遅延損害金の支払を求めたというものです。
 結論は、原告の請求棄却です。

 平成22年1月27日 東京地裁判決 損害賠償請求事件

 本件での主な争点は、
(1) 本件図表が編集著作物といえるか。
(2) 図表を掲載した被告行為が著作権法32条1項の「引用」に当たるか。

です。

 本件各図表がどんなものかについては、この事案を理解するうえで重要であり、興味のある方は判決文をみていただきたいですが、要するにネット通販等に関する各種データの表です。

 判決は、上記争点(1)について、各図表について個々に検討したうえで、以下のように判断しています。

原告は,原告各図表が,原告が長年の実績と経験を基に相当の労力を費やして初めて取得することができるデータを,原告が独自の創意工夫を凝らして編集して作成したものであるから,編集著作物に該当すると主張する。
 しかしながら,原告は,原告が編集著作物と主張する原告各図表に凝らしたとする「素材の選択又は配列」についての「独自の創意工夫」の具体的な内容について,主張立証するものでなく,前記(1)ないし(9)において認定したとおり,原告各図表と同様の素材を選択し,原告各図表と同様の配列をした図表は,従前から数多く存在していることが認められる。そうすると,当該データの収集に相当の労力を要したり困難性が認められるか否かはさておくとしても,
原告各図表自体は,いずれもありふれた一般的な素材を選択し,一般的な配列をしたものにすぎないといわざるを得ず,これらが編集著作物であると認めることはできない
 したがって,原告の前記主張は,採用することができない。
 なお,原告は,原告各図表で使用したデータが,収集に相当な労力を伴うものであり,たやすく収集できるものではない旨るる主張するところ,仮に,編集著作物における素材それ自体に価値が認められたり,素材の収集に労力を要するものであったとしても,素材それ自体が著作物として保護されるような場合を除き,それらの素材や労力が著作権法により保護されるものではない。したがって,
仮に,原告がデータの収集に相当の労力を費やし,その保有するデータに一定の価値を認め得るものであるとしても,当該データ自体に著作物性が認められるものでない以上,それらの労力やデータが,原告各図表の編集著作物としての著作物性を根拠付けるものとはなり得ず,原告の前記主張は,失当である。

 ここで、原告の各図表について、著作物性を否定しましたので、判決としては、これ以上判断せずに、原告の請求を棄却してもいいのですが、この判決は、「念のため」として仮に各図表が編集著作物と認められたと仮定した場合の上記争点(2)の「引用」の問題についても判断しています。
 ここでは、「引用」判断の基準となっているパロディ写真に関する昭和55年最高裁判決を踏まえて、「明瞭区別性」と「主従関係」の要件を検討し、その両方ともが認められるとして、仮に、本件各図表が編集著作物であるとしても、被告が被告書籍において各図表を利用した行為は、著作権法32条1項の引用に該当し、適法なものと認めることができる、としています。

2010年2月 4日 (木)

松沢神奈川県知事の著書に対する著作権侵害訴訟の東京地裁判決について

 また著作権関連で恐縮です。

 新聞などでも報道された松沢成文神奈川県知事の著書が、著作権を侵害しているとして、ノンフィクション作家山口由美氏が、松沢知事と講談社を相手に、出版の差止と損害賠償を求めた訴訟の東京地裁判決が裁判所サイトに掲載されました。報道によれば知事はすぐに控訴したようですね。
 松沢知事の著書は「破天荒力 箱根に命を吹き込んだ『奇妙人』たち」で、原告山口氏の著書は「箱根富士屋ホテル物語」。

 平成22年1月29日東京地裁判決 著作権侵害差止等請求反訴事件

 さて、この東京地裁判決は、結論として著作権侵害を認め、慰謝料など12万円の支払と、侵害部分を削除するまで販売しないよう差止を命じたもので、報道などでは、松沢知事が敗訴したというような見出しになっていますね。

 この判決はかなり長いもので、全部を紹介できませんが、ちょっと判決の認めた部分(主文)と原告の請求を比較してみましょう。なお、本件は反訴事件であり、正確には反訴原告というような表現になりますが、省略して、通常通り原告、被告と表記しています。

【判決主文】※一部表現を変えています。

  1.  被告らは,当該文章(218頁11行~12行)を削除しない限り,同書籍を印刷,発行又は頒布してはならない。
  2.  被告らは,原告に対し,連帯して12万円及びこれに対する平成19年6月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  3.  反訴原告のその余の請求を棄却する。
  4.  訴訟費用は,これを50分し,その1を反訴被告らの負担とし,その余を反訴原告の負担とする。
  5. 略(金銭支払部分の仮執行宣言)

【原告の請求】

  1.  被告らは,被告ら書籍を印刷,発行又は頒布してはならない。
  2.  被告らは,原告に対し,連帯して695万8075円及びこれに対する平成19年6月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 これを見ると、原告山口氏が裁判で求めたのは、松沢知事の著書全体の発行等の差止と損害賠償695万円だったわけですが、判決が認めたのは、発行等の差止については、文章2行の削除を要求する内容になっており(削除せねば全体が発行できないことには違いありませんが)、また、損害賠償金額も12万円だけが認められたことになります。訴訟費用負担も98%が原告負担、2%が被告負担になっていますね。
 つまり、原告山口氏は、松沢知事の著書の多くの部分について著作権侵害を主張したのですが、裁判所が認めたのは、わずか2行部分だけだったということです。この部分に関して、「著作権(複製権)及び著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)」を侵害したと認定判断したわけです。

 損害額の算定については、まず、書籍販売額を1188万8000円と認定し、その約0.4パーセントに当たる5万円を著作権(複製権)侵害の損害額と認めました。
 そして、著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)侵害による慰謝料としては、侵害態様、被告書籍の発行・販売部数、原告と被告らとの間における交渉経過、本件審理の経過、その他本件に現れた一切の事情を総合考慮して、5万円が相当としました。
 この合計額10万円に弁護士費用相当額2割を加算して、12万円の損害賠償を認めたものです。

 したがって、原告山口氏の請求のほとんどは認められなかったということになります。認容されなかった多くの部分の判断理由についても検討してみれば面白いと思います。

 なお、削除すべきとされた2行の部分は、正確には判決記載の「別紙対比表」を見る必要があるのですが、裁判所サイトでは公表されていません。判決文から見て、主要な部分は、原告著作「正造が結婚したのは、最初から孝子というより富士屋ホテルだったのかもしれない。」、被告著作「彼は、富士屋ホテルと結婚したようなものだったかもしれない。」のようです。もっとも、判決は、この2つの文章だけを単純に比較しているのではなく、前後の記述を踏まえて、その創作性や複製の該当性を判断しています。

2010年2月 2日 (火)

国民生活センター理事長募集(消費者庁)

 消費者庁が、独立行政法人国民生活センターの理事長の募集をしています。なぜか、現時点では、「国民センター」との表記になってますが、中の職務内容書を読めば、国民生活センターのことで間違いなさそうです。

 → 消費者庁サイト

 勤務条件は、

・勤務形態:常勤
・勤務地:相模原事務所及び東京事務所
・勤務時間等:役員であることから勤務時間、休暇の定めなし
・給与:年収(約1,800万円(平成20年度実績。職責手当、特別手当
       及び業績給含む)及び通勤手当) ※在職期間により変動する
・福利厚生:健康保険、厚生年金、健康診断(1回)
・危機管理:地震等災害時には24時間体制で勤務、緊急召集の場合あり

ということのようです。締切は3月1日。

  応募しようかな。。。

【追記】(4/20)
 結局、応募者33名があったものの全員選考されず、京都弁護士会の野々山宏氏弁護士が選考されたようです。
 → 「国民生活センター理事長に野々山宏弁護士」(4/20)

2010年2月 1日 (月)

「恵方巻」控訴審判決と巻寿司丸かぶりの風習の由来(大阪高裁)

 節分が近づいてきて、「まるかぶり寿司」「恵方巻き」などの宣伝があちこちで見かけられるようになってきました。この巻き寿司のまるかぶりの風習に関して、大阪地裁の判決文の中から紹介したことがありました。この地裁判決は、原告請求の差止めや損害賠償(認容額は51万4825円と遅延損害金)を認めました。

 → 「丸かぶり巻きずしの商標権についての判決(「招福巻」)」
                             (08/10/9)

 先般、マスコミでも報道もされましたが、この裁判の控訴審判決が先日出ました。大阪高等裁判所が、一審判決を覆して、商標権者の請求を棄却したのですが、節分を前にタイミングを合わせたような判決言い渡しになりましたね。この控訴審判決が裁判所サイトに掲載されました。

 平成22年1月22日大阪高裁判決 商標権侵害差止等請求控訴事件

 この事件は、「招福巻」の登録商標を有する被控訴人(原告)が、スーパー「ジャスコ」を全国展開する控訴人(被告)イオンに対して、ジャスコ各店舗で節分用に販売した巻き寿司の包装に「十二単の招福巻」という商品名を付けるなどしたイオンの行為が被控訴人の商標権を侵害するとして、差止め等を求めるとともに、民法709条に基づき損害賠償(2300万円及び遅延損害金)を請求した事案です。

 一審判決では、登録商標「招福巻」とイオンの「十二単の招福巻」とは「類似」するとして商標権の侵害を認めたのですが、この点については、今回の控訴審判決でも、この「類似」は認定されています。

 しかし、控訴審判決は、この「招福巻」という商品名は、「巻き寿司の一態様を示す商品名として、遅くとも平成17年には普通名称となっていたというべきである。」とし、イオンによる「招福巻」の部分の使用は、商品名を普通に用いられる方法で使用するものと認められるから、商標法26条1項2号の普通名称を普通に用いられる方法で表示する商標に該当し、被控訴人(原告)の商標権の効力が及ばない、として、イオンに軍配をあげたものです。

 ところで、一審判決についての上記当ブログ記事では、巻き寿司の丸かぶりの風習についての判断を紹介しました。なので、今回の控訴審判決での同じ点の判断についても紹介しておきます(一部、原文の体裁などを変えています。)。一審判決とあわせてご覧下さい。控訴審判決のほうが少し詳しくなっていますね。

   ※【追記】(10/10/29)
    最高裁が上告不受理決定を行ったようです。
   → 「節分の丸かぶり巻寿司商標権侵害事件の確定(最高裁)」

〔控訴審判決:第3 当裁判所の判断、2 争点(2)(本件商標権の効力は控訴人標章に及ばないか)について〕

(前略)

 豆まきのほか,節分の日に巻き寿司を食するようになった起源は定かではないが,甲16(昭和7年に大阪鮓商組合後援会が得意先向けに作成した「巻寿司と福の神」と題するビラ)に花柳界で行われていた風習が一般に広まった旨の記載があるほか,乙5の書物中の大阪府すし商環境衛生同業組合平成2年発行のビラに「江戸時代の末期若しくは明治の始め頃から大阪の中心地,船場が発祥地とされております。商売繁盛,無病息災,家内円満を願ったのが事の始りです。」と記載がある。その後,大阪を中心に「節分の日にその年の恵方に向いて無言で壱本の巻寿司を丸かぶりすれば其年は幸運に恵まれる」と言い伝えられ,遅くとも昭和7年ころには大阪の一部地域において,節分に恵方を向いて巻き寿司を丸かぶりする風習が行われるようになった。

 昭和7年には,大阪鮓商組合後援会が節分に恵方を向いて巻き寿司を丸かぶりすれば幸運に恵まれるとするビラ(甲16)を発行し,その中で,その由来を紹介するとともに,これに用いる「幸運巻寿司」なる巻き寿司の販売を宣伝している。大阪鮓商組合後援会は昭和15年ころにも,これと同様の宣伝ビラを発行していた。その後,時を経て昭和52年ころ,大阪海苔問屋協同組合が「幸運巻ずし」と銘打って節分に巻き寿司を丸かぶりすることを勧める宣伝活動を始め,また,関西厚焼工業組合も同じころから広範囲で同様の宣伝活動を行うようになり,昭和62年ころには,関西地方のみならず,岐阜,浜松,金沢,新潟等の各都市や九州地方にまで上記同様の宣伝ビラを送付していた。その後,スーパーマーケットなどでも宣伝を行うようになり,節分に恵方を向いて巻き寿司を食する風習が関西地方を中心に次第に広い地域に広がっていった(乙5)。
 なお,乙3の6のインターネットサイトには,「節分に巻き寿司を食べる風習は,福を巻き込むという意味と,縁を切らないという意味が込められ,恵方(えほう)に向かって巻き寿司を丸かぶりするようになった。節分に巻き寿司を食べる風習は,主に関西地方で行われていたものだが,大阪海苔問屋協同組合が道頓堀で行った「巻き寿司のまるかぶり」の行事をマスコミが取り上げ,それを見た全国の食品メーカーが便乗し全国へ広まっていった。(語源由来辞典より)」との記載がある。

 乙6(株式会社汐文社2006年2月第1刷発行の「日本の伝統文化・芸能事典」)には「節分【せつぶん】悪疫退散や招福の行事」として「太巻きを丸かじり節分の日に〈福を巻きこむ〉太巻き寿司を,恵方をむいて無言で丸かじりすると,一年間健康で(いら)れるといわれています。」と記載され,乙8(株式会社主婦の友社編著平成13年3月1日第1刷発行の「冠婚葬祭実用大事典」)にも,節分に係る風習の一つとして,「●恵方に向いて太巻きずしをかじる福を呼ぶというもの。」と紹介されている。

(中略)

 以上によれば,節分に恵方を向いて巻き寿司を丸かぶりする風習は遅くとも昭和7年の段階で少なくとも大阪の一部地域で行われていたものであり,大阪の巻き寿司関連業界の宣伝活動によって次第に広がり,昭和の終わりころには,大阪以外の関西地方,さらには関西地方以外の地域にも広がり近年は,乙8のような全国の一般家庭向けの冠婚葬祭事典にも紹介される等,さらに広範囲に広がりつつあるということができる。

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