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2009年1月 8日 (木)

槇原vs松本訴訟の続き(の続き)

 昨日の続きです。本文だけでも200ページを超える長い判決ですので、とても全部読んでいるヒマはありませんし、紹介することもできませんので、要点のみのコメントになります。また、整理するのも大変なので、昨日の記事と併せてご覧ください。

 本件は、被告松本氏が、テレビ番組において、原告槇原氏の歌詞中にある問題の表現が、松本氏の「時間は夢を裏切らない,夢も時間を裏切ってはならない。」という文章(以下、松本氏文章と略します)を盗作したものであるなどと、槇原氏の名誉を毀損する発言をした、ということを根拠として、槇原氏が松本氏に対して、訴訟を提起したものです。

 請求の内容は、
1.槇原氏が槇原氏の歌詞の実演をコンピュータのハードディスクに蔵置
 する方法により原告歌詞の実演の原盤を完成させた行為が、松本氏文章
 の著作権(複製権,翻案権及び同一性保持権)の侵害ではないこと(正
 確には、松本氏が損害賠償請求権を有していないこと)の確認

2.この件に関する一連のテレビ番組での松本氏の発言が、槇原氏の名誉
 を毀損したとして、損害賠償の請求

3.新聞紙上での謝罪広告

を求めるものです。

 このうち、1の不存在確認については、裁判の途中で、松本氏側が、松本氏文章の著作権侵害に基づく槇原氏に対する損害賠償請求権を放棄する旨の意思表示を行ったため、仮にそのような請求権が存在していたとしても、債務は免除され権利は消滅しているなどとして、もはや、権利不存在確認を請求すべき「訴えの利益」(民事訴訟法上の特定の概念ですが、説明は略します。)はなくなり、この部分については不適法であるとして、裁判所は損害賠償権の有無という中身の判断に踏み込まず、「訴えの却下」をしました。

 2の損害賠償については、請求金額の一部を認容したわけですが、松本氏が発言したとされるいくつかの番組のうち、2番組の発言につき名誉毀損を認定し、1番組当たり100万円の慰謝料と弁護士費用10%で、結局220万円の請求認容となっているようです。ですから、各番組での放送態様(取材か直接発言か、など)、発言内容についての詳細な検討が必要なわけで、判決はこの判断過程を示していますが、これを要約して紹介する気力はありませんので、興味のある方は最高裁サイトで読んでみてください。
 なお、一部報道にもあったように、松本氏文章について、「著作権が存在するか否か」「存在したとして、槇原氏歌詞がその著作権を侵害するものか否か」については、裁判所は、直接的な判断をしていませんのでご注意ください。
 蛇足的に付け加えると、名誉毀損というのは、真実を言った場合でも該当する場合があります。例えば、私が以前、泥棒で逮捕された隠された過去があるとしても(記憶はありませんけど)、「あいつは、泥棒で逮捕された」と不特定多数の人に言えば、名誉毀損が成立し、民事的にも刑事的にも法的責任を問われる可能性はあります。

 3の謝罪広告については、請求が棄却されています。理由としては、テレビ番組が放送されてから訴訟終結まで、約2年が経過していること、槇原氏が、このテレビ番組放送以後も、放送前と同様にめざましい活躍をしていること、槇原氏のホームページ上で、松本氏発言に対する反論を行っていて、相応の効果を有すると推測されることなどを総合考慮して、謝罪広告を命じる必要性を認めなかったものです。

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