フォト

weathernews

ツイッターでつぶやく

無料ブログはココログ

« 「仮登録ありがとうございます」というメール | トップページ | ピンクレディが出版社の写真使用を訴えた事件の判決(東京地裁) »

2008年7月13日 (日)

『青丹よし』・菓子の商標権侵害請求事件判決(大阪地裁)

 菓子の商品名についての判決は、このブログでも大阪関連の菓子に関して、昨年10月25日の判決2件を紹介しました。

 → 大阪みたらし小餅の判決
 「『元祖』表示が品質表示か?の判決(不正競争)」(07/10/30)
 → 大阪プチバナナの判決
 「もう1つ、菓子の名称関連の判決(商標権)」(07/10/30)

 で、先日、大阪地裁で、また、菓子の商標権に関する判決が出ました(最高裁サイトで紹介されています。)。

 大阪地裁平成20年7月10日判決    商標権侵害差止等請求事件
                     (請求棄却)

 事案としては、菓子の商標権者が、被告の商品名が商標権を侵害しているとして使用の差止と損害賠償などを求めたものです。今回は奈良の干菓子の商品名に関するものです。

 詳細は最高裁サイトの判決を見ていただくとして、要するに、「和三盆と葛粉で短冊型に打ち固めた干菓子」に「青丹よし」という名称を付してこれを販売してきたというものです。「青丹よし」は、ご承知の通り、「奈良」にかかる枕詞ですね。奈良の干菓子の名称としても古くから使われてきたようです。

 まず、原告の登録商標は、「中央に大きく縦書き毛筆体で『青丹よし』と大きく表示され、その右側上方に比較的小さく縦書きで『元祖登録商標』と、左側下方に比較的小さく縦書きで『鶴屋徳満』とそれぞれ毛筆体で書され、上記『青丹よし』の文字の真上に、小さく毛筆体で『献上銘菓』という文字を十字に配して草の模様で囲った図形、さらに上記各文字及び図形の外周を略長方形で囲ったものである」というものでした。したがって、「青丹よし」という言葉だけが商標となっているものではありません。

 一方で、被告(複数)の商品名(標章)は、いずれも「青丹よし」との文字を含むものでした。ということで、「青丹よし」との部分が、商標権における「要部」といえるか、どうかが問題となった判決です。これが、「要部」だとすれば、その部分は全く同一ですから、商標権侵害となる可能性が高くなるわけです。

 判決では、古い文献などを検討したうえで、「『青丹よし』は、幕末又は江戸時代中期に有栖川熾仁親王ないし有栖川宮が命名したものと伝えられ、その後、主として奈良市内において複数の菓子業者によって広く製造販売されてきた『青と赤との二色を一組にした落雁と同種の干菓子』であり、その名称は奈良において製造販売されるこの種の干菓子に広く付せられてきたものである。そして、『青丹よし』という名称そのものについて商標登録が認められた例はないことからすれば、『青丹よし』という名称そのものが特定の業者の製造した上記干菓子を表示する機能を有しているとは認め難い。」として、「『青丹よし』との部分の出所識別力はきわめて弱いといわざるを得ない。」としています。

 そのうえで、被告らの各商品名(標章)は、いずれも、原告の商標に類似するとは言えず、商標権を侵害するものとは認められないとして、原告の請求を棄却したものです。

« 「仮登録ありがとうございます」というメール | トップページ | ピンクレディが出版社の写真使用を訴えた事件の判決(東京地裁) »

法律」カテゴリの記事

裁判」カテゴリの記事

コメント

実際には、「青丹よし」はどの商店も登録商標と記載して売られてますが、
登録商標されていないのに、登録商標と銘打って売っても問題はないのでしょうか?消費者には、まぎらわしいのですが。・・・

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/183277/41824044

この記事へのトラックバック一覧です: 『青丹よし』・菓子の商標権侵害請求事件判決(大阪地裁):

« 「仮登録ありがとうございます」というメール | トップページ | ピンクレディが出版社の写真使用を訴えた事件の判決(東京地裁) »