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2009年4月の記事

2009年4月29日 (水)

殺害後20年経過事案の時効・除斥期間の最高裁判決

 債権の「消滅時効」「除斥期間」との違いというのは、民法上の基本的なところではあるのですが、専門外の一般の人に説明するのは結構むずかしいかもしれません。

 マスコミでも報道されましたように、最高裁判所は、殺害後20年を経過した事案について、遺族からの加害者に対する損害賠償請求について、新たな判断を行っています。今回も第3小法廷の判決ですね。裁判所サイトに掲載されています。
 平成21年4月28日最高裁第3小法廷判決

 民法724条後段には、不法行為後20年を経過すると損害賠償請求ができないように規定されており、従来、この規定は、「消滅時効」ではなく「除斥期間」と解されていました。これまでの判例も、この規定は、不法行為による損害賠償請求権の除斥期間を定めたものであり、不法行為による損害賠償を求める訴えが除斥期間の経過後に提起された場合には、裁判所は、除斥期間の経過により請求権が消滅したものと判断すべき、としてきました。

 今回の最高裁判決は、「(前略)民法724条後段の規定を字義どおりに解すれば,不法行為により被害者が死亡したが,その相続人が被害者の死亡の事実を知らずに不法行為から20年が経過した場合は,相続人が不法行為に基づく損害賠償請求権を行使する機会がないまま,同請求権は除斥期間により消滅することとなる。」と、これまでの考え方を維持したうえで、

 「被害者を殺害した加害者が,被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出し,そのために相続人はその事実を知ることができず,相続人が確定しないまま除斥期間が経過した場合にも,相続人は一切の権利行使をすることが許されず,相続人が確定しないことの原因を作った加害者は損害賠償義務を免れるということは,著しく正義・公平の理念に反する。このような場合に相続人を保護する必要があることは,前記の時効の場合と同様であり,その限度で民法724条後段の効果を制限することは,条理にもかなうというべきである」とし、

 「そうすると,被害者を殺害した加害者が,被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出し,そのために相続人はその事実を知ることができず,相続人が確定しないまま上記殺害の時から20年が経過した場合において,その後相続人が確定した時から6か月内に相続人が上記殺害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは,民法160条の法意に照らし,同法724条後段の効果は生じないものと解するのが相当である。

 としました。被害者救済的な面に重きを置いた判断と言えますが、これについては、相続人不確定の場合の民法160条の解釈という問題もかまされており、ちょっと私としてはすぐにコメントしにくいところです。

 ここのところ、第3小法廷は興味深い判断をしており、各裁判官の意見も注目されますが、今回も、大阪弁護士会出身の田原裁判官が、多数意見と結論には賛成するが、理由は異なるとして、補足意見を述べております。
 これは、民法724条後段の規定は、「除斥期間」ではなく、法文通りに「時効」と解すべきであって、民法160条が直接適用されるので、請求が認容されるべきというものです。
 私もちゃんと田原裁判官の補足意見を検討できたわけではありませんが、この意見は、傾聴すべきものと思います。補足意見の後半部分を引用しておきます。

「民法724条の文意からすれば,後段の規定は時効と解するのが自然な解釈であり,また,学説が指摘するようにその立法経緯からしても時効と解すべきものであることに加え,学界では,平成元年判決に対しては批判が強く,今日では,民法724条後段の規定は除斥期間ではなく,時効期間を定めたものと解する説が多数を占めており,また,近年,債権法改正の一環として時効制度の見直しを含めた法改正がなされたドイツ,フランス,オランダ等の欧州諸国においても,不法行為による損害賠償請求権について,民法724条と同様,二重の期間制限を設ける場合において,長期の期間については,何れも「時効」とする制度が設けられているのである。
 このように,民法724条後段の規定を,除斥期間と解する場合には,本件に典型的に見られる如く具体的妥当な解決を図ることは,法論理的に極めて難しく,他方,時効期間を定めたものと解することにより,本件において具体的に妥当な解決を図る上で理論上の問題はなく,また,そのように解しても上記のとおり不法行為法の体系に特段の支障を及ぼすとは認められないのであり,さらに,そのように解することが,今日の学界の趨勢及び世界各国の債権法の流れに沿うことからすれば,平成元年判決は変更されるべきである。
 そして,上記のように解することによって,今後,不法行為時から20年以上経過した損害賠償請求訴訟が提起された場合には,上記のとおり既に確立している権利濫用,信義則違反の法理に則って適切な解決を図ることができるのである。
 なお,実務上は,上記の平成元年判決を受け,その後の下級審裁判例が,民法724条後段の規定を除斥期間と解する運用をなしているところから,ここで上記判例変更をなす場合には,一定の混乱が生じかねない可能性がある。しかし,上記の判例変更の結果を受けて真に救済せざるを得ない事案は,社会的には極く僅かに止まり,また,それは個別に対応することが可能であると推察されるのであって,判例変更が社会的に相当な混乱を引き起こすおそれはないと思われる。
 おって,現在,法務省において債権法の改正作業が開始されているところ,時効制度の見直しに当たっては,かかる観点を踏まえた見直しがなされることを望むものである。」

2009年4月28日 (火)

「ドロップ・シッピング被害110番」(大阪弁護士会)

 今日は、最高裁で、損害賠償請求事件に関して、殺人事件の損害賠償の除斥期間の問題や学校の体罰の問題について注目される判決が出ていますが、これらはマスコミを含めていろいろ取り上げられるでしょうということで、ひとまずスルーいたします。

 このブログで、過去、アフィリエイトドロップシッピングの問題を取り上げてきました。ブログなどを利用して商品を紹介したり販売したりすることによって利益をあげられるという触れ込みの営業スタイルです。
 勧誘側の問題とともに、これで利益を得ようとして参加した側も消費者に対して責任を自覚すべきことの両面を指摘してきました。

 つい最近もブログを見られた若い男性が相談されることになっていました。その方は、ドロップシッピングをしようと思っているけれども不安だということで相談に来るとのことでした。結局、相談されるまでもなく、そのドロップシッピング運営業者の事務所を自分で見に行き、その印象が非常に悪かったらしく、やめることにされたようです。
 これらのシステムの特有の問題はさておいても、営利目的の事業である以上、仕入れ先にも顧客にもそれなりの義務や責任が生じるのは当たり前なので、「簡単にもうかる」という勧誘に乗って始めることだけはやめていただきたい、というのが私のアドバイスでした。

 → 「アフィリエイト、ドロップシッピングの危険性(東京都)」(2/7)
 → 「アフィリエイトとドロップシッピング」(07/2/12)

 なお、東京都の広報サイトとしては、
 → 東京都くらしWEB

 さて、このたび、大阪弁護士会で、「ドロップ・シッピング被害110番」が下記の通り開催されることになりました。この実施の中心となる同弁護士会消費者保護委員会第1部会には私も所属しているのですが、最近はお手伝いできておらず恐縮です。この部会は、消費者問題の中でも、電子商取引問題や独占禁止法、公正取引の問題を担当する部会です。
 → 大阪弁護士会イベント情報

「ドロップ・シッピング被害110番」
 日  時 5月13日(水) 午前10時から午後4時
 電話番号 06―6364-0344
 電話相談後の処理
   法律相談又は弁護士の紹介を希望される相談者には、大阪弁護士会
   総合法律相談センターを紹介いたします。
 
問い合わせ先 大阪弁護士会委員会担当室 消費者保護委員会担当事務局
               (TEL 06-6364-1227)
 
実施の理由
  近時、「ドロップ・シッピング」を騙った消費者被害が全国的に増加
 しており、平成21年2月5日には、東京都が「ネットショップ運営や
 ネット広告で初心者でも簡単に高収入が得られる? ドロップ・シッピ
 ングやアフィリエイトによる儲け話にご注意!!」と題する「緊急消費
 者被害情報」を発表しています。
  また、大阪府下の消費生活センターにも、ドロップ・シッピングに関
 する相談が寄せられているようです。
  そこで、今回は、被害状況を調査し、情報を収集するために、ドロッ
 プ・シッピング被害110番を実施するものです。

2009年4月27日 (月)

電話帳のようなNBL誌が届いた

 先週月曜に書いた「民法の抜本改正方針の日経報道(法務省)」に少し触れたのですが、NBL904号が今日届きました。

 ある程度の予想はしていたのですけども、その分厚さには笑ってしまいました。全422頁の「総特集 債権法改正の基本方針」です。

 シンポの案内サイトによれば、これが4月29日の早稲田大でのシンポで3000円で売られるのだとか。このシンポは参加費無料ということでしたが、NBLを購読していない人にとっては、資料込み3000円が実質負担ということになりそうですね(資料なしで良ければ別ですが)。高いか、安いかは何とも言えませんが。

 なお、このシンポの申込受付は申込者多数のため打ち切りになっています。

【追記】(4/28)
 今朝の日経1面下の広告見たら、上記のNBL本誌904号ではなく、別冊NBL№126(近刊)として、頒価3675円になっていました。本誌904号に何か別の資料などの付加価値が付いているのかもしれませんが、これに関しては、定期購読していて良かったと思いました(笑)。

【追記】(5/12)
 Amazonで購入できるようです。

2009年4月25日 (土)

著名ブログのアクセス数

 休日ネタです。

 このブログも本格的に書き始めた07年1月から約2年3ヶ月ばかり経ちました。総アクセス数も19万を超えて多分来月中には20万になると思います。もっとも、ここでいう総アクセス数は、閲覧されたページ数なので、訪れた人の数(ユニークアクセス数)ではないし、検索サイト関係の巡回ロボットなどの数も入っておりますので、あまり厳密によそと比較しても仕方ないのですが。おかげさまで、ここ1年ほどはアクセスしていただく方が随分増えてきました。現在は、総アクセス数にしてだいたい月に1万2000アクセスくらいかと思います。平日の朝から夕方までのアクセスが圧倒的に多いので、土日のアクセスは平日の2~4割くらいでしょうか。

 このように自分のブログであれば、それぞれのブログサービスなどのアクセス解析を見ることができるので概略はわかりますが、他人のブログのアクセス数というのは、アクセスカウンタを設置されているのをチェックするなどということをしない限り、なかなか判りません。ブログランキングのサイトなどもあるにはあるのですが、それらは、そのランキングサイトに登録した特定のサイトに限るものですし、それも閲覧しただけでは勘定されなかったりしますので、日本全体のブログのアクセス状況の把握ができるわけではありません。
 そんな中で、以下の著名ブログ2つのアクセス数についての記事を紹介させていただきます。

 で、超有名ブログの「きっこの日記」にて、「「きっこの日記」は、ふだんは1日に3万5000から4万くらいのアクセスなのに、昨日の「草なぎフェスティバル」では、ネット上でどこよりも早く「草なぎ逮捕」を伝えたことや、どこよりも早く最新情報を伝え続けたからか、ふだんよりも1万も多い5万近いアクセスがあった。「きっこのブログ」に至っては、ふだんは1日に5万から6万くらいなのに、2倍近い10万ものアクセスがあった。」とされています。
 これが総アクセス数(アクセスされたページ数)か、ユニークアクセス数(訪問者数)なのか、よくわからなかったのですが、ふだんの日で、「きっこの日記」で一日に約3.5~4万、同じ内容を掲載している「きっこのブログ」で約5~6万ということで、両方を合わせると、毎日10万近いページ閲覧があるということになります。そして、今回は1日で合わせて15万近いアクセスになってしまったということです。
 ということは、仮に総アクセス数だとしても、ふだんでも私のブログの平日アクセス数と比べても、100倍以上のアクセスがあるということになりますね。

 もうひとつ、先日から触れてきました山本一太参議院議員の「気分はいつも直滑降」でのアクセス数報告によれば、今年3月:413622アクセス、2月:428889アクセス、1月:318847アクセスだそうです。こちらも当ブログの30倍くらいのアクセスがあることになります。

 どうでもいい話なのですが、ご参考まで・・・

2009年4月24日 (金)

冷凍食品製造下請についての下請法違反(公取委)

 本日、公正取引委員会は、株式会社マルハニチロ食品(東京都千代田区)に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)および4条2項3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)に違反する事実が認められたとして、勧告を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

【違反事実の概要】
 マルハニチロ食品は、冷凍調理食品等の製造を下請事業者に委託しているところ,以下の行為を行っていた。

  1.  マルハニチロ食品は、自社の利益を確保するため、下請事業者に対し、「協賛金」「不良品歩引き」等と称して、下請代金の額に一定率を乗じて得た額を負担するよう要請し、この要請に応じた下請事業者に対し、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減じていた(減額金額は、下請事業者19社に対し総額1966万8979円。)。
  2.  同社は、自社が卸売業者等に支払う販売促進費用の一部に充当するため、下請事業者に対し、事前に算出根拠等を明確に説明することなく、かつ、金銭の提供とそれによって得られる下請事業者の利益との関係を明らかにすることなく、「販売対策協力金」等と称して、仕入数量に一定額を乗じて得た額又は販売数量に一定額を乗じて得た額を負担するよう要請し、この要請に応じた下請事業者に対し、平成19年2月から同20年4月までの間、当該額を支払わせていた(支払わせた金額は,下請事業者22社に対し総額1709万5550円。)。

        ※同社は、減額した金額及び支払わせた金額を返還済。

【勧告の概要】
ア 次の事項を取締役会の決議により確認すること。

  • 前記減額行為が下請法の規定に違反するものである旨及び今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じない旨
  • 前記不当な経済上の利益の提供要請行為が下請法の規定に違反するものである旨及び今後自己のために経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害さない旨

イ 次の事項を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。

  • 前記に基づいて採った措置並びに下請代金の額から減じていた額及び支払わせていた額を当該下請事業者に対し支払った旨
  • 今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じることがないよう、また、自己のために経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害することがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じる旨

ウ 前記に基づいて採った措置並びに下請代金の額から減じていた額及び支払
 わせていた額を当該下請事業者に対し支払った旨を取引先下請事業者に周知
 すること。

ソフトバンクモバイルに対する指導(総務省)

 前置きとして、前々回の記事の前置きの続きから。

 草なぎ君が釈放されたようですね。彼自身、今回の事件について、反省やら後悔やらは当然として、何となくホッとした部分もどこかにあるのではないか、と私は勝手に想像しています。
 しかし、あの家宅捜索はなんなのでしょうね。どのような根拠で行われたのか知りたいところです。また、マスコミの報道の扱い方も問題で、本来もっと大きな問題である千葉市長の逮捕などはすっかり隠れてしまいました。
 そして、ニフティのココログニュースで知った山本一太参議院議員のブログ「気分はいつも直滑降」にははまってしまいました(私は同議員とは全く縁もゆかりもなく、政治的にどうこうというものではないことは強調しておきます。)。「追伸」など、ここ何日かの本題とは別の謎めいたつぶやきの連続はいろんな想像をしてしまいます。不安にもなりますが。

 さて、こちらの本題です。

 本日、総務省は、ソフトバンクモバイルに対して、今年4月19日に発生した事故等を踏まえて、電気通信設備の適切な管理の徹底等を図るよう文書により指導したことを公表しています。
 → 総務省サイト報道資料
 これは、今月19日に、全国で多数のソフトバンク携帯の利用者が、電子メールサービスやインターネット閲覧サービスを長時間にわたり利用できない大規模かつ重大な事故が発生したことに関するものです。

 総務省によると、この事故については、システムの信頼性向上対策や障害の極小化対策等、設備管理のために必要かつ適切な措置が十分になされていなかったうえ、事故の内容に関する利用者等への周知についても、同社ホームページ等において十分な説明が行われていなかったことで利用者に不安を与えたと認められる、としています。

 また、今回のみならず、昨年5月14日にも総務省が同社に対して、重大な事故の集中的な発生について書面による行政指導を行っています。これについては、当ブログでも触れました。
 → 「電気通信設備の管理に関するソフトバンクモバイルに対する
    指導(総務省)」(08/5/14)

 この5月の指導の後も重大な事故が3件発生していて(昨年10月15日、今年1月20日、2月9日)しており(各事故の内容は、上記の総務省報道資料に掲載)、それに続いて、今回の事故ということのようです。 総務省は、「このような度重なる事故の発生は、利用者の利益を阻害するものであることから、設備管理等の適切な改善が求められるところです。 」としており、(1)事故の再発防止策の検討、(2)設備の点検等及び(3)ホームページ等における利用者等への事故情報周知方法の改善を実施するよう指導したものです。

【追記】(4/25)
 それにしても、よく見てみると、「重大な事故」が多すぎるようですね。1年間に5回も事故が続くというのは、他社と比べても異常な感じがします。利用者=消費者にとって重要な情報であり、何故このような事故が続くのか説明する義務があるかと思います。ソフトバンクの白い犬のお父さんのコマーシャルは良くできた面白い広告だと思いますが、それだけで消費者を引きつけるようでは困りものです。

2009年4月23日 (木)

JR東海・割引乗車券に対する公取委警告(景表法)

 本日、公正取引委員会は、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)の乗車券「北陸往復割引きっぷ」に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するおそれがあるものとして、警告を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 この「北陸往復割引きっぷ」は、名古屋市内のJR東海の駅から米原駅経由で、北陸各地の主要駅(敦賀、武生、鯖江、福井、芦原温泉、加賀温泉、小松、金沢、高岡、富山)を終点とした区間の特急列車の普通指定席を利用して往復できる乗車券ということです(名古屋・米原間は、ひかり・こだまの自由席利用可能)。

 この乗車券についてのJR東海のWebサイトでの表示において、「名古屋~米原間の「ひかり」「こだま」の普通車自由席と米原~北陸地区間の特急列車の普通車指定席を乗り継ぎ、もしくは名古屋~北陸地区間の特急列車の普通車指定席を利用して往復するきっぷ。」と記載がなされていたため、あたかも、米原駅から上記の北陸の駅まで特急列車に乗車する場合に、特急列車から別の特急列車に乗り継ぐ際、前後どちらも普通車指定席を利用できるかのような表示になっているが、実際には、乗り継ぎ前後の一方の特急列車では普通車自由席のみ利用できるものであったことが、不当表示のおそれ有りとして、警告の対象となったものです。

和歌山カレー事件最高裁判決の判決文

 草なぎ君が酔って裸で騒いで逮捕されたとか(漢字が出ないので、ネット記事によっては「草※」になってますね。)、大阪の女児行方不明事件で自宅が捜索されているとか、自民党の山本一太参議院議員が自分のブログでややこしそうな謀略話(?)を匂わせているとか、今日は何とも微妙なニュースが目につきます。長年管理され続けた30代のタレントが酔っぱらってストレス発散しているのは何となく同情できる部分もありますが。暴れてなかったら単に保護されただけで済んだかもしれませんね。

 さて、和歌山カレー事件最高裁判決の判決文が裁判所サイトに公開されていたので、資料として掲載しておきます(もうニュース性はないでしょうけども)。
 最高裁第3小法廷ですが、今回は、補足意見も反対意見もなし、です。もっと長いのかと思ったら、意外に短い判決でした。冒頭と最後の数行ずつは省略しました。ちょっと、忙しいのでコメントはなしです。すみません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〈略〉
 なお,所論にかんがみ記録を精査しても,本件につき,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。すなわち,原判決の是認する第1審判示第1の殺人,殺人未遂の事実は,自治会の夏祭りに際して,参加者に提供されるカレーの入った鍋に猛毒の亜砒酸を大量に混入し,同カレーを食した住民ら67名を急性砒素中毒にり患させ,うち4名を殺害したが,その余の63名については死亡させるに至らなかったという事案(以下「カレー毒物混入事件」という。)であるところ,被告人がその犯人であることは,①上記カレーに混入されたものと組成上の特徴を同じくする亜砒酸が,被告人の自宅等から発見されていること,②被告人の頭髪からも高濃度の砒素が検出されており,その付着状況から被告人が亜砒酸等を取り扱っていたと推認できること,③上記夏祭り当日,被告人のみが上記カレーの入った鍋に亜砒酸をひそかに混入する機会を有しており,その際,被告人が調理済みのカレーの入った鍋のふたを開けるなどの不審な挙動をしていたことも目撃されていることなどを総合することによって,合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に証明されていると認められる(なお,カレー毒物混入事件の犯行動機が解明されていないことは,被告人が同事件の犯人であるとの認定を左右するものではない。)。また,その余の事実についても,被告人の犯行(一部は夫Aとの共謀による犯行)と認めた第1審判決を是認した原判決は,正当として是認することができる。
 本件は,上記カレー毒物混入事件のほか,いわゆる保険金詐欺に係る殺人未遂及び詐欺から成る事案であるところ,取り分け,食物に毒物を混入して無差別の大量殺傷を敢行したカレー毒物混入事件の罪質は極めて悪く,態様の卑劣さ,残忍さも論を待たない。殺害された被害者は,上記夏祭りを主催した自治会の会長(当時64歳の男性)及び副会長(当時53歳の男性)と,女子高校生(当時16歳)及び小学生の男児(当時10歳)であるが,いずれも何ら落ち度がないのに,楽しいはずの夏祭りの最中,突如として前途を断たれたものであって,その無念さは察するに余りある。遺族らの処罰感情が極めて厳しいのは当然のことである。また,最悪の事態は免れたものの,生死の境をさまよった重症者も多数に及び,その中には長期間後遺症に苦しんでいる者も存するのであって,その結果は誠に重大であるところ,同事件が,地域社会はもとより,社会一般に与えた衝撃も甚大であるといわなければならない。そして,被告人は,カレー毒物混入事件に先立ち,長年にわたり保険金詐欺に係る殺人未遂等の各犯行にも及んでいたのであって,その犯罪性向は根深いものと断ぜざるを得ない。しかるに,被告人は,詐欺事件の一部を認めるものの,カレー毒物混入事件を含むその余の大半の事件については関与を全面的に否認して反省の態度を全く示しておらず,カレー毒物混入事件の遺族や被害者らに対して,慰謝の措置を一切講じていない。
 以上のような犯情等に照らせば,被告人の刑事責任は極めて重大であるというほかはないから,カレー毒物混入事件における殺意が未必的なものにとどまること,前科がないことなど,被告人のために酌むべき事情を最大限考慮しても,原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

〈略〉

2009年4月22日 (水)

情報ネットワーク法学会特別講演会申込受付開始

 ずいぶん前からサイトで告知が出てはいたのですが、20日から申込受付が始まったようなので、私も早速参加申込みしておきました。
 → 情報ネットワーク法学会サイト
 → 案内チラシ(PDF)

 詳しくは、上記サイトとチラシで見ていただきたいですが、概要のみ。

「個人情報保護、自己情報コントロール権の現状と課題」
  日 時: 平成21年6月13日(土)10:00~16:45
  場 所: 学術総合センター 一橋記念講堂(定員500名・無料)
          東京都千代田区一ツ橋2-1-2学術総合センター内
  申 込: 事前申込制(上記サイトから申し込めます。)

<プログラム>
 午前

  報 告1   鈴木正朝(新潟大学法科大学院教授)
     「わが国の個人情報保護法が有する課題」
  報 告2   岡田仁志(国立情報学研究所准教授)
     「電子マネーとデータプロテクション」
  報 告3   新保史生(慶應義塾大学総合政策学部准教授)
     「プライバシーの権利の再構成」 

 午後
  基調講演   堀部政男(一橋大学名誉教授)
     「グローバル社会と日本のプライバシー・個人情報の保護
       -OECD情報セキュリティ・プライバシーWP副議長12
       年の経験-」
  特別講演   佐藤幸治(京都大学名誉教授)
     「憲法13条と自己情報コントロール権」
  パネル
      堀部政男 一橋大学名誉教授
      佐藤幸治 京都大学名誉教授
   司会 岡村久道 国立情報学研究所客員教授・弁護士

 *懇親会(事前申込制 4000円)

2009年4月21日 (火)

エアゾール製品の部品製造についての下請法違反事件(公取委)

 先月31日付で、中小企業庁から公正取引委員会に措置請求(下請法6条)がなされていた事案についての勧告です。

 本日、公正取引委員会は、株式会社ダイゾー(大阪市港区)に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)のに違反する事実が認められたとして勧告を行っています。ダイゾーは、もともと「大阪造船所」ですが、今は、エアゾール製品の製造が主な業務のようですね。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

【違反事実の概要】
 ダイゾーは、業として行う販売の目的物たるエアゾール製品の部品の製造を下請事業者に委託しているところ、自社の利益を確保するため、下請事業者に対し、「販売奨励金」等と称して、下請代金の額に一定率を乗じて得た額又は販売数量に一定額を乗じて得た額を負担するよう要請し、この要請に応じた下請事業者に対し、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、当該下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。

【勧告の概要】
ア 平成18年11月から同20年9月までの間に、「販売奨励金」等と
 称して、下請代金の額から減じていた額(総額7626万558円)を
 下請事業者(5社)に対して速やかに支払うこと。
イ 前記減額行為が下請法の規定に違反するものである旨及び今後、下請
 事業者の責めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じない旨を取
 締役会の決議により確認すること。
ウ 今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減
 じることがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うな
 ど社内体制の整備のために必要な措置を講じるとともに、その内容等を
 自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
エ 前記に基づいて採った措置を取引先下請事業者に周知すること。

2009年4月20日 (月)

冷蔵庫断熱材のエコ表示についての排除命令(景表法)

 本日、公正取引委員会は、日立アプライアンス株式会社(東京都港区)が販売する電気冷蔵庫に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するとして、排除命令を行っています。同社は、日立グループの家電・空調機器のメーカーのようですね。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

【違反事実の概要】
 日立アプライアンスは、電気冷蔵庫9形式を取引先販売業者を通じて一般消費者に販売するに当たり、カタログや自社ウェブサイト、新聞広告、販売店掲示用ポスターなどに、「立体成形された真空断熱材を天面や底面などに採用」「リサイクル材を活用した真空断熱材」「真空断熱材製造工程でのCO排出量 約48%削減」などと記載することにより、あたかも、真空断熱材の芯材の原材料に廃棄冷蔵庫の棚等からリサイクルした樹脂を使用し、また、これにより、製造工程において排出する二酸化炭素量を約48%削減しているかのように表示していたが、リサイクルした樹脂を使用していたのは一部であり(詳細は公取委のサイトを見てください)、また二酸化炭素排出量の削減率は、約48%を大きく下回るものであった。

【排除措置の概要】
ア 前記表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良である
 と示すものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

【追記】(4/21)
 経産省の省エネ大賞受賞製品を売り文句にしていたこともあり、昨夜以来、マスコミでも大きく扱われていますね。会社側が、製造部門と広報部門の意思疎通の齟齬を理由にしていましたが、重要な「売り」の部分であり、あってはならないことだと思います。
 → 日立アプライアンスのニュースリリース

 

民法の抜本改正方針の日経報道(法務省)

 昨日、日経が「民法、抜本改正へ」という記事を載せていました。法務省が民法の契約ルールを改正する方針を固めた、というもので、早ければ2011年の通常国会にも提出としています。

 民法の債権法部分の改正問題については、以下の通り、当ブログでも、民法(債権法)改正検討委員会に関して、何度か書いてきました。
 → 「民法(債権法)改正検討委員会ホームページ」(08/10/6)
 → 「内田貴先生の講演「民法(債権法)改正について」」(08/12/26)

 この民法(債権法)改正検討委員会の検討作業は、今年3月31日に終了しており、冒頭の法務省の改正方針固まる、の記事は、この民法(債権法)改正検討委員会の検討終了を受けてのことと思われます。日経の記事にあるいくつかの改正のポイントは、同検討委員会の提案と共通していますし。
 なお、この同検討委員会の検討結果については、今月29日の早稲田大学でのシンポジウムにて公表されるとのことですが、これまでの検討資料等は、同検討委員会のWEBサイトで見ることができます。

 今日、手元に届いた法律雑誌のNBL903号には、「特別対談 民法(債権法)改正検討委員会の審議を終えて」という対談記事が載っています。委員長の鎌田薫早大教授と事務局長の内田貴法務省参与の対談です。
 この記事でも、また、昨年12月の大阪弁護士会での講演でも、内田先生は、この検討作業は決してオフィシャルなものではなく、ひとつの研究者グループの検討にすぎないという点をかなり強調されていたのですが、タイミング的に考えても、実質的に法務省の改正作業の前さばき的な活動であったことは否定できないところかと思います。

 ただ、同検討委員会の検討は、民法学者が中心となってまとめたものですので、企業法務や弁護士などの立場からの、法律実務的な問題の検討がさらに行われなければならないと思います。一般社会での法律関係の根本に関する大改正ですので、今後、議論は充分に行う必要があります。

 なお、上記の早稲田大学でのシンポジウムは、WEBサイトで案内されています。参加受付もしています。もっとも、私は残念ながら参加できません。
 → シンポジウム「債権法改正の基本方針」
 これを見ると、資料として、NBLの次号(904号)を持ってこい、とのことで、たぶんこの号に改正基本方針が掲載される予定なのでしょう。売れそうですね(笑)。そういえば、同検討委員会の事務局は、社団法人商事法務研究会で、委員会サイトもシンポの案内ページも商事法務研究会のURL。NBLの発行者である(株)商事法務は、商事法務研究会の出版部門を独立させた会社です。公益法人たる社団法人は営利活動は原則できないのですね。どこかの財団法人が儲けすぎで怒られているのも同じ問題です。また、蛇足でした。

2009年4月19日 (日)

大分の農協の事案の続き(独占禁止法)

 金曜は、朝の早くから、東京に行って、顧問会社の会議に出席して帰宅したら、珍しくバタッと寝てしまいました。やっぱり疲れてたのですね。

 毎日の報道で見たのですが、国土交通省が、一般入札化で数十億円規模の支出削減の節約ができたという話です。公正取引委員会が昨年7月に独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で大手業者に立ち入り調査を行って、国土交通省が一般競争入札を本格導入したためということです。

 こういう地道な改善を大事にしてほしいと思います。

 毎日の報道としては、先日、大分の農協に関する問題をご紹介しました。
 → 「他業者への出荷者に対する農協の圧力行為と独占禁止法(大分)
                            (4/13)

 この続報として、「大分大山町農協:直営施設か元気の駅か 老女性農業者にも圧力 /大分」というのが、本日掲載されています。

 それは、
 大分のある農協が出荷者に圧力を加えている問題で、出荷者の農業者に農協直営の農産物直販施設関係7施設か、別の施設との取引かという選択を迫ったものということです。その出荷者によると、4月16日、農協直営施設に漬物を納入しようとしたところ、農協職員から問題発言があったということ。

 農協の責任者の記者会見では、別施設に出すなとは言っていない。出すなら農協の施設には遠慮してほしいと言っているだけだと弁明したそうです。これ自体、法的にも問題です。「独占禁止法には抵触しない、と自分は思う」と語った、ということです。もちろん、農協の営業の観点からいろいろ切実に考えないといけない場面だとは思いますが、余りにも短絡的な対応をしたのではないかと思われます。事業戦略としては、もっといろいろと考えられるような気もするのですが。

【追記】(7/30)
 公正取引委員会の立入検査が農協にあったようなので別記事を書きました。
→ 「大分の大山町農協に公取委が立入検査(独禁法)」(7/30)

2009年4月16日 (木)

運送事業者に関する不当減額事案(下請法と物流特殊指定)

 本日、公正取引委員会は、株式会社ゼロ(川崎市幸区)に対し下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)に違反するとして、勧告を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

【違反事実の概要】
 ゼロは、自動車製造業者が製造する自動車を出荷する前の修理及び貨物運送を業として請け負い、下請事業者に委託しているところ、自社の利益を確保するため、下請事業者に対し、「原価低減」等と称して、下請代金の額に一定率を乗じて得た額を負担するよう要請し、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。

【勧告の概要】
ア 「原価低減」等と称して、下請代金の額から減じていた額(総額33
 47万7511円)を下請事業者に対して速やかに支払うこと。
イ 前記行為が下請法に違反するものである旨及び今後、下請事業者の責
 めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じない旨を取締役会の決
 議により確認すること。
ウ 今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減
 じることがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うな
 ど社内体制の整備のために必要な措置を講じるとともに、その内容等を
 自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
エ 前記に基づいて採った措置を取引先下請事業者に周知すること

 上記勧告は、貨物運送業などの事業者が下請業者に対して不当減額を強いたという下請法違反事案です。
 一方、公正取引委員会は、昨日、「荷主と物流事業者との取引の公正化に向けた取組について」(PDF)という報告を行っています。これは、荷主が運送事業者に対して優越的地位濫用行為を行うことを規制する観点からのものです。したがって、下請法の規制ではなく、独占禁止法不公正な取引方法の中の「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」(平成16年・物流特殊指定)の違反に関するものです。そして、この報告の公表と同時に、荷主の事業者2社に対して、物流特殊指定に違反しているおそれがあるとして警告を出しています。内容的には、やはり、どちらも不当減額事案となっています。

2009年4月15日 (水)

かんたん携帯の仮処分申立事件が和解成立

 不正競争防止法に違反するとして、NTTドコモ富士通が、ソフトバンクモバイル東芝に対して、携帯電話端末「821T」の製造、販売等の差止めを求める仮処分命令を求めて、東京地方裁判所に申し立てた事件については、当ブログでも昨年3月17日付記事で紹介しています。
 → NTTドコモがソフトバンクモバイルに仮処分申立(不正競争防止法)」

 あれから1年が経過して、どうなったのかなぁ、と思っていたら、どうやら和解が成立したようです。
 → ドコモの報道発表
 → ソフトバンクの報道発表

 どちらも同じ文章で、和解が成立したことを伝えるのみで、中身は判りません。

痴漢逆転無罪判決と最高裁裁判官

 昨日、最高裁第三小法廷が、電車内痴漢行為の強制わいせつ被告事件で無罪判決を出したことは、いろんなところで話題になっています。私も、最高裁サイトで判決が公開された直後にたまたま読みました。最高裁がこのような事実認定の問題で破棄自判の無罪判決を出したのは珍しいことといえます。

 この判決は、第三小法廷の5人の裁判官のうち、無罪の多数意見が3名、有罪の反対意見が2名と分かれており、しかも、裁判長である田原裁判官は反対意見となっています。また、多数意見の裁判官のうち2名が補足意見を書いています。

 具体的には(カッコ内は出身)
   田原睦夫(弁護士)    反対意見
   藤田宙靖(行政法学者)  多数意見
   堀籠幸男(裁判官)    反対意見
   那須弘平(弁護士)    多数意見・補足意見
   近藤崇晴(裁判官)    多数意見・補足意見

 前にも同じことを書いたような気がしますが、最近の最高裁判決での補足意見、反対意見はなかなか面白いのです(なかなか、ちゃんと読む時間はないのですが。)。マスコミ報道的な興味とは別に(もちろん、それはそれで大切ですが)、特に法学部や法科大学院の学生さんたちには、各意見を読み込んでみてください。一方の立場に乗って、単に逆の意見を批判するのではなく、それぞれの拠って立つところを理解したうえで、じっくりとそれぞれの裁判官の意見を味わってほしいと思います。

 なお、最高裁裁判官については、それぞれの経歴のほかに、「裁判官としての心構え」「好きな言葉」「趣味」「最高裁において関与した主要な裁判」などが公開されています。
 → 最高裁サイト「最高裁判所の裁判官」

 日本の最高裁裁判官が誰か、というのは、一般の人にあまり知られていないのが現状です(実は弁護士でも・・)。アメリカの連邦最高裁の地下の売店では、最高裁判事のブロマイドを売ってたので、びっくりしました(最高裁のマーク入りのゴルフボールや文房具類などの土産物まであります。)。 
 アメリカにいた知人に聞いた話ですが、アメリカの連邦最高裁判事が選ばれると、地元のテレビでニュースになってその人の経歴などが報道され、たとえば、その判事の子供の頃の学校の先生のインタビューなども流される、と言っていました。日本では、総理大臣や有名人知事くらいしか、そんな扱いはされませんですね。

(本当に蛇足です)
 被害女性側が痴漢行為者を取り違える可能性が問題になっていますが、痴漢そのものではないものの、似たようなケースを目撃したことがあります。まったく偶然のなせるわざでしたし、疑われた人は大変気の毒でした。私は、数メートル後ろを歩いて偶然目撃したわけですが、被害女性としても、その状況では、その男性を疑ったのは当然でした。男性両名がたまたま同系統の色の服装をしていて、タイミングよく入れ替わった形になったのです。
 痴漢も冤罪も両方ともなくなってほしいものです。
 

2009年4月14日 (火)

参議院事務局の個人情報漏洩事件判決(東京地裁)

 ちょっと記事が続いてしまい恐縮です。備忘用です。

 13日、参議院議員宿舎建替計画をめぐって、参議院事務局が個人情報を推進派住民に漏らしたとして宿舎隣に住む反対派住民の女性が慰謝料など約250万円を求めた訴訟で、東京地裁が、70万円(慰謝料50万円、弁護士費用20万円)について請求を認める判決を言い渡しています。 弁護士費用を単純に10%としていないところは常識にかなうもので評価できます。ヤフー事件判決では、原告一人500円の弁護士費用ですもんね。

 参院事務局職員が原告の電話内容を印刷して推進派住民に渡し、その中に、原告の住所や病歴などの個人情報が含まれていた、とのこと。

 一部の報道では、原告弁護団のコメントとして、個人情報漏洩事件の一人当たり賠償認容額としては過去最高額、とされていました。(テレビニュースでは、国などに対するという条件付でだったような記憶なのですが、弁護団の紀藤弁護士のブログだと特に条件付けされてませんね。)。

 情報漏洩事件の損害賠償のケースで、公的組織に対して認められたものとして比較的高額だったのは、北海道警察江別署巡査の捜査情報流出事件の損害賠償請求事件訴訟での1審札幌地裁判決で、被告北海道に対して40万円の損害賠償の支払を命じています(ただし、控訴審、上告審とも請求を認めず。)。

2009年4月13日 (月)

個人情報保護法説明資料の公表(内閣府)

 昨年度後半に各地で行われた個人情報保護法の説明会の資料を、内閣府が公表しています(4/9)。
 → 「平成20年度 個人情報保護法説明会」

 今回は、個人情報保護法のいわゆる「過剰反応」問題についての説明に力を入れたようですね。

 上記ページからリンクされているのは、
 ◎ 説明会資料の本編テキストの1~3
 ◎ 資料編
 ◎ 国民生活センターの
    「個人情報に関する相談事例と考え方~個人情報相談3年の概要~」

となっていて、それぞれ、個人情報保護法の基礎的な勉強、研修の資料としては役立つものだと思います。

 なお、内閣府は、「わかりやすい個人情報保護のしくみ(動画編)」という動画による解説も配信しています。内容は、個人情報保護の法体系を概観と、「過剰反応」の典型例について解説するものです(所要約11分30秒)。

他業者への出荷者に対する農協の圧力行為と独占禁止法(大分)

 毎日の大分の4月10日付地方版ニュースとしてネットで見つけたものです。

 内容的には、大分のある農協が経営する農産物直販施設があって、そこに出荷していた人たちが別の施設に出荷しようとしたところ、農協幹部から、別の施設に出荷するなら、農協経営の施設への出荷は認めない、と圧力をかけた、というもの。

 詳しい事情が判らずに、ここでシロクロをつけるわけにはいきませんが、独占禁止法違反行為となるのではないか、という点が問題になります。関心のある方は、演習問題として考えてみてください。

 なお、毎日の記事では、「独占禁止法の「不公正な取引方法の禁止」や公取委告示「優越的地位の利用」に抵触する可能性もある。」となっているのですが、この表現の答案ではいろんな意味で及第点はあげられないと思います。理由は省略です(微笑)。

 このような行為については、独占禁止法の違反行為をそうとは知らずにやってしまう、ということは残念ながらありがちなことだとは思うのですが、毎日の記事によれば、この農協は数年前にも、この施設への出荷者が生協に出荷しようとしたときに同様の選択を迫り、公正取引委員会から指導されるなどしたことがあるということですので、それが事実なら、全く無知だったということではなさそうです。

【追記】(7/30)
 公正取引委員会の立入検査が農協にあったようなので、別記事を書きました。
 → 「大分の大山町農協に公取委が立入検査(独禁法)」(7/30)

2009年4月12日 (日)

土曜にパブコメ募集公示で、水曜に意見締切だとは(文部科学省)

 土曜日だというのに、4月11日に文部科学省の法科大学院関係のパブリックコメント(パブコメ)募集が公示されています。
 町村教授のMatimulogで、先ほど知ったものですが、いくら任意の意見募集だからといっても、これはひどすぎます。
 → 中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会
          「法科大学院教育の質の向上のための改善方策について(最終
             まとめ)案」の骨子に関する意見募集の実施について

 これまでもパブコメの中には、意見募集期間が短すぎて、弁護士会でも正式な意見を出すことが無理な場合もよくあります。組織としての正式意見を出すためには、担当の委員会の部会で意見を検討、作成したうえで、委員会や常議員会、理事会など組織的決定を踏む必要があり、そのためには、どうしても1ヶ月以上の期間を要します。このような場合は重要案件であっても、弁護士会の正式意見としては出せず、弁護士個人、有志の意見として提出せざるを得なくなったりします。おそらく、他の団体、組織でも同様だろうと思います。
 なので、パブコメの期間は何とかならんのか、と思うことは多いのです。もちろん、意見を出す側での迅速な意見形成の努力も必要なのですが。

 しかし、それにしても冒頭のパブコメ募集はひどすぎます。
 土曜日に公示されるということは、実質的に明日月曜の公示と一緒です。しかも、意見締切りが、15日(水)なのですよ。実質3日ばかりで、どうやって意見を出せというのでしょうか?たまたま時間の余裕のあった個人でない限り、まともな組織が正式の意見を提出できるはずないではないですか。短くても1ヶ月くらいは必要です。公示されたことをいちいちチェックしている所ばかりではないのですよ。意見募集が出ていることを知った時には締切りが過ぎているということも充分考えられます。こんな形で、国民から意見を聞いた、などとされてしまうのでは、たまったものではありません。

 しかも、町村教授がご指摘の通り、文部科学省の公示の、「意見募集要項」と「概要」は、なぜか一太郎ファイルなのです。私は仕事上、普段一太郎を利用することは多く、ワードよりも好きなのですが、現在の社会状況では、一太郎は必ずしも標準ではないでしょう。一太郎を使う私ですら、今、自宅でこれを書いているパソコンには一太郎を入れておらず、この意見募集要項などを開いて読むことができないのです。したがって、今回の特別委員会の最終まとめ案の内容を知ることすら、私には今できないのです。

 私は、明日、文部科学省に以下の趣旨にて意見を提出するつもりです(笑)。
 「こんなもん意見募集と違うやろ。何を考えてんねん。国民を馬鹿にしたらアカン。こんな実質3日間の意見募集して済ませようとする「まとめ案」やったら、内容見んでも反対や。」
 まぁ私はできれば紳士でありたく、実際の意見では少し表現は考えるつもりではありますが、ご賛同の皆さんは、ご自分の言葉で、15日までに意見を提出されてはいかがでしょうか。上記の最終まとめ案の出来がどうあれ、それとは関係なく、こんなことを許してはいけません。

 なお、法科大学院制度を作ったのは、法科大学院ではなく、国、文部科学省なのです。

MSのOffice再販売価格拘束行為に高額罰金(ドイツ)

 報道によれば、ドイツの連邦カルテル庁(日本の公正取引委員会にあたる)が、4月8日、マイクロソフトのドイツ法人に対して900万ユーロの罰金を科したとのことです。マイクロソフト側はこの支払に応じるとのこと。

 → 日経BPの記事
 → 読売CNETニュースの記事
 → 独カルテル庁の英語サイト本件資料(もちろんドイツ語もありますが)

 上の記事でいう「罰金」(英語:fine)は、日本の独占禁止法にあたるドイツの競争制限禁止法上の制裁金のことと思われます。詳しい事情はわかりませんが、ドイツ国内の小売業者1社が、マイクロソフトから金銭的な援助を受けて、Officeを販売したということで、マイクロソフト社員と小売業者との間で再販売価格の合意がなされていたようですね。

 マイクロソフトの今回の行為は、日本の独占禁止法でいえば、不公正な取引方法の一般指定の再販売価格維持行為に該当するものと思われます。だとすれば、日本の現行独禁法では不公正な取引方法については課徴金や刑罰の対象にはなっていません。
 ただし、現在、国会で審議中の独占禁止法改正案では、不公正な取引方法についても、その一部の行為は課徴金の対象となることになっていて、再販売価格維持行為も、それを繰り返した事業者には課徴金の納付が命じられることになります。詳しくは改正法案の2条9項4号、20条の5を参照してください(衆議院サイト〈「議案」をクリックして、「閣法(内閣提出法律案)」の一覧から見ることができます。)。

2009年4月10日 (金)

「凶悪・重大犯罪の公訴時効の在り方について」(法務省)

 既に報道がなされているところですが、本日、法務省が、「凶悪・重大犯罪の公訴時効の在り方について~当面の検討結果の取りまとめ~」という報告書を公表しています。なお、報告書の日付は3月31日付になっています。
 → 法務省サイト
    「凶悪・重大犯罪の公訴時効の在り方について」(PDF)

 法務省が、今年1月から「凶悪・重大犯罪の公訴時効の在り方に関する省内勉強会」および公訴時効ワーキンググループを開催し、殺人等の凶悪・重大な犯罪に関する公訴時効制度の在り方等について検討を行ってきたものです。そして、検討を要する主要な論点が明らかになったことから、当面の検討結果を取りまとめた、というのが、この報告書です。

 下記目次でわかるように、刑事の公訴時効制度についての基本的な部分からまとめてありますので、公訴時効問題に興味ある方は参考になると思います。

※ なお、法律専門家の方にとっては蛇足になりますが、今、別に検討作業が報
 じられている
債権法の消滅時効制度の改正の検討とは、全く別の問題ですの
 で、ご注意ください。

 〈目 次〉
第1 はじめに
第2 公訴時効制度の趣旨及び沿革等

 1 公訴時効制度の概要及び趣旨
 2 公訴時効制度の沿革

  (1) 治罪法の下での期満免除制度
  (2) 旧々刑事訴訟法の下での公訴時効制度
  (3) 旧刑事訴訟法の下での公訴時効制度
  (4) 現行刑事訴訟法の下での公訴時効制度
 3 平成16年(2004年)の刑事訴訟法改正
 4 諸外国における公訴時効制度
  (1) 英国における公訴時効制度
  (2) 米国における公訴時効制度
  (3) ドイツにおける公訴時効制度
  (4) フランスにおける公訴時効制度
第3 公訴時効制度に関連する事件の実情
 1 罪名別の公訴時効期間の概要
 2 公訴時効完成数
 3 公訴時効完成後に犯人が判明した事件の概要

  (1) 東京都足立区における小学校女性教諭殺人・死体遺棄事件
  (2) 福岡県北九州市におけるタクシー会社警備員強盗殺人事件
  (3) 東京都昭島市における主婦殺人事件
第4 検討を要する主要な論点等
 
1 検討を要する主要な論点
  (1) 公訴時効制度の改正の必要性
  (2) 証拠の散逸,被告人の防御との関係
  (3) 被告人の事実状態の尊重との関係
  (4) 処罰感情等の希薄化との関係
  (5) 公訴時効制度を見直す場合の方法,対象範囲
  (6) 現に時効が進行中の事件の取扱い
  (7) 刑の時効との関係
 2 公訴時効制度の改正の必要性
 3 考えられる方策

  (1) 公訴時効の廃止
  (2) 公訴時効期間の延長
  (3) DNA型情報等により被告人を特定して起訴する制度
  (4) 検察官の裁判官に対する請求により公訴時効を停止(延長)する制度
  (5) その他
 4 対象犯罪の範囲
 5 現に時効が進行中の事件の取扱い(遡及適用)
 6 刑の時効
第5 今後の作業

2009年4月 9日 (木)

裁判外紛争解決手続(ADR)の話

 国民生活センターのWEBサイトで、本日公表されたもの。
 国民生活センター法の改正法が4月1日に施行されたことから、同センターの紛争解決委員会による消費者紛争解決手続が今月からスタートしています。

 いわゆるADR(裁判外紛争解決手続)の一種ですが、「重要消費者紛争」を解決するために、和解の仲介や仲裁を行うものです。この制度の内容など詳しくは、以下の国民生活センターの資料をご覧ください。

 → 国民生活センターサイト報道発表資料
 → 同PDF資料
 → 国民生活センターサイト・ADR(裁判外紛争解決手続)コーナー

 なお、この手続の対象となる「重要消費者紛争」とは、以下1~3のどれかであって、国民生活センターが指定するものということです。

  1.  同種の被害が相当多数のものに及び、または及ぶおそれがある事件に係る消費者紛争
  2.  国民の生命・身体・財産に重大な危害を及ぼし、または及ぼすおそれがある事件に係る消費者紛争
  3.  1・2に掲げるもののほか、争点が多数であり、または入り組んでいるなど事件が複雑であることその他の事情により紛争解決委員会が実施する解決のための手続によることが適当であると認められる消費者紛争

 ところで、この国民生活センターは国民生活センター法に基づく「独立行政法人」ですが、民間団体にもADR機能を持たせるための「裁判外紛争解決手続促進法」(ADR法)が平成19年に成立していて、大阪弁護士会民事紛争処理センターもこの認証を受けています。また、大阪弁護士会などの専門家団体によって設立された「総合紛争解決センター」(一般社団法人)も動き出しています。

 このようなADRに関しては、法務省サイトの「かいけつサポート」のコーナーにいろいろと説明やら資料やらがあります。
 → 法務省サイト「かいけつサポート」

2009年4月 8日 (水)

Googleブック検索をめぐる和解と独占禁止法(アメリカ)

 Googleのブック検索と著作権に関するアメリカでのクラスアクションの和解については、日本でも大きく報道され、当ブログでも次のような記事にしました。作家団体と出版者協会が、Googleを被告として起こしていた訴訟についてのものです。
「Googleブック検索と著作権に関する米国での和解(クラスアクション)」(2/25)
「Googleブック検索と著作権に関する和解の件(続きです)」(3/4)

 この和解に関連して、本日のITmediaの海外ニュースが次のように報じています。
 ITmedia
 「Googleブック検索めぐる和解、「独禁法違反の恐れ」と消費者団体が主張」

 要するに、上のクラスアクションにおける和解が、アメリカの独占禁止法に違反するものであるとして、アメリカの消費者団体「Consumer Watchdog」が、司法省に対して介入を求める書簡を送った、という内容です。
 和解の問題点として消費者団体が挙げている点は2点で、詳しくはITmediaの上記記事をご覧いただきたいのですが、Googleに対する「最恵国待遇」条項と権利者不明作品についての条項に関する2点です。これらの条項がデジタル書籍などについて、他社の参入を妨害することになるということですね。

 中身については、上の報道以上のことがわかりませんが、記事の最後に、消費者団体側のコメントとして「この和解案は訴訟の関係者により話し合われたもので、消費者の利益を代弁し、守る機会がなかった」とされている点は、他の問題の場合でも重要な視点かと思います。

【追記】(5/5)
 司法省が調査を始めた、と報じられていますね。
 → 「Googleブック検索の和解案に関して2題(米司法省調査・日本の著者対応)」(5/5)

2009年4月 7日 (火)

東京の裁判所は「下級」ではない、という自負?

 当ブログをご覧の方であれば、ご存じの方は多いと思いますが、裁判所WEBサイトのトップページの真ん中くらいに「最近の判例一覧」という表示があって、これをクリックすると、さらに「最高裁判所判例集」「下級裁判所判例集」「知的財産裁判例集」を選んで、最近の裁判例を見ることができます。
 (知的財産が「裁判例」で、最高裁と下級裁判所が「判例」というところもツッコミどころと思うのですが、今回は省略。)

 「最高裁判所判例集」は当然ながら最高裁判所の判決や決定が掲載され、「知的財産裁判例集」知的財産権に関する判決等が掲載されますので、「下級裁判所判例集」はそれら以外のもの、つまり、高等裁判所以下の裁判所の判決等で、知的財産権関連以外のもの、を扱うもので、一般の刑事、民事事件はもちろん、行政事件、労働事件、家事事件なども含みます。

 このうち、「下級裁判所判例集」は、過去3ヶ月以内の判決等が対象で、期間経過後は消えていきます。ところが、現時点での掲載判例を見ると、全く東京高裁東京地裁がありません。

 もちろん、全ての下級裁判例を掲載することは無理だし不要ですから、新しい裁判例として参考になるようなものを選択して掲載することになります。しかし、東京高裁、東京地裁で行われている裁判の数は他の地裁、高裁よりもずっと多いので、単純に事件数割合で掲載しても、東京高裁、東京地裁が大きなシェアを占めるはずです。
 しかも、単に数の面だけではなく、日本の政治経済の中心という面などを考え合わせれば、当然、他の裁判所よりも、重要な裁判例が圧倒的に多く出されています(行政訴訟や労働訴訟、商事訴訟等の点からもそうですね。)。

 ちなみに、「知的財産裁判例集」の掲載判例は、法律上の管轄の関係などから、東京高裁の別働隊である知的財産高裁と東京地裁がほとんどです(たまに大阪地裁)。しかも、こちらは掲載期間は1ヶ月と短いのに、たくさん掲載されています。いくら、知的財産事件が東京に多いからといっても、他の一般の事件のほうが比べものにならないくらい多いのです。

 にもかかわらず、東京高裁、東京地裁のものが3ヶ月にわたって一切掲載されていないという明らかに異常な事態になっています。

 これは、私にはどう考えても、東京高裁や東京地裁は、自分たちを「下級」裁判所とは考えてはいないのだろうと思わざるを得ないのです(「上等裁判所」という分類はどうかな。)。

 蛇足ですが、全体的に他地域の裁判所も含めて掲載数ももう少し増やしてもらえれば、と思っています。

2009年4月 6日 (月)

Googleマップに地下鉄路線図

 先日から、Googleマップに地下鉄路線図が表示されるようになっています。外国については以前からあったようですが、今回、日本でも9都市(札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡)の地下鉄路線図(42路線)を見ることができるようになったものです。

 使い方としては、Googleマップの右上の「その他」の中の「路線図」をチェックするか、地図上の地下鉄駅の個所をクリックすることによって、表示されます。以前も点線での表示はあったような気がしますが、随分とわかりやすくなっています。路線別に色分けされている点も見やすいですね。

 大阪や東京では地下鉄を利用することが多いですので、私としても大変便利です。駅の出入り口の表示もあるようです。

 ただ、地下鉄以外の鉄道については、以前から地上線は地図上に表示されているのですが、地下の路線(大阪では、近鉄や阪神の一部など)については点線表示のみで、今回も変わってはいません。

2009年4月 5日 (日)

壇弁護士が怒っている

 壇俊光弁護士が珍しく日曜日に2連発で怒っておられる。

 ひとつ目が、児童ポルノサイトへのアフィリエイトに関する刑事事件立件に関するもの。壇さんがおっしゃることはその通りと思います。
 ただし、アフィリエイトを無責任にしてしまう行為は危険だという点は、以前から当ブログでもお伝えしている通りです。人の商売の宣伝をして、自分も利益を得るのであれば、その商売についてそれなりの責任を負わねばならないことは当然なのです。当ブログのAMAZONアフィリエイトも同様なので、昨日の桑田さんのDVDの記事が詐欺罪に該当しないことを祈るばかりです。
 → 壇弁護士の事務室「無茶な立件を競っているのか?」

 もう一つは、当ブログでもご紹介したフーディーズに対する公正取引委員会の排除命令(景品表示法違反)の事件についてです。
 これも公取委の認定が正しいことを前提にすれば、大変けしからんことで、単なる景品表示法の問題ではなく、刑法上の詐欺ではないかと私も思いますね。
 → 壇弁護士の事務室「フーディールズ」(注;フーディーズだと思う?)

 さぁ、トラックバックしときましょ。

2009年4月 4日 (土)

桑田佳祐「ひとり紅白歌合戦」(休日の雑談)

 桑田佳祐「昭和83年度ひとり紅白歌合戦」のDVDを買ったので、午後に鑑賞。

 エイズ啓発活動の一環としてこのコンサートが昨年行われた様子はテレビで観て、DVDでも出れば欲しいな、とは思っていました。
 しかし、何しろ、いろんなレコード会社にまたがる多数の楽曲なので、著作権やら契約上の権利やらの調整が難しく、多くの権利関係者の同意を取り付けるだけでも大変なのは明らかなので、絶対にDVD化は無理だろうなぁ、と思ってました。
 それが、こんなに早く発売されるとは、チャリティ活動ということもあるでしょうが、さすが桑田さんだと感心しました。おかげでありがたく鑑賞することができました。
 もっとも、もともとDVD化を含めて承諾を得ることのできた曲を取り上げたと考えたほうが適当かもしれませんね(ちと夢がなくなるが。)。

 2枚組み全61曲ですが、私は桑田さんの3年ばかり年下という世代なので、全て懐かしい歌ばかりです。オリジナルのアレンジを基本的に変えていませんので、それがとても耳に心地よい。かといって、モノマネになっていないのもいい。歌詞の字幕が入るのも嬉しい。ほとんど全部歌える。
 「太陽が泣いている」は、「東京タムレ」にも入ってましたね。あっちは原さんですけど。
 チューリップ「心の旅」の最後に、ビートルズ「ヘイ・ジュード」を混ぜていたのが、笑ってしまいました。

 いつも桑田さんのコンサートでの語りを聞いて思うのですが、林家三平そっくりだと思うのです。もちろん、この間、襲名したほうではないですよ。

2009年4月 3日 (金)

消費者関連の今日のニュース(国会・東京都)

 夕方にネットでニュースを見ていると、消費者問題関連行政の重要なニュースが並んでいました。メモがてらに列挙しておきます。

 まず、政府と民主党が対立的な法案を提出している消費者庁(消費者権利院)の問題についても、話し合い機運が出ているとのことです。前にも書きましたが、共倒れだけはやめてほしいところです。

 そして、どうやら独占禁止法改正案も審議入りの予定になったようですね。

 また、時事が報じるところでは、民主党仙谷由人議員(党人権・消費者調査会会長)は本日の午前、河村官房長官に対して、国民生活センター相談員らの処遇が、劣悪な「官製ワーキングプア」の状態に置かれているとして、追加経済対策などで処遇と権限の改善に取り組むよう申し入れた、ということです。官房長官も「知恵を出さなければならない」と述べた、ということですが、消費者相談員の仕事は、かなりの専門知識が必要な上、個別のトラブルの解決という大変な役割を果たさねばならないにもかかわらず、その待遇が不十分であることは以前から指摘されていたところです。財政難の折ではありますが、国民生活センターに限らず、地方自治体の消費者センターなど最前線で頑張っている相談員の方々への支援については力を入れていただきたいと思います。

 日経の報道で、「行政処分協力の消費者を保護 都が支援制度創設」というのがありました。
 東京都が本日、悪質な勧誘などで業者を行政処分する際、事実関係の解明に協力した消費者を保護、支援する制度を創設したと発表した、というものです。
 東京都のサイトに詳しくでていますね。面白い取り組みだと思います。
 → 東京都サイト報道発表資料

ガソリン不当廉売の警告事案(公取委)

 ここ最近はなかったのですが、久しぶりにガソリンスタンドの不当廉売についての警告事件です。

 本日、公正取引委員会は、高知市で給油所を運営する石油製品小売業者6社と石油元売会社1社(出光興産株式会社・東京都千代田区)の計7社が、高知市に所在する給油所において、平成20年12月から平成21年1月までの間の一定期間、レギュラーガソリンについて、独占禁止法19条(不公正な取引方法6項〔不当廉売〕)に該当するおそれがあるとして、7社に対して、このような行為を行わないよう警告しています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 石油小売業者6社は、前川石油株式会社(高知市)、土佐鉱油株式会社(高知市)、コスモ石油販売株式会社(東京都品川区)、日和崎石油株式会社(高知市)、明神石油株式会社(高知県土佐市)、高知石油株式会社(高知市)。

 不公正な取引方法6項不当廉売というのは、
「正当な理由がないのに商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、その他不当に商品又は役務を低い対価で供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあること。」
とされています。

 ガソリンの販売に関する「不当廉売」については、公正取引委員会から、「ガソリン等の流通における不当廉売,差別対価等への対応について」というガイドラインが出されていますので、これによって運用されていることになります。

2009年4月 2日 (木)

「SFCG緊急電話相談会」と「良い遺言の日記念行事」(大阪弁護士会)

 日付が変わって4月2日になったところです。1日が終わっても、まだ、Googleの川柳はそのままですね(笑)
(【追記】4月2日昼には消えてました。)

 今回は大阪弁護士会の行事2つをご紹介。

(その1)
 4月10日(金)午前10時~午後4時
 
「SFCG緊急電話相談会」 電話番号: 06-6364-0274
   2月に民事再生手続の開始決定が出ていた商工ローン業界大手の株式会社
  SFCG(旧・商工ファンド)ですが、3月24日には再生手続が廃止され、
  破産手続に移行する見込みとなっています。
   このSFCGの今後の手続などに関して、大阪弁護士会が、電話相談会を
  開催するものです。相談料は無料。
   → 大阪弁護士会サイト イベント情報

(その2)
 4月15日(水)開場・受付開始 午後0時30分
  
良い遺言の日記念行事
   (遺言・相続に関するイベント・無料法律相談会)

     午後1時~午後2時30分
       イベント 弁護士による寸劇「ひまわり家の相続」
       浜村淳さんを交えての遺言・相続に関するトークショー
     午後2時30分~午後4時
       無料法律相談会(30分間・イベント参加者優先

   大阪弁護士会遺言・相続センターが、遺言・相続に関する講演会と無料法
  律相談会を行うものです。場所は、大阪弁護士会館2階(大阪市北区西天満1
  丁目12番5号)。問合せは、06-6364-1205(遺言・相続センター) 。
  参加無料・予約不要。
   → 大阪弁護士会サイト イベント情報

2009年4月 1日 (水)

Googleで川柳が??

 Googleのトップページに、(昨日まではなかったと思うのですが)New! グーグルが 川柳詠んでる なんでだろ」という表示が出てました。どうやら検索のキーワードで勝手に川柳を作って検索結果に表示するというものらしい。日本に適したサービスのための日本文化の研究の一環だというが、意味はよくわかりません。

 もっとも、まだ、どんなキーワードでも川柳が表示されるわけではないようで、「桜」「梅」「花見」「裁判」でも表示されませんでした。

 いくつかやってみて出た川柳を並べると(後のコメントは川村です)

 「映画」 ハッピーに なれて元気が出る映画
               (そりゃまぁそうだ。)

 「野球」 俺の中 人を野球で例えると
               (深いような、無意味なような。)

 「相撲」 手作りの 巨大力士で紙相撲
               (ずるい。)

 「弁護士」弁護士が 眼鏡選びに四苦八苦
               (笑えた。)

 「朝日」 オホーツク 昇る朝日を露天風呂
               (サハリンの露天風呂。)

 「旅行」 職員の 市内旅行の旅費支給
               (市内旅行くらいなら支給してもいいか。)

 「大阪」 大阪の 一望できる露天風呂
               (どこやろ?)

 「東京」 台風の 今日の東京雨模様
               (そりゃそう。)

 「韓国」 韓国の 地下鉄に見るユビキタス
               (見てみたい。)

 「ソウル」伸びやかなテナーが光る ソウル歌手
               (そう来たか。)

 「ラーメン」ラーメンに 先入観は捨てるべき
               (こりゃ深いわ。)

 「うどん」特製の うどん弁当平らげた
               (ラーメンよりずっと浅い。)

 「コーヒー」コーヒーを 生クリームでひと工夫
               (普通やん。)

 「検索」 焦点を 当てた検索キーワード
               (大事ですね。)

 「時間」 決定に 費やす時間 反比例
               (おっ深い!・・でもないか。)

 「投資」 投資する 株式市場揺れるよう
               (その通り。) 

 「新聞」 新聞の チラシを丸め 走る街
               (何のために?)

 「病院」 病院の 個室の差額 ベッド代
               (そうですね。)

 「銀行」 銀行の 次の一手を考える
               (銀行経営陣の苦悩。)

 「銀座」 イタリアに 勝る銀座のイタリアン
               (なるほど、そうかもね。)

 ところで、これらの川柳の著作権は一体どう考えればよいでしょうか。考えてみてください。

【追記】(4/1)
 で、やっぱり、エイプリルフールなんでしょうねぇ(笑)

 ストリートビューもガチャピンになってるし。

 

特定商取引法と割賦販売法の政令改正(経産省)

 今日はエープリルフールということで、何か書いてみようかと考えてはみたのですが、洒落た嘘を考える能もなく、いつも通り書くしかなさそうです。せめて、どこかのブログででも面白い嘘で楽しませてくれればと思います。昨年はすっかり小川一水氏スリランカの宇宙エレベーターのネタで騙されてしまいましたが・・今年は先日から九州旅行のようで、「そのために1日はアレな企画ができませぬ。」と小川遊水池@blogには書かれていますね。

 さて、本題の昨日の経済産業省の公表モノですが、特定商取引法割賦販売法に関する政令の改正が発表されています。なお、昨日は年度末のせいか公表事案がやたらに多くて(各省庁ともですが)、その中には、中小企業庁から公正取引委員会への下請法6条に基づく措置請求事案もありました(株式会社ダイゾーの下請代金不当減額・PDF)。

 で、まず、特定商取引法に関しては、
 昨年6月の同法改正により、同法の対象商品・役務につき、これまでの「指定商品・役務制」が廃止され、原則として、全て商品・役務が規制の対象となりました。今回の政令の改正は、これに伴う措置として、

  1.  他の法律によって、消費者被害を引き起こすような不当な勧誘・販売行為への対処が可能なものについて、訪問販売等に関する法の適用を除外する。
  2.  クーリング・オフ規定等が、その商品等の性質上馴染まないと考えられる場合を規定し、法の適用を部分的に除外する。

等の措置を講じるものです。特定商取引法の例外を定めるものですので、重要な政令ですが、具体的な内容は経産省サイトをご覧ください。
 → 経産省サイト公表ページ

 そして、割賦販売法に関しては、これも昨年の改正に伴って、以下のように割賦販売法施行令の改正を行うもの。
 → 経産省サイト公表ページ

  1.  個別クレジット業者の登録拒否要件である最低純資産額を5千万円とする。
  2.  個別クレジット業者に義務づけられた加盟店による悪質な勧誘行為の調査義務の対象者である加盟店を密接関係者として指定し、加盟店に対し報告又は帳簿、書類その他の資料の提出を命ずることができる事項を定める。
  3.  個別クレジット業者が加盟店による悪質な勧誘行為の調査義務に違反した場合における改善命令、業務停止命令及び当該命令のために必要な立入検査、報告徴収を行うことについて、都道府県知事の自治事務とする。

 なお、両政令とも、両法の改正法の施行日と同日に施行することとなり、改正法公布日(平成20年6月18日)より1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとなっていますが、現時点では、具体的な日付は調整中とのことです。

【追記】(6/16)
 施行日は平成21年12月1日となりました(一部を除く)。
 → 「特定商取引法・割賦販売法の一部改正の施行日やっと決まる(経産省)」
                          (6/16)

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