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2009年10月30日 (金)

公取委の2つの審決(課徴金納付命令・景表法4条2項)

 独占禁止法関係では、先日、「平成20年度公正取引委員会年次報告」が出て、「排除型私的独占に係る独占禁止法上の指針」も公表されましたですね。両方とも重要ですが、こちらの都合で(苦笑)ひとまずスルーです。公取委サイトの公表資料をごらんください。

 今日は、公正取引委員会が2件の審決を出しています。ひとつが、ポリプロピレン製造販売業者に対する課徴金納付命令についての審決で、もうひとつが、景品表示法の不当表示事件についての審判審決です。

 課徴金納付に関する審決のほうは、既に本案審決で違反行為の存在が認定されている場合に、課徴金納付命令についての審判手続で、違反行為の不存在を主張できるか、という点が争点となっています。今回の審決では、既に違反行為の存否を争う機会が与えられているもので、課徴金に係る審判において、被審人が重ねて本件違反行為の不存在を主張することは許されないものとされました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 また、景品表示法の不当表示事件に関する審判審決の事案は、被審人(2社)の商品(たばこ用粉末剤)の表示(たばこに付ければ、煙のニコチンがビタミンに変化することによりニコチンを減少させる旨等の表示)について、公正取引委員会が、被審人らに対し、本件表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたが、提出された資料が合理的な根拠を示すものであるとは認められなかったことから、本件表示が不当表示(優良誤認)とされたこと(景表法4条2項参照)に対し、被審人らが取消を求めて審判請求をしたものです。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 本件で争点となったのは、

  1.  本件について,景品表示法第4条第2項を適用することができるか,適用の効果はどのようなものか

  2.  本件資料は,本件表示に係る景品表示法第4条第2項にいう表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められず,本件表示は同条第1項第1号にいう不当な表示とみなされるか

  3. 原処分について公正取引委員会の裁量権の逸脱・濫用がないか

の3点です。以下、争点1についての審決の判断のみ紹介しておきます。

〔争点1〕
 景品表示法第4条第2項の規定は,表示に沿った効果・性能がないかもしれないことによる不利益は一般消費者に負担させるべきではなく,事業者が効果・性能の優良性を示す表示を行う場合には,当該表示をする事業者において当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料をあらかじめ有した上で行うべきであって,かかる資料を有しないまま当該表示をした商品・役務を販売・提供してはならないとの考え方に基づくものというべきである。この点,被審人らは,景品表示法第4条第2項が,合理的な根拠のない場合に,不当な表示として排除命令をすることとしたのは,当該表示を行う者が提出した資料から表示内容が真実でないことが明らかな場合について簡易・迅速な対応をするためであり,表示の根拠となる資料が提出された場合については,迅速に排除命令をする必要がある場合を除き,同項を適用すべきではなく,同条第1項第1号にいう「実際のものよりも著しく優良であると示す表示」に該当するかどうかの判断をした上で,排除命令をするべきであると主張する
 しかし,景品表示法第4条第2項は,条文上,その適用範囲について被審人らの主張のような限定をしていないし,上記に述べた考え方にかんがみると,同項を適用できる事案は,被審人らの指摘するような場合に限定されるものではなく,その効果・性能の優良性を示して商品・役務を販売・提供する場合一般について同項を適用することができるものというべきである。

 景品表示法第4条第2項に基づく資料提出要求に対して提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料といえるためには,①客観的に実証された内容のものであること,②表示された効果・性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応しているという要件を満たすことが必要であり,提出された資料が①客観的に実証された内容のものであるというには,ⅰ試験・調査によって得られた結果,ⅱ専門家,専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献であることが必要である(「不当景品類及び不当表示防止法第4条第2項の運用指針」〔以下「運用指針」という。〕第3の2及び3参照。)。上記ⅰにいう試験・調査については,表示された商品・役務の効果・性能に関連する学術界,あるいは産業界において一般的に認められた方法,あるいは関連分野の専門家の多数が認める方法によって実施されたものであるか,そのような方法がない場合には,社会通念上及び経験則上妥当と認められる方法によることが必要であり,また,上記ⅱにいう見解又は学術文献は,専門家等が専門的知見に基づいて当該商品・役務について評価したものであり,当該専門分野において一般的に認められているものであることが必要である。

 景品表示法第4条第2項は,公正取引委員会は,事業者が商品の販売等をするに当たり,当該商品等の効果・性能の優良性を表示する場合には,当該表示を行った事業者に対し期間を定めて事業者があらかじめ有しているべき当該資料の提出を求めることができ,事業者が当該資料を提出しないときは,当該表示は同条第1項第1号の不当な表示とみなして,同法第6条第1項の規定による排除命令をすることができることとしている。そして,公正取引委員会の求めにより事業者が提出した資料が上記合理的な根拠を示す資料に該当しない場合も,「当該資料を提出しないとき」に含まれる。本件に即していえば,被審人らが公正取引委員会の求めにより提出した本件資料が上記合理的な根拠を示す資料に当たらない場合には,それにより本件表示が景品表示法第4条第1項第1号の不当な表示に当たるとする効果が確定するのであり,その後の審判手続において新たな資料を提出することによりこの効果を覆すことはできないものと解すべきである。したがって,被審人らは,審判手続において,新たに「合理的な根拠を示す資料」を提出することはできない。

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