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2008年6月10日 (火)

ヤミ金融事件など最高裁判決3つ(最高裁)

 今日(6/10)は、最高裁判所第3小法廷の興味深い判決が3つ出されており、即日、最高裁サイトで公表されています(速い!!)。
 → 最高裁サイト 最高裁判所判例集ページ
 3つの記事にするのもしんどいので、まとめてどうぞ。

 1つは、民事訴訟法248条の損害額の裁量認定に関して、
「・・・・損害額の立証が極めて困難であったとしても,民訴法248条により,口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づいて,相当な損害額が認定されなければならない。そうすると,被上告会社の上記採石行為によって上告人に損害が発生したことを前提としながら,それにより生じた損害の額を算定することができないとして,上告人の本件土地1の採石権侵害に基づく損害賠償請求を棄却した原審の上記判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。」として、高裁判決を破棄して、差し戻したもの。

 次に、五菱会のヤミ金融に関して、借り主が損害賠償を求めた訴訟につき、借り入れた元本部分の金額についても損害として算定できるか、を判断したものです。たぶん、これを一番マスコミが取り上げると思いますが、最高裁判決は、
「反倫理的行為に該当する不法行為の被害者が,これによって損害を被るとともに,当該反倫理的行為に係る給付を受けて利益を得た場合には,同利益については,加害者からの不当利得返還請求が許されないだけでなく,被害者からの不法行為に基づく損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として被害者の損害額から控除することも,上記のような民法708条の趣旨に反するものとして許されないものというべきである。」とし、「・・前記事実関係によれば,著しく高利の貸付けという形をとって上告人らから元利金等の名目で違法に金員を取得し,多大の利益を得るという反倫理的行為に該当する不法行為の手段として,本件各店舗から上告人らに対して貸付けとしての金員が交付されたというのであるから,上記の金員の交付によって上告人らが得た利益は,不法原因給付によって生じたものというべきであり,同利益を損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として上告人らの損害額から控除することは許されない。」として、元本部分に関する借り主の敗訴部分を破棄して、これも高裁に差し戻しました。

 そして、預託金会員制のゴルフクラブの会員が、そのクラブの名称を用いてゴルフ場を経営していた会社の会社分割によりその事業を承継し引き続き同クラブの名称を使用している被上告人に対して、会社法22条1項が類推適用されると主張して預託金の返還等を求めた訴訟で、最高裁判決は、事業譲渡に関する最高裁判決を引用したうえで、
「・・・このことは,ゴルフ場の事業が譲渡された場合だけではなく,会社分割に伴いゴルフ場の事業が他の会社又は設立会社に承継された場合にも同様に妥当するというべきである。」として、
 会員である上告人の控訴審敗訴部分を取り消したうえで、上告人の請求を認容しました。

 最近の最高裁判決は、補足意見や反対意見も結構読み応えがあり面白いです。ただ、残念ながら、こちらもそれを全部フォローする時間がありませんです。興味のある方は、各判決の補足意見、反対意見もお読み下さい。特に法学の学生の方は是非お読みになって、各裁判官の意見をじっくり味わっていただければと思います。

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