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2009年9月の記事

2009年9月30日 (水)

携帯電話技術に関するクアルコムへの排除措置命令(独禁法)

 今朝、独占禁止法関連記事を書いたところですが、久しぶりに公正取引委員会の排除措置命令が出たようです。携帯電話(3G通信規格)に関する知的財産権がらみの拘束条件付取引です。知的財産権の無償許諾条項、非係争条項などを内容とするライセンス契約が問題となった事案です。

 本日、公正取引委員会は、アメリカのクアルコム・インコーポレイテッド(以下、クアルコム)に対し、独占禁止法19条(不公正な取引方法13項〔拘束条件付取引〕)に違反するとして、排除措置命令を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

(違反行為の概要)
 クアルコムは、国内端末等製造販売業者に対し、CDMA携帯無線通信に係る知的財産権の実施権等を一括して許諾するに当たり、あらかじめ適切な条件の下に非排他的かつ無差別に実施権等を許諾する旨を明らかにしているにもかかわらず、次の1から3までの全部又は一部を内容とする規定を含む契約の締結を余儀なくさせている。

  1.  CDMA携帯電話端末等の製造、販売等のために、国内端末等製造販売業者等の知的財産権について、クアルコムに対して、その実施権等を無償で許諾する。
  2.  CDMA携帯電話端末等の製造、販売、使用等について、当該知的財産権に基づいて、クアルコム等に対し、権利主張を行わないことを約する。
  3.  CDMA携帯電話端末等の製造、販売等について、当該知的財産権に基づいて、クアルコムのライセンシーに対し、権利主張を行わないことを約する。

 この契約により、国内端末等製造販売業者等は、知的財産権に基づいて差止訴訟の提起、ライセンス料の請求等の権利主張を行うことを制限され、このことから、国内端末等製造販売業者等の研究開発意欲が損なわれ、また、クアルコムの当該技術における市場における有力な地位が強化されることとなり、当該技術に係る市場における公正な競争が阻害されるおそれがある。

(排除措置命令の概要)

  1.  クアルコムは、国内端末等製造販売業者との間で締結した本件ライセンス契約における上記内容の規定を廃棄しなければならない。
  2.  クアルコムは、次の事項を、業務執行の決定機関において決議しなければならない。
     ア 本件ライセンス契約における上記内容の規定を破棄する旨
     イ 今後、特定携帯無線通信に係る知的財産権について、同様の行
      為を行わず、また、子会社をして行わせない旨
  3.  クアルコムは上記1,2に基づいて採った措置を、本件ライセンス契約を締結した国内端末等製造販売業者に通知しなければならない。
  4.  クアルコムは、今後、特定携帯無線通信に係る知的財産権について、同様の行為を行ってはならず、また、子会社をして行わせてはならない。

コンビニの損害賠償訴訟提起と「110番」

 twitterを始めるとブログ更新回数が減る、という意見が、twitter上で多く見られるのですが、何となく、そういう結果になっている今日このごろです(苦笑)。今週末には集中証人尋問があるなど、他の要因もあるのですが。。twitterの中では、政権交代以来、マスコミの記者クラブ問題について活発に意見が交わされ、現役の新聞記者、ジャーナリストや国会議員も交えて、かなり興味深い状況が続いています。このあたりは、記者クラブ制度がなくなると困る新聞、テレビにはほとんど報じられてはいませんけれど。また、私の関心分野からいえば、記者クラブ制度と独占禁止法という点があり、また、そのうち整理したいな、と思ってます(公約はしません。)

 さて、その独占禁止法の分野では、昨日、セブンイレブンの見切り販売禁止により損害を受けたとして、コンビニ加盟店主がセブンイレブンに対して損害賠償請求訴訟を提起したことが報じられています。
 これは、通常の損害賠償請求とはちょっと違って、独占禁止法25条に基づく損害賠償請求で、6月の公正取引委員会による排除措置命令を踏まえて提起されたものです。一般の損害賠償請求訴訟と大きく異なる点は、「無過失」損害賠償責任であること(独禁法25条2項)と、第一審の管轄が「東京高等裁判所」になること(独禁法85条2項)です。独禁法25条は次の通り。

 第25条(無過失損害賠償責任)
  1 第3条、第6条又は第19条の規定に違反する行為をした事業者(第6条
   の規定に違反する行為をした事業者にあつては、当該国際的協定又は国際的
   契約において、不当な取引制限をし、又は不公正な取引方法を自ら用いた事
   業者に限る。)及び第8条第1項の規定に違反する行為をした事業者団体は
   、被害者に対し、損害賠償の責めに任ずる。
  2 事業者及び事業者団体は、故意又は過失がなかつたことを証明して、前項
   に規定する責任を免れることができない。

 この訴訟の動きとは直接の関係はないのですが、弁護士会でも来月、全国各地で、「コンビニフランチャイズ問題110番」を開催します。開催地区、日時、電話番号など内容は下記リンクをごらんいただきたいですが、私のところの大阪では10月7日(水)に実施予定です。

 → 日本弁護士連合会
    
「各地で『コンビニフランチャイズ問題110番』を実施します」

 ところで、アルファブロガーでもある山口利昭弁護士が、そのブログ「ビジネス法務の部屋」を書籍化、出版されました。おめでとうございます。
 大阪弁護士協同組合の出版なので、AMAZONでは駄目でしょうね(笑)
 → ビジネス法務の部屋「『ビジネス法務の部屋』が本になりました!!」

2009年9月28日 (月)

携帯電話向けゲームについての著作権侵害訴訟について

 なんだか今朝は、日経平均が一時1万円台割れ、ドルも一時88円台などというニュースが入っていて、相変わらず先行きの見通しがつかないですね。

 さて、既に報道されていますように、携帯電話向けゲームに関して、交流サイト運営会社のグリーが、同じく交流サイト運営会社であるディー・エヌ・エー(DeNA)に対して、著作権侵害行為を行っているなどとして東京地裁に提訴したようです。DeNAの釣りゲームが、グリーのゲームに似ていて、著作権法及び不正競争防止法に違反するという内容のようです。

 大変興味深い裁判ですが、現段階では訴状の内容もわからず、グリーのサイトのニュースリリースにも載っていないので、新聞などの限られた報道だけしかないですね。おまけに、私自身、このような携帯サイトのゲームはほとんどやったこともなく、両社の釣りゲームがどのように似ているのかを比較することもできませんので、ご参考のため、以下のブログ記事をご紹介ということにします。2番目のブログ記事では、それぞれのゲームの比較をされていますが、やはり実物でないとわかりにくいですね。

 → 企業法務戦士の雑感「モバゲーをめぐる戦い」

 → らられぽーと
   
「「釣り★スタ」と「釣りゲータウン2」と「釣りとも」を比較する」
 

 次のブログではtwitterを釣りゲームに例えておられますので、ついでにといっては怒られますが、ご紹介しておきます。
 → 企業法務マンサバイバル
  
「twitterって“言葉の釣りゲー”だと思ってたらいいんでしょうか」

 

2009年9月25日 (金)

「セカイカメラ」って

 今日は朝から広島へ出張で、行きの新幹線車中でこれを書いてます。N700系のぞみで電源は確保できますが、新大阪以西はネットは繋がりませんのでアップは夜。

 さて、iPhoneのアプリ「セカイカメラ」が昨日(9/24)、無料で公開され、ネット上で話題になっています。ドラえもんの道具みたいな名前で、最初は「何のことかいな」と思っていたのですが、どうやら、iPhoneの内蔵カメラで周囲の風景を見ると、そこに映っているビルなどの施設について、ネット上の情報(文字、画像、音など)を同時に重ねて見ることができる、というもの。私はiPhone持ってないので、実物は見てませんが、周囲のいろんな情報を一目で把握でき、今後いろんな利用法も考えられます。

 GPSや無線LANの位置情報とカメラ画像、ネット上の情報を組み合わせているのですね。この重ね合わされるネット上の情報というのは、運営会社が入力したランドマーク名など以外に、それぞれのユーザーが入力したいろいろな情報も見ることができるので、一種の口コミ情報的なものも共有できることになります。

 また、このサービスを商業用に試験的に利用するケースとして、スペインのレザーブランド「ロエベ」(東京・表参道)が、いくつかのメディアで紹介されています。これは、10月12日まで開催中の催しの中で、iPhoneを客に貸し出し、そのカメラ画像を見ると、実際の店内の様子に重ねて、商品などのいろいろな情報を見ることができることができる、というもののようです。
 → ASCII.jp「セカイカメラ体験で分かった「良さと課題」」

 もっとも、実際に使ったわけではなく、よくわからない部分があるのですが、以下の公式サイトのほか、利用し始めた人のブログなどでの体験談も出始めてますので、興味のある方は検索してみてください。
 → Sekai Camera Support Center トップページ
   ※ このサイトの「SERVICE」や「HOW TO」のページに内容や使い方
    の説明があります。

 なお、現時点ではiPhoneしかサポートされていませんが、他のスマートフォンなどでも利用できるアプリが提供されていく方向のようです。

 このように大変便利で面白そうなサービスなのですが、Googleのストリートビューと同様に、問題点も多く見つかりそうなサービスでもありますね。この点については、twitterなどネット上でも心配する声が結構出てきており、平井利明弁護士(大阪)は、既に「セカイカメラ」の問題点をブログ上でまとめておられますので、ご覧下さい。
 → ブログ・平井利明のメモ「「セカイカメラ」によって生じる不都合(?)」

 ストリートビューでも、批判する声があがり、規制の必要性も主張されましたが、それに対して、肯定派からは、新しい技術の発展を阻害することになるのでは、という反論もなされました。これは、IT技術については、常につきまとう問題であり、今回の「セカイカメラ」も同様でしょうね。
 せっかく新しい芽が出たのだから、細かい問題を気にして枯らしてしまうよりも、少々のことには眼をつぶり、社会の発展のためにも、しばらくの間は広い気持ちで育ててやろう、ただし、あんまり勝手なことして迷惑かけるようだと、遠慮なく引っこ抜いたり、ちょんぎったりするぞ、というような所なのかもしれません。あれ、これ、政権交代の話みたい。。。

【追記】(9/26)
 某大学の某教授(経済法)のブログで(たぶん実名にしてもいいのではないか、と思うのですが、ブログ自体は匿名ブログですので遠慮しておきます。)、当記事を紹介いただきました(ありがとうございます。)。
 そこで、先生自身がさっそく「セカイカメラ」を使われた状況を報告されてます。
 → 独占禁止法の部屋「セカイカメラ(Sekai Camera)」

 そして、「よほど注意しないと、個人情報出しまくりになりかねませんね。GPS情報だけは隠しようがないので、自宅からポストするのはとくに注意が必要でしょう。」と警告されています。

 (9/30追加)→ 同ブログ 「大阪駅環状線西端」

2009年9月22日 (火)

新聞社「押し紙」問題に関する佐々木俊尚氏の記事に関連して

 ジャーナリストの佐々木俊尚氏が、「日刊サイゾー」に「広告収入減の各社にダメ押し! あらわになる"押し紙"タブー(前編)」を書かれていて、新聞社の「押し紙」問題を取り上げられています。興味のある方は是非ご覧下さい。後編も楽しみです。(【追記】後編も出ました。→こちら

 以下は、この問題に関連して、ちょっと過去記事の整理を兼ねてというものです。

 新聞社とフリージャーナリスト黒藪哲哉氏との間の「催告書」著作権事件については、先日(9/16)の当ブログ記事「新聞社「催告書」著作権事件控訴審判決(知財高裁)」で取り上げましたが、この事件のもととなった新聞社と新聞販売店の間の裁判が、新聞販売店側の勝訴(最高裁でも上告認められず)で終わったことなどは以前の当ブログ記事で書きました。
 → 「新聞販売店が新聞社を訴えた裁判の控訴審判決(その1)」(07/6/28)
 → 「新聞販売店が新聞社を訴えた事件についてのその後」(08/8/10)

 この裁判の控訴審判決(平成19年6月19日福岡高裁判決・地位確認等請求控訴事件)で、新聞販売の実態について、高裁の認定事実中に以下のような部分があります(証拠引用部分等略)。 → 判決文(PDF)

イ 新聞業界を巡る情勢
 (ア) テレビ,ラジオはもとより,パソコンや携帯電話等のニュースメディアの
  普及,若者の活字離れ,不景気などを原因として,新聞の読者離れが進んで
  いる。このため,T地区でも,Y新聞の48店舗の平均普及率は平成2年1
  1月に31.1パーセントであったものが,平成12年,13年の各6月に
  は30.2パーセントに,平成14年6月に30.0パーセント,平成15
  年6月に29.5パーセントと漸減傾向にある。
 (イ) 一般に,新聞社は,新聞販売店に販売する新聞代金と新聞に掲載する広告
  料を主な収入としているため,その販売部数が収入の増減に直結することか
  ら,販売部数にこだわらざるを得ない。そのようなところから,拡販競争の
  異常さが取り沙汰され,読者の有無とは無関係に新聞販売店に押し付けられ
  る「押し紙」なるものの存在が公然と取り上げられる有り様である。
   販売部数にこだわるのはY会社も例外ではなく,Y会社は極端に減紙を嫌
  う。Y会社は,発行部数の増加を図るために,新聞販売店に対して,増紙が
  実現するよう営業活動に励むことを強く求め,その一環として毎年増紙目標
  を定め,その達成を新聞販売店に求めている。このため,「目標達成は全Y
  店の責務である。」「増やした者にのみ栄冠があり,減紙をした者は理由の
  如何を問わず敗残兵である,増紙こそ正義である。」などと記した文書を配
  布し,定期的に販売会議を開いて,増紙のための努力を求めている。M部長
  らY会社関係者は,Y会社の新聞販売店で構成するYa会において,「Y新
  聞販売店には増紙という言葉はあっても,減紙という言葉はない。」とも述
  べている。」

 そして、判決の別の部分(販売店側の部数虚偽報告に関する認定部分)では、

 しかしながら,新聞販売店が虚偽報告をする背景には,ひたすら増紙を求め,
 減紙を極端に嫌うY会社の方針があり,それはY会社の体質にさえなっている
 といっても過言ではない程である。
  X1が,予備紙の部数を偽っていたとして誓約書を提出した際に提出した平
 成12年10月目標増紙計画表では,定数年間目標を1665部,実配年間目
 標を1659部とし,同年5月時点での定数を1625部,実配数を1586
 部,予備紙を39部と,同年10月時点での実配数を1586部,予備紙を3
 9部として上記定数を維持した記載をしているところ,Y会社は,このような
 報告を受けても,それに合うように定数を減らさせることをせず,上記計画表
 記載のとおりの同Xからの注文を受けていたものであり,同様に,予備紙の虚
 偽報告が発覚したYk2店のAに対しても,ほぼ同様の対応に終始しているの
 である。
  このように,
一方で定数と実配数が異なることを知りながら,あえて定
 数と実配数を一致させることをせず,定数だけをG協会(川村注:日本A
 BC協会でしょうか?)に報告して広告料計算の基礎としているという態
 度が見られるのであり,これは,自らの利益のためには定数と実配数の
 齟齬をある程度容認するかのような姿勢であると評されても仕方のない
 ところである。
そうであれば,X1の虚偽報告を一方的に厳しく非難するこ
 とは,上記のような自らの利益優先の態度と比較して身勝手のそしりを免れな
 いものというべきである。

と、このように「押し紙」の存在そのものまで明確に認定したわけではありませんが、販売店が減誌を申し出ることが困難な状況であり、虚偽に多い部数を新聞社に報告することに関連して、新聞社は数字が異なることを認識していて販売部数を公表している実態が認定されています。

2009年9月21日 (月)

大連休中ですね。

 大連休中ですので、のんびりと。。。

 私が昨晩ミスリード情報を町村先生に提供してしまったため、それをブログで紹介されてしまいました(苦笑)。大変失礼いたしました。

 それ関連で、今日(9/21)は、SF小説の祖H・G・ウェルズの誕生日らしく、例のGoogleのトップページのロゴが、宇宙大戦争風(それにしてはのどかな雰囲気ですが)になってます。あっ、これも明日以降は消えますよ。

 お詫びの印に、町村先生が準備されている今年度の情報ネットワーク法学会の総会・研究大会の宣伝。ただし、まだ参加申込は始まってません。
 → 情報ネットワーク法学会サイト 

 日 時:平成21年12月5日(土)午前9時30分~午後5時30分
                       午後6時より懇親会予定

 会 場:大阪大学豊中キャンパス(豊中市待兼山町1-6)文系総合研究棟

2009年9月18日 (金)

アイフルのADRによる事業再生手続

 「どうする。アイフル~。」というタイトルしか思い浮かばないけれども、他で既に使っておられますので・・・

 今日の日経朝刊にも報じられていましたが、消費者金融の大手、アイフルが、事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)による私的整理の手続に着手したということです。報道によれば、住友信託銀行やあおぞら銀行など主力取引行に債務の返済猶予を要請する、ということですが、詳細はわかりません。民事再生手続きや会社更生手続のような法律上の手続規定のある再生手続とは異なり、こういったADRによる手続は今後の成り行きの見通しがつきにくいですね。実際の例もまだ少ないことですし。

 今回、アイフルが利用しようとしている事業再生実務家協会のADRについては、下記参照。
 → 同協会のADR紹介ページ

 アイフルの自社サイトのニュースリリースの内容によれば、

当社及び関係会社は、今後の事業再生と事業継続に向けて強固な収益体質の確立および財務体質の抜本的な改善を図るため、今般、「産業活力再生特別措置法所定の特定認証紛争解決手続」(以下「事業再生ADR手続」といいます。)による事業再生をめざし、事業再生実務家協会への事前相談を開始し、現在、同協会により事業再生ADR手続についての仮受理をいただいております。」 ( 中 略 )
・・・事業再生ADR手続は正式申込前であり、手続実施者選任予定者のご助言をいただきながら当社グループとして事業再生計画案を策定する段階ではありますが、現時点における事業再生計画案で金融機関各位に要請させていただく金融支援の内容は、事業再生ADR手続の正式申込をした後、一定期間、金融債権者様に対し、借入金債務の元本の残高維持をお願いし、その後については、同債権者様に対する借入金債務の弁済スケジュールの変更をお願いする予定といたしております(借入金債務の免除や、株式化(デット・エクイティ・スワップ)を要請することは、現時点では想定しておりません)。
 当社グループが抱える問題を解決するために事業再生ADR手続を選択した理由といたしましては、当社グループをご利用のお客様へのサービス提供の継続を確保することができるという点があげられます。
 当社の事業再生計画案は、金融機関各位へ金融支援をお願いするものであり、当社グループをご利用の資金需要者の皆様やクレジットカードをご利用のお客様・加盟店様等とのお取引条件に影響を与えるものではございません。・・・

ということになっています。
 → アイフル「事業再生ADR手続利用の準備について」(PDF)

 顧客には迷惑をおかけしませんよ、という内容ではありますが、過払い金の支払に与える影響については、特に触れられてはいませんね。

【追記】(9/19)
 今朝の日経では、PHS大手のウィルコムも、同じく事業再生実務家協会によるADR手続に入る方針ということのようですね。今後、注目の手続ですが、倒産、再生手続が続々と出て注目というのも、困ったもんですが。

【追記の追記】(9/19)
 なお、ウィルコム自身は、サイト上で、
「本日、一部で、弊社の債務返済に関する報道がありましたが、弊社から発表したものではありません。
 さまざまな可能性を検討していますが、現在決まったものはありません。」 としています。
 → ウィルコム 発表記事

2009年9月16日 (水)

新聞社「催告書」著作権事件控訴審判決(知財高裁)

 以前に東京地裁の一審判決を紹介した裁判で、今日、知的財産高裁の控訴審判決が出ましたので、ご紹介します。裁判所サイトの知的財産裁判例速報のところに掲載されています(日にちが経つと消えますが)。
 読売新聞社と新聞販売店との間の契約関係の紛争が背景にあるもので、そこから派生した事件といえます。新聞社の販売政策に関する紛争で、しかも、派生事件とはいえ新聞社側敗訴ですから、新聞の記事にはならない可能性の高い判決です。

 平成21年9月16日知的財産高裁判決
   著作権に基づく侵害差止請求控訴事件(控訴棄却)

 なお、最初に、特に一般の方へのご注意ですが、本件の裁判では、催告書のサイト掲載を著作権侵害とする新聞社側(原告は新聞社の法務室長個人です。)の請求を一審、控訴審とも認めていませんが、後述の通り、これは催告書の作成者が誰か、という判断に関わる本件の結論であって、他人からのこういった書面をサイト掲載することが適法である旨のお墨付きをした判決では決してありませんので、早とちりのないようお願いします。

 東京地裁の一審判決の当ブログ記事は下記ですが、背景事情についても書いていますし、本来の読売新聞社と新聞販売店との紛争、裁判についてのリンクもつけてありますので、事件全体に興味のある方は見てください(ただし、その後のフォローはしてません。)。
 → 「『催告書』の著作権に関する判決(東京地裁)」(3/31)
 被告(被控訴人)のフリーライター黒藪氏のブログはこちら(既に高裁判決の記事もありますね。)。このサイトに本件催告書を掲載したのです(当時とURLは移転してます。)。
 → 「新聞販売黒書」

 さて、前置きが長くなりましたが、まず事案の内容を再掲すると、

 読売新聞社と係争中の新聞販売店の代理人弁護士のところへ、読売新聞西部本社法務室長名義のFAX(回答書)が送られてきたので、フリーライターの黒薮哲哉氏が自身のWEBサイトである「新聞販売黒書」のニュース記事にこの回答書を掲載しました。すると、上記法務室長からこれを削除することを要求する催告書が送られ、黒薮氏が拒否して、この催告書もサイトに公開したところ、法務室長は、この催告書の削除を求める仮処分を申し立て、東京地裁は、この削除仮処分を認めました。
 そこで、黒薮氏は、訴訟において争うため、この仮処分に対して「起訴命令」を申し立て、これに対して、法務室長が原告となって、黒薮氏に対して訴訟を提起したというものです。

 で、一審判決は、この催告書の作成者は原告(法務室長)ではなく原告側弁護士である可能性が高いものとし(つまり、原告が著作権者にはなりえないということになります。)、しかも、この催告書に著作物性が認められないことも認定して、原告の請求を棄却しました。

 今日の知的財産高裁控訴審判決は、催告書の作成者について、一審と同様に原告作成ではないと認定して、控訴を棄却しました。なお、一審では、本件催告書の著作物性にまで踏み込んでいましたが、控訴審判決では、この点については全く触れていません。

 別の当ブログ記事でもずいぶん以前に書いたと思いますが、誰が作成者(著作権者)か、というのは、場合によっては、結構むずかしい問題で、私が被告代理人をした訴訟で、原告側が同様の選択ミスをしていた事件がありました。それは、ある書物の著者が原告で、その書物の写真(この書物は写真も重要な部分なのです。)の著作権侵害を主張して訴訟提起したものでしたが、原則として、写真の著作権は撮影者(写真家)にあり、書物の著者にはないという点が問題となりました(結局和解で終了したと思う。)。著者としては、本全体が自分の著作物と考えてしまうのはやむを得ないところですので、こういったことが起こりうるわけですね。

未公開株商法と「消費者庁(?)商法」(国民生活センター)

 消費者担当大臣に福島瑞穂社民党党首と報じられていますが、さて鳩山政権下の消費者行政はどうなるでしょうか。

 昨日、国民生活センターが、悪質商法関係で2つの報道発表をしています。未公開株商法と、消費者庁を騙る商法です。
 → 国民生活センター 報道発表ページ

 前途有望な会社が近々上場するから、などと言って未公開株を売りつける商法は以前からあり、近年、刑事事件などにもなっています。今回の国民生活センターの発表は、いったん減っていた未公開株商法のトラブルが今年度は増加傾向にあるとして警告しているものです。
 センターでは、最近は、
  ・複数の業者が登場する「劇場型」
  ・金融庁や消費生活センターなどをかたり、消費者を安心させる
   「公的機関装い型」
  ・謝礼や高値買い取りを約束する「代理購入型」
  ・過去に未公開株を購入したことのある消費者に、被害回復をう
   たって未公開株を購入させる「被害回復型」
など、複数の者が登場し消費者の投資欲をあおったり、過去の被害を回復したいという消費者の心理に付け入るなど、業者の勧誘手口が巧妙化している、とのことです。
 → 「未公開株のトラブルが再び増加」(PDF)

 一方、消費者庁を騙る商法は、今朝の日経でも取り上げられていましたが、上記同様の未公開株詐欺被害にあった人のところへ、消費者庁から依頼されて調査しているなどと言って電話がかかってきて、被害回復をするという名目で社債を買わせるなど二次被害にあわせたというような相談事例が挙げられています。詐欺商法被害にあった人の名簿を使って救済するかのように近づいて二次被害を発生させるという悪質商法は、「原野商法」や「資格商法」などでも、以前から結構あるのですが、今回は「消費者庁」を騙って安心させるという大胆不敵なトークを使っているところが特徴です。
 → 「騙されないで!消費者庁をかたった悪質商法」(PDF)

2009年9月15日 (火)

亜鉛めっき鋼板カルテル事件の刑事判決(東京地裁)

 今日は東京地裁で、建材用亜鉛めっき鋼板カルテル事件の刑事判決がありましたですね。独占禁止法違反(不当な取引制限=価格カルテル)罪で起訴されていた3社(日新製鋼淀川製鋼所日鉄住金鋼板)と、当時の営業担当幹部6被告についての判決公判です。
 3社については、日新製鋼淀川製鋼所が、それぞれ罰金1億8000万円、日鉄住金鋼板に1億60000万円(求刑は3社とも罰金2億円)の有罪判決が言い渡されています。
 また、個人6被告については、1年~10月の懲役、執行猶予3年となっています(求刑は懲役1年~10月)。

 実は、この事件では、上記3社の他にJFE鋼板がカルテルに関与していました。しかし、同社は、公正取引委員会に自主申告したため、同社と幹部は起訴されていません。この点については、ネット上での現在の報道を見る限り、読売くらいしか触れていませんが、読売によれば、弁護側は、カルテルに深く関与していた同社が刑事責任を追及されなかったことを強調し、刑を軽くする事情として考慮するよう求めたのに対し、判決は「課徴金減免制度を有効に機能させるための措置で、考慮する必要はない」と退けた、ということです。

 独占禁止法違反事件に関する自主申告による責任減免は、法律上は課徴金についてのみであって、刑事責任や民事賠償責任までは対象となっておらず、刑事事件という企業、個人にとって大きな制裁が課せられることを考えると、法律上の制度でもないのに実質的に刑事免責されてしまう運用というのは、かなり不公平な感があります。

 この点についての私の意見は、このめっき鋼板カルテル事件に関して、以前に当ブログで、少し詳しく触れましたので、興味のある方は下記を参照ください。
 → 「亜鉛めっき鋼板カルテルの刑事告発について(独禁法)」(08/11/8)

司法試験発表記事にアクセスが激増?

 昨日twitter上で知ったネタが、ヤフーで「ハゲチャビン」(カタカナです)をキーワード検索してトップで出てくるのが、??!! 親分を茶化す雰囲気は好きですけど(笑)

 先日、新司法試験の結果を記事にしたところ、当ブログにアクセスが急増しました。合格発表の記事は今回に限らないのですが、これまでとは比較できないくらい訪問者が増えました。どうやら、他の同様のブログでもそのような感じです。しかも、それから数日経った今でも結構な数の訪問者がおられます。司法試験関連のキーワード検索で来られる方が多いので判るのですが。
 法務省のサイトで詳細な発表記事が掲載されていますけど、キーワード検索で探し当てにくいため、ブログ記事へ来られるのですが、発表翌日の朝刊各紙には結構詳しく記事が出ているので、今年、こんなに検索して来られるのが不思議に思っています。試験自体の受験者や合格者、関係者の数は代わらないはずですしね。

 単純に考えると、ここ1年でネットを使う人が増加した、あるいは、キーワード検索して調べるという人が増えたのが原因、という仮説が考えられます。おそらく、そういう人の数が増えたことは間違いなく事実だと思いますが、それだけで、そんなに変わるかな?

 もうひとつの仮説としては、新聞を購読する人が急激に減った、というもの。これも、そこまでは・・・・と思うのですが、新聞社の経営も悪化している現在、一概に笑い話ともならない状況ですね。もし本当にそうだとすれば衝撃的な話。

【追記】(9/21)
ネット上で一気に盛り上がったせいか、9月16日には、冒頭のヤフー検索は出なくなったようですね。ボスに遠慮したというよりは、一般的に表現上の問題かもしれません。

2009年9月12日 (土)

アリコ・ジャパンの情報流出事件

 昨晩、某弁護団会議の終了後の食事の際、このブログの左欄にあるリストの本をホントに読んでいるのかと聞かれました。もちろん、ちゃんと読んでます(苦笑)。要するに、忙しい中で良く読めるな、という質問趣旨でしたけれども、通勤の電車内の時間を利用しています。ただ、ここ1ヶ月くらい更新されていません。これは通勤電車内で、携帯でtwitterを見るようになってしまったからです。どう考えても(眼の健康の面からも)、読書に当てるほうが良いですね。

 さて、アリコ・ジャパンの顧客情報流出事件について、昨日、アリコ・ジャパンが、この流出が業務委託先の会社内パソコンからであったと発表しています。

 → アリコ・ジャパン 「弊社のお客様のカード情報流出に関しまして」

 流出したのは1万8184件だったということですが、今回は、単なる情報流出ではなく、相当数の実害が発生している事件です。クレジットカード情報の不正使用の疑いがある事案として、クレジットカード会社からアリコに照会のあったクレジットカード会員数は、これまでの累計で4,292件となっています。

 昨日の記者発表では、アリコ・ジャパンの外部委託会社(会社名は非公表)の社員数人が、2月中旬から3月末にかけ、顧客情報を管理するホストコンピューターに不自然なデータ処理をしていた、ということで、刑事告訴も検討するとのこと。

 流出した情報は、
   ・保険契約の証券番号
   ・クレジットカード 番号・有効期限
   ・社内の業務用の記号情報

で、契約者個人の特定につながる氏名、住所、電話番号、契約内容、健康情報等は含まれていない、としています。

 アリコ・ジャパンの経営にも大きな影響を与えており、今後の被害顧客対応(賠償問題など)や外部委託会社に対する責任追及など、今後も注目される事件となっています。

 実は、私自身、アリコ・ジャパンの保険契約者であり、どうやら個人情報流出の対象者ではなく直接の被害者ではないようなのですが、経営問題は私にも関係してきますので、個人的にも注目せざるを得ない事件となっているのです(大苦笑)。

2009年9月10日 (木)

平成21年度新司法試験・法科大学院別合格者数速報(法務省)

 さて、新司法試験法科大学院別合格者です。いたって見にくいと思いますが、今日は加工する時間もなさそうなのでスミマセン。合格者数のみです。

 詳しくは → 法務省サイト発表ページ(PDF)

愛知学院大法科大学院 4
愛知大法科大学院 20
青山学院大法科大学院 8
大阪学院大法科大学院 2
大阪市立大法科大学院 24
大阪大法科大学院 52
大宮法科大学院大学 12
岡山大法科大学院 13
香川大法科大学院 3
学習院大法科大学院 21
鹿児島大法科大学院 2
神奈川大法科大学院 4
金沢大法科大学院 11
関西大法科大学院 35
関西学院大法科大学院 37
関東学院大法科大学院 7
九州大法科大学院 46
京都産業大法科大学院 1
京都大法科大学院 145
近畿大法科大学院 9
熊本大法科大学院 5
久留米大法科大学院 5
慶應義塾大法科大学院 147
甲南大法科大学院 17
神戸学院大法科大学院 3
神戸大法科大学院 73
國學院大法科大学院 6
駒澤大法科大学院 5
静岡大法科大学院 4
島根大法科大学院 1
首都大東京法科大学院 34
上智大法科大学院 40
信州大法科大学院 4
駿河台大法科大学院 4
成蹊大法科大学院 14
西南学院大法科大学院 10
専修大法科大学院 17
創価大法科大学院 12
大東文化大法科大学院 3
千葉大法科大学院 24
中央大法科大学院 162
中京大法科大学院 6
筑波大法科大学院 3
桐蔭横浜大法科大学院 8
東海大法科大学院 3
東京大法科大学院 216
同志社大法科大学院 45
東北学院大法科大学院 4
東北大法科大学院 30
東洋大法科大学院 5
獨協大法科大学院 5
名古屋大法科大学院 40
南山大法科大学院 18
新潟大法科大学院 14
日本大法科大学院 20
白鴎大法科大学院 4
一橋大法科大学院 83
姫路獨協大法科大学院 2
広島修道大法科大学院 6
広島大法科大学院 21
福岡大法科大学院 7
法政大法科大学院 25
北海学園大法科大学院 7
北海道大法科大学院 63
明治学院大法科大学院 9
明治大法科大学院 96
名城大法科大学院 7
山梨学院大法科大学院 12
横浜国立大法科大学院 20
立教大法科大学院 25
立命館大法科大学院 60
琉球大法科大学院 4
龍谷大法科大学院 5
早稲田大法科大学院 124

2009年9月 9日 (水)

新司法試験合格発表は9/10(法務省)

 明日(9/10)、平成21年新司法試験の合格発表。ということで、例年通り、検索で当ブログに迷い込む人が増えてきてますので、道案内記事。
 ネット上の発表は午後4時30分からですよ。朗報をお祈りいたします。

 法務省サイトによれば、  → PDFファイル

  発表日時   平成21年9月10日(木)
    (1) 掲示 16:00  旧法務省祝田橋庁舎掲示板
                  (東京都千代田区霞が関1-1-1)

    (2) インターネット16:30 法務省ホームページ
                   (http://www.moj.go.jp/)

  発表内容  合格者の受験番号  ※ 本年は氏名の掲示は行いません。

  試験地毎の発表掲示(当該試験地での受験者の合格者受験番号)
   札幌  札幌第三合同庁舎掲示板
   仙台  仙台高等検察庁掲示板
   東京  旧法務省祝田橋庁舎掲示板
   名古屋 名古屋法務合同庁舎玄関前掲示板
   大阪  大阪中之島合同庁舎玄関前掲示板
   広島  広島地方法務合同庁舎掲示板
   福岡  福岡高等検察庁掲示板

 なお、法務省では、検事任官に興味のある試験合格者向けに、「新司法試験合格者のための進路説明会」を開催します。  → 公表ページはこちら
 9月30日に東京、10月5日に大阪で開催とのこと。メールで申し込むようです。

公取委事務総長記者会見記録

 久しぶりに公正取引委員会の事務総長記者会見記録が出ていました。9月2日の分ですが、当ブログの9月5日と6日の記事にも関連するところですので、取り上げてみます。
 → 公取委サイト「平成21年9月2日付 事務総長定例会見記録」

 この日の事務総長からの話は、「平成22年度概算要求について」「景品表示法40年の実績について」で、前者が当ブログ9月5日付記事の関係ですね。後者は、消費者庁に移管された景品表示法について、従前の実績等について語っておられるところで、移管については、「・・・その目的規定も,従前は公正な競争の確保という独占禁止法の特例法という位置付けだったわけでありますが,これが一般消費者による自主的かつ合理的な選択の確保に変更されるわけであります。ただ,この消費者の適正な商品選択ということは,私どもが進めている公正かつ自由な競争の促進という独占禁止法の目的なり,競争基盤を整備するということと,まさに表裏一体の関係にあるわけでありまして,そうした公正な競争が行われるためには,やはり消費者の適正な商品選択ということが不可欠になるわけであります。そういう面で,消費者利益の確保という面においては,独占禁止法も,新たな景品表示法の目的も,まさに共通しているわけでありますし,そういう政策の方向性も軌を一にしているということであります。
 こうしたことから,私どもとしても,今後,消費者庁において景品表示法が従前同様,あるいは,従前以上に積極的に厳正に運用されるということを期待しているところでありまして,公正取引委員会といたしまして,人的な面ということが中心になりますが,協力・支援をしてまいりたいと考えているところであります。
」としています。

 そして、今回の政権交代に関して、記者からの質問があり、この点は、9月6日の当ブログ記事と関係してくるものになります。
 事務総長は、民主党のマニフェストに関して、「民主党のマニフェスト等々においても,この公正取引委員会の機能強化,体制充実ということが書かれておりまして,そういう面では,公正取引委員会が独占禁止法及び下請法の厳正かつ適切な運用に努めていくとともに,当委員会の体制をきちんと充実・強化していくという方向性自身は,民主党を中心とする新しい政権においても,方向性は変わらないのではないかと考えておりまして,そういう面では,その方向性に沿った形で私どもも体制整備を進めさせていただければと考えております。」、また、「いくつか中小企業いじめ防止法案の関係でありますとか,下請法の対象の拡大でありますとか,そういう法制度面におけるいろいろなマニフェストに関連する部分の記載もございます。こちらにつきましては,まだ現時点において詳細な内容を承知しておりませんし,現行法でカバーできる部分と,それ以外の部分でのすみ分けと申しましょうか,それをどう整理するかといった課題もあります。まだ現実に新政権が発足しているわけでもありませんので,どういう体制になるか分かりませんが,そういう体制ができましてから,いろいろと御相談をさせていただくということになるのではないかと考えております。」と述べています。

 あと、審判制度の見直し問題について若干触れておられますが、目新しい話はありません。それと、セブンイレブン問題についても記者から質問がありましたが、これも特に新しい話は出ていませんね。

2009年9月 8日 (火)

日弁連人権大会プレシンポ「消費者とは何か?~行動経済学から考える~」(明日9月9日夜・東京)

 「ツイッターを使っているとアホになる」という衝撃的な、でも大阪人にはちょっと嬉しかったりするニュースが出てますが、脳の「ワーキングメモリ」に関する英国の心理学者の研究発表の中に、ツイッター(Twitter)やYouTubeを使ってるとワーキングメモリが弱くなる、という結果が報告されているというものです。
 → ついーたー「Twitterを使っているとアホになると心理学者が発表」

 さて、アホにならないために、明日の消費者関連イベントの告知です。東京ですので、私は残念ながら欠席です。

 前にもちょっと書きましたが、第52回日弁連人権擁護大会のシンポジウムとして11月5日に、和歌山市「安全で公正な社会を消費者の力で実現しよう~消費者市民社会の確立をめざして~」が開催されます。

 で、このシンポのプレシンポジウムの一つとして、明日9月9日(水)午後6時20分より、東京の日弁連会館において、
「消費者とは何か?~行動経済学から考える~」
       
(主催・東京弁護士会、日弁連共催)が開催されます。
 → 日弁連サイト イベントページ
 → 東京弁護士会サイト イベント案内ページ

 いつもの消費者問題のシンポとはちょっと違った角度から消費者を取り上げるようですね。
「今、私たちが目指す『消費者市民社会』、それは、消費者が主体となって安全かつ公正な社会の実現をさせる、そんな社会です。
 しかし、主役となる「消費者」とは、常に合理的な存在なのでしょうか。
 近時注目される行動経済学では、「消費者」は必ずしも、合理的に行動するときばかりではない、とされています。
 感情、直感、記憶など心の働きに影響される生身の「消費者」に光を当て、「消費者」とは何か、「消費者市民社会」実現には何が必要なのかを再度考えてみたいと思います。」
(東京弁護士会サイト案内ページより)

 参加費無料、予約不要ですので、お時間があればどうぞ。

 日 時  9月9日(水)18:20~20:30(18:00開場)
 場 所  弁護士会館 2階講堂クレオBC
                 (千代田区霞が関1-1-3)
 参加費等無料 予約不要
 内 容   パネルディスカッション
       パネリスト
        筒井 義郎(大阪大学大学院経済学研究科教授)
        村本 武志
        (姫路獨協大学法務研究科教授、弁護士、大阪弁護士会)
       コーディネーター
        齋藤 雅弘(弁護士、東京弁護士会)
 主 催 東京弁護士会  共 催 日弁連
 問い合わせ先 東京弁護士会人権課 TEL:03-3581-2205

2009年9月 6日 (日)

民主党の消費者・独禁法行政についての呟き

 今回の政権交代に関して、当ブログの関心分野で言えば、まず、消費者庁の行方があります。そして、もうひとつは、独占禁止法についての公正取引委員会の行方となります。消費者庁については、長官人事については、近い時期に民主党の対応が出てくるものと思われます。本来、独立した強い権限を持った消費者保護院の設置を主張していた民主党が、消費者行政を後退させるようなことはないと信じたいですが、さて、どうなのでしょうか。

 独占禁止法については、これまで問題となっていた審判手続の改廃問題だけではなく、独占禁止法の執行への民主党の対応というのが注目されるところです。

 共和党と民主党の間で政権交代が行われるアメリカでは、民主党政権になると大企業に厳しい独占禁止法執行が行われるという傾向にあります。
 それでは、日本では、どうなるのでしょうか。単純に考えると、日本でも独占禁止法による規制が強化されるような気もしますが、日本の民主党というのは寄り合い所帯ですので、必ずしもその方向の見通しは難しいかと思います。今回のマニフェストでも、こういった政策は選挙民向けではないので、明確ではありません。(同様のことは、消費者庁を含めた消費者行政についても言えるのではないかと思います。)

 どのような政策を取る方針にしても、当面、限られた財源の中で予算をどう配分するかという点が問題になります。ひとつ前の記事に公取委の概算要求について書きましたが、このような各省庁の概算要求に対して、民主党政権がどのような対応をするか、というのを見ていきたいと思います。でも、いろいろと大変でしょうね。

 それと、もうひとつ。「国家戦略局」というのが話題になっていますが、これが、内閣とは別の機関というような立場になってはいけないのは当然であり、それでは、どういう意味がある部局なのかを明確にしてほしいですね。ここの独立した権力が増大するようでは問題ですし、かといって、お飾り(菅さんの置き場)というのでは、設置する必要はなく税金の無駄だと思うのですが。

【追記】(9/7)
 今回の民主党マニフェストにも、中小企業支援の箇所に
 ○公正取引委員会の機能強化・体制充実により公正な市場環境を整備する。
とあることはあります。これを素直に読めば、予算や人事の拡大ということになりそうなのですが・・・・・

2009年9月 5日 (土)

公正取引委員会の平成22年度概算要求

 8月末の国の各省庁の概算要求のことがニュースになっていましたけど、公正取引委員会も当然ながら、概算要求を出しています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 「概算要求」制度の是非はともかくとして、これを見れば、各省庁が次年度以降にどういった政策を実施しようと考えているのかの概要がある程度はわかるわけです。次年度予算は、どの省庁も同じことですが、民主党政権がどのような方針で臨むのか、まだ分からない状態ですので、今後が注目されます。

 で、公取委は、平成22年度における課題として、特に次の4つに積極的に取り組むとしています。

 1.厳正かつ実効性のある独占禁止法の運用
 2.中小企業に不当な不利益を与える行為の取締り強化
 3.競争環境の整備
 4.競争政策の運営基盤の強化

 そして、前年度比約9億84百万円(約12%)増の予算を要求することとしています。また、独占禁止法の執行力を強化するための体制の整備、下請法の運用体制の充実等を行うため71名の増員を要求しています。

 4つの課題について、それぞれ内容を見ても、特段、具体的に目新しいものはなさそうでしたが、
 2の中小企業関連については、予算と人員の増加の要求が大きいようですね。この課題について、公取委は、「・・・中小企業に不当な不利益を与える優越的地位の濫用(例:大規模小売業者と納入業者間の取引,荷主と物流事業者間の取引における濫用行為)や不当廉売,差別対価等の行為,製造分野・サービス分野における下請法違反行為に対して迅速・厳正に対処する。」としています。

 また、4の競争政策の運営基盤の強化の課題のところで、「複雑化する独占禁止法違反事件等に対する厳正な対処,経済分析能力の向上等を図るため,法曹資格者,エコノミスト等の多様な人材の積極的受入れに努める。」としており、弁護士等法曹資格者の登用もさらに積極的に考えるのかな、というところに注目しておきます。

2009年9月 4日 (金)

「ワード」販売差止命令の執行停止と日本の「仮執行宣言」

 アメリカのテキサス州の連邦地方裁判所が、マイクロソフト社に対してワープロソフト「ワード」(03年版、07年版)について販売差止の判決を出したことを、先月8月12日にロイターが伝えていました。カナダのソフトウェア会社I4iが原告となって、マイクロソフト社を特許侵害で訴えていたもので、この判決では、差止のほか、2億9000万ドルを超える賠償金を支払うよう命じていました。この販売差止命令の効力が地域的にどこまで及ぶのかわかりませんが、マイクロソフト社にとっては大変な判決です。

 当然ながら、マイクロソフトはこの判決を不服として上訴しましたが、どうやら販売差止命令について執行の延期を求める申立が、アメリカ連邦巡回控訴裁判所によって9月3日に認められたようです。(本日付、ITproの報道)。これで、ひとまず販売は継続できることとなったわけです。

 アメリカのこういった民事訴訟手続について私は詳しくないですが、日本の民事訴訟でも、特許権などの知的財産権の侵害を理由に被告の商品の製造や販売を差し止めるというのはよくあります。
 ただ、一審の判決で差止が認められていても、その判決主文に「仮執行宣言」が付いていなければ、被告が控訴して、判決が確定していない状態であれば、販売等の差止を強制することはできません。
 しかも、販売差止のような命令は、判決確定前に強制的に行われると、仮に上訴審で逆転した場合に、被告の損害回復が困難ということもあり、通常は差止命令について「仮執行宣言」が付されることはありません(もちろん、例外的に付される可能性はあります。)。

 もし、「仮執行宣言」が判決に付いていれば(金銭支払命令の場合は、こっちが普通です。)、被告は上訴しただけでは、原告の強制執行を止めることができません。この場合は、上のアメリカの例と同じように、被告は執行停止の申立を行って、裁判所に執行の停止を認めてもらわなければなりません。ただし、この場合、かなり高額の保証金を供託しなければなりません。

 もちろん、「仮執行宣言」によって強制執行された後に、上訴審で逆転判決となったような場合には、被告は原告に対して、不当利得ということで返還を求めることができるのですが、その時点で、原告側に資金がなくなっていると、大変ですね。

2009年9月 3日 (木)

グーグルのロゴと、もう一件。

 今日(9/3)は、国民的アイドルの誕生日だそうで、グーグル(Google)が、トップページのロゴでお祝いをしています。
 → グーグル(リンクするまでもないですが)
 このお祝いロゴをクリックすると面白いことになりますよ。
 もっとも、上記は今日限りなので、明日以降に本記事を見られた方は残念です。

 日本のグーグルのロゴの遊びは以前からあって、かなりマニアックな記念日も取り上げています。先日の選挙の日も投票所風景だったりしてました。そういった過去のロゴをまとめたサイトもあり、グーグル自体もページを作っています。 → こちら
 でも、こちらのほうがお奨めです。すでに今日のロゴも紹介されていました。
 → Googleのトップページロゴ観察日記

 本当は、今日は著作権のフェアユース関係の記事を書くつもりだったのですが、以下の壇弁護士のブログ(と、記事からリンクされている報道)にお任せします。
 なお、この法制問題小委員会の模様について、ある人がツイッター(Twitter)を使って実況中継されてました。こういった会議等の実況つぶやき(tweet)はこれからいろいろと論議されるのでしょうねぇ。昨日見た報道記事では、アメリカではアメリカンフットボールのNFLが、試合開始直前からのツイッター利用禁止のガイドラインを定めたとのことでした。
 → 壇弁護士の事務室「日本版フェアユース導入の是非、反対・慎重派
                の意見が多数--第5回法制問題小委」

【追記】(9/3)
 上記の小委員会議事録と配付資料がアップされていたので、ご紹介。
 → 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第5回)議事録

2009年9月 1日 (火)

消費者庁発足ですね。

 さて、今日発足した消費者庁ですが、最初から大変ですね。いろいろあるでしょうが、せっかくできたのだから、充実した消費者施策を期待したいところです。

 Webサイトもできていました。仕方ないですけども、まだ中身は中途半端です。デザイン的にはすっきりしています。
 → 消費者庁ホームページ

 人事関係がマスコミをにぎわしていますが、人事のみならずいろいろと肝心な具体的な部分が固まっていないようで、ここからが正念場かと思います。
 なお、人事問題についての前の当ブログ記事は
 → 「消費者庁長官と消費者委員会委員長の人事への批判続出」(7/1)
  (※この記事の追記以後もいくつかの弁護士会から意見書出てます。)

 政権をとった民主党は、今回の消費者庁よりも、一層、独立した強い権限を持った消費者行政組織の設置を主張していたわけで、今後、民主党政府がどういった方針で消費者行政を進めていこうとするのか、という点は特に注目していきたいと思います。

 また、大阪からも含め、数名の弁護士が、消費者庁の組織内に公務員として入っており、その方々の活躍も期待しております。

【追記】(9/1)
 消費者委員会の委員長には、松本恒雄 一橋大学法科大学院長が選ばれたようです。

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