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2008年8月の記事

2008年8月29日 (金)

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」改訂版(経産省)

 いつ出るのかと思ってたら、本日、やっと「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂版が公表されたようです。

 この準則は、ご存じの方も多いと思いますが、電子商取引等に関する様々な法的問題点について、民法等の法律がどのように適用されるのか、その解釈を示し、取引当事者の予見可能性を高め、取引の円滑化に資することを目的として、経済産業省が平成14年3月に策定し、何度か改訂してきたものです。だんだん分厚くなってきてます。

 インターネットに関する民事法上の問題などについての論点が広く扱われているものであり(経産省の考え方ではありますが)、しかも、タダですので、大変ありがたいものです。私も某ロースクールで「情報法」の非常勤講師をやってますので、これは便利な参考書ですし、学生にとっても、本代のいらない基本書として使えるものです。
 → 経産省サイト
  「『電子商取引及び情報財取引等に関する準則』の公示について」

 まだ、私自身、ちゃんと見てないんですが、今回の改訂は、以下の通り、ネットショッピングモールでの個別取引についてモール運営者が追う責任やウェブ上の広告規制、他人のホームページにリンクを張る場合法律上の問題のなどの論点について、民商法、薬事法等の業法、著作権法などの解釈を示すもの、ということです。きちんと読まなければ。。

【今回の改訂内容】(経産省公表による)
(1)電子商取引関係
 ◆電子商店街(ネットショッピングモール)運営者の責任(修正)
・電子商店街(モール)を通じて行われる個々の取引に関し運営者が負う法的責任について検討したもの。商法第14条が類推適用されるほかに、モール運営者が負い得る責任について検討しています。

 ◆広告表示規制(薬事法・健康増進法、貸金業法等)(追加)
・ウェブ上の広告表示規制について検討したもの。薬事法、健康増進法、貸金業法、金融商品取引法、商品取引所法がウェブ上の広告表示にどのように適用されるかを検討しています。

(2)情報財取引関係
 ◆SaaS・ASP のためのSLA(Service Level Agreement)(追加)

・SaaS・ASP 利用契約におけるSLA の法的効力について検討したもの。SLA を、義務規定、努力目標規定等として設けた場合にどのような法的効力が生じるかについて検討しています。

 ◆ID・パスワード等のインターネット上での提供(修正)
・シェアウェアなどの利用に不可欠なシリアルナンバーを権利者等の許諾を得ることなく公開する者の責任について検討したもの。著作権侵害を構成しない場合であっても、一般不法行為が成立する可能性について検討しています。

 ◆機能・期間制限ソフトウェアの制限の解除方法を提供した場合の責任(追加)
・ソフトウェアの体験版に付加されている機能等に関する制限を不正に解除する手段をインターネット上で提供する行為に対して、法的にどのような制限があるか検討したもの。

◆他人のホームページにリンクを張る場合の法律上の問題点(修正)
・他人のホームページにリンクを張る場合に、どのような法的責任が生じ得るかについて検討したもの。著作権法に基づく責任について新たに検討しています。

 なお、この準則改訂に際してのパブリックコメント結果の概要は
 → こちら(PDF)

【4件目】英会話教室業者に対する消費者団体訴訟(大阪地裁)

 夕刊などでも報道されていますが、適格消費者団体であるNPO「消費者支援機構関西(KC’s)」は、昨日(8/28)、英会話教室「グローバルトリニティー」の運営会社である株式会社FORTRESS,JAPAN(東京都新宿区)に対して、退去妨害等の不当勧誘の停止等を求める差止請求訴訟を消費者契約法に基づき大阪地方裁判所に提起しています。
 → 消費者支援機構関西公式サイト(公表ページ)
 → 同記者発表資料(PDF)

 詳しい内容は上記サイトで見ていただきたいですが、これで、消費者団体訴訟は全国で4件目、消費者支援機構関西としては2件目になりますね。これまでの団体訴訟は全て京都地裁で提起されていましたので、京都以外では初めての訴訟提起になりました。
 なお、NPO「京都消費者契約ネットワーク」による全国3件目の団体訴訟については、先日、ご紹介したばかりですね。
 → 「消費者団体訴訟3件目(京都)」(8/14)

 ご承知の通り、前の国会で、特定商取引法景品表示法の違反行為についても消費者団体訴訟の提起が可能となりましたので(施行は来年ですが)、今後も増えていくものと思われます。訴訟提起そのものも重要ですが、その前提としての事前交渉での事業者の対応が問われることとなります。

2008年8月28日 (木)

ストリートビュー問題を考えるシンポ(MIAU)

 「インターネット先進ユーザーの会」(MIAU)が、昨日(8/27)東京で開催したシンポジウム「Google ストリートビュー"問題"を考える」の記事が、IT media Newsのサイトに出ていました。
 → 「Googleストリートビュー」は何が問題か――MIAUがシンポ
 → MIAU公式サイト

 大阪の壇俊光弁護士の他、河村真紀子(主婦連合会常任委員)、山田健太(専修大学准教授)、八田真行(OpenTechPress主筆)の各氏が参加し(コーディネーターは中川譲氏(多摩大学情報社会学研究所研究員))、ストリートビューについて討論したものです。各参加者の意見も出ていますので、詳しくは上記の記事をご覧ください。

 ひとまず、ご紹介まで。

【追記】(8/29)
 壇弁護士自らがブログで記事にされたので、ご紹介。
 → 壇弁護士の事務室
  
「miauシンポジウム「Google ストリートビュー"問題"を考える」

2008年8月27日 (水)

テレビショッピングの「快眠★夢枕」の不当表示(景表法)

 本日、公正取引委員会は、株式会社テレビ東京ダイレクト(テレビ東京100%出資のテレビショッピング(通販)の会社のようです。)が販売する「快眠★夢枕」と称する枕に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するとして排除命令を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 要するに、テレビショッピング番組などで、対象商品である枕に、ゲルマニウムをコーティングしたビーズを使用していて、そのビーズにより遠赤外線効果、消臭効果がある、と表示(映像及び音声・ウェブサイト)しているのに、そのようなビーズは使用しておらず、また、枕カバーに使用した竹繊維により、抗菌効果があると表示(同)しているのに、竹繊維も使用していなかった、というものです。

 今年6月には、テレビ朝日が乗馬運動機器のロデオボーイで警告を受けましたが、テレビショッピングやラジオショッピングの商品宣伝についての景品表示法違反も最近みかけるようになってきましたね。

【違反事実の概要】
 テレビ東京ダイレクトは、快眠夢枕を一般消費者に販売するに当たり、放送番組「てれとshop」等及び同社が開設したウェブサイトにおいて、あたかも、快眠夢枕の中材に使用されたゲルマニウムをコーティングしたビーズにより、遠赤外線効果及び消臭効果が得られるかのように示す表示並びに快眠夢枕のカバーに使用された竹繊維により、抗菌効果が得られるかのように示す表示をしていたが、実際には、快眠夢枕にはゲルマニウムをコーティングしたビーズが使用されておらず、また、遅くとも平成19年4月ころ以降、竹繊維は使用されていないものであった。

【排除措置の概要】
ア 前記表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

2008年8月26日 (火)

全日空「プレミアムクラス」の不当表示(景表法)

 公正取引委員会は、昨日(8/25)、全日本空輸株式会社(全日空・ANA)が提供する「プレミアムクラス」(専用カウンター及びラウンジの利用、優先搭乗等の空港サービス並びに一般の座席よりも広い座席間隔で設置された上質の座席の利用、機内食の提供等の機内サービスを提供する役務)に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するとして排除命令を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 「ビジネス法務の部屋」は若干の疑問を呈しておられますが、広告写真が幅広シートを全面的に強調しており、見る者としては、プレミアムクラス=幅広シートと認識しても仕方ないところかと思います(テレビCMもそうでしたね。)。それを4月1日スタートといいながら、例え、「順次導入」という説明文字が入っているとしても、4月から5月の間は全く幅広シートの便がなかった、というのですから、優良誤認とされるのは不当ではないと私は思います。不動産屋のおとり広告みたいな感じもしますね。

 なお、前にもちょっと紹介しましたが、今年の6月13日に公取委が公表した「見にくい表示に関する実態調査報告書―打消し表示の在り方を中心に―」(公取委サイトPDF)が、「打消し表示」を特に対象としているのですが、本件の表示はまさにこの「打消し表示」の問題です。この調査報告では、「打消し表示」の定義を「一般消費者が強調表示からは通常は予期できない事項(例えば、例外条件、制約条件、追加的な費用を要する旨、特定の原材料が使用されているかのような表示をしているが実際には含まれていない旨等)であって、一般消費者が商品・サービスを選択するに当たって重要な考慮要素となるものの表示」としています。
 興味のある方はご覧ください。

【違反事実の概要】
 全日空は、平成20年4月1日からプレミアムクラスを一般消費者に提供するに当たり、一般日刊紙に掲載した広告において、例えば、座席の頭部の両側部分に仕切りを設け、隣の座席の人から顔が見えないようにするなどした新型の座席(「新型座席」)の画像を掲載するとともに「ANAの国内線「プレミアムクラス」、4/1より全国でスタート。」と記載することにより、あたかも、プレミアムクラスを利用すれば、新型座席を利用することができるかのように示す表示をしているが、実際には、同年4月から同年5月までの間においては、新型座席が設置されている便はなく、大部分の便において従来から使用されていた座席をそのまま提供し、その余の便においても従来から使用されていた座席を生地の張替え及び座席間隔の変更をして提供しているものであった。

【排除措置の概要】
ア 前記表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

2008年8月23日 (土)

葬儀業者への苦情急増の記事(朝日新聞・国民生活センター)

 今朝早くに身内が亡くなりバタバタしています。告別式が月曜ですが、裁判などの予定は入っておらず助かりました。裁判などの期日延期は可能ですが、依頼者(相手方もですが)に迷惑をかけます。某市役所での法律相談の予定もありましたが、知り合いの弁護士に無事に交替してもらえました。

 さて、また国民生活センターのネタで恐縮なのですが、たまたま、朝日新聞が、葬儀業者への苦情が増えている、という記事を載せています。苦情の内容などについては、朝日の報道を見ていただくことになりますが、私の探した限りでは、国民生活センター自身の公表情報はみつかりませんでした(私の誤解ならばごめんなさい。)。近日公表予定分を、朝日が抜いたのでしょうか? まぁ、そのことは別として、これに関連して、2点ばかり書いておきます。 

 数年前に、実父を亡くしたときにこんなことがありました。
 父は、自宅のあるA市の隣のB市の市立病院で亡くなりました。死亡確認後、病院が葬儀業者のリストを渡してくれ、こちらで選んで連絡するよう言われました。民間の病院の場合は特定の葬儀業者と組んでいる場合も多いらしいですが、市立病院だったためか、リストには近隣の業者が相当数載っていました。その中から、地域では結構大手のB市所在の業者を選んで連絡し、遺体を自宅に運んでもらいました。
 ここからが、問題です。うちとしては、葬儀と斎場は、自宅のあるA市営施設を使う予定でした。それで、上記のB市の葬儀業者にその旨を伝えると、A市の市営施設での葬儀については、自分のところではできないことになっているので、A市の葬儀業者にしてほしい、とのことでした(私が直接聞いたわけではないのですが)。そのため、葬儀は別のA市の葬儀業者に頼みました。
 A市の公的な施設が出入り業者を指定しているのならば問題ですし(たぶん違うと思うのですが)、葬儀業者どうしが自分たちで地域制限をしているのであれば、カルテル(不当な取引制限)=独占禁止法違反の恐れがあります。どうなのでしょうか?

 もうひとつ。
 上の記事で朝日は、葬儀の契約やサービスについての全国の消費生活センターに寄せられた苦情や相談が07年度、過去最高の384件に達して、5年で倍増した、として件数のグラフもつけています。これはこれで間違いではないと思いますが、グラフでわかるように、02年度までの180件程度に対して、特に05年度に急増して342件となり、翌06年度には逆に1割ほど減少して、また07年度に384件となっています。だから、05年度からの直近3年でみれば増加傾向と明確にはいえません(ネットの朝日記事にはありませんでしたが、私の自宅配布の版(本日夕刊)では、見出しが「葬儀業者に苦情急増・5年で倍」となっています。)。
 上に、まだ国民生活センターの公表がない、と書きましたが、実は、06年(平成18年)6月に国民生活センターから、「増加する葬儀サービスのトラブル」という情報が公表されています。
 → 国民生活センターサイト報道発表資料(06/6/22)
 ここには、既に05年度(342件)までの相談件数増加状況が示されていますので、2年前の時点で相当の増加があったことは判明していたものです。となると、現時点での上の朝日の記事の表現はちょっと正確性に欠けるなぁ、という気もします。5年で倍増、と言われれば、直近3年でも相当の増加傾向がある、と考えてしまわないでしょうか。もちろん、葬儀業者への苦情の状況を報じることについて異を唱えている訳ではありませんよ。新聞などメディアの、特に見出しなどの表現はそのまま鵜呑みにしちゃいかん、という具体例かもしれませんね。

 なお、ついでに載せておきますが、公正取引委員会は、平成17年7月、「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書」を公表しています。結構参考になります。
 → 公取委サイト報道発表資料

20年上半期サイバー犯罪検挙状況等(警察庁)

 8月21日に警察庁が「平成20年上半期のサイバー犯罪の検挙状況等について」を公表しています。
 → 警察庁サイト公表資料(PDF)

 ここでいうサイバー犯罪とは、情報技術を利用する犯罪を広く意味するものですが、平成20年上半期のサイバー犯罪の検挙件数は2,192件で、前年同期より21.2%の増加となっています。

 この内、不正アクセス禁止法違反は157件で、前年同期とほぼ同数。
 コンピュータ・電磁的記録対象犯罪は73件で、前年同期より78.0%増加。
 ネットワーク利用犯罪は1,962件で、前年同期より21.8%増加。この中で、ネットワーク利用詐欺が再び増加していますが、インターネット・オークション利用詐欺は若干減少とのこと。
 児童買春及び青少年保護育成条例違反、わいせつ物頒布等及び児童ポルノ事犯も増加しており、出会い系サイト規制法違反(不正誘引)は大幅に増加しています。
 なお、出会い系サイトに関係した事件(児童ポルノ事犯なども含む)については、この公表資料とは別に、「平成20年上半期のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について」(8/8)という報告が警察庁から公表されています。

 この他に、本報告には、サイバー犯罪等に関する相談や対策の状況も報告されています。

2008年8月21日 (木)

「コンドロイチン」やら「グルコサミン」やらの健康食品(国民生活センター)

 前回に引き続き、国民生活センターからの情報提供(8/7)です。これ以外にも、昨日は、ソフトバンクの携帯電話の有償保証サービスについてのトラブル情報も出ていますが省略します。この情報に関しては、山口利昭弁護士の「ビジネス法務の部屋」に書かれています。

 さて、こちらは、健康食品関連です。
 最近は新聞やテレビの広告を見ても、主に高齢者をターゲットにして、手足の関節に良いとして「コンドロイチン」(コンドロイチン硫酸ナトリウム)「グルコサミン」の配合を売り文句にした健康食品をよく見かけますね。

 そこで、国民生活センターが、このコンドロイチン硫酸及びグルコサミンを含む健康食品について、成分の含有量や胃の中での溶けやすさ、表示の調査等のテストを行った結果と、含有成分に関する事業者アンケートを情報提供したものです。
 → 国民生活センターサイト報道発表資料

◎調査結果等の概要◎
1.コンドロイチン硫酸量
 コンドロイチン硫酸表示量に比べて実際の含有量が大幅に少なかった
 サメのコンドロイチン配合の表示があった16銘柄のうち、(サメではない)陸生哺乳動物のコンドロイチン硫酸を含む原材料が配合された可能性が高い銘柄が6銘柄。そのうち3銘柄は陸生哺乳動物由来の原材料名の表示がなく、JAS法上問題がある可能性が高いと考えられた。

2.グルコサミン量
 グルコサミン量の表示銘柄は、含有量と表示量に大きな差はなかった。

3.胃の中での溶けやすさ
 胃の中で溶けにくいと思われる銘柄が18銘柄中9銘柄あった。

4.表示について
 大部分の銘柄はコンドロイチン硫酸を含む原材料の量を表示しており、実際に含まれるコンドロイチン硫酸量は分かりにくかった。医薬品に匹敵若しくは上回る量のコンドロイチン硫酸を含むと消費者が誤認するおそれがあると思われた。
 大部分の銘柄に、関節に関するうたい文句やイラストが表示されており、これらの商品が関節痛に良いというイメージを消費者が受けるおそれがあると考えられた。また、8銘柄にはコンドロイチン硫酸若しくはグルコサミンに関するうたい文句が表示されていた。
 テスト対象の健康食品について、商品に表示された製造者又は販売者以外の事業者が運営するインターネット販売サイトに掲載された広告を調べたところ、医薬品の効果・効能と類似した表現がみられ、薬事法に抵触するおそれがあると考えられた。

5.事業者へのアンケート調査
 大部分の事業者はコンドロイチン硫酸量のデータを所有していたが、商品の表示には反映されていないことが分かった。
 コンドロイチン硫酸ナトリウムは関節痛の緩和等の目的で医薬品に配合される成分であり、健康食品に配合されるコンドロイチン硫酸も同様の生理作用を示すと考えられるが、一日摂取目安量設定の根拠は事業者によってまちまちだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 というようなことで、国民生活センター「消費者へのアドバイス」として、
「関節痛の緩和など具体的な疾病の治療を目的とする場合は、医薬品を使用するのが良い。『健康食品』は、錠剤やカプセルが胃の中で溶けにくいものがあるなど、品質上も問題があった。 」とされています。

 さらに「業界への要望」として、
「関節に良いとされる成分を含む『健康食品』について、コンドロイチン硫酸量及び原材料名表示の改善を要望する。
 胃の中で溶けにくいと思われる銘柄があったため、製造方法を見直し、改善するよう要望する。
 インターネット上の広告について、薬事法に抵触するおそれがある表現がみられたため、改善を要望する。」とされています。

 そして、「行政への要望」として、
「関節に良いとされる成分を含む『健康食品』について、コンドロイチン硫酸量の表示及び品質を改善するよう、事業者の指導を要望する。
 原材料名の表示がないにもかかわらず陸生哺乳動物由来の原材料を含む可能性が高く、JAS法上問題があるおそれがある銘柄があった。使用原材料について調査の上、問題があった場合には指導の徹底を要望する。
 インターネット上の広告について、薬事法に抵触するおそれがある表現がみられたため、指導の徹底を要望する。 」となっています。

「磁気活水器」の有害物質除去効果はウソ(国民生活センター)

 国民生活センター(独立行政法人です。)が、「磁気活水器」トリハロメタン等の有害物質の除去効果がなかったというテスト結果を昨日公表しています。
 → 国民生活センターサイト報道発表資料

 それによれば、「磁気活水器」の多くは、水道管や蛇口の外側に磁石を取り付けるため、フィルターの交換が不要(長寿命)であることをうたい、「水がまろやかになる」等感覚的で検証が難しいことなどを広告している銘柄が多いが、中には消費者の関心が高いトリハロメタンのような有害物質の除去を広告に表示している銘柄もあるとのことで、トリハロメタン等の除去に関してインターネット通信販売の広告等でうたっている蛇口取付型(3銘柄)と元管型(水道管に直に取り付けるタイプ:3銘柄)を対象にこれらの除去性能等を調べた結果を情報提供することとした、ということです。

(本テストでいう「磁気活水器」は、蛇口や水道管を外側から挟み、フィルターなどの機構を有さず、「活水」機能をうたっている水道用器具のことを指している、とのこと)

 概略を紹介すると、

 総トリハロメタンの除去性能については、全6銘柄の磁気活水器の取り付け前後で総トリハロメタンの濃度に違いはなく、総トリハロメタンが除去できないことが分かった。

 トリハロメタン生成能に対する影響については、トリハロメタンを直接除去するのではなく、その原因物質を除去することをうたっていた2銘柄について調べた結果、磁気活水器の取り付け前後でトリハロメタン生成能に違いはなかった。

 遊離残留塩素除去性能(塩素を除去する効能)についても、全6銘柄の磁気活水器の取り付け前後で遊離残留塩素の濃度に違いはなく、除去できないことが分かった。

 表示・広告については、インターネット上の広告等について調べたところ、インターネットショップの広告にのみトリハロメタンの除去を示唆する文句が記載されている銘柄や、製造者のホームページにまでトリハロメタンの除去に効果があることを記載している銘柄があった。また、一部の銘柄では、インターネットショップの広告にトリハロメタンの原因物質や残留塩素が除去できる旨の記述があった。

 以上、トリハロメタンや残留塩素等を除去できる効果をインターネット上の広告等で表示しているが、テストした結果いずれも効果がなく消費者の誤認を招く表示であった。

 以上により、磁気活水器は水道水のトリハロメタンや残留塩素を除去する効果はない ので、国民生活センターとしては、早急にこのような広告・表示は取りやめるよう業界に要望するとともに、除去できるような効果をうたった広告・表示を行った事業者に対し、公正取引委員会による排除命令(景品表示法)等の措置を要望する、としています。

 これに関する朝日の報道によれば、12社が加盟する日本磁気活水器協会は「活水器は濾過(ろか)器や浄水器と根本的に違い、不純物を物理的に除去できない。加盟社に誇大表示をしないよう指導したい」と言っているとのことです。。

2008年8月20日 (水)

(続?)Googleのストリートビューを試してみて

 半月ほど前(8/6)に書いた当ブログ記事「Googleのストリートビューを試してみて」へのアクセスが一昨日の夜から突然急増したので何でだろうと思って調べてみると、「はてなブックマーク」からのリンクでした。ストリートビューについてのブログ記事は相当多数あるので、うちがチョイスされる理由が良くわかりませんが、弁護士が書いてるというのと、病院の私道からの撮影の件かな、と想像してます。
 で、これは、そのおまけの記事。

 病院の場所については、今のところ、ブログで具体的に書くつもりはありません。見たところ、実際に大きな権利侵害があるとも思えないうえ、もし権利侵害があるとしたら、ここに書くことは逆にそれを見る人が増えるわけで侵害を拡大させることになりますのでね。(なお、もし問題が大きいと私が考えれば、まずGoogleか当該病院に連絡して削除してもらいます。)

 ついでに、私が見た中で、私道ではないか、と思うのが、大阪圏内の某ゴルフ場の進入道路です。ゴルフをする方は良く通られるでしょうが、ゴルフ場の入り口の門(ゲート)から中は普通は私道ですよね?そこを、ずっと入っていって駐車場まで写してます。
 (ここも別に権利侵害と騒ぐ程のもんではないように思えますけども)具体名は避けますが、興味のある方は探してみて下さい。

 もう1つは具体名出します(これも権利侵害どうこうとは思えませんが)。私の父が眠っている北摂霊園の中の道路も公道ではないのじゃないかなぁ(わかりませんが)。

 それと、川西市の市営の霊園(斎場)への進入路というのは、市営施設なので公道かもしれませんが、ここも駐車場前まで入って行ってます。ここはストリートビューで入っていくと、霊園らしく、前方に幽体らしきものが写ってます(微笑)。期待せずに見て下さい。

2008年8月19日 (火)

No.1(ナンバーワン)表示の調査報告書再掲(公取委)

 朝日が8月17日に記事にしていた「『合格実績ナンバーワン』『売り上げ第1位』など、1番を強調する広告について公正取引委員会が調査したところ、商品では『食品』、サービスでは『学習塾』の広告で最もよく使われていることがわかった。」というのは、公取委が6月に公表した「No.1表示に関する実態調査報告書」の内容を元にした記事ですね。
 当ブログでも、「『No.1表示』と『見にくい表示』の実態調査(公取委)」(6/13)でご紹介していたものです。
 → 公取委サイト報告書概要(PDF)
 → 公取委サイト報告書(PDF)

 公表されて2ヶ月も経過してからの報道ですが、せっかく新聞記事になったので、もう一度取り上げてみました。ついでに、報告書の目次を下に載せておきますね。

 この調査報告の対象となった表示は、「事業者が自ら供給する商品等について、他の競争事業者との比較において優良性・有利性を示すために「No.1」、「第1位」、「トップ」、「日本一」などと表示するもの」で、このような表示を「No.1表示」と定義しています。

 なお、同じブログ記事に書いたものですが、公取委から同時に公表された「見にくい表示に関する実態調査報告書―打消し表示の在り方を中心に―」と、その直後に公表され別の記事「ペットの取引表示の実態調査報告(公取委)」(6/23)に書いた「ペット(犬・猫)の取引における表示に関する実態調査報告書」いうのも結構面白いですよ。

〈目次〉
 第1 調査の目的
 第2 調査の方法
 第3 No.1表示の概要

  1 No.1表示が多くみられる分野
  2 No.1表示の種類
  3 売上実績に関するNo.1表示について
   (1) 売上実績に関するNo.1表示の実態
   (2) 消費者モニター調査の結果
  4 No.1表示に関する自主規制ルール
 第4 No.1表示についての基本的考え方
  1 No.1表示の意義
  2 景品表示法上問題となるNo.1表示
  3 適正なNo.1表示のための要件
   (1) 客観的な調査
   (2) 調査結果の正確かつ適正な引用
 第5 No.1表示の実態と景品表示法上の考え方
  1 商品等の範囲に関する表示
   (1) 表示の態様
   (2) 景品表示法上の考え方
   (3) 望ましい表示
  2 地理的範囲に関する表示
   (1) 表示の態様
   (2) 景品表示法上の考え方
   (3) 望ましい表示
  3 調査期間・時点に関する表示
   (1) 表示の態様
   (2) 消費者モニター調査の結果
   (3) 景品表示法上の考え方
   (4) 望ましい表示
  4 No.1表示の根拠となる調査の出典に関する表示
   (1) 表示の態様
   (2) 消費者モニター調査の結果
   (3) 景品表示法上の考え方
   (4) 望ましい表示
 第6 まとめ

2008年8月18日 (月)

我が国のIT利活用に関する調査研究(経産省)

 このブログも開設1年半で、総アクセス数が10万を超えました。アクセス数というのも、あまり厳密なものでもなく、特別の意味があるわけでもないですが、1つの区切りにはなりました。ご愛読ありがとうございます。

 さて、本日(8/18)、経済産業省、「平成19年度我が国のIT利活用に関する調査研究」(電子商取引に関する市場調査)の結果を公表しています。
 → 経済産業省サイト報道発表

 この調査は、平成19年1~12月までの電子商取引市場を調査したもので、平成10年度より毎年実施されているもの。

 調査結果のいくつかを紹介すると、

(1)BtoB EC(企業間電子商取引)市場規模について
 我が国のインターネットによる企業間EC市場規模は162兆円、前年比9.3%増、米国では約103兆6,540億円、前年と比較して8.7%増。

 (BtoB市場は、アメリカより日本のほうが大きいのですねぇ。)

(2)BtoC EC(消費者向け電子商取引)市場規模について
 我が国の消費者向けEC市場規模は5.3兆円、前年比21.7%増、米国では、22兆6,540億円、前年と比較すると17.6%増。

(3)我が国におけるインターネット関連ビジネス市場
 消費者を起点とした、インターネット関連ビジネス市場規模は、約2兆円。

(4)アジア主要4ヶ国(中国、韓国、台湾、マレーシア)の消費者向け電子商取引の実態
 各国ともBtoC ECは拡大傾向だが、その進展には差異が見られる。
 (中国と韓国のみ抜粋しておきますね。)

 〈中 国〉
   インターネット利用者数2億1千万人
   インターネット普及率16.0%
   BtoC EC市場規模82億人民元。
   CtoC EC事情規模230億人民元。
     参考:1人民元につき15.24円(2006年)
   特長
    ・BtoC EC利用の主な年代は25歳~35歳。
    ・モバイルBtoC ECは、市場と呼べるほど大きくない。
   課題
    ・物流インフラレベルの向上。
    ・EDIシステムのスムーズな改良。
    ・個人情報保護に関する体制の整備。
    ・商品の品質基準の明確化。
    ・決済時のセキュリティ向上。
    ・ECの専門的技術を持った人材不足。

 〈韓 国〉
   インターネット利用率75.5%
   BtoC EC市場規模10.2兆ウォン。
     参考:100ウォンにつき12.78円(2006年)
   特長
    ・BtoC EC利用の主な年代は25歳~40歳。
    ・EC店舗は「総合モール」と「専門モール」にタイプ分けされ、
     あらゆる物品・サービスを販売する総合モールは「総合ショッピ
     ングモール」と「オープンマーケット(e-マーケットプレイス)
     」の2種で構成されている。
    ・エスクローサービスの推奨など政府による消費者保護の拡充の動
     きは活発である。
   課題
    ・モバイルBtoC ECは、高額な通信料金などがネックとなり、
     またPCでの高速かつ低額なインターネット利用が可能であるた
     め利用が進んでいない。

2008年8月16日 (土)

消費者庁関連イベントの告知

 消費者庁設立に向けて、政府サイドや消費者団体など、いろいろと集会等が企画されています。大阪近辺でのものを3つばかりご紹介します。
(開催日順です)

〈その1〉
 8月30日(土)午前10時15分~午前11時45分

 緊急集会: 消費者庁と地方消費者行政の充実を求める関西市民大集会
           「市民が求める新消費者行政はこれだ!」

 場所:大阪市中央公会堂(中之島公会堂)1階ホール
 主催:新しい消費者行政を実現する会ほか
 内容:・寸劇「『消費者庁』ってなんやねん?」(劇団そとばこまち)
    ・『消費者庁』準備状況速報
    ・討論!私たちが考える新消費者行政
 事前申込不要・参加費無料
 問合せ先:全大阪消費者団体連絡会(06-6941-3745)

〈その2〉
 8月31日(日)午後1時30分~午後4時

 シンポジウム「消費者の生命と財産を守る!」
  ~
消費者が主役となる消費者行政の実現に向けて~    

 場所:徳島県郷土文化会館 4階 大会議室
 主催:徳島弁護士会  共催:日弁連、四国弁連
 内容:・基調報告
    ・パネルディスカッション
      パネリスト
       後藤田正純(自民党衆議院議員)
       仙谷 由人(民主党衆議院議員)
       三谷  卓(徳島新聞社)
       吉岡 和弘
        (弁護士:日弁連消費者問題対策委員会委員長)
      コーディネーター
       大西  聡(弁護士)
 事前申込不要・参加料無料
 問合せ先:徳島弁護士会(088-652-5768)

〈その3〉
 9月6日(土)午後1時30分~(90分を予定)

 消費者行政の推進について
   -消費者が主役となる「国民本位の行政」への転換-

 場所:生田文化会館  神戸市中央区中山手通
 出席閣僚 : 野田 聖子  内閣府特命担当大臣(消費者行政推進担当)
 司会者 : 原 早苗  金融オンブズネット代表
 参加申込み方法:募集期間 8月11~25日(月)(必着)
         応募方法等の詳細は
          → 政府広報
 「野田大臣が、消費者行政の推進について皆様と語ります。」とのことです。
 問合せ先:内閣府国民対話担当室 橋本、三次
          電 話 : 03-5253-2111(内線:84307、84310)
          FAX : 03-3581-1913

2008年8月14日 (木)

消費者団体訴訟3件目(京都)

 さて、盆休みということで、先日から裁判所や官庁による大本営発表もほとんどないですね。オリンピックがいろんな意味で話題になっていて、私も興味はあるのですが、このブログで書くのもね。。朝日新聞サイトの北京五輪のサイトは速報性に優れていて、マイナーな競技の経過もよくわかりますね。

 さて、そんな中、京都新聞の報道によれば、8月12日、京都地裁消費者団体訴訟の3件目が提訴されたようです。NPO「京都消費者契約ネットワーク」(KCCN)が提起した訴訟とのことですが、KCCN事務局の夏休み中だからか、KCCN公式サイトには現時点では未公表のようですね。

 KCCN消費者団体訴訟を提起したのは2件目となりました。
 1件目は建物賃貸借契約の条項に関して不動産賃貸業者を被告としたものでしたが、今回も、同じく不動産賃貸業者に対して賃貸借契約の条項の無効を理由とするもののようです。ただし、前回は「定額補修分担金」の条項についてのものであり、今回は「敷引特約」の条項についてのものとのことです。

 正確な内容はKCCNサイトでの公表を待ちたいと思います。

 消費者団体訴訟は、これでKCCNの2件とNPO「消費者支援機構関西」(KC’s)の1件の合計3件になったのですが、全て関西、というか、全て京都地裁に提起されたことになるわけですね。

 参考のため、当ブログの消費者団体訴訟のまとめ記事
 → 「消費者団体訴訟制度の動き:まとめを兼ねて」(3/29)

2008年8月12日 (火)

筒井康隆のブログ(笑犬楼大通り)

 小説家の筒井康隆のブログ「笑犬楼大通り」が開設されていますね。少し遅い話題なのですが。

 正確にはブログ、というよりも、ASAHIネットが運営するサイトということのようです。縦書きの本で、ページをめくっていって読むというスタイルになっています。そういえば、当ブログも本のデザインですね(その内、変えるかもしれませんが)。

 なお、公式サイト「筒井康隆」は別にあります。

上毛ローン破産のその後

 先日(8/8)書いた上毛ローン(群馬県高崎市)に対する債権者破産申立ですが、被害者弁護団が前橋地裁の高崎支部に申し立てたのに(上毛ローンの本店所在地の管轄裁判所である)、裁判所は東京地裁に手続を移してしまったようです。多数の債権者がいる事件のため事務上の問題(高崎支部の事務的能力を超える?)から移送を行ったのではないかと思われます。
 破産法7条で、「著しい損害又は遅滞を避けるため必要がある」と裁判所が認めれば、同条所定の裁判所への移送ができる、となっています。

 この移送の事実については、今回の破産申立を行った上毛ローン被害対策弁護団副団長の小此木弁護士のブログの8月9日記事に紹介されています。
 → ☆おこのぎブログ☆

 本店が形式的な場所であるなどの場合ならばわかりますが、この事案では、このような移送が妥当かどうか問題がありますね。東京にも営業所や債権者は存在するでしょうけど。
 私はこの事件とは直接の関係もなく、遠く離れた大阪からウォッチングしているだけなので、詳しいことは知りません。しかし、ただでさえ大変なこの種の被害者救済弁護団活動が地理的・時間的にも(ひいては経済的にも)大きな負担となる可能性があるだろうと思います。

【追記】(9/30)
 9月22日に東京地裁から破産手続開始決定を受けた、とのこと。
 破産管財人は舩木秀信弁護士。

2008年8月10日 (日)

新聞販売店が新聞社を訴えた事件についてのその後

 ブログ記事のタイトルに(その1)とつけたまま、続編を書いていない記事があります。それは、福岡高裁の昨年6月19日の判決に関する
 「新聞販売店が新聞社を訴えた裁判の控訴審判決(その1)」(07/6/28)
です。

 事案を繰り返しますと、
 新聞販売店経営者X1が、被告読売新聞社がした新聞販売店契約の更新拒絶には正当な理由がないと主張して、新聞販売店契約上の地位を有することの確認を求めるとともに、読売新聞社が継続的取引関係における供給者側の優越的地位を濫用し営業権を違法に侵害したとして、損害賠償請求をし、
 同じく別の新聞販売店経営者X2が、読売新聞社が新聞販売店契約を不当に解除しようとしたことにより精神的苦痛を受けたとして損害賠償請求をしたものです。

 控訴審の福岡高裁は、X1については220万円、X2については110万円の支払を認容しました。

 上のブログ記事のタイトルが(その1)となっているのは、この判決をもう少し読んで後で続編を書くつもりだったためなのですが、すっかりそのままになってしまってました。

 ところが、昨日のLivedoorニュースで、「My News Japan」「読売、最高裁が地位保全した店主を解任 また司法判断を無視 」という黒薮哲哉氏の記事(8/2付)があるのを知りました。
 それを見て調べると、上記の福岡高裁判決に対しては、読売側が上告(上告受理)申立をしており、それに対して昨年12月25日に最高裁(第3小法廷)が上告不受理の決定をして、結局、福岡高裁の判決内容で確定したようです。なお、上告不受理については、毎日が12月28日付で報じていたようですが、期間が経過したため、毎日サイトでも読めません(別のところに転載されていたものは見ました。)。

 今回の黒藪氏の記事は、原告であった真村氏に対し、読売新聞社が今年7月に解任(契約解除?)したことに関するもので、真村氏は既に福岡地裁に地位保全の仮処分を申請したという、ことです。他の同氏の記事によれば、今年5月に上記の真村氏が読売や首脳陣個人たちなどを被告として、さらに損害賠償請求訴訟を提起したというものや、読売が新聞供給再開の仮処分に従わず6月に裁判所から間接強制の決定が出されているというものなどもあり、まだまだ、紛争は続くようですね。

 このようにMy News Japanには、このテーマについてのこれまでの黒藪氏のいくつかの記事がありました。記事全部は会員登録(有料)しないと駄目なようですが、ある程度は無料で登録なしでも読めますので、興味のある方は読んで見て下さい。黒藪氏は常に販売店側の視点から書いておられるのですが、前にも書いたように、この手の具体的問題については、他社を含めてマスコミ側が取り上げることはほとんどありませんので、なかなか参考になります。

 余談ですが、「My News Japan」というのは、「Oh my News」とは別なのですね。最初勘違いしてました。ちとややこしい、と思ったら、「Oh my News」のほうは9月にリニューアルして、名前も「Oh! MyLife」に変わるようです。
 「My News Japan」については、wikipediaで見ると、これはこれで面白い。

2008年8月 8日 (金)

借り手による消費者金融業者破産申立の方針(上毛ローン)

 読売の報じるところでは、消費者金融業者「上毛ローン上毛與信」(群馬県高崎市)について、利息制限法上、支払い過ぎた金利(いわゆる過払金)が返還される見込みが薄いとして、借り手約40人が今日にも、破産を前橋地裁高崎支部に申し立てる方針を固めた、とのことです。

 同社は群馬内の大手業者ですが、借り手からの過払金返還請求で経営が悪化し、4月下旬に業務を一時停止し、その後、整理手続きが進められていたようです。

 通常、破産手続は当人が申し立てることが多いのですが(自己破産の申立)、債権者(もともと借り手ですが、本件では過払金請求権に関して債権者の立場になります。)が破産を申し立てるというのは、破産手続によって、経営者や一部債権者などによる不当な資産の流出をくいとめ、また流出した財産を破産管財人の法的手続によって取り戻すなどして、公平分配を求める目的で行われるものです。よく詐欺的商法の会社に対して、被害者側から破産を申し立てることがありますが(古くは豊田商事など)、それと同じです。

 最近は、銀行やサービサー等が、資産隠しをしている悪質な債務者に対して破産などの申立をする場合も多くなってきたようです。この場合は、破産だけではなく、民事再生手続の申立の場合も多いですが。

 この事件について、別の筋から聞いている話では、極めて反社会的かつ悪質な行為が裏で進んでいるかのようで、借り手側が過払い請求権の回収を少しでも保全するための手段として、必要と判断したのではないかと思われます。

【追記】(8/8)
 その後、帝国データバンクの倒産速報によれば、本日破産の申立がなされたようです。負債は約21億8000万円の見込み、とのことです。

2008年8月 6日 (水)

Googleのストリートビューを試してみて

 話題のグーグル・マップストリートビューを試してみました。

 いや凄い時代になったものですね。大阪市内はかなりの道がカバーされていますので、どこか行く時に事前に見ておけば便利でしょう。単に地図だけだと雰囲気がつかめず、現地に行ってうろうろすることもありますが、目線での写真なので、いろいろな現場の情報がわかり把握しやすいと思います。

 また、私のような仕事だと、交通事故や土地問題など現地を見ておいたほうがいいことも多いので、実際に現地まで行く時間のないときなどは重宝しそうですし、これを見ながら、事務所で依頼者から事情説明を聞くということにも役立ちそうです。

 その反面で非常に気になるのは、やはりプライバシーや個人情報との関係です。公道からの写真であり、現地へ行けば誰でも見えるものとはいえ、住所を知っておれば、自宅の写真を見ることができるわけで、当人にとっては、気持ちの良くない場合も多いのではないでしょうか?
 わざわざ現地へ行かねばならないというのと、ネットで簡単に見ることができるというのでは、質的にも大きな違いがあると思われます。
 一般の閑静な住宅街についても、地域によっては、ほぼ全部をカバーしているところもあるようです。

 個人や自治会などがグーグルに対して、写真の削除を要求するということも考えられますし、その他にも今後いろいろと問題が生じてくるのではないかと思います。

 いくつかの報道を見てみると、グーグル側は公道からの撮影ということで基本的に問題ないものとし、個別の問題については対処していくというような話をしているようですが。。。

 なお、私の知っている某病院を検索して見てみたのですが、明らかに公道から入った病院敷地内道路(駐車券発行機のゲートから入った中側です)を通り抜けて撮影していました。もちろん当該病院の許可を取っているならば問題はありませんけどね。

【追記】(8/20)
 おまけの記事書きました。
 → 「(続?)Googleのストリートビューを試してみて」

名水使用が、実は水道水だった小豆島そうめん(景表法)

 昨日、公正取引委員会は、株式会社ウスケ・コーポレーション、アイランドコニシ製麺所、有限会社美本舗及び小豆島ヘルシーランド株式会社の4事業者の4社が販売する手延べそうめん・うどん等に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するおそれがあるものとして、警告を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 この「警告」というのは、景品表示法の違反が認定された場合の法的措置である「排除命令」ではなく、違反の認定まではできないものの、違反のおそれがある場合に、行政指導として行われるものです。

【違反被疑行為の概要】
 4社は、手延べそうめん・うどんを販売等するに当たり、ネット上の自社ウェブサイト、インターネット上の電子商店街に開設したウェブサイト、パンフレット等において、あたかも、手延べそうめん等の原材料に環境庁が「名水百選」の一つに選定した「湯船の水」が用いられているかのように表示していたが、実際には、商品の原材料に湯船の水は用いられていないものであった。かかる表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示す表示である疑いがあるものであった。

 ※「湯船の水」は、環境省が「名水百選」の一つに選定している香川県小豆郡小豆島町に湧出する水、ということです。

 個人的には、そうめん等の製造に使用するのが、名水だろうが水道水だろうが、そうめん等の品質は実際には変わらないように思うのですが、それを宣伝文句にする以上はウソついたら駄目ですね。

2008年8月 5日 (火)

PCI事件と不正競争防止法

 ベトナムの政府開発援助(ODA)事業に関して、大手コンサルタントパシフィック・コンサルタンツ・インターナショナル(PCI)の前社長らが、事業受注の見返りにホーチミン市幹部に約9000万円のわいろを渡したとして、昨日、東京地検特捜部によって、不正競争防止法違反(外国公務員等への不正な利益供与)容疑で逮捕されています。

 不正競争防止法が禁じる外国公務員への贈賄(不正利益の供与)の摘発は過去に1件しかないとのことですが、このブログでは、ブリジストンのマリンホース・国際カルテル事件に関連して、今年2月に書いてます。
 ただ、こっちの事件は、同法違反の可能性があるとして、ブリジストンが検察庁に報告した、として報じられたもので、現時点で刑事摘発されているわけではありません。
 不正競争防止法の定める外国公務員への不正利益供与について興味のある方は、この2月の記事へどうぞ。
 →「外国公務員に対する贈賄事件(不正競争防止法)」(2/13)

中国の独占禁止法施行(その3:完)

 さて、ここまで書いたからには、ということで、中国独禁法の第7章「法律責任」の概要をご紹介というか、メモしておきますね。あくまでもJETROのサイトの訳文などを参考にした『概要』ですよ。。

 第46条と第47条では、カルテル違反・市場支配的地位濫用の場合の排除命令と、違法所得を没収し、且つ前年度の売上高の100 分の1 以上100 分の10 以下の罰金に処する、となっています。さらっと、「違法所得を没収」とありますが、ここのところは、日本の課徴金的な考え方なのでしょうが、それに加えて更に罰金として売上高の1~10%を罰金とするというところが面白い(としか言いようがない)。
 さらに、この第46条2項では、カルテルの場合のリニエンシー的な条文が置かれています。

 事業の集中については、第48条で、排除命令ができるとしたうえで、50 万元以下の罰金を定めています。

 民事責任については、第50条が、「事業者が独占行為を実施し、他人に損失をもたらした場合、法に基づき民事責任を負う。」としています。

2008年8月 4日 (月)

中国の独占禁止法施行(その2)

 前回リンクしておきましたJETROの条文日本語訳を読んでたら、結構面白いですね。ざっと読むと、日本などの資本主義国家の独禁法と似たような法律なのですが。。。不勉強ながらも読んでいくと、結構面白い。この中国の独禁法については、今回初めて読んだので、今回の一連の記事については、雑感的なものと思って下さいね(と、逃げておく)。

 さて、(その1)に、第1条の目的に「社会主義市場経済の健全な発展を促進するため」というのがあるのは書いておきましたが、

 他にも、第4条「国家は、社会主義市場経済と相応する競争規則を制定、実施し、マクロコントロールを完全なものとし、統一的、開放的、競争的、秩序ある市場体制を健全化する。」というのがありました。
 「社会主義市場経済と相応する競争規則」ねぇ。なお、この訳文の「マクロコントロールを完全なものとし」は、原文では「完善宏观调控」となってます。ひょっとすると、「マクロコントロール」はアダム・スミスの「神の手」によるコントロールなのかもしれん・・?!?!
 → 中国語の法文(ジェトロのサイト PDF)

 また、(その1)では、我が国の公正取引委員会にあたる独禁法執行機関が「反壟断執法機構」、つまり、独占禁止法執行機構であると書きました。
 しかし、よく見てみると、国務院が独占禁止委員会(中国語で「反壟断委員会」)を設立して、独占禁止業務の組織、協調、指導に責任を負わせ、次の職責を履行させる、となっていて(第9条)、独禁法の執行を行う組織として上に書いた第10条の独占禁止法執行機構(「反壟断執法機構」)とは、別組織のようですね。そのうえ、この執行機構は必ずしも1つではないような書き方だし・・よく分かりません。
 この第9条の独占禁止委員会(反壟断委員会)の職責として規定されているのは、
(1)競争に関連する政策の立案を検討する。
(2)市場の総体的な競争状況を組織して調査、評価し、評価報告を公表する。
(3)独占禁止の指針を制定、公布する。
(4)独占禁止の行政の法律執行業務の調整をとる。
(5)国務院が定めるその他の職責。

というところです。

 (その1)で書いた、第4章「事業者の集中」の最後の第31条で、外資企業に厳しいかもしれない条文は次の通りです。何となく、日本の日本電源株式会社(J-POWER)の最近の話を思い出してしまいました。
第31条
 外資が国内企業を買収合併する、又はその他の方法で経営の集中に参与し、国家の安全に関わる場合、本法の規定に基づき事業者の集中を審査する以外に、更に国家の関連規定に照らして、国家安全審査を実施しなければならない

 で、第5章が「行政権力濫用による競争の排除、制限」になっています。ここらが我が国などの法律とは違う点であることは(その1)にも書きましたね。

 長くなってきたので、独禁法違反の場合の民事的刑事的効果について書かれている第7章「法律責任」については、次の別記事(その3)に書きます。
 (まさか、連続ものになるとは思わなかった。)

中国の独占禁止法施行(その1)

 中国で8月1日から独占禁止法が施行されました。中国語では、「反壟断法」というのだそうで、日本の公正取引委員会にあたる独禁法執行機関が、「反壟断執法機構」というのだそうです。マイクロソフトがターゲットになるのでは、という報道も見られます。

 さきほどの日経の報道では、北京のIT関連企業が政府機関の国家品質監督検査検疫総局による商品認証システムへの強制加入行為が、「行政独占」に該当するものとして北京市第一中級人民法院に提訴したということですが、この「行政独占」という行政権力の濫用行為を対象として裁判所に提訴できるというのは面白いですね。中国らしい規定といえます。
 ただ、上記独禁法執行機関への告発ではなく、裁判所への提訴、ということができるのでしょうかね(すみません、よく分かりません。)。
(※【追記】その後、9月6日の日経報道によれば、人民法院は訴えを「受理しない」と通知したことが明らかになった、ということですね。やっぱり、よく分かりません。)

 施行時点では、まだ細則が公布されていないという報道もあり、当局の運用が未知数ですので、少なくとも当分は、企業の対応も難しいでしょう。

 昔にくらべれば随分市場経済化してきたとはいえ、基本は社会主義計画経済の国で、しかも共産党一党支配の中国の「独占禁止法」の執行がどのようなものになっていくのか、大変興味深いところです。

 第1条はこの法律の目的を「独占行為を予防、阻止し、市場の公平な競争を保護し、経済の運営効率を向上させ、消費者の利益と社会の公共利益を擁護し、社会主義市場経済の健全な発展を促進すること」としているようです。この「社会主義市場経済の健全な発展」とは何かというのが重要なポイントですね。
 なお、第2条では、国外の独占行為であっても、国内市場の競争を排除または制限する影響を与えるものには適用されることになっている、とのことですし、お国柄から考えても、外国企業に対する運用が気になるところです。
 この関連でいえば、第4章「事業者の集中」の最後の第31条に、外資による企業買収などの審査については、国家の安全の観点からの審査が必要とされている点も注目されます。
 → ジェトロ(JETRO)のサイトの解説
 → JETRO中国独占禁止法日本語訳(PDF)

【追記】(8/4)
 自分自身、あまり分かっていない状態で僭越なのですが、この法律読んでいたら、いくつかメモ書きしておきたいことがありましたので、続けて、(その2)を書いてみました。

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