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2009年8月29日 (土)

ピンクレディvs光文社事件控訴審判決(知財高裁)

 さて、一昨日になりますが、27日、ピンクレディと光文社の裁判についての知的財産高裁の控訴審判決が出て、裁判所サイトの知的財産裁判例集に掲載されました。
 本件の原審である東京地裁判決については、当ブログでも取り上げました。
 → 「ピンクレディが出版社の写真使用を訴えた事件の判決(東京地裁)」
                               (08/7/13)

 これの控訴審判決ですが、知財高裁は、ピンクレディ側の請求を棄却した原審判決を維持して控訴を棄却しました。
 平成21年8月27日知財高裁判決 損害賠償請求控訴事件(控訴棄却)

 本件の事案は、ピンク・レディーの両名が原告(控訴人)となって、被告光文社に対し、雑誌中の記事において控訴人らの写真14枚を無断で使用したことが控訴人らのいわゆる「パブリシティ権」を侵害する不法行為になると主張して、損害賠償を求めたものです。

 今回の判決は、パブリシティ権侵害の有無について検討しているのですが、まず、

芸能人やスポーツ選手等の著名人も,人格権に基づき,正当な理由なく,その氏名・肖像を第三者に使用されない権利を有するということができるが,著名人については,その氏名・肖像を,商品の広告に使用し,商品に付し,更に肖像自体を商品化するなどした場合には,著名人が社会的に著名な存在であって,また,あこがれの対象となっていることなどによる顧客吸引力を有することから,当該商品の売上げに結び付くなど,経済的利益・価値を生み出すことになる・・」として、このような経済的利益・価値も、人格権に由来する権利として、当該著名人が排他的に支配する権利であるとし、これを「パブリシティ権」と呼んでいます。

 そして、「・・・著名人の氏名・肖像の使用が違法性を有するか否かは,著名人が自らの氏名・肖像を排他的に支配する権利と,表現の自由の保障ないしその社会的に著名な存在に至る過程で許容することが予定されていた負担との利益較量の問題として相関関係的にとらえる必要があるのであって,その氏名・肖像を使用する目的,方法,態様,肖像写真についてはその入手方法,著名人の属性,その著名性の程度,当該著名人の自らの氏名・肖像に対する使用・管理の態様等を総合的に観察して判断されるべきものということができる。」としました。

 そのうえで、本件雑誌記事の内容について、具体的に検討し、
本件記事は,昭和50年代に広く知られ,その振り付けをまねることが社会的現象になったピンク・レディーに子供時代に熱狂するなどした読者層に,その記憶にあるピンク・レディーの楽曲の振り付けで踊ることによってダイエットをすることを紹介して勧める記事ということができ,また,本件雑誌の表紙における本件記事の紹介も,その表紙右中央部に,赤紫地に白抜きの「B解説!ストレス発散“ヤセる”5曲」の見出しと大きさが縦9.6㎝,横1.7㎝のピンク色の下地に黄色で「『ピンク・レディー』ダイエット」との見出しを記載するものであって,これは,Aが解説するピンク・レディーにかかわるダイエット記事が登載されていることを告知しようとするものということができ,さらに,本件雑誌の電車等の中吊り広告及び歌唱中の控訴人らの写真1枚が付けられた新聞広告も同様の趣旨のものであるということができ,以上によると,本件写真の使用は,ピンク・レディーの楽曲に合わせて踊ってダイエットをするという本件記事に関心を持ってもらい,あるいは,その振り付けの記憶喚起のために利用しているものということができる。
 また,本件写真は,控訴人らの芸能事務所等の許可の下で,被控訴人側のカメラマンが撮影した写真であって,被控訴人において保管するなどしていたものを再利用したものではないかとうかがわれるが,その再利用に際して,控訴人らの承諾を得ていないとしても,前記したとおり,社会的に著名な存在であった控訴人らの振り付けを本件記事の読者に記憶喚起させる手段として利用されているにすぎない。
 以上を総合して考慮すると,本件記事における本件写真の使用は,控訴人らが社会的に顕著な存在に至る過程で許容することが予定されていた負担を超えて,控訴人らが自らの氏名・肖像を排他的に支配する権利が害されているものということはできない。

とし、本件記事における本件写真の使用によって控訴人らの権利又は法律上保護される利益が侵害されたということはできないとして、原審判決の結論を支持して、控訴を棄却したものです。

 要するに、本件写真使用は、ダイエット記事のために利用されたものであり、控訴人らの主張するように、ピンクレディの大きな顧客誘引力を利用したり、肖像そのものを鑑賞するグラビア記事であるとはいえず、パブリシティ権は侵害していない、と結論づけるものです。

 原審判決に対する上記当ブログ記事のときにも述べましたが、本件はかなり微妙な事案と思っていますが、控訴審でも同様の結論が出されたことは注目されます。

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