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2008年12月17日 (水)

隣接葬儀場に対してフェンス設置を命じた判決(京都地裁)

 零時を過ぎて17日になりましたが、16日午前中に東京地裁で裁判があり、その後、ロースクールの講義のため京都に向かう新幹線の中で書いたのが、以下の記事です。

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 先日、はやりの格安モバイルパソコン(ASUS)を手に入れたので、それで車中で原稿書きしてます。もっともネットには繋げないので、ブログにアップするのは夜になります。

 15日にまねきTVの知財高裁判決が出て、地裁同様に原告の放送局側が負けたようですね(この判決については、これだけ。)。

 さて、先日、最近の裁判例を検索していたときに見つけた判決の紹介です。

 事案は、住宅地に自宅のある原告親子(共有者)が、道路を隔てて営業している葬儀場に対して、高いフェンスの設置と損害賠償を求めたというものです。

 某判例検索で見つけたのですが、まだ判例雑誌等に公刊されていないかもしれません。

 京都地方裁判所 平成20年9月16日判決 目隠しフェンス設置等請求事件

 いろいろと面白い論点もあり、演習や試験問題の素材に良さそうな判決かもしれません。ただ、このブログで全部取り上げるわけにもいきませんので、簡単な紹介だけでご容赦。

 まず、フェンスの設置については、原告らが、現在のフェンスより1.5メートル高いフェンスの設置を求めたのに対して、判決は、範囲を限定のうえで1.2メートル高いものの設置を命じています。

 原告らの請求の根拠としては、宗教的感情の平穏が侵害され、人格権あるいは人格的利益を侵害するという点と、民法235条(境界上の目隠し設置義務)の類推適用の2点を挙げていますが、後者の民法235条の類推適用は認められず、前者の人格権ないし人格的利益の侵害を裁判所が認めました。ただし、原告2名の内の1名は、仕事室兼寝室が2階にあって、棺の出入りが観望できるとし、本件では受忍限度も超えているとして、請求を認められたのですが、もう1名については、居室が1階であることから、人格権等の侵害が認められていません。

 また、損害賠償も同様に1名のみに一部認められています。ただ、原告らの請求では、将来的な損害賠償の請求もなされていましたが、この部分については、権利保護の要件を欠き不適法ということで、請求却下となっています。

 本件の葬儀場のような施設に対して、住民運動で設置が反対されるということは、よくあることで、本件でも、近隣住民と話し合いがなされている経過が判決には出ています。しかし、このような問題で、実際に裁判例として出てくるものは多くはないと思われますので、実務上参考になるかと思います。

 弁護士の立場から、蛇足気味ですが、精神的損害賠償(慰謝料)を10万円と認定しながら、弁護士費用相当損害を10万円としたのは、この手の判決で弁護士費用を10%とか20%としてしまうことが多い中ではちょっと評価できるかもしれません。なにしろ、ヤフーの個人情報流出裁判では、原告1人で1000円(原告5人だったので合計5000円)ですから(苦笑)。。。。

【追記】(2010/6/29)
 その後、大阪高裁でも維持された上記判決ですが、本日(10/6/29)最高裁で、逆転の請求棄却判決が出たようです。本日付の記事を新たに書きました。

 

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