フォト

weathernews

ツイッターでつぶやく

無料ブログはココログ

« バナナの価格カルテルに対する制裁金支払命令(EU) | トップページ | 今日の独禁研::環境問題に関する共同行為と独占禁止法 »

2008年10月22日 (水)

消費者団体訴訟と「認諾」

 時間がないので、一気に書いてしまったため、後で修正するかもしれない書きかけ記事です。ご了承ください。

 昨日(10/21)に、NPO法人京都消費者契約ネットワークが京都地裁に提起していた消費者団体訴訟の第1回期日が報道されています。

 この訴訟は、マンション等の賃貸契約で、敷金や保証金から退去時に一定額を差し引く「敷引(しきびき)特約」は無効だとして、京都市内の不動産賃貸会社を被告としているものです。
 この報道では、特約条項の廃止については、被告が「認諾」したということです。ただ、契約用紙の廃棄などを求めている点は「認諾」の対象になっておらず、訴訟が継続するようです。

 「認諾」(民事訴訟法266条)というのは、民事訴訟で、被告が、原告の請求を認めることによって、判決によらずに訴訟を終了させるものです。
 しかし、中身(原告の請求原因事実)に争いのない裁判は結構ありますが、その場合でも、「認諾」ではなく判決をすることが多いので、「認諾」という結果になることは多くはありません。
 また、通常は、原告の請求の内、本件のように一部だけは認めざるを得ないような場合であれば、一部だけ「認諾」するのではなく、全体的にそのまま訴訟を継続することがほとんどだと思いますので、一部だけの「認諾」というのは何故かな?、というのが第一印象です。

 「認諾」は判決と同じ効力があるため(民事訴訟法267条)、一般の人から見れば、原告にとって、「認諾」は被告が認めてしまって勝訴判決を手間なく得る結果だから、いいじゃないの、と思われるかもしれません。

 しかし、事案の中身の審理、つまり事実や法的解釈についての互いの主張のやりとりや裁判所による証拠調べがなされないままであり、もちろん、裁判所としての判断が示されるわけでもありませんし、被告に「認諾」されてしまえば、原告としてはそれを拒否する方法がありません。
 したがって、結局、その裁判のケースについての結論が原告勝訴と同じというだけで、裁判所の公的な判断が世間に示されず、実際上は他のケースへの波及が食い止められるという点で、被告のメリットもあるのです。また、判決ということになると、マスコミも大きく取り上げますが、「認諾」では、取り上げられなかったり、小さくしか報道されないという実情もあり、この点も被告のメリットとなる場合があります。

 事実、過去の一般市民相手の悪徳商法業者が、敗訴報道を避けて生き延びるためか、被害者からの訴訟に対して「認諾」を行い続けるという手段に出たという記憶があります。原告の被害者側弁護士はこれに対抗するため、実際の被害額だけではなく、慰謝料や弁護士費用などの損害賠償額を高額にして、相手が「認諾」できないようにして(「認諾」すれば、その高額部分も支払義務が生ずるので)、闘ったということだったと思います。

 今回の消費者団体訴訟での一部「認諾」がどういう経緯だったのか、現時点では情報不足ですので、これくらいにしますね。

 消費者団体訴訟における「認諾」の場合の効力、という点も気になる点があるのですが、時間があれば(苦笑)考えます。

« バナナの価格カルテルに対する制裁金支払命令(EU) | トップページ | 今日の独禁研::環境問題に関する共同行為と独占禁止法 »

法律」カテゴリの記事

裁判」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/183277/42867499

この記事へのトラックバック一覧です: 消費者団体訴訟と「認諾」:

« バナナの価格カルテルに対する制裁金支払命令(EU) | トップページ | 今日の独禁研::環境問題に関する共同行為と独占禁止法 »