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2009年7月の記事

2009年7月30日 (木)

大分の大山町農協に公取委が立入検査(独禁法)

 総務省のサイトに「生体電磁環境に関する検討会(第3回)配布資料」というのが今日公表されてましたが、これはなかなか面白い。「電磁過敏症(EHS)」という「症例」があるんですね。
 直接関係はないのですが、東京地裁平成18年3月10日の判決を思い出しました。総務大臣を相手に文書不開示処分の取消を求めた裁判ですが、この開示を求めた文書というのが「電波により頭の中の考えが字や映像になったり、指を指されたり、右、左手を挙げたり、いる場所がわからないのに人がくる理由がわかる文書」というものでした。もちろん原告敗訴です。

 さて本題ですが、7月28日に、公正取引委員会が、大分県日田市の大山町農業協同組合の本部と店舗に立入検査に入ったことが報道されています。これは、以前、毎日新聞の報道について触れたことがある事件ですね。数日前から、この以前の記事へのアクセスが増えていたので不思議に思ってたのですが、こういうことだったんですね。
 → 「他業者への出荷者に対する農協の圧力行為と独占禁止法(大分)」(4/13)
 → 「大分の農協の事案の続き(独占禁止法)」(4/19)

 要するに、農協の直営の販売施設に出荷している農家に対して、別に企業が運営している同種の農産物販売施設へは農作物を出荷しないように圧力をかけたというものです。

 独占禁止法の禁止する「不公正な取引方法」一般指定のうち、排他条件付取引などにあたる疑いがあるとしているようです。

2009年7月29日 (水)

独禁法改正に伴う規則改正のパブコメ(公取委)

 今日は、公正取引委員会から、「テレビ通販における表示チェック体制等に関する実態調査報告書」というのが公表されているのですが、これはひとまずリンクだけして置いときます。 → 報告書全文(PDF)

 さて、今日の本題ですが、独占禁止法の今回の改正に関して、公正取引委員会から規則案などが公表され、意見募集(パブコメ)となっています(締切は8月31日)。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 いくつかの規則などが含まれていて、手続関係が多いようです。なお、今回の改正法の施行日はまだ正式に決まっていなかったと思いますが、この公表記事では、「平成22年1月から施行される予定」と書かれていますね。

 今回の改正で、課徴金対象の拡大との関係で、「不公正な取引方法」(一般指定)のうち、共同の取引拒絶、差別対価、不当廉売、再販売価格の拘束、優越的地位の濫用の全部または一部が独占禁止法の中に直接規定されたため、従来の一般指定を改正するというものも含まれています。
 一般指定から、「再販売価格の拘束」「優越的地位の濫用」が消えてしまいましたね。なんとなく寂しい。

 一般指定の改正案は、以下の通り。(改正部分のみ、改正箇所は下線部)

(共同の取引拒絶)
① 正当な理由がないのに、自己と競争関係にある他の事業者(以下「競争者」と
 いう。)と共同して、次の各号のいずれかに掲げる行為をすること。
  一 ある事業者
から商品若しくは役務の供給を受けることを拒絶し、又は
   供給を受ける商品若しくは役務の数量若しくは内容を制限すること。
  二 他の事業者に
、ある事業者から商品若しくは役務の供給を受けること
   を拒絶させ、又は供給を受ける商品若しくは役務の数量若しくは内容
   を制限させること。

② (略)

(差別対価)
③ 
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五
 十四号。以下「法」という。)第二条第九項第二号に該当する行為のほか
 、不当に、地域又は相手方により差別的な対価をもつて、商品若しくは役務を供
 給し、又はこれらの供給を受けること。

④~⑤ (略)

(不当廉売)
⑥ 
法第二条第九項第三号に該当する行為のほか、不当に商品又は役務を低い対
 価で供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあること。

⑦~⑪ (略)

「従来の⑫(再販売価格の拘束)は削除」

(拘束条件付取引)
⑫ 法第二条第九項第四号に該当する行為及び前項に該当する行為のほか、相
 手方とその取引の相手方との取引その他相手方の事業活動を不当に拘束する条件
 をつけて、当該相手方と取引すること。

(取引の相手方の役員選任への不当干渉)
 自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に
 照らして不当に、
取引の相手方である会社に対し、当該会社の役員(法第二
 条第三項の役員をいう。以下同じ。)の選任についてあらかじめ自己の指
 示に従わせ、又は自己の承認を受けさせること。

(競争者に対する取引妨害)・・番号が⑮から⑭へ

(競争会社に対する内部干渉)・・番号が⑯から⑮へ

神奈川県教委個人情報流出事件に関連して逮捕(著作権法)

 今日から3日間、近畿弁護士会連合会夏期研修で、朝から、潮見佳男教授による債権法改正試案についてのお話を聞いてきました。

 さて、昨年起こった神奈川県立高校の生徒約11万人分の個人情報が日本IBMの業務委託先からインターネット上に流出した問題については、当ブログでも触れました。
 → 「神奈川県教委情報流出事件についての仮処分決定」(3/14)

 この事件に関して、上記個人情報のうち、2千人分のファイルをファイル共有ソフト「シェア」によって流出させ、日本IBMの著作権を侵害したとして、警視庁が50歳の無職男性を著作権法違反で逮捕したと発表したということです。

 朝日の報道によれば、容疑者は「ファイルの欠陥を指摘したのに無視されたのでやった。シェアで流すことが違法とは知らなかった」と主張しているようですね。

 もともとは日本IBMの業務委託先の会社の社員のパソコンから流出したもので、この流出ファイルをネット上で取得した男性が、また「シェア」によって一部を故意に流出させた、ということなのでしょう。

2009年7月28日 (火)

第1回審判期日のJASRAC意見陳述(独禁法)

 社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC) の放送事業者との音楽著作物使用料の算定方式が独占禁止法(私的独占)に違反するとして、公正取引委員会が出した排除措置命令に関連しては、当ブログでいくつか触れてきました。

 → 「JASRACへの排除措置命令(私的独占・公取委)」(2/27)
 → 「JASRACが排除措置命令に対して審判請求(独禁法)」(5/4)
 → 「JASRACの独占禁止法問題についての公取委インタビュー記事など
     (日経BP ITpro)」
(5/12)

 で、この事件につき、審判手続の第1回審判期日が、昨日開かれました。JASRACのサイトで、当日のJASRACの意見陳述内容が公表されています。
 → JASRACサイト「公正取引委員会における審判手続の開始について」

 この意見陳述は、審判手続の開始に当たって、排除措置命令の違法性の主要部分を述べるためのものとしており、詳細は今後明らかにするとのことです。

 今回の意見陳述の詳細は上記リンクを見ていただきたいですが、「JASRACは、管理事業法を遵守し、合理的な契約交渉をして、合理的な料率での使用料に合意したのであるから、本件命令は私的自治の要素を成す契約交渉の過程と結果に対する違法な介入である。」とし、「JASRACは・・・・、著作権という知的財産権の適正な実現に寄与する団体であるが、本件命令はこの知的財産権の適正な実現に対する脅威でもある。 」としています。さらに、「放送等事業における音楽著作物の利用に関する包括契約・包括徴収という世界のどこでも実施されているシステムを正しく評価していないことが今回の命令につながったのであり、本件命令は正に「木を見て森を見ない」ものという外ない。 」と、公正取引委員会の排除措置命令に対して強烈に批判を行っています。

 JASRAC自体は多くの人が知っていて、おなじみの団体であるにも関わらず、その著作権管理事業や著作物の使用契約の内容について、それほどちゃんと理解されていないからでしょうか、掲示板などでのネット上の意見は、単にJASRACの音楽著作権事業一般についての批判・反発というだけのものが多く、排除措置命令が対象としたJASRACと放送事業者との契約内容や他の著作権管理事業者との関係などを理解したうえでの発言は見あたらないですね(かくいう私も決して偉そうにはいえませんが)。

2009年7月27日 (月)

携帯電話用特許の「非係争条項」と独禁法(公取委)

 今日は、午後から、大阪でも一時的に土砂降りでした。運悪く、その頃ちょうど用事があったので、すぐ近くまでの往復だったのに、靴やズボンがしっかりと濡れてしまいました。

 さて、各紙で報じられているようですが、公正取引委員会は、アメリカの携帯電話用半導体製造大手企業のクアルコム社に排除命令を出す方針を固めて、事前通知した、とのことです。

 同社が特許を持つ通信技術の使用契約を日本の携帯電話メーカーと結ぶにあたって、事業活動を不当に拘束する条件を付けていたというようなことらしく、いわゆる「非係争条項」なども入っていたようです。これらが独占禁止法の禁止する「不公正な取引方法」(拘束条件付取引)に該当すると判断した模様です。

 同社に対しては、今回の日本の処分とは対象行為が全然異なるものですが、先日(7/23)、韓国の公正取引委員会が、同社の顧客に対する値引きとリベート提供が、韓国の独占禁止法に違反するとして、約200億円の制裁金を決定したばかりですね。

 「非係争条項」に関しては、マイクロソフトがパソコンメーカーに対するウィンドウズの使用許諾契約において、「非係争条項」が入っていたことが拘束条件付取引に該当するとする、審判審決が昨年9月に出ています。当ブログでも、知的財産ガイドラインとの関係も含めて当時触れたことがあります。興味のある方はご参照ください。
 → 「マイクロソフトのWindows販売契約の審判審決(公取委)」(08/9/18)

2009年7月26日 (日)

Twitterに登録してみたけれど

 近頃、Twitterが話題になっているようです。山本一太参議院議員もブログで取り上げてましたね。

 で、乗り遅れないようにと、ひとまず登録してみましたのですが、何をしたらよいやらわからない(笑)

 という状態なので、つぶやきは非公開にしてますけど、何も書いてないので公開しても一緒かもしれません。

 ブログを書くだけでも手一杯なのに、Twitterで何をするのだ、というのが見えませんですね。何かアイデアがあればお教えください。

 でも、先日起こったTwitterの情報流出事件は、ちょっとお粗末なようです。自社のブログで顛末報告しているのですけど。。。
 → Twitterブログ

 歌手の広瀬香美が、Twitterに「ヒウィッヒヒー」という日本語読みを与えたという話は面白いですが、「twitter」のtの字がカタカナの「ヒ」に見えるとしても、「ヒウィッヒヒー」は無理があるような。最後の「er」の処理が難しい。

【追記】(7/31)
 なお、上記本文では、非公開と書きましたが、それもつまらないので、その後、このブログの記事を追加した際に、記事タイトルを流すようにしました。もっとも、当ブログを愛読下さる方は、RSSリーダーを利用されるので、Twitterに新しい記事のタイトルが流れたところで、あまり便利とも思えませんね。アクセスルートとして、どれほど意味があるかは不明です。

【追記】(10/4)
 その後、当ブログ記事でもごらんの通り、使い続けてきています。自分がフォローしたい(読みたい)人だけのつぶやき(記事)が読めるという構造なので、2ちゃんねるのように荒れることはないですね。私は同業者、関連職種の方などを中心にフォローさせてもらっているので、いろいろと参考になる話を読むことができます。また、関心分野の情報がかなり早く得られることも多いですね。

 同じtwitterでも、使う人それぞれで見えるものが違ってくるというのがミソですね。

 もちろん、別に指摘したように、問題点なども多いとは思いますが。

続きを読む "Twitterに登録してみたけれど" »

2009年7月23日 (木)

独禁法の法的措置による消費者利益は4079億円だそうな(公取委・政策評価)

 昨日付で、「公正取引委員会における平成21年度の政策評価」が公表されています。
 → 公取委サイト 報道発表資料(いずれもPDF)
    ・公正取引委員会における平成21年度の政策評価について
    
・添付資料1  ・添付資料2  ・添付資料3

 この政策評価は、「行政機関が行う政策の評価に関する法律」に基づいて取りまとめられたもの。

 評価結果の概要は以下の通りですが、企業結合審査の結果として消費者利益が少なくとも約37億円独占禁止法違反行為に対する法的措置により少なくとも約4079億円が保護されたと推定されるのだそうです。昨年度まではこういう金額評価はなかったんじゃないかな。

〈評価の概要〉
(1) 有効性の観点からの評価
 ○ 企業結合の審査
   迅速かつ的確な審査が行われていると評価できる。
   企業結合審査の結果、少なくとも約37億円に相当する消費者利益が
  保護されたと推定できる。
 ○ 独占禁止法違反行為に対する措置
   独占禁止法違反行為に対して厳正・迅速に対処する目標を達成してい
  ることから有効であったと評価できる。
   法的措置により、少なくとも4079億円に相当する消費者利益が保
  護されたと推定できる。
 ○ 下請法違反行為に対する措置
   下請法違反事件の勧告件数及び勧告、警告による下請代金の減額分の
  返還額は、下請法改正法施行の平成16年4月以降最多。
   下請法違反行為に対する措置は、下請取引の公正化を図るとともに、
  下請事業者の利益を保護するという目標に照らして有効であったと評価
  できる。
 ○ 消費者取引の適正化の推進
   景品表示法・公正競争規約に関する消費者向け説明会などの周知活動
  には、消費者が適正な情報に基づいて商品選択ができる環境整備を図る
  ため,一定の有効性が認められる。
 ○ 景品表示法違反行為に対する措置
   景品表示法違反に対する厳正な対処という目標を達成していることか
  ら、有効であったと評価できる。
 ○ 国際協力の推進(略)
 ○ 法令遵守意識の向上
   発注機関が実施する独占禁止法及び入札談合等関与行為防止法に関す
  る講習会への講師派遣が発注機関職員における独占禁止法等の知識の向
  上に関して,有効であったと評価できる。
(2) 効率性の観点からの評価(項目のみ)
 ○ 企業結合の審査
 ○ 独占禁止法違反行為に対する措置
 ○ 下請法違反行為に対する措置
 ○ 景品表示法違反行為に対する措置

【追記】(7/24)
 上に抜き出した「消費者利益」の根拠について聞かれたので、ちょっと触れておきます。
 計算根拠については、公取委サイトの上記リンク中の「添付資料2」の「実績評価書」中に記載があるのですが、
 企業結合審査による消費者利益については「実績評価書(企業結合課)」(別添1)8ページで、
平成20年度に公正取引委員会において審査を行い,当事会社に対し独占禁止法上の問題点を指摘し,当該問題点を解消する措置が講じられた事案について,問題となった一定の取引分野における製品又は役務に係る市場規模の合計は約370億円であった。当該市場において,仮に問題点を解消する措置が講じられなければ,10%の価格引上げが行われることとなったと仮定すると,企業結合審査によって少なくとも当該一定の取引分野における市場規模の10%である約37億円に相当する消費者利益が保護されたと推定できる。」とし、

 独禁法違反行為への法的措置による消費者利益については、「実績評価書(管理企画課)」(別添2)8ページで、
違反行為が排除されたことによって,消費者が価格引上げ等によって失われたであろう利益を享受できたと考えられる。このため,当該消費者利益の量について,平成20 年度に公正取引委員会においてカルテル・入札談合について法的措置を採った各事案について,当該措置が採られなければ,問題となった一定の取引分野における製品又は役務について,10 パーセントの価格引上げが5年間継続して行われることとなったと仮定し,公正取引委員会が法的措置をとったことにより,少なくとも4,079億円に相当する消費者利益が保護されたと推定できる。
としています。

 ちょっと大ざっぱな推計かな、という感じはしますね。

 

2009年7月22日 (水)

3年後「金環食」とWinny刑事事件結審(大阪高裁)

 今スポーツニュースを見ていたら、今日がジャイアンツ原辰徳監督の51歳の誕生日だそうな。私より363日お兄さんなんだ(笑)

 皆既日食のお祭りは、天候の影響で肩すかしとなりました。事務所で仕事をしていた私でしたが、窓の外が暗くなってきて、ちょっとだけ体感することができました。

 マスコミは祭りの盛上げのためか、盛んに、次に日本で皆既日食が見られるのは26年も先なんだと言います。この日食は本州ど真ん中(北陸から関東にかけて)で見ることができますが、私は76歳、見ることができるかどうか怪しいものですね。空の上から見てるのかも。

 皆既日食が26年先というのは事実ではあるけれど、実は、26年も待たなくても立派な日食が日本の多くの都市で見られるのを、マスコミはあえて言いません(今回の皆既日食が終わってから、軽く触れた所もありましたが。)。その時になったら、また同じように騒ぐのでしょうけども、わずか3年後の2012年5月21日の朝、東京、名古屋、大阪など太平洋側の都市で、珍しい「金環食」が見られます。皆既日食のように太陽が完全に隠れないものですが、月が太陽に完全に入り込んで、太陽の周りが「金環」状になるものです。位置関係で、太陽と月の相対的な大きさが変わるからですね。また、2030年にも北海道で見られます。

 26年先でないと見られませんよ、というのと、金環食なら本州で3年後に見られますよ、というのとでは印象に結構な違いがあると思うのですけども、新聞やテレビはこういった情報操作をやってくれます。気をつけましょう。

 前振りが、また長くなってしまった。本題は、またこれだけ。。。
 ファイル共有ソフトとして有名なWinnyの開発者の金子さんが刑事被告人として起訴されたWinny事件の控訴審が先日結審したようです。大阪高裁の判決は、10月8日午前10時と指定されています。
 → 壇弁護士の事務室

50歳と衆議院解散と改正著作権法

 20日に、50歳になりました。
 人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。 ひとたび生を得て滅せぬもののあるべきか。
でありますね。有り難く半世紀も生かせていただいたことになります。

 さて、いよいよ衆議院は解散となりました。政権交代選挙などいわれていますが、民主党も、財源問題を避けておいしい話をするだけでは三日天下に終わるのでは、と思ってしまいます。
 一方で、消費税も相続税もなくすというという思い切った公約が、びっくりするほど多数の公認候補を繰り出す新参の幸福実現党ですね(苦笑)。しかし、真っ正面から税制問題について触れているだけマシか(再苦笑)。いやいや、公明党と連立して、宗教法人への課税を一気に激増させてしまえば決して不可能ではないのかも。。。北朝鮮からのミサイルも、皆でお祈りすれば、低予算で対抗可能になるのかもしれません。

 閑話休題・・・司馬風・・・

 今回の国会で改正のあった著作権法についての説明ページが文化庁サイトにありました。
 → 文化庁サイト 平成21年通常国会 著作権法改正について

 それだけ。

 今日は、日食見ることできるでしょうか。

 

 

2009年7月21日 (火)

21年度旧司法試験第2次試験論文式試験問題(法務省)

 法務省サイトに、平成21年度旧司法試験第2次試験論文式試験問題が公表されていました。
 → 法務省サイト 試験問題(PDF)

 いくつかの問題を貼り付けときます。まだ、「出題の趣旨」が掲載されてませんが、そのうち出るでしょう。

〈憲 法〉第2問 どこかで聞いたことがあるようなないような事案

 国会議員であるとともに弁護士でもあるAは,派遣労働者の権利利益を拡充する内容の法律案に関して開催された地方公聴会において,この法律案の必要性を訴える中で,「この法律案に反対している経営者団体の幹部Bは, 労働者を搾取することしか考えておらず,自分が担当している訴訟においてもB が違法に労働者を働かせていることを立証済みである。」旨の発言をしたほか, この発言を自己が開設したホームページに掲載した。Bは,Aの発言やホームページへの掲載により名誉を毀損されたとして, 国とAを相手取り損害賠償を求めて提訴するとともに,Aが所属する弁護士会に対してその懲戒の請求をした。
 この事例に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。

〈刑 法〉第1問 「正当防衛」も関係しますね。

 甲及び乙は,路上を歩いていた際, 日ごろから仲の悪いAと出会い,口論となったところ,立腹したAは甲及び乙に対し殴りかかった。甲は,この機会を利用してA に怪我を負わせてやろうと考えたが,その旨を秘し,乙に対し,「一緒に反撃しよう。」と言ったところ,乙は甲の真意を知らずに甲と共に反撃することを了承した。そして, 甲は,Aの頭部を右拳で殴り付け,乙は, そばに落ちていた木の棒を拾い上げ,Aの頭部を殴り付けた結果,Aは路上に倒れ込んだ。この時,現場をたまたま通りかかった丙は,既にAが路上に倒れていることを認識しながら,仲間の乙に加勢するため, 自ら別の木の棒を拾い上げ,乙と共にAの頭部を多数回殴打したところ,Aは脳損傷により死亡した。なお,Aの死亡の結果がだれの行為によって生じたかは,明らかではない。
甲,乙及び丙の罪責を論ぜよ( ただし,特別法違反の点は除く。)。

白石教授による独禁法改正後全条文など

 ちょっと調べ物のためにググっていたら、見つけたものです。

 白石忠志教授のサイトに、先日国会で可決された改正案に基づく独占禁止法の全条文が掲載されていました。改正後条文だけでなく、参考として、改正前の不公正な取引方法の定義規定および改正前の一般指定も載せられています。
 このようなものは、なかなか改正直後には存在しませんので、大変便利ですね。
 → 白石教授サイト「平成21年独禁法改正後全条文」

 消費者庁関連法案によって改正された景品表示法についても、あるとありがたいのですが、教授によれば「アナログなものでよければ、すぐに作れるから」という理由で、改正条文そのものではなく、「平成21年景表法改正後全条文の作り方」が掲載されています。
 → 白石教授サイト「平成21年景表法改正後全条文の作り方」

 上とは関係ないですが、ジョージ・オーウェル「一九八四年」のハヤカワepi文庫新訳版がやっと出たので買ってきました。村上春樹「1Q84」の前に、読んでしまおう。

2009年7月17日 (金)

正当防衛を認めた最高裁無罪判決

 当ブログでなぜか取り上げ続ける「正当防衛」に関する刑事事件判決ですが、各マスコミでも報じられているように、珍しい最高裁判決が出ました。逆転無罪です。裁判所サイトで判決全文が見ることができます。

 平成21年7月16日 最高裁第一小法廷判決(破棄自判)  暴行被告事件

 この事件は当初、被告人が被害者の胸などを両手で突く暴行により、加療1週間の後頭部打撲等の傷害を負わせたとして、傷害罪で起訴され、第1審判決はそのまま傷害罪の成立を認めて、罰金15万円としました。

 しかし、控訴審では、暴行により傷害を負った事実は認定できないとして、暴行罪の限度で事実を認定して、科料9900円としています。

 この控訴審判決に対して、さらに被告人は上告したものです。

 この事件の背景としては、被告人が共有権を有する不動産およびそれに関する建設工事などが絡む激しいトラブルがあり、民事上の仮処分事件まで起こっていたというものですが、この背景事情は、結構ややこしく、ここでは詳しく触れません(ただし、判決を理解するには重要な事実と思いますので、興味ある方はご覧ください)。

 なお、被害者は被告人と対立する不動産業者の従業員(48歳)は身長約175㎝の男性、被告人(74歳)は身長約149㎝の女性であるうえ、以前の手術の影響による運動障害などで要介護1の認定を受けていたということです。

 簡単にいってしまえば、不動産業者が、本件不動産に違法な看板を嫌がらせのため設置したことに対する被告人の行為が対象となっているもので、本件建物に居住する被告人が、業者の従業員の「胸部を両手で約10回にわたり押したところ,被害者は,約2m後退し,最後に被告人が被害者の体を右手で突いた際,本件看板を左前方に落として,背中から落ちるように転倒した」というもので、しかも、「被告人に押されて後退し,転倒したのは,被告人の力のみによるものではなく,被害者が大げさに後退したことと本件看板を持っていたこととがあいまって,バランスを崩したためである可能性が否定できない。」と今回の最高裁判決は認定しています。

 そして、最高裁判決は、被害者たちの看板設置行為は、被告人たちの本件建物の共有持分権、賃借権等を侵害するうえ、(別の)宅建業者の業務を妨害し、被告人たちの名誉を害するものであるとし、この行為に対して、被告人が反抗して看板を取り上げて踏みつけたところ、被害者はこの看板を持ち上げて設置作業をする者に渡そうとしていたのであるから、その行為は、被告人らの上記権利や業務、名誉に対する「急迫不正の侵害」に当たるとしました。この「急迫不正の侵害」というのが、正当防衛成立のための重要な要件です。
 通常、傷害や暴行で、正当防衛が問題になる場合は、相手方が暴力をふるうなどの肉体的な攻撃に対して、自分の身体を守るために防衛行為として、やむを得ずこちらも暴力をふるうというケースが問題になるものですが、本件は、この点が異なっています。

 そして、判決は、被告人と被害者の間には体格差等があることや、上記の通り、被害者が後退して転倒したのは被告人の力のみによるものとは認め難いことなどからすれば、本件暴行の程度は軽微であったというべき、とし、「そうすると,本件暴行は,被告人らの主として財産的権利を防衛するために被害者の身体の安全を侵害したものであることを考慮しても,いまだ被害者らによる上記侵害に対する防衛手段としての相当性の範囲を超えたものということはできない。」として、本件暴行については、刑法36条1項の正当防衛が成立して違法性が阻却される(無罪)としたものです。

 法律を勉強している方はすぐに気づかれることと思いますが、民事上の「自力救済」や「正当防衛」との関係でも、大変興味深い判決かと思います。

2009年7月16日 (木)

小ネタのリンク集(個人情報保護条例、独禁法懇話会、学会など)

(その1)
 今日見たら、内閣府のサイト「個人情報の保護」に、「地方公共団体において制定されている個人情報保護条例」というページができていました。
 → 「地方公共団体において制定されている個人情報保護条例」

(その2)
 昨日の公正取引委員会の報道発表記事
 → 「独占禁止政策協力委員会議で出された主な意見について」(PDF)

(その3)
 日本消費者法学会 第2回大会
  本年10月31日(土)午前10時~午後5時30分
   立命館大学朱雀キャンパス
   統一テーマ 「民法改正と消費者法」
 → 日本消費者法学会サイト案内ページ

 この大会の関西プレ研究会 → 詳細はこちら
  本年7月25日(土)午後1時30分〜4時30分
   コンソーシアム大阪(大阪駅前第二ビル4階)

(その4)
 情報ネットワーク法学会 第8回総会・第9回研究大会
  本年12月5日(土)午前9時30分~午後5時30分
   大阪大学豊中キャンパス(豊中市待兼山町1-6)文系総合研究棟
 → 情報ネットワーク法学会サイト

「ブログ・SNSの経済効果に関する調査研究」(総務省)

 総務省が先日、情報通信政策研究所による推計結果として、「ブログ・SNSの経済効果に関する調査研究」 を公表しています。
 → 総務省 報道資料(7/13)
 → 情報通信政策研究所 報道資料(PDF)

 調査報告書自体は後日公表予定のようで、今回は推計結果の取りまとめということです。

 総務省は、調査結果のポイントとして、以下の点を挙げています。

  •  2008年度のブログ市場規模は、約160億円と推計。関連市場も含めると、約1961億円と推計。
  •  2008年度のSNS市場規模は、約499億円と推計。関連市場も含めると、約568億円と推計。
  •  なお、2010年度のブログ市場規模は、約183億円、2010年度のSNS 市場規模は、約717億円となると予測。

 ブログ市場では、ブログ利用者のアフィリエイト利用や、ブログの特性を生かした口コミ広告が主体となっている、とのことで、アフィリエイトの影響力は結構大きいものですね。
 このような調査結果が、アフィリエイトやドロップ・シッピングへの悪質な勧誘につながらなければいいのですが・・・

 ここでいう「ブログ市場」は、ブログ事業者や登録者が、ブログ活動から直接得る収益総額関連市場ということで、以下の5市場が定義されています。
 (1)ブログEC市場
    アフィリエイト経由で商品・サービスが購入されることによるブログ事業
    者/ブログ登録者の収益(成果報酬)
 (2)ブログ広告市場
    ブログを媒体とした純広告、コンテンツマッチ広告、口コミ広告によるブ
    ログ事業者の売上
 (3)ブログサービス市場
    有料版ブログサービス提供によるブログ事業者の売上
 (4)ブログ出版市場
    ブログコンテンツの出版によりブログ登録者が得る収益
 (5)ブログソフトウェア市場
    ブログソフトウェア/ASPの販売額

 同様に「SNS市場」の定義もされていますが、ここでは略。

 ブログに関しては、64ブログサービスを調査対象として、登録者数及び閲覧数を集計しています。
 ○ 2009年1月末時点のブログ登録者数は、約2,695万人。
 ○ 2009年1月の月間閲覧数(ページビュー:PV)は、約205億。

 SNSに関しても、153SNSサービスを調査対象として、会員数及び閲覧数を集計しています。
 ○ 2009年1月末時点のSNS会員数は、約7,134万人。
 ○ 2009年1月の月間閲覧数(ページビュー:PV)は、約439億。

2009年7月14日 (火)

歴史教科書問題と独占禁止法の報道(愛媛新聞)

 今日は朝から金沢出張。金沢の弁護士さんの事務所で顧問会社関係の会議に参加してきました。大阪も暑かったようですが、金沢も暑かった。近江町市場はずいぶんきれいになったのですね。
 この金沢往復のサンダーバード車内で、当ブログの左欄の通り、野尻抱介「太陽の簒奪者」(ハヤカワ文庫)を読了。作品は、5月に読んだ「沈黙のフライバイ」同様、いや、それ以上に良かったのですが、解説の稲葉振一郎「ハードSFの正念場」は嬉しかったですね。稲葉先生同様に元々ハードSFを敬遠していた私にとって、大変共感できました。

 また、今日は、かの最高裁第三小法廷が、不当利得返還請求事件(過払金返還についての事件)と配当異議事件(請求債権中の遅延損害金の扱いに関するもの)について興味深い判決、それも破棄判決(前者が破棄差戻、後者が破棄自判)を出しています。
 特に配当異議事件のほうは、私もちょっと関係する事件なので要検討です。

 前説が長くなってしまいましたが、ここからが本題。ちょっと変わった独占禁止法に関する報道をネットでひとつ見つけましたのでご紹介。
 愛媛新聞の今日の報道なのですが、「歴史教科書採択めぐり県教委に公開質問状」という見出しです。
 要するに、中学歴史教科書採択に関連して、本日、4団体のメンバーと琉球大名誉教授が愛媛県庁を訪れ、「新しい歴史教科書をつくる会」が独占禁止法に違反しているなどとして、県教育委員会に見解をただす公開質問状を提出した、というもの。

 この「新しい歴史教科書をつくる会」が、機関誌などで他社の教科書を批判したことが、独占禁止法が不公正な取引方法として禁じている「他の事業者との取引を不当に妨害」する行為(ボイコット)に当たるとしているようです。

 教科書、特に歴史教科書をめぐる問題は問題として、考えていかなければならないと思います。ただ、この公開質問状の全体や独占禁止法違反についての詳しい理論構成はわからないので誤解があるかもしれませんが、記事から受け取れる限りでは、上記のような考え方は、他社の教科書の批判を独占禁止法違反として違法だと主張するものであり、かえって自分たちの運動の首を絞めることにはならないのだろうか?と心配してしまいます。

2009年7月13日 (月)

金融分野の個人情報保護ガイドライン改正案パブコメ(金融庁)

 キリンとサントリーの経営統合という大きな話が出てきていますね。当然、独占禁止法上の問題もいろいろと出てくるかと思います。

 さて、先週金曜日に出されていたようですが、金融庁が、「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」の改正案を発表して、意見募集(パブコメ)しています。意見募集締切は8月10日です。
 → 金融庁 報道発表資料

 先日、経済産業省の経済産業分野の個人情報保護ガイドラインの改正案について書きましたが、この金融庁のガイドライン改正案も、内閣府の標準的なガイドラインの策定に伴う改正の一環のようです。
 主な改正内容とされているのは、以下の通り。

  1. リスクに応じた安全管理措置等
     個人情報取扱事業者が個人データの漏えい等の防止のために講ずべき安全管理措置、従業者の監督、委託先の監督について、漏えい等した場合の本人が被る権利利益の侵害の大きさを考慮して、事業の性質、個人データの取扱状況等に応じた適切な措置を講ずることを求めることとした。
  2. 消費者保護の観点からプライバシーポリシー等に盛り込む事項
     個人情報取扱事業者が策定・公表しているプライバシーポリシー等に、消費者保護の観点から、以下に掲げる点を考慮した記述をできるだけ盛り込むことが望ましいとした。
      ・本人からの要請による個人情報の利用停止
      ・個人情報の取扱いの委託状況の透明化の推進
      ・顧客の種類毎の利用目的の限定及び本人の選択による利用目
       的の限定
      ・個人情報の取得元又はその取得方法の明記
  3. 主務大臣の権限行使の対象の明確化
     ガイドライン中の規定において義務規定と努力規定を明確にし、新たに、「「勧告」、「命令」及び「緊急命令」についての考え方」の規定を設け、個人情報保護法に基づく金融庁長官の権限行使の手続きを記載した。
  4. ガイドラインを分かりやすくするための具体例等の追加
     ガイドラインをより分かりやすいものとするために具体例等の追加を行った。例えば、利用目的の制限、第三者提供の制限の例外となる法令に基づく場合の例示として、証券取引等監視委員会の犯則調査、弁護士法に基づく弁護士会の照会を追加した。

2009年7月12日 (日)

都議選と奈良市長選など(休日のつぶやき)

 昨日は、島根県の浜田市で、昼過ぎから3時間ばかり講演してきました。これは、消費者ネット関西が島根県から委託を受けている消費者関連の研修の事業で、私も毎年講師として行っております。私の担当は、「電子商取引、個人情報保護、景品表示法」。ちょっと詰め込みすぎで、今回も雑ぱくな話になってしまい、反省。
 島根県といっても、毎年会場は変わっていて、松江市、出雲市、浜田市、益田市で開催されています。浜田市は、確か2度目です。
 朝から自宅を出て、新幹線で広島へ行って、高速バスで浜田まで行きました。昼食は、浜田駅からすぐの「大阪王将」で「担々麺セット」。そういえば、数年前の同じ講演で、益田市に行ったときも、駅前の「大阪王将」で昼を食べたなぁ。大阪を遠く離れてもお世話になります(笑)。

 さて、東京都議選の開票が始まりました。その前に、私の住む奈良市の市長選挙では、選管の開票発表もないうちに、民主党の若い候補者の当選が伝えられています。全国的には、都議選への注目に隠れていますが、自民の推す元市長(しかも父親も市長でした。私には「地震雲」の市長という印象が強いのですが。)で国会議員だった知名度の極めて高い候補者に対して、民主党の強い追い風があるとはいえ、実績のほとんどない無名の若い候補者でどうなるか、と思っていましたが、予想以上に自民党に対する逆風が強かったようです。
 都議選の開票も始まったばかりですが、今のところ(午後10時)民主党の圧倒的な優勢が伝えられているようです。
 明日以降、今週の政局が注目されるわけですが、民主党としても、都議選があまりに地滑り的な勝利になってしまうことは、次の衆議院選挙にとって必ずしも有利とは限らないところがあるわけで、振り子の反動も十分予想されることになりますね。しかも、麻生退陣となれば、おそらく、自民にはこれしかないという選択肢である舛添首相の登場となると、国民の期待がどっちに転ぶのか予想できない状況になりそうです。(テレビを見ていると中川秀直議員という話もあるようでしたが、中川氏の是非は別として、次の選挙に勝ちに行くのなら、選択肢としては難しいのでは? 東国原さんは論外ですが。)

 このような情勢分析自体は、第三者的というかマニア的にはかなり面白いとは言えるのですが、ひとりの国民としては、こんなんでええんかいな、という単純な不安が強くあります。
 もちろん、私は、今日の奈良市長選挙(奈良市議選もです)には投票に行きましたよ。

2009年7月10日 (金)

修学旅行の価格カルテルについての排除措置命令(公取委)

 明日は、NPO法人「消費者ネット関西」の事業のお手伝いで、島根県浜田市まで講演に行ってきます。日帰りです。

 さて、3月に公正取引委員会が岡山市内の市立中学校の修学旅行について価格カルテルの疑いで旅行会社に立入検査に入ったことは、当ブログでも紹介しました。
 → 「修学旅行の価格カルテル(独禁法)」(3/11)

 で、この件につき、本日、公正取引委員会は、独占禁止法3条(不当な取引制限の禁止)に違反するとして、近畿日本ツーリスト株式会社(東京都千代田区)東武トラベル株式会社(東京都墨田区)トップツアー株式会社(東京都目黒区)の旅行会社3社に対して、排除措置命令を出しました。
 なお、この他に、株式会社JTB中国四国(広島市中区)株式会社日本旅行(東京都港区)の2社も、カルテル行為の当事者ですが、排除措置命令の対象からはずれています。排除措置命令書では、「・・・諸事情を総合的に勘案すれば,3社については,特に排除措置を命ずる必要があると認められる。」としています。
 また、課徴金減免制度の対象事業者としては、近畿日本ツーリストJTB中国四国日本旅行の3社が公表事業者となっています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)
 → 課徴金減免制度の対象事業者

【違反行為の概要】

  1.  近畿日本ツーリスト、東武トラベル、トップツアー、JTB中国四国、日本旅行の5社は、平成19年4月7日ころ、平成21年度以降に実施される市立中学校の修学旅行について、貸切りバス代金の額や宿泊費の額、企画料金の料率、添乗員費用につき、一定額以上とすることを合意した。
  2.  5社は、平成20年8月8日ころ、平成22年度以降に実施される市立中学校の修学旅行について、上記の合意を見直して、価格につき合意した。
  3.  これらにより、5社は、公共の利益に反して、市立中学校の修学旅行に係る旅行業務の取引分野における競争を実質的に制限していた。

【排除措置命令の概要】

  1.  近畿日本ツーリスト、東武トラベル、トップツアーの3社は、それぞれ、
    ア 前記合意が消滅している旨を確認すること
    イ 今後、相互の間において、又は他の事業者と共同して、市立中学
     校の修学旅行について、貸切りバス代金の額、宿泊費の額、企画料
     金の料率及び添乗員費用の額を決定せず、各社がそれぞれ自主的に
     決める旨を,取締役会において決議しなければならない。
  2.  3社は、それぞれ、前記1に基づいて採った措置を、自社を除く2社及び市立中学校に通知するとともに、岡山市の一般消費者に周知し、かつ、自社の従業員に周知徹底しなければならない。
  3.  3社は、今後、それぞれ、相互の間において、又は他の事業者と共同して、市立中学校の修学旅行について、貸切りバス代金の額、宿泊費の額、企画料金の料率及び添乗員費用の額を決定してはならない。
  4.  3社は、今後、それぞれ、次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
    ア 自社の従業員に対する、自社の旅行業務に関する独占禁止法の遵
     守についての行動指針の作成
    イ 自社の旅行業務に関する独占禁止法の遵守についての、市立中学
     校の修学旅行に係る旅行業務の営業担当者に対する定期的な研修及
     び法務担当者による定期的な監査

【追記】(7/10)
 2社は排除措置命令を免れているし、3社が課徴金減免制度の対象となっているのに、課徴金納付命令は全然ないし・・・まぁ時間がないので、後で考えようと思ってたら、泉水先生がブログに書いておられました。
 → 「独占禁止法の部屋ブログ」(7/10)

 21年度以降の修学旅行についての合意なので、合意を取りやめてしまったから、結局はカルテルが実行されなかったわけですね。深く読まずに、合意も途中で見直されているから、当然、実行されてるもんだと誤解していました。反省。

放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン(第2版)(総務省)

 朝日や読売が先行して報道していた「テレビ局の下請けいじめ」についての総務省の指針の件ですが、本日、総務省は、「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン(第2版)」を公表しました。
 → 総務省サイト報道資料
 → ガイドライン本文(PDF)

 朝日の記事を読んでいると、新しいガイドラインができたかのような印象を受けますが、そうではありません。今年2月に策定したガイドラインについて、検討のうえ、事例の類型を追加した改訂版です。前のガイドラインについても、当ブログでご紹介したところです。
 → 「『放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン』(総務省)」
                          
(2/25)

 今回の第2版ガイドラインの目次だけ、以下に示しておきます。

第1章 はじめに
 1.ガイドライン策定の背景
 2.ガイドラインの内容

第2章 個別具体的な取引事例について(問題となりうる事例)
 1.トンネル会社の規制(下請法第2条第9項関係)
 2.発注書及び契約書の交付、交付時期(下請法第3条関係)
 3.支払時期の起算日(下請法第4条第1項第2号関係)
 4.買いたたき、不当な経済上の利益の提供要請等
   (納入した番組・素材についての著作権の帰属、窓口業務)
 5.買いたたき(下請法第4条第1項第5号関係)
 6.不当な給付内容の変更及びやり直し(下請法第4条第2項第4号関係)
 7.放送番組に用いる楽曲に係る製作取引に関する課題
 8.アニメの製作発注に関する課題
 9.出資強制に関する課題
 10. 契約形態と取引実態の相違に関する課題

第3章 個別具体的な取引事例について(望ましいと考えられる事例)
 1.発注書の交付等(第2章-2関係)
 2.支払期日の起算日(第2章-3関係)
 3.不当な経済上の利益の提供要請等(著作権の帰属)(第2章-4関係)
 4.買いたたき(第2章-5関係)

参考資料

2009年7月 9日 (木)

諸外国の個人情報保護制度報告書・概要(内閣府)

 アメリカ、韓国へのサイバー攻撃が続いているようで、北朝鮮犯人説も出てきていますね。先日のココログの「第三者の悪意ある連続アクセスによる通信過負荷」による障害とは無関係かな?

 さて、内閣府の国民生活審議会個人情報保護部会の先月29日の第10回会合の配布資料がネットで公開されています。
 → 国民生活審議会個人情報保護部会ページ

 なぜか消費者庁関連資料がまとまって配布されていますが、これは、わざわざここで見ることもないですね。
 資料として興味を引いたのは、内閣府国民生活局の「諸外国等における個人情報保護制度の実態調査に関する検討委員会・報告書概要」。諸外国の個人情報保護制度についてまとまった資料はありがたいので、ここにメモ。ただ、この「概要」のもととなっている「報告書」は平成19年の報告書のことなんでしょうね。ちゃんと見比べてませんが。
 → 「諸外国等における個人情報保護制度の実態調査に関する検討委員会
    ・報告書概要」
(PDF)

 → 平成19年1月「諸外国等における個人情報保護制度の運用実態に関す
          る検討委員会・報告書」
(PDF)

 諸外国、特に、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリアの6ヶ国およびOECD、EU、APEC等の国際的取組を検討対象にしています。

消費者庁・消費者委員会に関するシンポジウム(日弁連)

 先日、消費者庁新設に伴う消費者庁、消費者委員会の人事問題について、ちょっと書きました。
 → 「消費者庁長官と消費者委員会委員長の人事への批判続出」(7/1)

 昨日も、今回の人事報道に対して批判的な秋田弁護士会会長声明が出されています。 → 秋田弁護士会サイト

 さて、そんな中、日本弁護士連合会(日弁連)では、7月17日(金)に「シンポジウム動き出す消費者庁と消費者委員会 -消費者のための制度に育てよう-」が開催されます。

 このシンポでは、消費者庁消費者委員会とはどういう組織で、どんな権限があるのか、消費者安全法によって何ができるようになるのかなど制度の概要、地方消費者行政の支援策の現状と課題などの論点について、パネルディスカッション等によりご紹介する予定となっているのですが、当然、上記の人事問題も話題にのぼることと思われます。
 東京の弁護士会館での開催ですが、重要なシンポであるところから、この手のシンポとしては珍しく、各地の弁護士会の中にはテレビ中継を行うところもあります。大阪弁護士会でも、下記案内の通り、開催されることとなっています。私も、この大阪弁護士会の中継会場には行く予定にしています。

 なお、各地のテレビ中継会場については、事前申込が必要な会場も多いようですので、会場となる各弁護士会へご連絡をお願いします。中継が行われる各会場の案内なども下記日弁連サイトにあります。
 → 日弁連サイト シンポジウム紹介ページ

 日    時  7月17日(金)午後6時~8時(開場5時半)
 場    所  弁護士会館 2階講堂(千代田区霞が関1-1-3)
 プログラム(予定)
         消費者庁関連3法についての概要報告
         パネルディスカッション
           1 消費者庁と消費者委員会の組織機能について
           2 消費者安全法における消費者庁の権限機能について
           3 消費者庁の所管法
           4 地方消費者行政の支援策
         まとめ
 参加費等   参加無料・申込不要
         東京会場は事前申込不要。直接会場にお越し下さい、とのこと。
 主   催   日本弁護士連合会
 問合せ先   日本弁護士連合会 人権部人権第二課
                   TEL:03-3580-9508

  〈大阪弁護士会のテレビ中継会場の案内〉
 → 大阪弁護士会サイト シンポの案内(PDF)

2009年7月 8日 (水)

「ニュースの理由」のセブン・イレブン記事(日経)

 セブンーイレブン・ジャパンのコンビニ加盟店への見切り販売制限についての公正取引委員会の排除命令については、その後も話題になっていますが、それに関するものです。

 先週金曜になりますが7月3日の日経夕刊2面「ニュースの理由(わけ)」に田中陽編集委員執筆の「公取委、セブンイレブンに排除命令」というコラム記事がありました。実は、うっかり見過ごしてたのですが、夕べ読んでみると、この記事、よくわからない。全体しての趣旨も私の読解能力のせいか、法律的な観点からはわかりにくいように思えました。

 以下のブログで実務家と研究者の専門家おふたりがコメントされているので、ここでは掘り下げませんが、特に最上段の川越憲治弁護士のコメントを引いて書かれている段落の意味は私には不明(川越弁護士が悪いわけではありません。)。

 → 「企業法務戦士のブログ」(7/3)
 → 「独占禁止法の部屋ブログ」(7/7)

 この日経新聞編集委員の田中陽氏は、日本経済新聞社から2006年に「セブン‐イレブン覇者の奥義」というセブン・イレブンについての書籍を出されているほどで、コンビニを含めた流通業界については詳しいベテラン記者という方です。

 ところで、この問題で当初から気になっていたところですが、この日経コラムでも問題とされている「優越的地位の濫用」「再販売価格拘束」の両者についてです。
 「再販売価格拘束」が適用されなかったことについて議論されているわけですが、そもそも、対象となっている弁当などの商品が、セブンーイレブン・ジャパンが売り主として加盟店に販売した商品であるならば、「再販売価格拘束」の問題が生じると思うのですが、これらが別の食品メーカーから加盟店に直接に販売されている形であれば、一般指定に定める「自己の供給する商品」には該当せず、「再販売価格拘束」の問題は基本的に生じないのではないのでしょうか?少なくとも公取委の排除措置命令では、別の仕入先から仕入れる商品を対象としていると思います。もっとも、形はともあれ、実質的には、本部側が卸しているのだ、という実質論からのアプローチも可能かもしれませんが。
 この点、不勉強のため、ご教示いただければ幸いです。

2009年7月 7日 (火)

「遺言・相続センター」での初仕事(大阪弁護士会)

 今日は午後1時から4時まで大阪弁護士会「遺言・相続センター」の電話相談のための事務所待機という仕事がありました。

 この「遺言・相続センター」は、大阪弁護士会が昨年9月に開設したものですが、私が電話相談を担当するのは今日が初めてです。大阪弁護士会の案内文によれば、
「遺言・相続センターは、市民の皆様にとって身近な法律問題である遺言や相続に特化して、法律相談等を行います。遺言・相続問題は身近なことではありますが、極めて多くの法律的な問題を含んでおり、その処理は司法の担い手である弁護士が最も得意とする分野です。
 ただ、弁護士の費用が不透明である、敷居が高いとのご指摘もあって、これまで弁護士をあまり利用されない方が多い状況でした。このようなご指摘を受け、
 1 電話で弁護士に20分間の無料法律相談ができる、
 2 その後の法律相談や遺言書作成料についても、弁護士の費用を明示する
という制度」
ということです。
 誰しも死を避けることはできず、相続という問題は、多くの人にとって他人事ではなく、かといって、身内のことですので、トラブルが生じるのはできれば避けたい、と思うものです。トラブルにはしたくはないけど、ちょっと法的な知識を聞いておきたい、とか、相続や遺言に伴う手続を知りたい、というような、ちょっとした法的アドバイスをひとまず必要としているような人には、気軽に利用しやすい良い制度だろうと思います。私が今日担当した事案も、そういったものであったと思います。

 電話での無料相談(20分間)が基本ですが、場合によっては、継続相談や遺言作成、遺産分割手続などを当該弁護士に依頼することも可能です(相談料など弁護士費用は発生します。)。

 詳しくは、
 → 大阪弁護士会サイト「遺言・相続センター」

経済産業分野の個人情報保護ガイドライン改正案パブコメ(経産省)

 先日ご紹介した特定商取引法・割賦販売法改正法経済産業省の全国各地での説明会はすでに満員状態のようですが、9月~12月のスケジュールも公表されました。申込はまだです。大阪はここに2回ばかり入ってますが、これもすぐ申し込まないと満員でしょうね。 → 経産省サイト

 経済産業省からの情報は、同省サイトの報道発表ページから得ているのですが、この特定商取引法・割賦販売法の説明会の9月以降分の公表は載っていませんでしたので、別ルートからの情報でした。そして、以下の本題も同じく報道発表ページには出ておらず、別ルート情報からでした。

 で、本題です。個人情報保護法についてのガイドラインは各省等から出されていますが、中でも重要な「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」の改正案についての意見募集(パブリックコメント)が、6月30日に出されていました。意見の締切りは7月29日です。
 → 経産省サイト パブコメ

 まだちゃんと読んでませんが、改正案の概要によれば、
〔改正案の主な内容〕

(1)「個人情報の保護に関する基本方針」の一部変更への対応

(2)「個人情報の保護に関する法律施行令」の一部改正への対応
    平成20年5月に、個人情報取扱事業者から除外される者の要件が改正
   されたことに伴う改正。

(3)「個人情報保護に関するガイドラインの共通化について」への対応
    内閣府により平成20年7月に「全事業分野に共通するような標準的な
   ガイドライン」が策定されたことに伴う改正。

(4)「パーソナル情報研究会」で検討を行った各課題への対応
   ①性質に応じた個人情報等の取扱い
   ②「事業承継」に係るルールの明確化
   ③「共同利用」制度の利用普及に係る具体策

(5)その他

となっています。

 なお、上の(3)にある内閣府の「全事業分野に共通するような標準的なガイドライン」とあるのは、各省庁の各分野の個人情報保護ガイドラインの内容や形式を統一的にしてわかりやすくしようという趣旨で作られているもので、全分野の統一ガイドラインを作ったというわけではなく、おおざっぱに言えば、個人情報保護ガイドラインを各省庁が各分野のガイドラインを作成するための「ガイドライン作成のガイドライン」みたいなもののようです。

 ただ、「全事業分野に共通するような標準的なガイドライン」という用語はいくつかの文章中には出てくるのですが、これがタイトルになった文書は私がちょっと探した範囲では見つかりませんでした。
 おそらくは、内閣府および関係省庁が個人情報保護関係省庁連絡会議の申合せとして平成20年7月25日に出した「個人情報保護に関するガイドラインの共通化について」にある、ガイドラインの共通化についての考え方の「別紙」(下記リンクの「ガイドラインの共通化の考え方について」)の「○○分野における個人情報保護に関するガイドライン」というガイドラインのひな形書式みたいな文書が、それに該当するものだと思います。(間違っていたらご指摘ください。)

 → 「個人情報保護に関するガイドラインの共通化について」(PDF)
 → 「ガイドラインの共通化の考え方について」(PDF)

2009年7月 4日 (土)

「天使のスィーツ」と「エンゼルスィーツ」の知財高裁判決(商標権)

 久しぶりに知的財産関係の判決紹介です。
 商標権に関するもので、特許庁の無効審判手続において、無効審判の請求が認められなかった森永製菓が、商標登録を有する被告企業に対して、審決取消訴訟を提起していたもので、裁判所サイト知的財産裁判例に載っていました。この知的財産高裁判決は、森永製菓の請求を認めて、特許庁の審決を取り消しました。

 平成21年7月2日知的財産高裁判決 審決取消請求事件(商標権) 

 「エンゼルスィーツ」の片仮名文字及び「Angel Sweets」の欧文字を上下二段に表した登録商標(指定商品「菓子及びパン」など)を有していた原告の森永製菓が、被告が有する「天使のスィーツ」の文字を横書きにした登録商標(指定商品「菓子及びパン」)について、商標法4条1項11号(不登録事由・・他人の先願の商標と同一又は類似のもの)に該当するとして、特許庁に無効審判を請求しました。

 これに対して、特許庁は、本件商標(被告の商標)と引用商標(原告の商標)とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても同一又は類似のものということはできず、森永製菓の本件審判の請求は成り立たない、とする審決をしました。この審決の取消を求めた訴訟が本件訴訟です。

 この訴訟で森永製菓が主張して争点となった審決の取消事由は、「1.両商標から生じる観念の類否の判断の誤り」「2.出所の混同を生ずるおそれがないとした判断の誤り」の2つです。

 まず取消事由1ですが、両方の商標から生じる観念の類否の判断ということになります。商標の類似の判断は、「外観、称呼、観念」を比較するという方法が一般的に採用されていますが、このうち、「観念」の類否の問題です。
 本件知財高裁判決は、
「よって,本件商標からは,「天使の甘い菓子」,「天使のような甘い菓子」又は「天使」という観念が生じる。また,上記(1)のとおり,「エンゼル」「Angel」が「天使」の意味を有する我が国で親しまれた語であることに照らすと,引用商標からも,「天使の甘い菓子」,「天使のような甘い菓子」又は「天使」という観念が生じる。」とし、
「本件審決は,両商標がいずれも特定の観念を生じないと判断しているが,両商標の観念は,以上のとおり共通するのであって,本件審決の判断は是認することができないといわざるを得ない。」として、両者の観念は同一であるとし、
「・・・同一でも類似でもないとした本件審決の前記判断は,誤りである。」として、取消事由1を認めました。

 次に取消事由2(出所の混同を生ずるおそれがないとした判断の誤り)については、昭和43年最高裁判決を引用して、「商標の類否は,対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが,それには,そのような商品に使用された商標がその外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべく,しかも,その商品の取引の実情を明らかにし得る限り,その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である」としたうえで、
 本件商標と引用商標との類否については、まず、両商標の「外観」「称呼」は相違するとしながら、
「・・両商標から生じる観念は同一であり,指定商品も「菓子及びパン」を共通にするものである。そうすると,本件商標と引用商標は,外観及び称呼において類似するとはいえないものの,観念が同一であって,取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すると,同一の指定商品である「菓子及びパン」に使用した場合に,商品の出所につき誤認混同されるおそれがあるということができる。なお,これに反する取引の実情は見当たらない。」として、
「そうすると,本件商標は,商標法4条1項11号に該当し,同号に該当しないとした本件審決の判断は,誤りである。したがって,取消事由2は,その趣旨をいうものとして理由があるといわなければならない。」(わかりにくい文章だ)とし、

 判決の結論として、原告森永製菓主張の取消事由1.2はいずれも理由があり、特許庁の審決は取り消されるべき、としたのです。

 特許庁と結論を異にしたのですから当然ではありますが、ちょっと微妙な判断かな、と私は思います。「天使のスィーツ」「エンゼルスィーツ」(「Angel Sweets」)の類否判断・・いかがでしょうか?

2009年7月 3日 (金)

Googleブック検索についての米司法省調査(続報)

 Googleのブック検索サービスに関連して著作権者らとのクラスアクションでの和解については、このブログでも何度か触れてきました。
 そのうち今年の5月5日に「Googleブック検索の和解案に関して2題(米司法省調査・日本の著者対応)」という記事で紹介した米司法省の調査についての報道が読売でありました。司法省が、独占禁止法違反関連で正式な調査を始めたことを7月2日に明らかにした、というものです。

 司法省の広報によれば、この和解について「独占禁止法規制当局は、デジタル書籍の知的財産権と流通に関して非競争的な手段が用いられた可能性を調査している」とのことで、独占禁止法関連の調査だから当然の内容であり、以前の記事以上に目新しい内容もないのですが、ただ、調査していることを司法省自体が公式に認めたという点の値打ちでしょうか。

 なお、この読売の記事によれば、著作者が和解案に参加するかどうかを選択する期限を当初予定されていた5月から9月へと4ヶ月間延長したとのことで、この和解案についての最終審理を10月に予定している、とのことですね(既報のようですが)。

 今見たところでは、日経も報じてました。

2009年7月 2日 (木)

公正取引委員会サイトから

 なんだか2ちゃんねるからトップページに大量に流れてこられているようなので、地味な固い記事でも置いておきましょう。

 今日は、公正取引委員会関連では、愛媛県発注のり面保護工事の入札談合に関する審判審決、元詰種子の価格カルテルに関する課徴金納付の審決、ダクタイル鋳鉄管製造販売業者に対する課徴金納付の審決の3審決が出ていますが、今回はスルーします。詳しくは公取委サイトへ。
 → 公取委サイト報道発表資料

 それと、これは今日公表されたものではないですが、公正取引委員会事務局長の6月24日の定例記者会見記録で、「株式会社セブン-イレブン・ジャパンに対する排除措置命令について」「国土交通省が発注する車両管理業務の入札参加業者らに対する件について」という先日当ブログでも触れた両事件について紹介してました。
 → 公取委サイト事務総長定例会見記録

 眼帯生活がまだ続いています。眼帯をしているほうの眼は開けておくべきか閉じておくべきか、ずっと悩んでます(笑)

 政局がますますわからなくなってきて、山本一太参議院議員のブログ「山本一太の『気分はいつも直滑降』」を読むのが日課になってしまいました。支援者でもなんでもないですが、面白い。

2009年7月 1日 (水)

消費者庁長官と消費者委員会委員長の人事への批判続出

 新設される消費者庁長官消費者委員会委員長の人事報道がなされていますが、消費者団体からはこの人事案を批判する反対意見が多く出されています。

 例えば、河北新報によれば、「新しい消費者行政を創る宮城ネット」が、この選任の再検討を求める要請書を野田消費者行政担当相などに送ったと報じていて、特に、「行列ができる」(?)住田裕子弁護士を起用する案が出ている消費者委員長には、「消費者問題・事件に豊富な見識と経験を有する人を選ぶよう求めている」とのこと。これは、同団体の「消費者庁長官・消費者委員会委員長の人選について」とする意見書なのですが、この意見書では、消費者庁長官や消費者委員会委員長は、消費者問題や消費者事件への対応を経験してきた現場感覚を有する人物でなければならないところ、現在の人選は、明らかにこのような視点を欠いたものと厳しく指摘しています。

 また、適格消費者団体の一つである「京都消費者契約ネットワーク」も、昨日同様の意見書を出したようです。ここも、特に消費者委員会が、消費者庁から独立した第三者機関であって消費者行政全般の監視機能が鍵であり、消費者委員会の委員長、委員の人選が重要であるとしています。そのうえで、人選に際しては、消費者問題に精通し、消費者の立場・目線に立つ人で、自己の見識を貫ける人であることが必要とし、また、委員の出身母体における員数については産業界等に配慮したバランス論は絶対に避けるべきともしています。そして、現在報じられている消費者委員会の人事は、それらの観点からは問題であると指摘しました。

 他にも近畿の消費者団体で組織されている「新しい消費者行政を実現する連絡会」も29日に「消費者問題に積極的に取り組んできた人の中から選ぶこと」を求めている、と朝日が報道していますね。これは「消費者庁長官、消費者委員会委員長の人選の再考を求める」という意見書が出されたもので、ここでも、報道されている人事について「多くの関係者は落胆の意を隠せない状態となっている。」としています。

 今回の長官、委員長の人事は、消費者問題に携わってきた者(団体)には、とても歓迎できない内容ということとなってきています。特に消費者委員会委員長についての反発が大きいようですね。私も全く同感です。候補に挙がっている方には何の恨みもありませんが・・・・

【追記】(7/1)
 また、全国の消費者団体で組織されている「消費者主役の新行政組織実現全国会議」(ユニカねっと)が、本日、「消費者委員会の機能の充実を求める声明」を出していました。ここでも、消費者委員については、「消費者問題に関する経験が豊富で、消費者目線の目を持った人物を選任すること」を求め、かつ、設置法の規定通り、委員の自由な意思に基づく互選により委員長を選任することも求めています。 

【追記】(7/8)
 7月6日付で、全国クレジット・サラ金問題対策協議会(事務局長 木村達也弁護士)からも
(1)参与会の審議はすべて公開し傍聴を認めること
(2)消費者委員については消費者問題に関する経験が豊富で消費者目線の人物を選任すること
(3)消費者委員の選任基準を明確にするとともに、任命理由などについて十分に説明責任を果たすこと
(4)消費者委員長の選任は消費者委員の自由な意思に基づく互選により選任できるよう、住田氏が消費者委員長となることが既定路線であるかのごとき発言については撤回し白紙にもどすこと、を強く求める
という趣旨の意見書が出されたようです。

【追記】(7/16)
 先日(7/8)の秋田弁護士会の会長声明に引き続き、昨日(7/15)、仙台弁護士会も、消費者委員長の選任手続を問題視して、具体的な候補者を選定しているのが事実であれば直ちに撤回し、消費者委員会、参与会の議事を全て公開し,市民や報道機関の傍聴を認めることを政府に求める旨の会長声明を出したようです。
 さっき見たところでは、まだ仙台弁護士会サイトには出てませんでしたが。
 なお、別記事で紹介しました通り、明日午後6時から、「消費者庁・消費者委員会に関するシンポジウム」が開催されます。
 → 「消費者庁・消費者委員会に関するシンポジウム(日弁連)」(7/9)

 その後、本日付で京都弁護士会からも「消費者庁長官及び消費者委員会の人事に関し両組織創設の趣旨の徹底を求める会長声明」が出ました。
 → 京都弁護士会サイト会長声明

【追記】(8/5)
 その後、群馬弁護士会、仙台弁護士会からも同様の会長声明が出ています。

【追記】(8/6)
 
兵庫県弁護士会、横浜弁護士会、札幌弁護士会、佐賀県弁護士会、山口県弁護士会も会長声明が出てるようです。

小ネタを2つ(えびせんと個人情報)

 小ネタを2つ。

 今日は、「えびせん」の表示に関して(あのK社のえびせんではありませんよ)、優良誤認のおそれがあるとして、公正取引委員会が警告を出しています。要するに、「朝一番に水揚げされた三河湾の新鮮な素材をすぐおせんべいに。」、「身がよく締まり、独特の甘みをもった「あかしゃ海老」は、三河湾で朝一番に漁獲され、数時間後には海老せんべいに姿を変えています。」などのようにリーフレットに記載して、あたかも、掲載されたえびせんべいの原材料に三河湾で水揚げされたえびのみを使用しているかのように表示していたが、一部商品は海外や三河湾以外の国内で水揚げされたえびを使用していた、というものです。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 もうひとつは、内閣府の個人情報保護サイトにリリースされていたものですが、「個人情報保護法に関するよくある疑問と回答」を更新したとのこと。どこを更新したのかよく見てないのですが、ひとまずご紹介。

 

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