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2008年7月28日 (月)

携帯電話の着うた提供業務の共同ボイコットに対する審決(公取委)

 本年7月24日、公正取引委員会は、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、エイベックス・マーケティング株式会社、ビクターエンタテインメント株式会社及びユニバーサルミュージック株式会社ら被審人4社に対して、独占禁止法(平成17年改正前)に基づき、審判審決を行いました。この事件は、平成17年4月に審判開始決定があり、以後、審判手続が続いていたものです。
 なお、勧告は上記被審人と他の1社(東芝EMI・勧告を応諾)を合わせた5社に対して、平成17年3月24日に出されています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

(審決の概要)
 5社は、共同して設立したレーベルモバイル株式会社に対し、原盤に録音された演奏者の歌声等の一部を携帯電話の着信音として設定できるよう配信する業務(「着うた提供業務」)を委託する一方、他の着うた提供業者に対し、原盤に録音された演奏者の歌声等の一部を送信可能とする権利等(「原盤権」)の利用許諾を行わないようにしている。

 被審人らが、共同して他の着うた提供業者に対し、原盤権の利用許諾を行わないようにしている行為は、「不公正な取引方法」(一般指定)1項1号(共同ボイコット・共同の取引拒絶)に該当し、独占禁止法19条(不公正な取引方法の禁止)に違反する。

(主文の概要)
ア 被審人らは、上記の行為を取りやめなければならない。
イ 被審人らは、それぞれ、次の事項を自社を除く3社並びに東芝イーエムアイ及びレーベルモバイルに対し通知するとともに、自社の従業員及び他の着うた提供業者に周知しなければならない。これらの通知及び周知の方法については、あらかじめ、公正取引委員会の承認を受けなければならない。
 (ア) 上記アに基づいて採った措置
 (イ) 今後、前記行為と同様の行為を行わず、被審人らがそれぞれ自主的
   に、原盤権の利用許諾の可否を決定する旨
ウ 被審人らは、今後、それぞれ自主的に、原盤権の利用許諾の可否を決定しなければならない。
エ 今後、被審人らは、前記行為と同様の行為を行うことがないよう、それぞれ、各社における原盤権の利用許諾に関する業務の担当者に対し、独占禁止法の遵守に関しての行動指針に基づく同法に関する研修及び法務担当者による定期的な監査を行うために必要な措置を講じなければならない。

(本件の争点)
 本件の争点としては、5社が共同して利用許諾を拒絶していたか否か(共同性の有無)という点と措置の必要性の2点が挙げられています。

 本件の審判審決は、まず、5社が共同して利用許諾を拒絶していたか否か(共同性の有無)については、利用許諾を拒絶した各行為につき、5社間における明示の意思の連絡を直接証するものは存しないものの、5社が共同して設立、運営するレーベルモバイルに対し着うた提供業務を委託する一方で、他の着うた提供業者からの楽曲の利用許諾等の申入れに対し、5社が利用許諾をしたことはほとんど皆無であった事実、その申入れに対する5社の対応状況、などの間接事実を総合して判断すれば、5社間において、相互に他の4社も利用許諾を拒絶することを認識して、これを認容した上で、他の着うた提供業者からの利用許諾の申入れに対して拒絶していたものと認められ、意思の連絡があったと認められる、としました。。

 つぎに措置の必要性については、現在に至るまで、その共同取引拒絶行為を取りやめたことを対外的に明らかにするような行動を採ったものと認めることはできず、また、利用許諾が行われるようになった状況を認めるべき事情もないから、被審人らによる当該行為はなお継続していると認めるべきである、として、措置の必要性を認め、主文のような措置を命じたものです。

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