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2009年6月の記事

2009年6月30日 (火)

貨物運送・倉庫事業者に対する下請法勧告(公取委)

 ちょっと事情により、眼帯をしています。眼帯なんて、小学校くらいにしたことがあるだけで、40年振りくらいじゃないかなぁ。
 同じく、ちょっと事情により、ブログ更新ができませんでした。それとは無関係なのですが、今日は、午後から3時間あまりもココログの閲覧などができないなどの障害が続いていたようですね。

 また、貨物運送に関する下請法違反事件です。
 本日、公正取引委員会は、ニチユ物流株式会社(川崎市川崎区)に対し調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)に違反するとして、勧告を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

【違反事実の概要】
 ニチユ物流は、業として行う貨物運送又は倉庫における保管を下請事業者に委託しているところ、自社の利益を確保するため、下請事業者に対し、「取扱手数料」と称して、下請代金の額に一定率を乗じて得た額を負担するよう要請し、この要請に応じた下請事業者に対し、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、当該下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた(減額金額は、下請事業者6社に対し、総額1673万7291円。)。なお、下請事業者に対し、減額金額を返還済。

【勧告の概要】

  1.  前記行為が下請法の規定に違反するものである旨及び今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じない旨を取締役会の決議により確認すること。
  2.  前記に基づいて採った措置及び下請代金の額から減じていた額を下請事業者に対し支払った旨並びに今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じることがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じるとともに、その内容等を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
  3.  前記に基づいて採った措置並びに下請代金の額から減じていた額を当該下請事業者に対し支払った旨を取引先下請事業者に周知すること。

2009年6月27日 (土)

割賦販売法改正に伴う規則改正(経産省)

 特定商取引法改正に関する規則改正については、先日(6/24)触れましたが、同時に改正された割賦販売法に関しても、施行規則の改正が昨日公表されました。

 今回の割賦販売法の改正は、過剰与信防止義務加盟店調査義務の導入などについてのもので、「過剰与信防止義務」とは、クレジット業者に対して、指定信用情報機関を利用した支払能力調査を義務づけ、消費者の支払能力を超える与信契約の締結を禁止するもの、「加盟店調査義務」とは、個別クレジット業者に対して、訪問販売等を行う加盟店の勧誘行為に対する調査を義務づけ、不適正な勧誘があった場合の与信を禁止するもの、となっています。なお、改正法の施行は原則として今年の12月1日

 で、今回の割賦販売法施行規則改正の内容は、以下の通り。
 → 経産省サイト報道発表資料
 → 「割賦販売法施行規則の一部を改正する省令の概要」(PDF)

 詳しくは、上記リンクを見ていただきたいですが、例えば、支払可能見込額調査、過剰与信防止に関しては、支払可能見込額調査の方法や生活維持費の算定方法について定められており、「支払可能見込額」は、自己申告に基づく収入、指定信用情報機関等からの情報に基づくクレジット債務の額、世帯人員数・持家の有無等を勘案して算定した生活維持費の額等により算定するものとする、とされています。
 また、加盟店調査義務についても、具体的な調査方法などが規定されました。

2009年6月26日 (金)

20年度独占禁止法相談事例集(公取委)

 ファラ・フォーセットとマイケル・ジャクソンの訃報が報じられていますね。今日は一日、日弁連の消費者問題対策委員会のため、新幹線で東京に向かっている途中です。

 先日、少しだけ触れましたが、今月23日に、「独占禁止法に関する相談事例集(平成20年度)」公正取引委員会から公表されました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)
 → 相談事例集本文(PDF)

 今回は、全部で9事例が掲載されており、「業務提携に関するもの」「共同行為に関するもの」「技術取引に関するもの」「新聞業特殊指定に関するもの」が各1事例、「事業者団体の活動に関するもの」が5事例となっています。

 目次的に紹介しておくと、

【業務提携に関するもの】
 1 競合する金属製品メーカー間の相互OEM供給
【共同行為に関するもの】
 2 未回収パレットの回収等の共同化
【技術取引に関するもの】
 3 研究開発活動の制限
【事業者団体の活動に関するもの】
 4 事業者団体による製品の分析費用の負担等に関する申合せ
 5 取引条件明確化のための活動
 6 事業者団体が構築・運用管理する情報システムの共同利用
 7 事業者団体による音楽著作権情報の集約化及び集中処理
 8 事業者団体による取引先事業者に対する適正取引の要請文書の発出等

【新聞業特殊指定に関するもの】
 9 新聞発行業者による長期購読者向け割引

というものです。
 最後の新聞業特殊指定についてのものは、
「新聞発行業者が、1年間分の購読料を前払いすること等を条件として、購読料(定価)を割り引くことは、直ちに独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例」です。

2009年6月25日 (木)

ゲルマニウム・ブレスレットの健康効果は?(国民生活センター)

 ゲルマニウムを使用した商品で、健康によいような宣伝をしているものは多く見られるところです。
 昨年、公正取引委員会は、ゲルマニウムをコーティングしたビーズにより、遠赤外線効果及び消臭効果が得られるかのように示す表示をしていたのに、実際には、そのようなビーズを使用していなかった枕(「快眠★夢枕」)をテレビショッピングで販売していたものや、そのまま摂取したり、煎じて飲用することによって、健康食品の含有成分のゲルマニウムによるデトックス効果によって、体内の老廃物を排出させるなどして痩身効果が得られるかのように示す表示を行っているが、業者が合理的な根拠を示せなかったものに対して、景品表示法の優良誤認に該当するとして排除命令を行っています。
 → 「テレビショッピングの「快眠★夢枕」の不当表示(景表法)」(08/8/27)
 → 「デトックス商品の不当表示(景表法)」(08/4/1)

 本日は、ゲルマニウムを使用したブレスレットに関して、国民生活センターが報道発表をしています。ゲルマニウムは物質的特性が金属と非金属の中間に位置する「亜金属」で、半導体の性質を示す物質だそうです(よくわかりませんが)。
 → 国民生活センター報道発表資料
 → 「体に良いとうたうゲルマニウム使用のブレスレット」(PDF)

 今回の国民生活センターの発表内容は、
 市場には、高純度のゲルマニウムを使用していることをうたい、「こりの緩和」や「血行の改善」など、健康に対する何らかの効果をイメージさせるブレスレットが数多く販売されているが、このようなゲルマニウムを使用したアクセサリーについての相談が多く寄せられているとのことで、「品質・機能」に関する相談のほか、使用によって皮膚障害が起きたという事例も寄せられていた。
 そこで、高純度のゲルマニウムを使用した旨の表示があり、体に良いとイメージさせる販売価格15,000円未満のゲルマニウムブレスレット12銘柄を対象に、ゲルマニウムの含有量の他、長時間・長期間装用した場合に接触皮膚炎の原因物質となることがある金属や鉛等の溶出がないか等について調べた。また、表示されたうたい文句に関する科学的根拠の調査も併せて行い、消費者に情報提供することとした。
 というものです。

 詳しい内容は、上記リンクから見ていただくとして、調査結果等の概略を示しておくと、

 ゲルマニウム含有量については、ゲルマニウムが検出されない、又は微量であるものが見られ、ベルトの材質については、安価な銘柄はベルトの主成分が鉄で放置により錆が発生するものもあった。

 ゲルマニウムの効果等に関する表示調査では、高純度のゲルマニウムを使用しているという表示で、ごくわずかな量しかゲルマニウムが含まれていない銘柄が8銘柄あって誤認を招くおそれがあったり、薬事法に抵触するおそれがあるような効能・効果をうたうインターネット上の広告がみられた。
 また、全ての銘柄に、ゲルマニウムが健康に対する何らかの効果を示す旨の表示がみられたが、科学的根拠を示す文献は確認できなかった。この点、ゲルマニウムの効果について、製造者又は販売者名が記載されていた5社に対してアンケート調査を行ったところ、回答があったのは2社で、内1社は根拠となる資料を所有していなかった。 また、インターネット通信販売業者の多くはゲルマニウムのヒトに対する効果についての科学的根拠を有しておらず、メーカーや仕入れ業者から入手した資料を基に表示を行っていた。

 国民生活センターは、以上に基づいて、消費者へのアドバイスとして、表示されていたようなゲルマニウムの健康への効果は、根拠となる科学的データが確認できなかった、ゲルマニウムブレスレットを購入する人は健康への効果を期待すべきではない 、としています。

 さらに、業界への要望として、ゲルマニウムの効果に関する表示について、明確な科学的根拠がなければ表示を取りやめるよう要望する、インターネット上の広告について、薬事法に抵触するおそれがある表現がみられたため、改善を要望する、ブレスレットは体に身に付けて使用する商品であることから、錆の生じにくい素材を使用するよう、要望する、としています。

 そして、公正取引委員会厚生労働省(社)日本通信販売協会に対して、
ゲルマニウムの健康への効果について、科学的根拠を示す文献が確認できなかった。景品表示法上問題があるおそれがあるため、監視・指導の徹底を要望する。
 インターネット上の広告について、薬事法に抵触するおそれがある表現がみられたため、指導の徹底を要望する。」
と要望しています。

 要するに、今回の国民生活センターの調査結果では、ゲルマニウムを使用したブレスレットの健康への効果は確認できず、多くの商品の宣伝の表示は、景品表示法や薬事法上の問題がある、ということですね。

2009年6月24日 (水)

特商法・割販法改正に関する規則改正と改正法説明会(経産省)

 昨年6月に成立した特定商取引法と割賦販売法の一部の改正法に関して、政令と施行日については、先日当ブログで紹介しました。
 → 「特定商取引法・割賦販売法の一部改正の施行日やっと決まる(経産省)」(6/16)
 → 
「特定商取引法と割賦販売法の政令改正(経産省)」(4/1)

 今日は、経済産業省から、「特定商取引に関する法律施行規則」の改正が公表されています。
 → 経済産業省サイト報道発表
 規則改正の概要については、以下をご参照ください。
 → 経済産業省サイト
  「特定商取引に関する法律施行規則の一部を改正する省令」について(PDF)

 規則(省令)ではありますが、特定商取引法の運用上、重要な用語の定義などが含まれています。

 なお、同じく本日、経済産業省から、「改正特定商取引法・割賦販売法説明会」の開催について公表されています。→ こちら(PDF)
 ひとまず、
・6 / 30 (火) 東京会場・7 / 15(水) 札幌会場・7 / 29(水) 京都会場
・8 / 5 (水) 名古屋会場・8 / 21(金) 仙台会場・8 / 26(水) 福岡会場

のみが日時の発表がされていますが、大阪を含め全国で以後開催されるとのことです。ただ、某ルートから聞き及んだところによれば、既に東京会場は満員ということのようですので、他の会場も含め、参加希望の方は、早めにご確認ください。

【追記】(6/27)
 割賦販売法についての規則についても公表されたので、別記事にしました。
 → 「割賦販売法改正に伴う規則改正(経産省)」(6/27)

【追記】(7/5)
 上記の改正説明会ですが、8月までの上記6会場での説明会は全て定員に達して締め切られています。9月以降の発表はまだです。
 → 経産省サイト 説明会日程・資料
 ここに出ている説明資料(PDF)は改正法の理解の役に立ちます。

機械部品製造委託代金の不当減額に対する勧告(下請法)

 いろいろと混み合ってきてますが、下請法違反の勧告事案が出ていますので、拾い上げておきます。

 昨日、公正取引委員会は、株式会社不二工機(東京都世田谷区)に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)に違反するとして、同社に対して勧告を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

【違反事実の概要】
 不二工機は、冷凍・空調用自動制御機器の部品の製造を下請事業者に委託しているところ、自社のコストダウンを図るため、下請事業者に対し、「原価低減」と称して、一定額を負担するよう要請し、この要請に応じた下請事業者に対し、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、当該下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた(減額金額は、下請事業者3社に対し、総額1312万7565円。但し、既に返還済。)。

【勧告の概要】

  1.  前記の減額行為が下請法の規定に違反するものである旨及び今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じない旨を取締役会の決議により確認すること。
  2.  前記に基づいて採った措置及び下請代金の額から減じていた額を下請事業者に対し支払った旨並びに今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じることがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じるとともに、その内容等を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
  3.  前記に基づいて採った措置並びに下請代金の額から減じていた額を当該下請事業者に対し支払った旨を取引先下請事業者に周知すること。

【追記】(6/24)
 6月24日に、同じく不当減額事案で、婦人服製造等の下請委託に関して、東光商事株式会社(大阪市中央区)に対して、公正取引委員会が勧告を行っています。こちらは、下請事業者104名に対して総額約2416万円の減額となっています(既に返還済。)。勧告内容は上記事件と同様のものです。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

2009年6月23日 (火)

国交省発注の公用車管理業務の官製談合(公取委)

 さて、国土交通省発注の公用車管理業務の入札談合事件についての排除措置命令と課徴金納付命令です。

 本日、公正取引委員会は、国土交通省が北海道開発局及び各地方整備局において発注する車両管理業務の入札参加業者らに対し、独占禁止法3条(不当な取引制限の禁止)に違反するとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行っています。同時に、一部に国土交通省などの職員、退職者による入札談合等関与行為防止法第2条第5項第3号(発注に係る秘密情報の漏えい)に違反する入札談合等関与行為が認められたため、国土交通大臣に対し、入札談合等関与行為防止法に基づいて、必要な措置を採るよう改善措置要求を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 違反事業者は、日本道路興運株式会社、北協連絡車管理株式会社、日本総合サービス株式会社、大新東株式会社、ムサシ興発株式会社、株式会社日経サービス、株式会社セノン、株式会社安全エンタープライズ、株式会社ニシノ建設管理、株式会社アクアテルス 、株式会社関東ロードメンテナンスの11社。このうち、関東ロードメンテナンス(既に解散・清算結了)を除く10社に排除措置命令と課徴金納付命令(合計26億0299万円)が出されたものです。
 また、日本道路興運と日本総合サービスの2社は、自主申告による課徴金減免制度の対象として30%の減額を受けたことが公表されています。

【違反行為の概要】
 詳しいことは公取委の公表資料を見ていただくこととして、省略しますが、要するに、国土交通省(北海道開発局及び各地方整備局)発注の公用車管理業務の入札について、業者間で談合が行われた、というもので、かつ、 北協連絡車管理、日本道路興運、日本総合サービスの3社については、自社の役員又は従業員として受け入れていた国土交通省などの退職者が入札価格等に関する情報の交換を行っていた事実が認められた、というものです。

【排除措置命令の概要】

  1.  事業者は、それぞれ、前記行為を取りやめている旨を確認すること及び今後、前記同様の行為を行わず、各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨を、取締役会等において決議しなければならない。
  2.  事業者は、それぞれ、前記に基づいて採った措置を、自社を除く事業者及び北海道開発局又は各地方整備局に通知し、かつ、自社の従業員に周知徹底しなければならない。
  3.  事業者は、今後、それぞれ、相互の間において、又は他の事業者と共同して、前記と同様の行為を行ってはならない。

ICTサービスに係る研究会提言(案)でのストリートビュー検討(総務省)

 ここのところ、公正取引委員会関連の記事が続いていて、実は、今日も、国交省の公用車管理業務の入札談合事件不二工機の下請法違反勧告昨年度の相談事例集の公表と、メモしておきたい公表事例が3件もありました。

 でも、あまり公取委の関連ばかりというのも何なので・・・・

 実は、昨日、総務省Googleストリートビューは合法であるとの見解を示した、というような内容の報道がされていました。これは、以前に当ブログでも紹介しました総務省「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」の第2回会合での議論に関する報道です。6月22日の第2回会合での配布資料に「第一次提言」の案があり、この内容についての検討についてですね。
 この研究会に関して以前の当ブログ記事は
 → 「Googleストリートビュー対策に対する
    東京都個人情報保護審議会会長コメント」
(5/26)

 今回の上記研究会の提言(案)の内容は総務省サイトに出ています。
  → 総務省サイト研究会ページ
  → 提言(案)本文(PDF)

 もちろん、この提言(案)はストリートビューのことだけを書いているわけではないのですが、この問題に関する記述(全部で22ページ)では、他社のサービスや外国での状況、日本国内の反応(地方議会の意見書採択状況を含む)などの報告を踏まえて、法的問題点を検討していて、単純に「合法」とお墨付きを与えているわけでもなく、結構面白い内容になっています。
 なお、他には、「違法音楽配信」「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインの改正」がテーマとなっています。興味のある方はご覧ください。 

【追記】(6/24)
 マスコミが総務省が見解をまとめたかのように書いているのは、(よくあるパターンですが)上に書いたように、単なる研究会の提言であり、しかも、まだ提言(案)であって、これからパブリックコメント募集したうえで、正式に提言として公表されるわけですね。正式な提言といっても、総務省の見解ではなく、あくまでも、この研究会の提言です。この点については、大マスコミの記事よりは、INTERNET Watchの記事のほうが正確なようですね。

【追記の追記】(6/30)
 総務省から、上記の第一次提言(案)についての意見募集が公表されました。
 締め切りは7月28日
 → 総務省サイト報道資料

2009年6月22日 (月)

料理の食材(米、野菜、塩)の不当表示(景表法)

 こっちは、レストランチェーンの食材(米や野菜、塩)についての、不当表示に対する排除命令事件です。最近、こういった飲食店の食材関係の不当表示事件を公取委はよく取り上げますね。

 本日、公正取引委員会は、株式会社庄屋フードシステム(長崎県佐世保市)の和食ファミリーレストラン「庄屋」が提供している料理に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するとして、排除命令を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

【違反事実の概要】
 株式会社庄屋フードシステムは、九州地区に出店している庄屋の54店舗において一般消費者に料理を提供するに当たり、米を用いる料理については、店舗のメニューやウェブサイトにおいて、あたかも、長崎県の契約農家が生産した天日により乾燥させたものを用いているかのように表示したが、実際に使用していたのは3店舗だけであった。
 また、葉野菜を用いる料理については、メニューに、あたかも、長崎県にがエコファームに認定した同県の農場で有機肥料を使用して低農薬で栽培したものを用いているかのように表示したが、実際に、長崎県の生産者が有機肥料を使用して低農薬で栽培したものを用いていたのは、ほうれん草と水菜だけであった。
 また、塩を用いる料理については、メニューに、あたかも、長崎県五島灘の海水を汲み上げて昔ながらの方法により長崎県五島地方で製造されたものを用いているかのように表示したが、実際に長崎県五島灘の海水を汲み上げて長崎県五島地方で製造されたものを用いていたのは、寿司酢を用いた料理だけであった。

【排除措置の概要】
ア 前記表示は、一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良であると示
 すものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

セブンイレブン「見切り販売制限」についての排除措置命令(公取委)

 先日来、報道されてきたセブンイレブンの見切り販売の制限についての排除措置命令が出ました。
 → 関連の当ブログ記事
  「コンビニ値引制限と国交省公用車談合に関する報道(独禁法)」(5/28)
  「フランチャイズ契約と独占禁止法(公取委)」(2/20)
 

 本日、公正取引委員会は、株式会社セブン-イレブン・ジャパン(東京都千代田区)に対し、独占禁止法19条(不公正な取引方法第14項〔優越的地位の濫用〕第4号に該当)に違反するとして、排除措置命令を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

【違反行為の概要】
 セブン-イレブン・ジャパンの取引上の地位は加盟者に対して優越しているところ、セブン-イレブン・ジャパンは、加盟店で廃棄された商品の原価相当額の全額が加盟者の負担となる仕組みの下で、推奨商品のうちデイリー商品に係る見切り販売を行おうとしたり、行っている加盟者に対し、見切り販売の取りやめを余儀なくさせ、もって、加盟者が自らの合理的な経営判断に基づいて廃棄に係るデイリー商品の原価相当額の負担を軽減する機会を失わせている。
 ここでいう「見切り販売」とは、セブン-イレブン・ジャパンが独自の基準により定める販売期限が迫っている商品について、それまでの販売価格から値引きした価格で消費者に販売する行為をいっています。
 セブン-イレブン・ジャパンは、推奨商品のうちデイリー商品について、メーカー等が定める消費期限又は賞味期限より前に、当該販売期限を定めているところ、加盟店基本契約等により、加盟者は、当該販売期限を経過したデイリー商品についてはすべて廃棄することとされている、とのこと。

 なお、加盟店で廃棄された商品の原価相当額については、加盟店基本契約に基づき、その全額を加盟者が負担することとされているところ、セブン-イレブン・ジャパンは、加盟者から収受しているロイヤルティの額については、加盟店基本契約に基づき、加盟店で販売された商品の売上額から当該商品の原価相当額を差し引いた額に一定の率を乗じて算定することとし、当該ロイヤルティの額が加盟店で廃棄された商品の原価相当額の多寡に左右されない方式を採用している、とのこと。

【排除措置命令の概要】

  1.  セブン-イレブン・ジャパンは、前記行為を取りやめなければならない。
  2.  セブン-イレブン・ジャパンは、前記行為を取りやめる旨及び今後、当該行為と同様の行為を行わない旨を、取締役会において決議しなければならない。
  3.  セブン-イレブン・ジャパンは,前記に基づいて採った措置を加盟者に周知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
  4.  セブン-イレブン・ジャパンは,今後,前記行為と同様の行為を行ってはならない。
  5.  セブン-イレブン・ジャパンは,今後,次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
    ア 加盟者との取引に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の
     改定
    イ 加盟者が行う見切り販売の方法等についての加盟者向け及び従業
     員向けの資料の作成
    ウ 加盟者との取引に関する独占禁止法の遵守についての,役員及び
     従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査

【追記】(6/22)
 今、NHKのニュースで、コンビニの「見切り販売」が加盟店として良いのか否か、という視点で取り上げてましたが、今回、問題にしているところは、「見切り販売」がいいかどうか、ではなく、本部側が加盟店に「見切り販売」の禁止を押し付けることがいいかどうか、なのですけどね。
 みんなが「見切り販売」をしないといけない、という話ではありません。「見切り販売」をしない自由ももちろんあることは当然なので、本来は環境問題とは別問題なのですが、マスコミは必ず関連させたがりますね。環境問題は非常に重要ですが、ごちゃごちゃに議論していては前進しないと思います。

 報道ステーションでも同様の報道ですね。公取委は環境問題については一切考慮してないのですけども・・・

2009年6月19日 (金)

独禁法改正に伴う排除型私的独占ガイドライン意見募集(公取委)

 公正取引委員会のサイトに、先日成立した独占禁止法改正に関するページができていました。
 → 公取委サイト「改正独占禁止法」

 で、このページにもリンクされていますが、本日、「排除型私的独占に係る独占禁止法上の指針」(原案)に対する意見募集が公表されました。
 → 「排除型私的独占に係る独占禁止法上の指針」(原案)
            に対する意見募集について
(PDF)

 今回の独占禁止法改正の重要なポイントの一つに、排除型私的独占行為に対する課徴金制度の導入があります(下記【追記】参照)。
 この「排除型私的独占」とは、事業者が他の事業者の事業活動を排除することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限すること、といいます。

 この改正にともなって、排除型私的独占が成立するための要件に関する公正取引委員会の解釈を可能な限り明確化すること等により、法運用の透明性を一層確保し、事業者の予見可能性をより向上させるための公取委ガイドラインとして「排除型私的独占に係る独占禁止法上の指針」を作成するものです。今回の意見提出期限は、8月19日(水)(18:00必着)。

 原案の内容は、
1.公正取引委員会が排除型私的独占に係る事件として優先的に審査を行う
 か否かの判断において、一般的に考慮する事項、
2.「排除行為」として問題となりやすい行為のうち主なものを類型化した
 上で、それぞれの行為類型ごとに、排除行為に該当するか否かを判断する
 際の検討の枠組みと判断要素
3.排除行為により一定の取引分野における競争が実質的に制限されたか否
 かを判断するため、一定の取引分野を画定するに当たっての考慮要素と、
 競争の実質的制限の存否を判断するに当たっての考慮要素

について考え方を取りまとめたもの、ということです。

 上の2.については、原案では、排除型私的独占行為の典型行為を、
(1)コスト割れ供給
    商品についてその供給に要する費用を下回る対価を設定する行為

(2)排他的取引(リベートの供与を含む)
    相手方に対し、自己の競争者との取引を禁止し、又は制限すること
    を取引の条件とする行為

(3)抱き合わせ
    相手方に対し、ある商品の供給に併せて他の商品を購入させること
    を取引の条件とする行為

(4)供給拒絶・差別的取扱い
    供給先事業者が市場(川下市場)で事業活動を行うために必要な商
    品について、合理的な範囲を超えて供給の拒絶や差別的な取扱いを
    する行為

の4つに類型化しています。もちろん、これら以外にも排除行為となり得ることは当然です。

【追記】(6/20)
 条文的には独占禁止法7条の2の第4項として、以下の規定が新設されています。
〈第7条の2 第4項
事業者が、私的独占(他の事業者の事業活動を排除することによるものに限り、第2項の規定に該当するものを除く。)をしたときは、公正取引委員会は、第8章第2節に規定する手続に従い、当該事業者に対し、当該行為をした日から当該行為がなくなる日までの期間(当該期間が3年を超えるときは、当該行為がなくなる日からさかのぼつて3年間とする。第20項において「違反行為期間」という。)における、当該行為に係る一定の取引分野において当該事業者が供給した商品又は役務(当該一定の取引分野において商品又は役務を供給する他の事業者に供給したものを除く。)及び当該一定の取引分野において当該商品又は役務を供給する他の事業者に当該事業者が供給した当該商品又は役務(当該一定の取引分野において当該商品又は役務を供給する当該他の事業者が当該商品又は役務を供給するために必要な商品又は役務を含む。)の政令で定める方法により算定した売上額に100分の6(当該事業者が小売業を営む場合は100分の2、卸売業を営む場合は100分の1とする。)を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。(以下、但し書き略)

DIY商品大規模小売業者による納入業者への優越的地位濫用(公取委)

 今年に入ってからは、おそらく金沢の百貨店「大和」以来2件目だと思いますが、大規模小売業者による納入業者に対する優越的地位濫用事案の排除措置命令です。

 本日、公正取引委員会は、DIY用品の小売業を営む株式会社島忠(さいたま市)に対し、独占禁止法19条(大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法1項、2項、7項)に違反するとして、排除措置命令を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

【違反行為の概要】

  1.  島忠は、店舗の閉店・改装に際し、販売しないこととした商品について、継続的な取引関係にあるDIY用品等の納入業者であって、取引上の地位が自社に対して劣っているもののうち、当該商品の納入業者(以下、単に納入業者という)に対し、納入業者の責めに帰すべき事由がないなどにもかかわらず、当該商品を返品している。
  2.  島忠は、家具商品部で取り扱う商品のうち、定番商品から外れたことなどを理由として割引販売を行うこととした商品について、当該商品の納入業者に、納入業者の責めに帰すべき事由がないにもかかわらず、当該割引販売に伴う自社の利益の減少に対処するために必要な額を当該商品の納入価格から値引きさせている。
  3.  島忠は、店舗の開店、改装又は閉店に際し、納入業者に,当該納入業者の納入商品以外の商品を含む商品の搬入等の作業及び当該納入業者の従業員等が有する技術又は能力を要しない当該店舗における商品の陳列等の作業を行わせることとし、あらかじめ納入業者との間で従業員等の派遣の条件について合意することなく、かつ、派遣のために通常必要な費用を負担することなく、従業員等を派遣させている。

【排除措置命令の概要】

  1.  島忠は、前記行為を取りやめなければならない。
  2.  島忠は、前記行為を取りやめる旨及び今後、当該行為と同様の行為を行わない旨を、取締役会において決議しなければならない。
  3.  島忠は、前記に基づいて採った措置を、自社と継続的な取引関係にある納入業者に通知するとともに、自社の従業員に周知徹底しなければならない。
  4.  島忠は、今後、前記と同様の行為を行ってはならない。
  5.  島忠は、今後、次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
    ア 納入業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての行動指
      針の作成
    イ 納入業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての,役員
      及び従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期
      的な監査

2009年6月18日 (木)

防衛省(空自)発注の事務家具談合の疑いで立入検査(公取委)

 梅雨入りしたというのに全然雨が降りませんね。夏の渇水が心配です。少なくとも、私のまわりでは、オタマジャクシも降ってきません。

 さて、午後になってから各社が一斉に報じているところによれば、防衛省が発注した航空自衛隊の事務机やロッカーなどの家具の入札に関する談合の疑いで、公正取引委員会が、本日、イトーキ(大阪市)、コクヨファニチャー(大阪市)、内田洋行(東京都中央区)、ライオン事務器(東京都中野区)、プラス(東京都港区)、岡村製作所(横浜市)のメーカー6社と販売業者5社に立入検査を行ったとのこと。航空自衛隊木更津基地十条基地にも立ち入ったようです。

 また、自衛隊のOBが各企業に就職しているらしく、自衛隊側の関与=官製談合の疑いもあるようです。なお、年間発注額は20~30億円。

【追記】(6/18)
 防衛省の会見内容の報道によれば、この件は、防衛省の内部調査の結果、各社のシェアが固定しているなど不審点を把握して5月に公正取引委員会に通報したようですね。
 先日のニッスイの冷凍コロッケ(ズワイガニ)もそうですが、こういった当事者の内部調査の結果を、きちんと公取委に連絡しているといった対応は、それなりに評価すべきかと思います。

2009年6月17日 (水)

消費者庁関連法案の両院特別委の附帯決議(2)

 前の記事の続きです。消費者庁関連法案についての両院の「消費者問題に関する特別委員会」での附帯決議の内、一部を抜粋しておきます。

 なるべく具体的な項目、特に人と金の関係を重視して、選択ておきましたが、もちろん、省略した項目について重要ではないという意味ではありません。

〈衆議院特別委附帯決議抜粋〉

  政府は、これらの法律の施行に当たり、次の事項について十分配慮すべきである。

  1.  消費者庁がその任務を遂行するに当たっては、消費者基本法第2条に 定める消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にのっとり行うことが明記された趣旨にかんがみ、消費者の権利尊重に万全を期すること。
  2. (略)
  3. (略)
  4.  消費者委員会の委員長及び委員は、すべて民間から登用するものとし、その年齢・性別等の構成について十分配慮すること。
  5.  初代の消費者委員会の委員の三人について、常勤的に勤めることが可能になるように人選し、財政的な措置も行うこと。またその他の委員についても、委員としての職務に専念できるような人選を行うように努めるものとすること。
  6. (略)
  7. (略)
  8.  消費者委員会の独立性を担保するため、その事務局については財政上の措置を含めた機能強化を図るとともに、その職員については専任とするよう努めること。また、事務局職員の任命に当たっては、多様な専門分野にわたる民間からの登用を行うとともに、同委員会の補佐に万全を図ること。
  9. (略)
  10. (略)
  11. (略)
  12. (略)
  13. (略)
  14.  消費者行政に係る体制整備に当たっては、関係機関、特に独立行政法人国民生活センター、独立行政法人製品評価技術基盤機構、及び独立行政法人農林水産消費安全技術センターを始めとした商品検査機能を有する各機関の機能強化を図るとともに、消費者庁及び消費者委員会との連携強化のため必要な措置を講ずるものとすること。
  15.  各地の消費生活センターの相談員の聴取能力及び法律知識の水準向上を図るため、独立行政法人国民生活センターを中心とする教育・研修の充実を図ること。
  16.  地方公共団体における消費者行政の推進に関しては、今回の法改正の趣旨を周知徹底し、全国あまねく消費生活相談を受けることができ、消費者の安全・安心を確保する体制が確立するよう、万全を期すること。
  17.  相談員の待遇改善に関しては、今般拡充された地方交付税措置を活用しつつ、地方消費者行政活性化基金の運用に際しては、支援対象を集中育成・強化期間において増大する業務に係る人件費等に拡充するとともに、交付要綱等において処遇改善を図る地方公共団体への交付金の配分を手厚くすることを定めることにより、相談員の時給の引上げ、業務日数の増加による実質的常勤化、超過勤務並びに社会保険及び労働保険に関し法令に基づく適切な対応等を含め、地方公共団体における処遇改善の取組を促進すること。
  18.  消費生活センターについて、指定管理者制度や委託等を採用している地方公共団体においても、その受託機関における相談員の処遇については、各種誘導措置が講じられることにより、地方公共団体が自ら行う場合における相談員等と同様に処遇の改善が図られるよう万全を期するよう要請すること。
  19. (略)
  20. (略)
  21. (略)
  22.  消費者被害の情報収集啓発を行う消費者団体に対し、関係する情報を提供するとともに、活動のための施設や資金の確保等の環境整備を図ること。
  23. (略)

〈参議院特別委附帯決議抜粋〉

 政府は、消費者庁関連3法の施行に当たり、消費者庁及び消費者委員会の創設が消費者基本法の基本理念を実現し、行政のパラダイム( 価値規範) の転換を行うための真の拠点となるものであることにかんがみ、行政の意識改革を図るとともに、次の事項について万全を期すべきである。

  1. (略)
  2.  消費者庁がその任務を十全に果たすことができるよう、消費者行政に関する幅広い専門性を持った職員を行政組織内外から登用し、消費者の視点を重視した配置を行うとともに、民間のノウハウの活用を図ること。また、政府全体において公務員に対する十分な消費者教育・研修を実施することにより消費者行政を担う人材の育成を行うとともに、各府省庁における消費者担当部局の強化を行うこと。

  3. (略)
  4. (略)
  5. (略)
  6.  消費者委員会の委員長及び委員は、すべて民間から登用するものとし、その年齢、性別、専門性等について十分配慮すること。また、委員の任命理由を明確化する等、説明責任を果たすよう努めること。
  7.  初代の消費者委員会の委員の三人について、常勤的に勤めることが可能になるように人選し、財政的な措置も行うこと。またその他の委員についても、委員としての職務に専念できるような人選を行うように努めるものとすること。
  8. (略)
  9. (略)
  10. (略)
  11.  消費者委員会が独立して消費者行政全般についての監視機能を十全に果たすことを担保するため、その事務局については財政上の措置を含めた機能強化を図るとともに、その職員については専任とするよう努めること。また、事務局職員の任命に当たっては、多様な専門分野にわたる民間からの登用を行うとともに、その所掌事務を行うために十分な人員を確保することにより、同委員会の補佐に万全を図ること。
  12. (略)
  13. (略)
  14.  消費者事故についての調査が、更なる消費者被害の発生又は拡大の防止に資するものであることにかんがみ、消費者庁に集約された情報の調査分析が機動的に行えるようタスクフォースを活用し、消費者事故等についての独立した調査機関の在り方について法制化を含めた検討を行うとともに、消費者庁及び事故の関係省庁、特定行政庁と警察、消防など関係機関は対等・協力の関係をお互いに確認し、事故原因の究明、再発防止対策の迅速化をはかること。なお、事故情報の一元化の体制整備に当たっては、児童や高齢者、妊産婦、障害者等の事故情報について特別な配慮をすること。
     また、消費者庁に消費者事故等の原因究明について分析能力を有する人材を登用するとともに、その養成を行うこと。

  15. (略)
  16. (略)
  17. (略)
  18.  消費者行政に係る体制整備に当たっては、関係機関、特に独立行政法人国民生活センター、独立行政法人製品評価技術基盤機構、及び独立行政法人農林水産消費安全技術センターを始めとした商品検査機能を有する各機関の機能強化を図るとともに、消費者庁及び消費者委員会、地方公共団体との連携強化のため必要な措置を講ずるものとすること。
  19.  聴取能力及び法律知識のみならず、あっせんや行政との連携能力等各地の消費生活センターの相談員にとって必要な能力の水準向上を図るため、教育・研修の機会の拡充等を始め、独立行政法人国民生活センターによる支援を強化すること。
     また、国民生活センターに配置されている相談員について、その職務内容にふさわしい身分、待遇の改善に努めること。
  20.  地方公共団体における消費者行政の推進に関しては、消費者庁関連三法制定の趣旨を地方公共団体の長及び議会議長が参加するトップセミナーの実施等を通じて周知徹底し、全国あまねく消費生活相談を受けることができ、消費者の安全・安心を確保する体制が確立するよう、万全を期すること。
  21. (略)
  22.  相談員の執務環境及び待遇に関する種々の問題点を改善するため、相談員制度の在り方について全般的な検討を行うとともに、地方公共団体における消費者行政の一層の充実を図るため、正規職員化を含め雇用の安定を促進するための必要な措置を早急に講じること。
     また、その待遇改善に関しては、今般拡充された地方交付税措置が着実に活用されるよう地方公共団体に要請するとともに、地方消費者行政活性化基金の運用に際しては、支援対象を集中育成・強化期間において増大する業務に係る人件費等に拡充するとともに、交付要綱等において処遇改善を図る地方公共団体への交付金の配分を手厚くすることを定めることにより、相談員の時給の引上げ、超過勤務並びに社会保険及び労働保険に関し法令に基づく適切な対応等を含め、地方公共団体における処遇改善を積極的に支援すること。
     なお、地方消費者行政活性化基金を真に地方消費者行政の需要を満たすものとするため、事業を支援するメニューの在り方等について地方公共団体の意見を踏まえるとともに、その弾力的な運用を行うこと。

  23.  消費生活センターについて、指定管理者制度や委託等を採用している地方公共団体においても、その受託機関における相談員の処遇については、各種誘導措置が講じられることにより、地方公共団体が自ら行う場合における相談員等と同様に処遇の改善が図られるよう万全を期するよう要請すること。
  24.  今後三年程度の集中育成・強化期間後の国による支援の在り方や、消費生活センターの設置、相談員の配置・処遇等の望ましい姿について、実態調査等を行うとともに、集中育成・強化期間の取組を踏まえ、その後も適切な対応が講じられるよう配意し、工程表も含め消費者委員会で検討すること。なお、検討に当たっては、広域的な設置を含め地域の実情に応じた消費生活センターの設置、P I O N E T の整備、相談員の資格の在り方についても十分配意すること。
  25. (略)
  26. (略)
  27. (略)
  28. (略)
  29.  適格消費者団体を始め、消費者被害の情報収集、消費者への啓発等を行う消費者団体に対し、関係する情報を提供するとともに、活動のための施設や資金の確保等の支援のあり方について検討を行い、必要な措置を講ずること。
  30. (略)
  31.  被害者の財産の隠匿又は散逸の防止に関する制度を含め多数の消費者に被害を生じさせた者の不当な収益をはく奪し、被害者を救済するための制度の検討に当たっては、いわゆる父権訴訟、適格消費者団体による損害賠償等団体訴訟制度、課徴金制度等の活用を含めた幅広い検討を行うこと。
  32. (略)
  33. (略)
  34. (略)

消費者庁関連法案の両院特別委の附帯決議(1)

 今回のややこしい国会で、独占禁止法著作権法の改正、そして、消費者庁関連法の3つについて、これまで当ブログで注目してきましたが、全部が成立ということに相成りました。
 そして、独占禁止法著作権法の改正については、先日、附帯決議についても紹介いたしました。で、今日は、一番最初に可決できた消費者庁関連法案についての附帯決議のご紹介です。
 なお、「附帯決議」というのは、衆議院、参議院の本会議での決議ではなく、両院の委員会で採決する際に決議されるものです。したがって、既にご紹介した独占禁止法については経済産業委員会著作権法については文教科学委員会において両院それぞれで決議されたものが附帯決議になるわけです。そして、消費者庁関連法については消費者問題に関する特別委員会が附帯決議をすることになります。

 ちょっと長くなってきました。「附帯決議」の意味については、Wikipediaでも見ておいてください(笑)。法律そのものではありませんので、その決議内容は法的拘束力はないのですが、一応は決議時の方針というか、気合いというか、を書き留めておいたという感じですね。後に、「可決したときには、あんなふうにみんなで決めたんやから、なるべく行政府も守ってもらわんとあかんがな」というくらいの意味合いでしょうか?

 消費者庁関連法案についての両院の附帯決議は、衆議院で23項、参議院で34項にわたるものです。全て重要な項目ではありますが、私が拾ったポイントの項目は次の記事に改めます。

 なお、これについては、私の所に今日配達された法律雑誌「NBL」907号5頁~に一部掲載されていました。ネットでご覧になるのであれば、現在のところ、以下のところに掲載されています。
 

 → 衆議院特別委会議録(4/16)(附帯決議は最後の所です)

 → 参議院特別委附帯決議(PDF)

2009年6月16日 (火)

特定商取引法・割賦販売法の一部改正の施行日やっと決まる(経産省)

 1年前の昨年6月に成立していた特定商取引法割賦販売法の一部改正法について、4月に重要な政令改正があったことは当ブログで紹介しました。
 → 「特定商取引法と割賦販売法の政令改正(経産省)」(4/1)

 本日、この改正の一部改正の施行日がやっと決まりました。
 平成21年12月1日です。
 → 経産省サイト報道発表

 この改正は、特定商取引法のこれまでの指定商品(役務)制から、原則全ての商品(役務)を対象とするという大転換を含む重要改正です。
 改正の概要は、上記報道発表のPDF資料をご覧ください。

 えらく時間がかかったな、と思いますが、この改正法の附則を見ると、施行日は、公布の日から1年半以内となってますね。
 もっとも、この改正法のうち、施行日が異なる部分が一部あって、割賦販売法の過剰与信防止義務関連部分は来年12月までに施行予定で、特定商取引法の電子メール広告規制部分は、既に昨年12月1日に施行となっています。

2009年6月15日 (月)

原材料「ベニズワイガニ」を「ズワイガニ」の不当表示(景表法)

 本日、公正取引委員会は、日本水産株式会社(ニッスイ・東京都千代田区)の調理冷凍食品「ずわいがにコロッケ」に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するとして、排除命令を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 この事案では、ズワイガニとベニズワイガニの違いが問題となっているわけですが、排除命令書を見ると、両者は築地市場などで区別して取引されており、ズワイガニはベニズワイガニに比べて水揚げ量が少なく、高級なものとされていて、ズワイガニのほうが高値で取引されているということのようです。

 なお、本件では、公正取引委員会は、この表示が農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)に違反する疑いがあると考えられるとして、同法所管の農林水産省に情報提供もしているようです。
【追記】
  農林水産省
JAS法に基づく指示を行ったことを発表してました。
   → 農水省サイト プレスリリース

【違反事実の概要】
 日本水産株式会社は、「ずわいがにコロッケ」と称する調理冷凍食品を取引先販売業者である生活協同組合連合会等を通じて一般消費者に販売するに当たり、商品の包装袋の表面及び両側面に「ずわいがにコロッケ」、裏面の「原材料名」として「ずわいがに」と記載することにより、あたかも、当該商品の原材料にズワイガニのかに肉を用いているかのように表示していたが、原材料としてベニズワイガニのかに肉を用いたものであった。

【排除措置の概要】
ア 前記表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると
 示すものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

【追記】(6/16)
 日本水産のサイトに15日付で「公正取引委員会からの排除命令について」(PDF)というのが公表されており、今回の排除命令に至る経緯も書かれていました。
 これによれば、そもそも今年2月に会社側から、この事案について優良誤認のおそれがないかどうかを公正取引委員会に問い合わせたということで、これについて公正取引委員会に説明をするなどした結果、排除命令に至ったようです。自主申告的な案件だったのですね。
 日本水産は、今年5月販売分より商品名を「紅ずわいがにコロッケ」に変更して、誤出荷防止のため、既存商品(約2000万円相当)を全部廃棄したとのことです。

2009年6月13日 (土)

個人情報保護に関する講演会に出てきました(情報ネットワーク法学会)

 東京からの帰りの新幹線車中です。東京で情報ネットワーク法学会の特別講演会と懇親会に参加した帰りです。一橋の学術総合センター一橋記念講堂でしたが、地下鉄竹橋駅あたりでは、市民ランナーの姿を良く見かけました。私も走りたい・・・・

 今日の講演会のテーマは「個人情報保護、自己情報コントロール権の現状と課題」というもので、午前中は「わが国の個人情報保護法が有する課題」(鈴木正朝新潟大法科大学院教授)「電子マネーとデータプロテクション」(岡田仁志国立情報学研究所准教授)「プライバシーの権利の再構成」(新保史生慶応大学准教授)の報告。

 昼休みには、司法修習生時代以来30年近く振りに神保町から駿河台方面まで書店街に行き、三省堂そばのつけ麺屋でみそつけ麺500円也をいただきました。行列のできているラーメン屋やうどん屋もありましたが、やめときました。

 午後は、堀部政男一橋大学名誉教授の基調講演「グローバル社会と日本のプライバシー・個人情報の保護」佐藤幸治京都大学名誉教授の特別講演「憲法13条と自己情報コントロール権」と両巨頭の講演を聴くことができました。大先生の講演ですが、お二人ともアグレッシブでした。

 一般の民事事件を中心にしている弁護士にとっては、憲法は学生時代以降ほとんど勉強していないに等しいのですが(私だけか?)、司法試験受験で佐藤教授の「憲法」を唯一の基本書として勉強してきた私としては、四半世紀を経た今でも、先生が情熱的に論じておられる姿を見て、大変感動するものもありました。今回は、ことに、午前中の新保先生の「予習」のコーナー(?)のおかげもあり、佐藤先生の自己情報コントロール権についての講演は大変わかりやすく(たぶん法律家以外にも)、憲法論をフォローできていなかった私にとって大変ありがたい講演でした。

 司会の岡村久道弁護士(大阪弁護士会)のお話では、今日の両先生の講演のサマリーは、夏頃には、法律雑誌「NBL」(商事法務)に掲載されるとのこと。

 交通費をかけて、早朝から夜まで一日を潰しましたが、充分に元の取れる大変有意義な講演会だったと思います。

 ちらっと聞いた話では、情報ネットワーク法学会の今年の総会は、大阪方面で12月初旬に開催とのことでした。ありがたい。

 

2009年6月12日 (金)

「第三者の悪意ある連続アクセスによる通信過負荷」だそうな(ココログ)

 明日土曜日は早朝から東京に向かって、情報ネットワーク法学会の特別講演会に行ってきます。新幹線内では爆睡になりそうです。

 さて、当ブログの居場所であるココログ(NIFTYのブログサービス)でのことですが、今日はたまたま午後4時頃からアクセスしていたら、4時過ぎから当ブログを含めてココログ関係にはアクセスできない状態が1時間弱続きました。アクセス解析を見ても4時過ぎから5時前までパッタリとアクセスが途絶えています。

 何かトラブルだな、と思ってたら、ココログが障害報告を出していました。いったい誰が、何のために、悪意をもって連続アクセスを続けたのでしょうねぇ。そして、この連続アクセスがどうして「悪意ある」ものとココログは判断できたのかしら?

〈ココログの報告の要旨〉
 以下の時間帯にユーザのココログが表示できない現象が発生しておりました。 現在は復旧しております。
◇障害対象期間
 2009年6月12日(金)16:00 〜 16:49
◇対象ユーザー
 ココログ全プラン
◇影響内容
 ココログのコンテンツを閲覧できない
◇原因
 第三者の悪意ある連続アクセスによるネットワーク機器への通信過負荷

独占禁止法改正に際しての両院経済産業委員会附帯決議

 先日成立した独占禁止法改正法案の衆参両院の経済産業委員会での附帯決議です。

◎衆議院
 最近の急激な経済情勢の変化に伴い、かつてなく中小企業者や下請事業者の利益が不当に害されるおそれが高まっていることにかんがみ、市場における公正な競争秩序を確保するため、政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

  1.  審判手続に係る規定については、本法附則において、全面にわたって見直すものとし、平成21年度中に行う検討の結果所要の措置を講ずることとされているが、検討の結果として、現行の審判制度を現状のまま存続することや、平成17年改正以前の事前審判制度へ戻すことのないよう、審判制度の抜本的な制度変更を行うこと。
  2.  公正取引委員会が行う審尋や任意の事情聴取等において、事業者側の十分な防御権の行使を可能とするため、諸外国の事例を参考にしつつ、代理人の選任・立会い・供述調書の写しの交付等について、我が国における刑事手続や他の行政手続との整合性を確保しつつ前向きに検討すること。
  3.  不公正な取引方法に対しては、経済社会状況の変化を踏まえ、構成要件がより明確かつ具体的に示されるよう十分配慮しつつ、課徴金をはじめとする規制措置の積極的な運用を図ること。その際、下請関係を含め大企業者と中小企業者の間における公正な取引の確保及び中小企業者の利益保護に配慮すること。
  4.  公正取引委員会事務総局の人員体制の一層の強化を図り、法曹資格者や経済学の分野において高度な専門知識を有する者等の登用を積極的に進めるとともに、公正取引委員会と関係省庁との緊密な連携体制を確立し、きめ細かく実態の把握に努めつつ、不当廉売や優越的地位の濫用等の問題行為を迅速かつ効果的に取り締まること。
  5.  不公正な取引方法の差止請求における文書提出命令の特則については、事業者及び国民にその趣旨及び内容の周知徹底を図るとともに、民事訴訟を通じた救済の促進に資するため、当事者の負担軽減に向けた方策の検討を継続すること。

◎参議院
 (前文は衆議院と同じ)

  1. (衆議院1.と同じ)
  2. (衆議院2.と同じ)
  3.  不公正な取引方法に対しては、経済社会状況の変化や、本改正により課徴金の対象となる行為類型が優越的地位の濫用等に拡大することを踏まえ、ガイドラインの作成等によって、構成要件がより明確かつ具体的に示されるよう十分配慮しつつ、規制措置の積極的な運用を図ること。その際、下請関係を含め大企業者と中小企業者の間における公正な取引の確保及び中小企業者の利益保護に配慮すること。
  4.  談合・カルテルに係る課徴金減免制度については、減額対象事業者数が拡大されることや、企業グループ内の事業者の共同申請制度が導入されることを踏まえ、違反行為の発見、事件の解明がこれまで以上に迅速かつ的確に行われるよう、公正取引委員会の調査・分析能力の向上に努めること。また、同制度の運用に当たっては、制度の悪用を許すことがないように適切な法執行に万全を期すること。
  5.  企業の経済活動のグローバル化を踏まえ、競争政策や競争法の国際調和を図るとともに、各国の競争当局間の協力を一層進め、外国企業に係る企業結合や国際カルテル等に対する規制の実効性を高めること。
  6. (衆議院4.と同じ)
  7. (衆議院5.と同じ)

2009年6月11日 (木)

ダウンロード規制などの著作権法改正案そろそろ成立か

 違法コンテンツのダウンロード行為の違法化などを含む著作権法の改正案については、前に触れました。

 → 「著作権侵害コンテンツのダウンロードの違法化など(著作権法改正案)」(3/19)

 で、この法案が衆議院を通過して、参議院に回り、6月8日に文教科学委員会に付託されていたのですが、この委員会採決は今日の予定だったようです(本会議は明日12日予定)。

 その結果はまだ知りませんが、衆議院でも全会一致で可決してますので、恐らくは委員会及び本会議でも可決成立するのではないか、と思います。

 先日、成立したと書いたフランスのダウンロード規制法(スリーストライク法案)については、今日の時事通信の伝えるAFP電の報道では、ややこしいことになっているようです。下記記事の追記をごらんください。

 → 「違法ダウンロードについての「スリーストライク法案」可決(フランス)」(5/14)

【追記】(6/12)

 予定通り、6月11日委員会採決、12日参議院本会議採決で可決され、成立しました。参議院の文教科学委員会で以下の附帯決議が付いています。

 (附帯決議)

 政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。

  1.  違法配信と知りながら録音又は録画することを私的使用目的でも権利侵害とする第30条第1項第3号の運用に当たっては、違法配信と知らずに録音又は録画した著作物の利用者に不利益が生じないよう留意するとともに、本改正によるインターネット利用への影響について、状況把握に努めること。  また、本改正に便乗した不正な料金請求等による被害を防止するため、改正内容の趣旨の周知徹底に努めるとともに、レコード会社等との契約により配信される場合に表示される「識別マーク」の普及を促進すること。

  2.  インターネット配信等による音楽・映像については、文化の発展に資するよう、今後見込まれる違法配信からの私的録音録画の減少の状況を勘案しつつ、適正な価格形成が促進されるよう努めること。

  3.  障害者の情報アクセスを保障し、情報格差を是正する観点から、本法の運用及び政令の制定に当たっては、障害の種類にかかわらず、すべての障害者がそれぞれの障害に応じた方式の著作物を容易に入手できるものとなるよう、十分留意すること。

  4.  教科用拡大図書や副教材の拡大写本を始め、点字図書、録音図書等の作成を行うボランティアがこれまで果たしてきた役割にかんがみ、今後もボランティア活動が支障なく一層促進されるよう、その環境整備に努めること。

  5.  著作権者不明等の場合の裁定制度及び著作権等の登録制度については、著作物等の適切な保護と円滑な流通を促進する観点から、手続の簡素化等制度の改善について検討すること。

  6.  近年のデジタル化・ネットワーク化の進展に伴う著作物等の利用形態の多様化及び著作権制度に係る動向等にかんがみ、著作物等の利用の一層の円滑化に向けて、著作権法の適切な見直しを進めること。  特に、著作権制度の在り方をめぐり意見の相違が大きい重要課題については、国際的動向や関係団体・利用者等の意見を十分考慮するとともに、技術革新の見通しと著作物等の利用実態を踏まえた議論を進めること。

  7.  国立国会図書館において電子化された資料については、情報提供施設として図書館が果たす役割の重要性にかんがみ、読書に困難のある視覚障害者等への情報提供を含め、その有効な活用を図ること。

  8.  文化の発展に寄与する著作権制度の重要性にかんがみ、学校等における著作権教育の充実や国民に対する普及啓発活動に努めること。

  9.  教科書、学校教育用副教材のデジタル化など教育目的での著作物利用に関しては、その著作権及び著作隣接権の許諾の円滑化に努めること。

まだ読んでないけど『1Q84』(村上春樹)

 今回は、法律の話はありません。

 村上春樹「1Q84」がすごく売れているとニュースにもなっています。今回の異常な売れ方は、最近のエルサレム賞の受賞講演の印象が残っている中で、出版社の戦略が見事に当たったという感じもします。もう少し落ち着いてから読んでみたいと思います(文庫版を待とう)。

 だいたい、出版前から、中身は秘密だ、などといった情報がネット上に現れていて、このあたりから出版社の宣伝だろうと思ってみてましたが、それが成功したのでしょう。最初、ネット上で「1Q84」と出ているのを見て、しばらくの間IQ84」だと思いこんでいて、一体どんなテーマの小説なんだろうと思ってました(苦笑)

 村上春樹は私が学生の頃デビューして一気に人気作家となった人ですが、その数年前に「限りなく透明に近いブルー」でデビューした同世代作家の村上龍とごっちゃになってたくらいで、そのまま読まず嫌いみたいな状態だったうえ、村上春樹に限らず、最近まで、しばらく小説離れをしていたので、その作品は読んだことがありませんでした。

 ところが、このブログの左欄の「最近読んだ本」を見ていただければ判るように、今回の「1Q84」ブームとは関係なく、最近、村上春樹を読んでいます。今は、「羊をめぐる冒険」の読みかけ中。

 読み出したきっかけは、昨年、「走ることについて語るときに僕の語ること 」(2007)を読んだことでした。村上春樹はランニングを趣味としていて、ボストンマラソンに出場したり、市民ランナーとしては結構速いのですが、私もランニングを趣味にしている関係もあって、読んでみました。この本は、小説ではなく、自分のランニング・ライフについての随筆です。読んでみると、ランニングをするものとして共感できる部分が多く、一気に読了しました。ランニングやマラソンについて書かれた本というのは今までにも少なくはないとはいえ、多くはランニングについての参考書的なものか、アスリートや市民ランナーなど文章は素人の体験記的な本でした。スポーツライターのような人の本もありますが、村上春樹を読んでみて思ったことは、やはり、小説家は違う、文章表現のプロだ(当たり前ですけど)。そのプロフェッショナルがランニングについて自分の内面的な部分を含めて書くのですから、私の中のランニングについての感性を刺激し、表に出してくれたような感覚になったのですね。それが大きな「共感」を呼んだのだと思います。

 最近、村上春樹を読み始めたきっかけは、そんなところです。
 以上、決して今回の「1Q84」ブームで読み出したのじゃないぞ、という言い訳でした。

2009年6月 9日 (火)

公取委警告に対する旺文社の対応についての疑問(英語検定)

 先日の元グラビアアイドルのストリップ出演と仮処分の記事「元アイドルのストリップ出演禁止の仮処分」については、結構アクセスがあるのですが、ココログの「法律」カテゴリーの記事ランキングからは無視されてます(笑)。まぁ、そういうシステムなんでしょう。手動か自動かは知りませんけども。

 さて、それとは別記事の話。当初は、前の記事の追記として、あっさりと書くつもりだったのですが、書いている内に、少しは目立ったほうがいいかな、と思ったので新たに記事を・・・
 → 前の記事
   「『英検』受験用書籍についての不当表示(景表法)」(6/2)

 前記事にリンクさせた旺文社サイトの発表記事「広告表示に関する公正取引委員会からの警告について」なのですが、読んでいて何だか腹が立ってきました。

 前に書いた通り、旺文社の代表取締役は創業者赤尾好夫氏の子息赤尾文夫氏で、財団法人日本英語検定協会の理事長も同じく赤尾文夫氏です。しかも、旺文社日本英語検定協会も所在地は、全く同じ東京都新宿区横寺町55です。つまり、両者の所在地と代表者は全く一緒。
 それを前提として、旺文社の上記発表記事本文は以下の通りですので、読んでみてください。

「旺文社が発行する実用英語技能検定の受験用書籍のうち、一部の書籍の販売においてお客さまが誤認するおそれがある表示があったとして、今後このような表示を行わないよう警告するとの指導を公正取引委員会より受けました。
 旺文社は今回の警告を真摯に受け止め、今後再発防止にむけて社をあげて取り組むとともに、お客さまが誤認することがないよう、よりいっそうわかりやすい表示に努めてまいります。
【指導内容】
 旺文社が発行する英検書の一部において、「英検合格者の80%以上が使っている旺文社の英検書」との表示をしていました。この表示ではあたかも英検の各級の合格者の80%以上が、旺文社の英検書を使用しているかのように示していますが、実際には各級の英検の合格者の80%以上が旺文社の英検書を使用しているものではないおそれがあり、今後このような表示を行わないよう指導を受けたものです。」

 これって、この件が発生した原因究明について全く触れておらず、しかも、この表示「合格者の80%以上が使用」が誤りなのかどうか、そして、その根拠があったのかなかったのかについて、全然書かれていませんですね。
 単に、公正取引委員会からの警告をそのまま引き写しただけの、いわば「他人事」のスタンスとしか私には見えません。「怒られたから、ひとまずごめんなさい。」
 これでは、企業として反省できるはずもないし、「今後再発防止に向けて社をあげて取り組む」ことも不可能でしょう。とても「真摯に受け止め」ているとも思えません。言論出版を業とする会社として、もっと正々堂々とした言いようがないのかと思いました。

 まさか、あの漢字検定と同じ構図だとは思いたくもないので、あえて前のブログ記事ではあっさりと書いたのですが、今回の旺文社の対応を見ると、そんな疑いが起こっても仕方がないのではないかと思います。

 他にも似たような関係にある営利法人と公益法人というのはありますよね。ラブホテルの前に観音様を置いて脱税行為に及んでいた宗教法人というのと違って、もっと賢いシステムにされているのでしょうが・・・

 おっ、天下の旺文社を相手にしてはいけなかったかな。英語では負けるなぁ。赤尾の「マメ短」なつかしいなぁ。

衣料品の原産国表示を取り去ったという不当表示(景表法)

 今日は朝から大阪弁護士会の健康診断へ。新しい会館になったので久しぶりに弁護士会の健康診断を受診しました。どうも血圧測定は苦手で緊張して高めに出ます。そもそもは、はるか昔、司法修習生採用の時の健康診断を最高裁判所で受けた時、最初の測定値が高くて、しばらくしてから計り直されました。その時以来ずっと血圧測定がトラウマになって、余計に緊張してしまう傾向にあります。もっとも、実際、高めにはなってきてるのでしょうけどね。

 さて、本日、公正取引委員会は、アドルフォ・ドミンゲスジャパン株式会社(埼玉県草加市)の販売する「ADOLFO DOMINGUEZ」ブランドの衣料品に係る表示について、景品表示法4条1項3号(商品の原産国に関する不当な表示)に違反するとして、排除命令を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 元々、タッグなどに表示されていた原産国表示を取り去って売っていたという事案ですね。

【違反事実の概要】
 アドルフォ・ドミンゲスジャパン株式会社は、スペイン所在の会社の子会社であるところ、同社から輸入した「ADOLFO DOMINGUEZ」ブランドの衣料品を自社店舗で一般消費者に販売するに当たり、中華人民共和国、インド又はトルコ共和国において製造された衣料品について、「MADE IN CHINA」、「MADE IN INDIA」、「MADE IN TURKEY」と原産国が記載されたタッグやシールを取り去り、ブランド名等が記載されたタッグ及び下げ札を取り付けたままにすることにより、一般消費者が原産国を判別することが困難である表示を行っていた。

【排除措置の概要】
ア 前記表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると
 示すものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

 なお、公正取引委員会は、本日、「平成20年度における主要な企業結合事例について」も公表しています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

2009年6月 8日 (月)

独占禁止法改正についての事務総長会見記録(公取委)

 独占禁止法の改正案が成立した6月3日当日の公正取引委員会事務総長の定例会見の記録が公取委サイトに出ていました。
 → 公取委サイト 事務総長定例会見記録

 この日は、当然ながら独占禁止法改正の話が中心ですが、直前の正田彬先生のご逝去(6/1)についても触れられていました(他に20年度の事件処理状況も)。

 改正法の施行日については、
主要な事項については1年以内であって政令で定める日とされておりますが,事業者団体の届出制度の廃止等に関しては,公布後1か月で施行ということになります。1年以内の政令で定める日については,今後,検討していきたいと考えておりますが,早ければ,来年1月にも施行できれば,遅くとも来年4月までには施行したいと考えております。」とされています。

 また、排除型私的独占等については,ガイドラインも作るということとしており,できるだけ早く原案を公表して,パブリックコメントの手続に付し,その上で,成案を確定して,周知していきたいと考えております。」ということですね。

 そして、記者との質疑応答において、改正独占禁止法について運用上、力を入れていきたいところはどこかという質問に対して、
「課徴金の適用対象の問題や,不当な取引制限の刑事罰の問題もありますが,我が国の競争法を国際的水準,グローバルスタンダードと比較しても遜色ないものにしていきたいということがあります。」
「刑事罰の引上げや,カルテル・談合等で主導的役割を果たした事業者に対する課徴金の割増し,除斥期間の延長,排除型私的独占への課徴金の適用等についても,欧州委員会の高額な制裁金といった諸外国で行われている法運用の実態と比べても遜色ないものにしたいということで,今回の法改正により,国際的水準に近付けたのではないか,遜色ないものになったのではないかと感じております。」
などと答弁されています。

 積み残しになっている審判制度については、
「平成21年度中に検討を加えて,再度,国会に提出することになると思いますが,執行に関する部分については,国際的なものが実現できるようになったのではないかと考えております。」
「全面的に審判制度を廃止して訴訟制度に持っていくという案もありますし,いろいろな行為類型に応じた振り分け制というような案もあるのではないか,あるいは選択制といった形で審判制度と訴訟を分けるような制度もあるのではないかといったものなど,いろいろな指摘がありましたので,そういうものを踏まえて,今回の法案の作成過程においては,もう1年かけてしっかり検討した上で,来年の国会等に提出することを考えたわけです。附則の規定もありますし,また,附帯決議でもそういう観点からの指摘もありますので,それを踏まえて,鋭意,作業に取り組んでいきたいと思います。」
「附則の規定で全面的に審判制度を見直すということになっており,見直しをしても全く変えないということや,平成17年改正により,事前審査型審判制度から現在の命令ができる制度に変えたことで,一定の効果をもたらしているということは,国会でも十分議論されたところですので,そういう意味で,
平成17年以前の姿にそのまま戻したり,現行制度を一切変えないということは,選択肢としてはあり得ないだろうと思っております。」
ということです。

2009年6月 7日 (日)

NTT東日本FTTHサービス審決取消訴訟判決(続報)

 戸建て住宅向けのFTTHサービスに関するNTT東日本私的独占行為に関する審決取消訴訟判決(平成21年5月29日東京高裁・請求棄却)については、先日(6/2)紹介いたしました。なお、FTTHサービスとは、光ファイバによる家庭向けデータ通信サービスをいいます。「Fiber To The Home」の略らしいです。
 → 「NTT東日本の私的独占公取委審決に対する取消訴訟判決(東京高裁)」

 この判決が、公取委サイトの審決等データベースシステムに掲載されました。なお、現時点では判決全文については判決書そのままのPDFで提供されています(判決の後に、誤記訂正の「更正決定」まで付いています。【追記】現在はテキスト表示になっています。)。
 → 公取委サイト

 判決は、まず、本件審決の事実認定について、事実を立証する実質的な証拠がなく、また、経験則に違反する認定があるとするNTT東日本の主張については、各認定については合理的であるなどとして、認めませんでした。

 そして、法令の適用に関する諸主張についても判決は排斥したわけですが、以下では、そのうち、本件での「一定の取引分野」の捉え方に関する点のみ紹介しておきます。
 本件審決が、一定の取引分野を「東日本地区における戸建て住宅向けFTTHサービス市場」と捉えていた点につき、NTT東日本は、戸建て住宅向けFTTHサービス市場という狭い範囲ではなく、ADSLサービスやCATVインターネットサービス等を含むブロードバンドサービス市場と捉えるべきであると主張しました。これに対する判決の判断は、以下のようなものです。
 ブロードバンドサービス市場という広い市場の中で競争が行われていることはその通りであるが、そういった場合でも、同時に、細分化された市場を一定の取引分野として確定することは可能である。
 そして、ブロードバンドサービスの中のFTTHサービス、ADSL、CATVインターネットは、それぞれのサービスの内容及び料金等に応じて需要者層を異にし、また、通信設備の違い等により各サービスを提供する事業者もそれぞれのサービスごとに異なるものであるといえるから、ブロードバンドサービス市場の中でも、FTTHサービス事業の分野について独立の市場を観念することができる。
 また、戸建て住宅向けFTTHサービスと集合住宅向けFTTHサービスでは、加入者光ファイバの設備形態及びネットワークに違いがあり、ユーザーにとっても、事業者にとっても、両サービスの間での代替性は限定されているから、それぞれにおいて一定の市場を確定することができる。

2009年6月 5日 (金)

元アイドルのストリップ出演禁止の仮処分

 サンケイのニュースサイトを見ていると、今日は、やたらと元グラビアアイドル小向美奈子のストリップ出演に関する騒動を詳しく報じています。

 まず、覚せい罪取締法違反で有罪判決(執行猶予)を受けた元アイドルタレントに対して、ストリップに出演しないよう、元の所属事務所から東京地裁に仮処分を申し立てられて、2日に東京地裁はこれを認める決定を出していたらしい。報道によれば、元所属事務所と元アイドルは、その種のものに出演等しない旨の書面を交わしていたとされています。

 で、今日の報道は、今日、この元アイドルが浅草ロック座のストリップに出演する予定となっていたところ、出演するのしないの、客が文句を言うの、などというような、傍目からはドタバタ劇のような状況をサンケイが刻々と報じている感じになっています。

 この途中で、浅草ロック座のコメントとして、浅草ロック座も元アイドルも、仮処分決定の事実は報道で知ったもので、裁判所から書面は元アイドルに届いていなかった、昨日、元アイドル側が決定に異議を申し立てた、というような内容が報じられていました。

 さて、ここからが問題です。

 上記の事実関係のもとで、登場人物として、元アイドル、元所属事務所、浅草ロック座のそれぞれの関係につき、民法民事保全法の観点から、法的に論じなさい。ただし、東京地裁の仮処分決定が元アイドルに送達された時期が、(1)元アイドルと浅草ロック座との出演契約以前だった場合、(2)出演契約以後、出演以前だった場合、(3)出演以降だった場合、に分けて検討すること。

 というような論文問題はどうでしょうか。3者間の関係に加えて、お客さんも入れたらいいかもしれません。基本的な問題ではありますが、ちゃんと論点を網羅して整理された答案を書こうと思うと結構難しいと思います。もちろん、私は書きませんけど(笑)。

2009年6月 4日 (木)

平成21年新・旧司法試験短答式試験結果等公表(法務省)

 例によって、道しるべ的記事です。
 司法試験(新・旧)の短答式試験の結果発表(法務省サイト)が出てました。正解なども出てます。

 → 平成21年新司法試験短答式試験結果
 → 平成21年度旧司法試験第二次試験短答式試験の結果

シャンピニオンエキス不当表示事件の審判開始(公取委)

 公正取引委員会が本年2月3日付で行った排除命令(景品表示法違反)について、排除命令の対象事業者ではない会社(対象商品の原料であるシャンピニオンエキスの製造会社)が、この排除命令を不服として公正取引委員会に対して審判請求を行ったことは、以前触れました。
 → 「口臭、体臭等の消臭効果についての不当表示(景表法)」(2/3)
 → 「排除命令の対象でない者による取消審判申立(景表法)」(3/8)

 この審判請求に対して、公正取引委員会は6月2日付で、審判手続を開始する旨を審判請求をした(株)リコムに対して通知しました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 ただ、今回の審判開始は、通常の場合とは異なっていて、「本審判手続の範囲を株式会社リコムによる審判請求が独占禁止法第66条第1項に規定する「不適法であるとき」に当たるか否かに限定して」審判手続を開始したとされています。
景品表示法違反の排除命令の手続に関しては、独占禁止法の手続規定を準用。景表法6条2項参照。ただし、今回の消費者庁への景表法移管になると、この点も大きく変わり、一般の行政処分と同様に行政不服審査法に基づくことになると思います。)

 独占禁止法52条3項は、審判請求があった場合に独禁法66条1項の場合を除き、審判手続を開始しなければならない、と定めています。で、この独禁法66条1項は、上のところにも出てくる条文なわけですが、これは、「審判請求が法定の期間経過後にされたものであるときその他不適法であるときは、公正取引委員会は、審決で、当該審判請求を却下する。」となっています。今回の審判手続では、この「不適法であるとき」に該当するかどうかのみに限定して審判手続を開始したというのですから、まずは、(株)リコムの審判請求が適法か否かに限って審理を行い、不適法ならば却下しようということのようです。反対に、請求が適法ということになれば、改めて通常の審判開始をして、中身についての審理を始めるということになるのでしょうね(たぶん)。

 もちろん今回の審判手続での争点は、冒頭の当ブログ3月8日付記事でも書きましたように、排除命令の対象業者以外の会社である(株)リコムによる審判請求手続が許されるか否か、という点になるはずです。興味深いところですので、注目したいと思います。

結婚式場・披露宴サービスのトラブル(国民生活センター)

 国民生活センターが本日付で、「増加する結婚式場・披露宴サービスのトラブル -返還されない申込金、納得できない解約料-」を公表しています。
 → 国民生活センター 報道発表資料
 → 報道発表資料(PDF)

 PIO-NET(パイオネット・全国消費生活情報ネットワーク・システム)によると、結婚式場・披露宴サービスの相談が過去5年間増加し続けており、昨年度は1,222件(2004年度は623件)に達した、とのこと。
 相談内容は、式場のキャンセル時の申込金返還や解約料に関するものが多い(約6割)ということで、今回の報道発表は、これらの申込金等の返金や解約料に関するものを中心に相談内容、事例などを分析し、消費者トラブルの未然・拡大防止のために情報提供するという趣旨だそうです。

 国民生活センターが問題点として挙げているのは、
 (1)解約料や費用などについての説明が十分でない
 (2)契約・申込みをせかせるケースもある
 (3)契約の認識に齟齬が生じたケースもある
 (4)事業者の対応に問題のあるトラブルもある
 (5)早期の解約の場合にも解約料を請求される

という点であり、消費者へのアドバイスとしては、
 (1)契約・申込みをする際は規約や約款をよく読み、十分説明を受ける
 (2)見積りの内容についても説明を受け、関係資料は必ず受け取る
 (3)契約がいつの時点で成立するのかを確認する
 (4)最寄りの消費生活センターに相談する

としています。

 そして、以下の点を業界(社団法人日本ブライダル事業振興協会 )に要望しています。
 (1)申込金等の返金や解約料などに関する説明を十分に行うこと
 (2)契約・申込みをせかせないこと
 (3)契約の認識に齟齬が生じないようにすること
 (4)トラブルが発生した場合には適切に対応すること
 (5)解約料等に関する契約書や規約の内容を適正にすること

2009年6月 3日 (水)

独占禁止法改正案ようやく可決成立

 独占禁止法の改正案が、今日参議院で可決され、やっと成立しました。

 今回の改正は、
 ・排除型私的独占及び一定の不公正な取引方法に対する課徴金制度の導入
 ・不当な取引制限等の罪に対する懲役刑の引上げ
 ・企業結合に係る届出制度の見直し

などを内容とするものです。今回は議論となっている審判手続に関しては見送られていますが、審判手続に係る規定につき全面にわたって見直すものとし、平成21年度中に検討を加え、それに基づいて所要の措置を講ずる旨の付帯決議が付いたようです。(付帯決議ではなく、附則のようですね。下記追記(6/5)参照)
 → 公取委サイト 報道発表資料
    「独禁法改正法成立について」(PDF)
    「独禁法改正法(骨子)」(PDF)
    「独禁法改正法の概要」(PDF)

 なお、本日、「平成20年度における独占禁止法違反事件の処理状況について」が公表されています。先日、ここに少し書いた雑誌「消費者法ニュース」の消費者法白書の独禁法・景表法部分の執筆に必要だったのに、今年は少し公表が遅れていて焦ってましたが、何とか、ゲラの校正段階には間に合いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

【追記】(6/3)
 この改正についての施行期日は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内で政令で定める日とされています(一部を除く)。

【追記】(6/5)
 まだ、付帯決議の正確な内容は知らないのですが、提出時法案を見ると、「附則」の中に審判手続の改正の検討について書かれているのですね。
 修正されている可能性がないわけでもないですが、提出時の附則をそのまま載せておきます。
 附則20条(検討)
   政府は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の審判手続
  に係る規定について、全面にわたって見直すものとし、平成21年度中
  に検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
 2 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、新独占禁止
  法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新独占禁止法の
  規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるもの
  とする。

2009年6月 2日 (火)

NTT東日本の私的独占公取委審決に対する取消訴訟判決(東京高裁)

 平成19年3月26日に、戸建て住宅向けのFTTHサービスに関するNTT東日本私的独占行為に対して、公正取引委員会が独占禁止法違反の違法宣言の審判審決を行い、それに対して、NTT東日本が東京高裁に審決取消訴訟を提起したことは、以前当ブログでも取り上げました。
 → 公取委サイト報道発表資料
 → 「NTT東日本に対する審判審決」(07/4/16)
 → 「NTT東日本が審決取消訴訟を提起」(07/5/9)

 で、この審決取消訴訟の判決が、先日(5/29)、東京高裁で言い渡されました。結果は、請求棄却でNTT東日本の敗訴。中身は詳しくわからないのですが、そのうち、いろいろと評釈が出てくることと思います。泉水教授のブログで少しだけ触れておられました。

 ところで、今日報道されたところによると、NTT東日本NTT西日本に納入する光ファイバー用ケーブルなどに関して、本日、公正取引委員会は、メーカー4社(古河電気工業、住友電気工業、フジクラ、アドバンスト・ケーブル・システムズ)カルテルを結んでいる疑いがあるとして、各社に立入検査に入った、ということです。上の話と直接の関係はもちろんありませんけど、NTTの光ファイバーつながりのニュースです。

【追記】(6/7)
 この審決取消訴訟の判決が公取委サイトに掲載されたので、別記事にて、簡単に紹介しておきます。
 → 「NTT東日本FTTHサービス審決取消訴訟判決(続報)」(6/7)

『英検』受験用書籍についての不当表示(景表法)

 ここのところ世間では(財)日本漢字能力検定協会『漢検』が何かと話題になっていますが、こちらは『英検』(英語検定)の関連です。英検は、(財)日本英語検定協会が実施する実用英語技能検定の略称です。ご承知のように、(財)日本英語検定協会の理事長は、旺文社の代表取締役です。

 株式会社旺文社が販売する英検受験用書籍の広告表示について、以下の通り景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するおそれがあるとして、本日公正取引委員会が警告を行ったものです。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)
 → 旺文社サイトの発表記事(PDF)

 不当表示のおそれがあるとされた表示は、英検受験用書籍の帯や包装箱に記載された表示で、

  1. 「英検合格者の80%が使っているから、旺文社だけが提供できる100%以上の満足」
  2. 「英検合格者の80%以上が使っている旺文社の英検書」

というもの。この表示が、あたかも、英検の各級の合格者の80%以上が当該商品を使用しているかのように表示しているところ、実際には、このような表示に係るデータを旺文社が有していないので、そのような実態がないおそれがあるとされて、警告を受けたものです。

【追記】(6/9)
 上の旺文社の発表記事をつらつらと眺めていたら別記事を書いてしましました。
 → 「公取委警告に対する旺文社の対応についての疑問(英語検定)」(6/9)
                          

正田彬先生ご逝去の報

正田彬先生(慶応大学名誉教授)が亡くなられたということです。
 → 共同通信
 経済法学者としてだけではなく、消費者の権利についても多大な理論的貢献をされた先生でした。消費者問題に関わっていた私が、豊田商事国家賠償訴訟弁護団にて、遅まきながら独占禁止法と消費者という観点に触れることとなったわけですが、その当時、先生の著書などでいろいろと勉強をさせていただきました。ありがとうございました。

 謹んでご冥福をお祈りいたします。 

2009年6月 1日 (月)

携帯向け掲示板のダウンロードサービスで中高生が書類送検

 5月29日の記事に「今月はネット関連の著作権法違反の逮捕が続いてますね」というのを書いて先月の著作権法違反検挙の事件を紹介しましたが、今日も福岡県警が福井、愛知、兵庫、鹿児島県内の中学生や高校生ら男女4人を著作権法違反(公衆送信権侵害)容疑で書類送検し、大阪府の中2男子を補導したことを発表したようです。

 この事件は、愛知情報システム株式会社(名古屋市)が運営している携帯電話向け掲示板「ワンタッチBBS」サービスを利用していた少年たちが、日本音楽著作権協会(JASRAC)の管理楽曲を無断でユーザーにダウンロードさせた、というもの。福岡県警は、同じ「ワンタッチBBS」を利用した違法ダウンロードサービスで、4月20日に大学生、5月18日に自営業者を逮捕しており、今回は、運営会社愛知情報システムに対しても警告を行っています。
 → 愛知情報システムの5/22付
   「著作権侵害撲滅に向けた当社の取り組みについて」(PDF)

 → JASRAC プレスリリース
    
・4/20   ・5/18   ・6/1

 携帯電話の掲示板サービスなので、中学生、高校生らが安易に違法ダウンロードのサービスに手を染めてしまうということは充分考えられます。
 ネットは、誹謗中傷や情報漏洩の温床であるだけでなく、著作権などいろんな問題が起こりうる場であることは今や当たり前ですが、子供たちがうっかりと不幸な結果を招かないよう(加害者も被害者も)、家庭や学校での教育にも力を入れていかねばならないと思います。

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