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2009年2月 3日 (火)

司法書士裁判外代理権の範囲についての判決

 一つ前の記事に、NBL898号の独禁法関連の論説記事を紹介しましたが、もう一つ続けます。本当は、同誌から、さらにもうひとつ「デジタル・ネット時代における著作権のあり方(上)」(中山信弘・三山裕三)に触れたかったのですが、まだ続きがありそうですし、次の機会にしたいと思います。

 さて、同誌の「司法書士の裁判外代理権の範囲-神戸地判20・11・10の意義について」という若旅一夫弁護士の論説記事です。
 司法書士が裁判外代理権を行えるのは、司法書士法上、「紛争の目的の価額」が140万円を超えない範囲とされているのですが、多重債務者の債務整理事件については、この「目的の価額」をどうみるか、という点で、「債権額説」「受益説」との争いがあります。

 細かい点は省略しますが、上記神戸地裁判決は、事案的にはやや特殊な事件ではありますが、「受益説」を排して「債権額説」を明確に支持して、これを超える代理行為は、弁護士法違反(非弁行為)にあたるとしたものです。現在は、貸金業者に対する過払い請求事件に注目が集まっていますが、この判決の影響は少なくないところです。

 なお、1月に某地裁で、(事案は異なりますが)司法書士による代理行為を無権代理とした判決が出た、という情報が、たまたま今日流れてきましたので、付記しておきます。

【追記】(2/5)
 上の「某地裁判決」は、さいたま地裁判決なのですが、今日、判決文を目にすることができました。司法書士を代理人とする和解契約の効力が争点となっているのですが、「紛争の目的の価額」の解釈については、「・・本件和解契約時に有していた過払金返還請求権の額と,原告が本件和解契約4条により免除を得た原告の被告に対する借入金債務の額とを合算したものによると解するのが相当である。」としていますね。貸金業者側からの返済請求金額(免除を得た額)と過払金請求権金額の合算金額が基準となるという判断です。

 一方、神戸地裁判決の事案(この裁判自体は、司法書士事務所内部の労働関係訴訟事件です。)は、その事件の前提となった債務整理代理案件が、債権者が元本約257万円を主張し、債務者代理人の司法書士が元本約216万円を主張し、結局残元本を約219万円として分割支払の和解をしたというもののようで、こちらは過払返還のケースではありません。

【追記の追記】(3/26)
 コメントでの御指摘を受け、若干、さいたま地裁判決に関する本文および追記を訂正いたしました(元はさいたま地裁判決が「債権額説」によると表現していたもの)。
 御指摘ありがとうございました。

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コメント

神戸地裁判決は裁判「外」の和解について、訴訟の「訴えの目的の価格」を基準に考えるのか?それとも、「調停を求める事項の価格」を基準に考えるのか?という争点につき、前者を基準に考えるべき、としたものです。
法務省は「どちかで140万円以内なら代理していい」と立案担当者の著書や、民事局長の国会答弁で示してきたから、司法書士はそれに依拠してきたのです。
さいたま地裁判決は、140万円を超える金額の過払い金請求を140万未満の金額で和解してしまった、という事案なので、神戸地裁判決の考え方でもできないはずですが、さいたま地裁判決はそうではなくて「調停を求める事項(紛争の目的)の価格」のほうを基準に考えるべきとしているようです。少なくとも、原告の主張はそうですし、被告の主張にはまるで耳を傾けていないようですから。

コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、さいたま判決は、「債権額説」というとらえ方ではおかしな事になりますね。
本文も訂正させていただきます。
貴重な御指摘をいただき感謝です。

>神戸地裁判決は裁判「外」の和解について、訴訟の「訴えの目的の価格」を
>基準に考えるのか?それとも、「調停を求める事項の価格」を基準に考えるのか?
>という争点につき、前者を基準に考えるべき、としたものです。

このコメントは誤解ですね。

257万の請求に対して219万で和解するとしたら
訴額は38万円(債務一部不存在確認)にしかなりませんよ

神戸地裁の判断は上記どちらの説でもない
全く新規独自の基準です

すなわち、この事件が「債務一部不存在確認事件」
として受任されていれば簡易裁判所の事物管轄になり、
認定司法書士の業務権限の存在は疑うべくもなかったところ、
たまたま「債務整理事件」として受任したために
業務権限が認められないという。異常な不均衡を生じました。

神戸地裁はこの点について理由を説明してない
実に不可解な判決です。
(司法書士側が判断を求めなかったのかもしれませんが)

コメントの文章のみですので、名無しさんのコメントの意味について、私の誤解があるかもしれませんが、訴額の問題とここで問題となる「紛争の目的の価額」とは一応別の問題ですよ。

また、判決の訴訟事件を司法書士が受任して代理しているというわけではありませんよ。名無しさんは、誤解されていると思います。

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