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2008年12月 9日 (火)

「個人情報保護法」と情報管理一般の雑感

 ロースクールで情報法の講義を担当しているのですが、ちょうど今の時期、「個人情報保護法」についてしゃべっているところです。

 悪法だ、などと言われたり、「過剰反応」が問題になったりしていますが、この法律自体は、民間事業者に対して、世間で思われているほどにはいろいろな責任を定めたものではなく、個人情報管理についての「ミニマム・スタンダード」を定めるだけのものです。具体的な場合への当てはめは結構難しい部分もあるのは事実ですけれども、抽象的にであれば、法律の規定自体の解説をすることはそんなに難しくないと思っています。

 ただ、ミニマム・スタンダードですので、個人情報保護法の規定だけを守っていたら、情報管理の法的責任が果たせるか、といえば、それははっきりと「NO!」です。

 例えば、個人情報保護法は、その名称の通り、「個人情報」に関するもので、株式会社など「法人情報」そのものは対象ではありませんし、個人情報保護法上、責務を負う民間事業者というのは「個人情報取扱事業者」と定義されるもので、これには一定少数の個人の情報を保有している者については対象から除外されています。だからといって、「法人情報」をいい加減に管理したり、「個人情報取扱事業者」に該当しない小規模事業者が個人情報の管理責任を法律上負わないか、といえば間違いです。
 つまり、個人情報保護法上の責任は負わない場合であっても、民法上の不法行為に該当するとか、不正競争防止法上の営業秘密漏洩の問題になったりとか、あるいは、契約上の責任が出てくる場合もあり、個人情報保護法とは直接関係なくても、損害賠償の責任を負うことが充分に考えられるわけです。ここでは詳しくは触れませんが、個人情報保護法自体には出てこない「プライバシー」や「人格権」の侵害といったタームも関係する場合もあります。
 また、個人情報保護法自体には、情報漏洩に関しての損害賠償の直接的な規定はない、というのも、知らない人には驚かれることがあります。

 ですから、企業などが情報管理を考える場合に、個人情報保護法を勉強すれば足りるわけでもありませんし、我々弁護士も、それだけを指導していては大間違いということになっていまいます。

 憲法上、刑法上の問題なども含めて、もっと広い範囲での全体的な「情報法」の体系が構築されないといけないのだろうな、それによって「悪法」とか「過剰反応」などといった問題が解消されていくのかな、というのが、今日夕方からの講義の準備をしながらの雑感でありました。

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