フォト

weathernews

ツイッターでつぶやく

無料ブログはココログ

« アフィリエイト、ドロップシッピングの危険性(東京都) | トップページ | 独占禁止法改正案、自民党調査会にて了承 »

2009年2月 9日 (月)

USEN対キャンシステム事件判決(東京地裁)

 明日(といっても、そろそろ今日ですが)は、少しは独占禁止法と関連する(間接的ですけども)企業間の損害賠償請求訴訟の弁論準備期日で、朝から東京地裁に行く予定です。これに少し関連づけて・・・ですけども。。。

 先日、USEN対キャンシステム事件の判決が、金融商事判例1308号に掲載されたことについて書きました。今回は、もうちょっとだけ、特に独占禁止法関連の点に関して、中身に触れたいと思います。なお、前にも書きましたが、この判決については、双方が控訴しており、高裁判決も注目されます。
 独占禁止法違反行為を根拠とした民事上の不法行為損害賠償請求を双方ともが正面から請求して争った事件というのは、珍しいですし、私としては大変面白い判決です。こんな事件は、是非ともやってみたいものだと思いますね。

      平成20年12月10日東京地裁判決

 この訴訟は、USENからキャンシステムに対する訴訟(本訴)があって、これに対して、キャンシステムからUSENに対して、対抗的な訴訟(反訴)が提起されたものです。

 本訴であるUSENからキャンシステムに対する請求は、キャンシステムが有線ラジオに関する法律、および、不当廉売など独占禁止法に違反して営業していることが不法行為として損害賠償(約143億円)の支払を求めていたものですが、判決は、これを不法行為として認めず、本訴請求は全部棄却しました。
 不当廉売との主張に関しては、「被告(キャンシステム)の販売価格が原価割れであると認めるに足りない」うえに、キャンシステムの低価格販売が、不公正な取引方法一般指定6項にいう「他の事業者(原告)の事業活動を困難にさせるおそれがある」とはいい難い、として、不法行為を構成しない、として排斥しています。

 一方、キャンシステムからUSENに対する反訴請求は、USENキャンシステムの従業員を大量に引き抜いたうえ、引き続き、独禁法違反のキャンペーンを実施して、キャンシステムの顧客を違法に奪取したため、キャンシステムが損害をこうむったとして、約114億円の損害賠償の支払を求めたものです。
 この反訴請求については、判決は、約20億円についてUSENに支払を命じました

 この反訴請求は、従業員引き抜きのほか、独占禁止法不公正な取引方法一般指定「差別対価」および「不当な顧客誘引」を手段として、私的独占行為(独禁法2条5項)に該当する行為を行って不当な顧客奪取を行ったもので不法行為に該当するとしたものです。

 これについて、判決は、「差別対価」(不公正な取引方法一般指定3項)に該当する違法な手段により、私的独占行為(独禁法2条5項)を行ったものとしています。
 損害額については、被告(反訴原告)キャンシステムの請求額をそのまま認めたわけではありませんが、一方で、原告(反訴被告)USENからの損益相殺、過失相殺の主張も採用できないとしています。

 なお、ここで「差別対価」として構成しているのは、もともとキャンシステムの顧客であった者に対してのみ、他の顧客と差別して、有利な取引条件を提示して、USENとの契約に移行するよう勧誘して、顧客を奪取した、というものです。さらに、これが、「不公正な取引方法」というにとどまらず、これを手段として、「私的独占」に該当する行為であるとしたものです。

 この構成は、平成16年の公正取引委員会の審決の判断を踏襲しているものですね。
 → 公取委の平成16年10月13日勧告審決

« アフィリエイト、ドロップシッピングの危険性(東京都) | トップページ | 独占禁止法改正案、自民党調査会にて了承 »

法律」カテゴリの記事

裁判」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/183277/44011821

この記事へのトラックバック一覧です: USEN対キャンシステム事件判決(東京地裁):

« アフィリエイト、ドロップシッピングの危険性(東京都) | トップページ | 独占禁止法改正案、自民党調査会にて了承 »