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2009年1月 9日 (金)

槇原vs松本訴訟判決コメントの補足

 年末年始にかけて、この判決を取り上げましたが、その補足。
 なお、長い判決ですが、裁判所の判断部分は161ページの「第3 当裁判所の判断」以降の約60ページです。

 これまでの記事については、
 → 「槇原敬之vs松本零士訴訟判決についてコメント」(08/12/28)
 → 「槇原vs松本訴訟の続き」(1/7)
 → 「槇原vs松本訴訟の続き(の続き)」(1/8)

 名誉毀損について、原告槇原氏の主張では、いくつかのテレビ番組の放送内容を対象としていますが、判決では、その内、録画取材分については、仮に名誉毀損があったとしても、録画発言をしたこととの間に相当因果関係は認められないとして、不法行為責任の成立を否定しました。
 ここのところの放送事業者の取材に基づく放送の場合の、第三者の名誉毀損の成立との関係について判決が論じている部分は、法律家としてはこの判決の重要なポイントだなと思いました(一般大衆受けする論点ではないでしょうね)。

 そして、判決は、被告松本氏が放送で直接発言をした2つの生放送番組に関して、具体的に吟味をしています。結論として、1つの番組での発言に関して、「一般の視聴者としては、被告発言から、原告が、被告表現に依拠して、被告表現と似た原告表現を作ったという印象を抱くものというべき」とし、もう1つの番組での発言に関して、「一般の視聴者としては、被告発言の内容は、被告表現は有名であるから、原告は、被告表現を知っていたに違いない、すなわち、原告は、自らの能力によってではなく、被告表現に依拠して原告表現を作成したものであるとの指摘をしていると理解するものと解され、また・・・(略)・・・被告の上記の指摘は正しいとの印象を抱くものと解される。」としました。これらの発言によって、槇原氏が盗作したとの印象を一般視聴者に与えることから、名誉を毀損するとの判断です。

 これを踏まえて、次に、この訴訟で争われている事実関係の重要なポイントの一つは、両者の電話での会話において、槇原氏が「どこかで見聞きしたことがあり,それが記憶に残っていたのかもしれない。すみませんでした。」(この発言を判決中では、「本件被告主張依拠発言」と言っている。)という発言があったかどうか、という点のようですね。この点については、判決はこの発言が真実であるとはいえないとしています。これにより、名誉毀損の違法性阻却事由(公共の利益に関する事実の摘示についての真実性の証明)がない、ということになります。

 また、判決は、槇原氏が松本氏の表現に依拠して歌詞を作ったという事実についても、これが真実であるとの証明はできていない、としています。

 前にも書きましたように、本件判決には、他にも論点がありますが、ここらあたりでご勘弁を。。。

 なお、この判決を読みこなすには、名誉毀損による不法行為責任についての民法上の考え方を知っていないと、ちょっと無理があると思います。新聞などの報道内容があいまいだった理由がよくわかりました。

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