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2008年6月の記事

2008年6月30日 (月)

ヤマダ電機に対する排除措置命令(公取委)

 公正取引委員会は、株式会社ヤマダ電機(前橋市)に対し、独占禁止法19条(大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法7項に該当)に違反するものとして、排除措置命令を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)
 → 大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法

 今年5月、6月と、スーパー2社(マルキョウ、エコス)に対して、同種の排除措置命令が出されましたが、今回は、大手家電量販店のヤマダ電機が対象となっています。
 → 関連の当ブログ記事
 「スーパーの納入業者への不当行為に対する排除命令(公取委)」(5/23)
 「また、スーパーに対する排除措置命令(公取委)」(6/24)

 ヤマダ電機に対しては、昨年5月、公取委が立入検査に入ったことが報道されていました。
 → その時の当ブログ記事
     「家電量販店の優越的地位の濫用」(07/5/10)

 なお、ヤマダ電機は自社サイトにて、本日付で、「公正取引委員会からの指導の件」というタイトルで、「当社は、昨年の公正取引委員会の立ち入り調査を踏まえて、コンプライア ンス体制の改善構築に努力してまいりましたが、この度の公正取引委員会の 排除命令を真摯に受け止めて、業界のリーダーとしてより一層のコンプライ アンス体制の強化に努める所存であります。」としています。タイトルにある「指導」というのは、ちょっとどうかとは思いますね。単なる行政指導ではありませんので。

(違反行為の概要)
(1) ヤマダ電機は、店舗の新規オープン及び改装オープンに際し、自社と継続的な取引関係にある商品の納入業者であって、その取引上の地位が自社に対して劣っているものに対し、当該納入業者の納入に係る商品であるか否かを問わず当該店舗における商品の陳列、商品の補充、接客等の作業を行わせるために、あらかじめ当該納入業者との間で派遣の条件について合意することなく、かつ、派遣のために通常必要な費用を負担することなく、その従業員等を派遣させている。
(2) ヤマダ電機は、パーソナルコンピュータ等の納入業者であって、その取引上の地位が自社に対して劣っているものに対し、あらかじめ当該納入業者との間で派遣の条件について合意することなく、かつ、派遣のために通常必要な費用を負担することなく、当該納入業者から購入した商品のうち、店舗における展示のために使用したもの及び顧客から返品されたものを「展示処分品」と称して販売するために必要な設定の初期化等の作業のために、その従業員等を派遣させていた。

(排除措置の概要)
(1) ヤマダ電機は、前記(1)の行為を取りやめるとともに、当該行為を取りやめる旨及び今後当該行為と同様の行為を行わない旨を取締役会において決議しなければならない。
(2) ヤマダ電機は、前記(2)の行為を取りやめている旨を確認すること及び今後当該行為と同様の行為を行わない旨を取締役会において決議しなければならない。
(3) ヤマダ電機は、前記に基づいて採った措置を自社と継続的な取引関係にある商品の納入業者に通知するとともに、自社の従業員に周知徹底しなければならない。
(4) ヤマダ電機は、今後、前記行為と同様の行為を行ってはならない。
(5) ヤマダ電機は、今後、次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
ア 納入業者との取引に関係する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成又は改定
イ 納入業者との取引に関係する独占禁止法の遵守についての,役員及び従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査

2008年6月27日 (金)

マツダに対する下請法違反事件勧告(不当減額)

 本日、公正取引委員会は、マツダ株式会社(広島県)に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)に違反するとして、勧告を行っています。
 自動車の部品製造の下請業者に対する不当減額事案です。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

(違反事実の概要)
 マツダは、乗用車及びトラックの部品の製造を下請事業者に委託しているところ、単価改定について合意した下請事業者に対し、単価改定の合意日前に発注した部品について単価改定後の単価をさかのぼって適用し、下請事業者に支払うべき下請代金の中から単価改定前の単価と単価改定後の単価との差額に相当する額を差し引くことにより、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、当該下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた(減額した金額は、下請事業者58社に対し、総額7億7863万9485円。)。

 なお、同社は、公取委が調査を開始したところ、取締役会において、前記減額行為が下請法の規定に違反するものであること、今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じないこと、再発防止策を講じること等を決議し、その内容を自社の役員及び従業員に連絡するとともに、自社が採った措置をすべての下請事業者に連絡している、とのこと。また、同社は既に下請事業者に対し減額分を返還している、とのこと。

(勧告の概要)
 今後、再び下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じることのないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じること。

2008年6月26日 (木)

正当防衛に関する最高裁決定をもう一つ

 別に私は刑事事件の正当防衛に特に関心を持つわけではないのですが、このブログで正当防衛に関する裁判例を2件ばかり紹介してきました。
 → 直近記事は「『自招危難』に正当防衛を認めなかった最高裁決定」(5/27)
 で、正当防衛に関する最高裁の昨日の決定が最高裁サイトで公表されてましたので、成り行き上(?)ご紹介しておきます。「正当防衛」と「過剰防衛」については、条文だけ挙げておきますね。
 今回の事案は、暴行が2段階に分かれていて、結果的に死亡に至ったのは最初の暴行であった、というのと、最初の暴行と2番目の暴行との間の性質が異なる、という点がポイントです。

刑法36条
1項(※正当防衛※)
 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
2項(※過剰防衛※)
 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

  平成20年6月25日最高裁第一小法廷決定
               傷害被告事件(上告棄却)

【事案】
 以前にも被告人に対して因縁を付けて暴行を加えたことがあった甲(被害者)が、被告人に対し「ちょっと待て。話がある。」と呼び掛けた。少し移動した所で、被告人は、甲からいきなり殴り掛かられ、これをかわしたものの、腰付近を持たれて付近のフェンスまで押し込まれた。甲は更に被告人をフェンスに押し付けて、ひざや足で数回けったため、被告人も甲の足を絡めたり、けり返したりした。
 その現場に甲の知人2名が近付いてきたため、被告人は、甲の知人らに対し「おれはやくざだ。」と威嚇し、甲の顔面を1回殴打した。
 次に、甲は、アルミ製灰皿(高さ60㎝)を被告人に投げつけた。被告人は、灰皿を避けて、反動で体勢を崩していた甲の顔面を殴打したため、甲は頭部から転倒して、後頭部をタイルの敷き詰められた地面に打ち付け、動かなくなった。(ここまでの被告人の暴行を「第1暴行」という)

 被告人は憤激の余り、動かなくなった甲に対し、「おれを甘く見ているな。おれに勝てるつもりでいるのか。」などと言い、その腹部等を足げにしたり、足で踏み付けたりし、さらに、腹部にひざをぶつけるなどの暴行を加えた。(この暴行を「第2暴行」という)

 甲は、第2暴行により、肋骨骨折、脾臓挫滅、腸間膜挫滅等の傷害を負った。救急車で搬送され、数時間後に頭部打撲による頭蓋骨骨折に伴うクモ膜下出血で死亡したが、この傷害は第1暴行によって生じたものであった。

【1審判決】
 過剰防衛による傷害致死罪が成立するとして、懲役3年6月の刑。

【原判決(東京高裁)】
 被告人の第1暴行については正当防衛が成立するが(つまり第1暴行による傷害致死は無罪)、第2暴行については,甲の侵害は明らかに終了している上、防衛の意思も認められず、正当防衛ないし過剰防衛が成立する余地はないから、被告人は第2暴行によって生じた傷害の限度で責任を負うべきであるとして、被告人の正当防衛行為により転倒して動かなくなった甲に対し、その腹部等を足げにしたりなどし、さらに腹部にひざをぶつけるなどの暴行を加えて、肋骨骨折等の傷害を負わせたもので、傷害罪が成立するとして、懲役2年6月の刑。
 死亡の結果と第2暴行は関係ないので傷害致死罪ではなく、結果的に1審より軽い刑となった。

【最高裁決定】
 弁護側は、第1暴行と第2暴行は分断せず一体のものとして評価すべきであって、前者について正当防衛が成立する以上、全体につき正当防衛を認めて無罪とすべきであるなどと主張したのに対して、
 第1暴行で転倒した甲が更なる侵害行為に出る可能性はないことを認識した上で、被告人は専ら攻撃の意思に基づいて第2暴行に及んでいるのであるから、第2暴行が正当防衛の要件を満たさないことは明らか、とし、両暴行は、甲による侵害の継続性及び被告人の防衛の意思の有無という点で、明らかに性質を異にし,被告人が前記発言をした上で抵抗不能の状態の甲に対して相当に激しい態様の第2暴行に及んでいて、その間には断絶があるというべきである。両暴行を全体的に考察して、1個の過剰防衛の成立を認めるのは相当でなく、正当防衛に当たる第1暴行については、罪に問うことはできないが、第2暴行については、正当防衛はもとより過剰防衛を論ずる余地もないのであって、これにより甲に負わせた傷害につき、被告人は傷害罪の責任を負うというべき、として、原審判決の判断を維持した。

2008年6月25日 (水)

下請修理業者への自動車購入強制に関する損害賠償請求訴訟

 夕方に毎日が報じているものですが、奈良の自動車修理会社が今日、奈良トヨタ自動車に損害賠償を求める裁判を奈良地裁に起こした、ということです。

 修理の下請の取引継続の見返りとして自動車購入を強制されたという主張のようです。この修理会社が奈良トヨタから取引停止を通告されたため、紛争化した模様。
 報道によれば、修理会社側の主張は、「奈良トヨタは取引の優越的地位を利用し車購入を強制した。下請け業者への物品購入強制を禁じた下請法に違反している。」ということですね。ここらが、私の興味をくすぐったところです。
 独占禁止法の「不公正な取引方法」や下請法の違反の主張に基づいた民事訴訟がもっとあってもいいと、以前から思っているからです。
 実は、7月12日(土)の夜には、私が代表(形だけですが)をしている独占禁止法公正取引研究会の主催で、一橋大の松本恒雄教授をお呼びして、独占禁止法の私法的効力についての講演を予定しています。ご承知かと思いますが、松本教授は、独占禁止法の研究者ではなく、民法、消費者法の権威(という表現は怒られるかな)です。

 話を戻しますが、被告となった奈良トヨタ側も、取引停止に至った理由については、言い分があるようで、この事件について、現時点で、どちらがどうというような判断をすることはできません。
 ただ、当ブログでも、優越的地位濫用事案、下請法違反事案を紹介している通り、この種の下請業者への各種強制というのは、よくあることですので、こういった訴訟がもっとあってもいいのではないか、と思っています。

 いつも言っていることで恐縮ですが、強い立場にいる取引先から、こういった商品購入や協力金支払などを不当に求められて困っている業者の方は、もっと弁護士さんに相談してみては。。。と思います。

 そういえば、日本弁護士連合会(日弁連)消費者問題対策委員会独占禁止法部会でも、フランチャイズ契約に関して、本部側(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)の問題について話題になっておりまして、これも関連する問題ですね。 

2008年6月24日 (火)

「アメリカ合衆国財務証券」詐欺と田原最高裁判事意見

 最高裁サイトで紹介されている最高裁判決です。先日、3つ一緒に紹介した判決同様に、第3小法廷判決です。(最高裁サイト参照)

 平成20年6月24日最高裁3小判(破棄差戻)損害賠償請求事件

 これは、大きく報道された先日の第3小法廷判決のヤミ金に対する損害賠償請求事件と同じような問題を含むものです。この判決については、今日、先に北海道大町村教授のブログでも紹介されています。

 本件は、「アメリカ合衆国財務省証券」の購入資金名下に金員を騙取された、という投資詐欺事案で、ヤミ金事案とはちょっと背景が異なると思います。

 そして、ここで問題となっているのは、投資資金に対して、いくらかの金員が配当金名目で投資者に返されており、その金額を損害から控除すべきかどうか、という点です。
 今回の判決は、「本件詐欺が反倫理的行為に該当することは明らかであるところ、被上告人は,真実は本件各騙取金で米国債を購入していないにもかかわらず、あたかもこれを購入して配当金を得たかのように装い、上告人らに対し、本件各仮装配当金を交付したというのであるから、本件各仮装配当金の交付は、専ら、上告人らをして被上告人が米国債を購入しているものと誤信させることにより、本件詐欺を実行し、その発覚を防ぐための手段にほかならないというべきである。そうすると,本件各仮装配当金の交付によって上告人らが得た利益は、不法原因給付によって生じたものというべきであり、本件損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として本件各騙取金の額から本件各仮装配当金の額を控除することは許されないものというべきである。」としました。つまり、配当金を交付しているのは、詐欺の手段に他ならないから、それを差し引くのは、不法原因給付の返還となるから差し引かない、ということです。

 これに対して、大阪弁護士会出身の田原睦夫裁判官は、反対意見を書かれています。
 先日のヤミ金判決でも田原裁判官は、補足的な意見を書いておられますね。そちらは、多数意見と同様にヤミ金から貸し付けられた形の元本部分も控除すべきではない、という結論には同調されておりながら、今回の事案は、支払われた配当金を控除すべきではない、と結論においては逆になっています。
 前にも書きましたが、この結論的には違った田原裁判官の意見を読み込むと、法律解釈の面白さが感じられます。

 ここのところは、実質的には、投資商法の道具として配当金がどのような役割があったか、というような判断に関わるのだろうと思います。本来の原則的な理屈としては、田原裁判官の反対意見が妥当と思うのですが、私自身の経験でも、豊田商事事件以降、最近の「円」なんとかの事件も含めて、まずはそれなりの多額の配当金や利益でもって信用させるというのが定番ですので、詐欺の要素が強い事案については、それに要した費用を詐欺業者側に認めてやる必要はないように思います。普通の取引での経費控除とは違います。詐欺師側の利得剥奪の点から見るか、被害者側の実損失から見るか、という問題なのかもしれません。
 そういう意味では、現在の日本の民法の損害賠償制度が被害者側の損害填補を原則としていることとも根本では関連するかもしれません。詐欺師の懲罰的な意味を重要視すれば、当然、そんな詐欺の道具部分の控除を認めてやる必要はないことになりますよね。

また、スーパーに対する排除措置命令(公取委)

 昨日(零時を回ったので・・)、公正取引委員会は、株式会社エコス(東京都昭島市)に対し、独占禁止法19条(大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法2項、7項及び8項)に違反するとして排除措置命令を行いました。
 → 公取委報道発表資料(PDF)

 先月には、同じく食品系スーパーのマルキョウの納入業者への行為に対して、排除措置命令がなされましたが、それと同様のものですね。
 → 「スーパーの納入業者への不当行為に対する排除命令(公取委)」
                        (5/23)

(違反行為の概要)
(1) エコスは、自社及び子会社3社(シーズンセレクト、マスダ、やまうち)の店舗の開店及び閉店に際し、食料品及び雑貨の納入業者であって、その取引上の地位が自社に対して劣っているもののうち、和日配、洋日配、一般食品及び菓子の各仕入部門に係るものに対し、納入業者の責めに帰すべき事由がないにもかかわらず、当該店舗の閉店に際して割引販売をすることとした商品及び開店に際して最初に陳列する商品について、割引販売前の販売価格に100分の50を乗じる等の方法により算出した額をその納入価格から値引きさせていた。
(2) エコスは、自社及び子会社3社の店舗の開店及び閉店に際し、納入業者に対し、あらかじめ納入業者と派遣の条件について合意することなく、かつ、派遣のために通常必要な費用を負担することなく、その従業員等が有する技術又は能力を要しない当該店舗における商品の陳列、補充等の作業を行わせるためにその従業員等を派遣させていた。
(3) エコスは、自社及び子会社3社の店舗の開店に際し、和日配及び惣菜の各仕入部門に係る納入業者に対し、事前に算出根拠、目的等について明確に説明することなく、「即引き」と称して、開店に当たって納入させる特定の商品について、その納入価格を通常の納入価格より低い価格とすることにより、当該価格と通常の納入価格との差額に相当する経済上の利益を提供させていた。
(4) エコスは、自社及び子会社3社の店舗の開店に際し、和日配及び洋日配の各仕入部門に係る納入業者に対し、事前に算出根拠、目的等について明確に説明することなく、「協賛金」と称して、金銭を負担させていた。

(排除措置の概要)
(1) エコスは、前記行為を取りやめている旨を確認すること及び今後同様の行為を行わない旨を、取締役会において決議しなければならない。
(2) エコスは、(1)に基づいて採った措置を自社と継続的な取引関係にある食料品又は雑貨の納入業者に通知するとともに、自社の従業員に周知徹底しなければならない。
(3) エコスは、今後、前記行為と同様の行為を行ってはならない。
(4) エコスは、今後、次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
ア 納入業者との取引に関係する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成
イ 納入業者との取引に関係する独占禁止法の遵守についての、役員及び仕入担当者に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査

2008年6月23日 (月)

ペットの取引表示の実態調査報告(公取委)

 公正取引委員会は、いろいろな取引についての実態調査を行って報告書を作っているのですが、本日は、「ペット(犬・猫)の取引における表示に関する実態調査報告書」というのを公表しています。ペットショップなどから消費者が犬や猫を買うという取引における表示に関してのものです。ちょっと目新しくて、面白いですね。
 犬や猫を購入するときに、消費者側が注意すべき点の参考資料にもなると思いますよ。
 → 報告書(概要)(PDF)
 → 報告書(全文)(PDF)

  まず、「ペットの生体市場の概要」(市場規模、販売頭数、飼育頭数)、「純血種,犬(猫)籍団体等について」「流通経路」「関連事業者」(ブリーダー、せり事業者、卸売業者、小売業者 )、「ペット取引における表示に関する法規制」(動物愛護管理法、特定商取引法)、「ペット取引において消費者に伝達される情報」(事業者に関する情報、生体に関する情報)などについての調査報告があり、
 「調査結果と表示上の留意点」として、「事業者の選定及び事業者に関する表示」(小売業者の選定、ブリーダーに関する表示)、「購入する生体の選定及び生体に関する表示」(購入する犬・猫の選定、ワクチン接種、血統書の受取時期について、犬(猫)種のように記載される表示、チャンピオンの血統に関する表示)がとりまとめられています。本文で42ページにわたるものです。

上記の概要からちょっとご紹介すると・・・

(調査の趣旨等)
 ペットは、品種、販売価格、容姿、年齢等が個体により様々であるが、消費者がペットを購入する経験は少ない。そのため、消費者と小売業者との間で、持っている知識に大きな隔たりがある、消費者は購入の際に何を確認するべきなのかよく分からないまま購入しているといった指摘がなされている。そこで本調査においては、小売業者による表示の実態等を明らかにした上で、消費者の適正な商品選択を確保する観点から留意点を整理。

(小売業者における表示の実態及び表示上の留意点)
○ 「ブリーダーショップ」等のブリーダーである旨を表示する小売業者の中には、自家繁殖を行っていないものもいた。また,「ブリーダー直送」等のブリーダーと取引関係にある旨を表示する小売業者の中には、ブリーダーから直接仕入れていないものもいた。
誤解を招かないように、生体ごとに、自家繁殖によるものか、ブリーダーから直接仕入れたものか、又は他の手段により仕入れたものかを明りょうに表示することが望ましい。
○ 「ワクチン接種済み」等のワクチンに関する表示を行う小売業者の中には生体の販売価格とは別にワクチン接種費用を請求するにもかかわらず、その旨を表示しないものもいた。
ワクチン接種費用を生体の販売価格とは別に請求する小売業者においては、ワクチン接種費用が別途発生する旨を明りょうに表示すべきである。
○ 「血統書付」等の血統書があることを表示する小売業者のほとんどが、生体の引渡しと同時に消費者に対して血統書の引渡しを行っていない。
血統書があることを表示する小売業者において、血統書を生体の販売と同時に引き渡せない場合は、そのことについて消費者の理解が得られるよう説明に努めるべきである。また、同時に引き渡せない旨又は血統書の引渡しの時期の目安を併せて表示することが望ましい。
○ 「豆柴」、「ティーカップ・プードル」、「タイニー・プードル」等の、一般的な犬種よりも小型であることを強調する表示を行う小売業者の中には、成犬時の大きさの定義を設けずに表示を行うものもいた。
一般的な犬種よりも小型であることを強調する表示を行う小売業者においては、当該表示が犬種ではなく成犬時に予測される大きさに基づいた呼称である旨を明りょうに表示するとともに、当該表示を行う個体が成犬時にどれくらいの大きさになるかについて、定義を設け、かつ、当該定義を併せて表示することが望ましい。

ハマナカ毛糸の再販売価格拘束に対する排除措置命令(公取委)

 今日は、著作権関係の裁判のため、東京地裁に行ってきましたが、帰ってきてみると、最高裁サイトでは、先日書いた「まねきTV」事件東京地裁判決が出てるし、公取委サイトでは、いろいろ公表されているしで、どうしようかと思っておりますが、ひとまず、独占禁止法違反の排除措置命令の事件から。

 この話は、立入検査があったという報道について、昨年10月24日に当ブログで書いた事案に関する物です。
 → 「ハマナカの再販価格拘束」(07/10/24) 

 さて、本日、公正取引委員会は、ハマナカ株式会社(京都市)に対し、独占禁止法19条(不公正な取引方法・一般指定12項〔再販売価格の拘束〕1,2号)に違反するとして、排除措置命令を行いました。
 ネット販売に関しての再販売価格拘束という点では新しいものともいえます。

(違反行為の概要)
(1)
ア ハマナカは、平成17年9月ころ、その商品であるハマナカ毛糸について、値引き限度価格を定め、小売業者に対し、値引き限度価格以上の価格で販売するよう要請するとともに、卸売業者をして、当該卸売業者がハマナカ毛糸を販売する小売業者に対し、値引き限度価格以上の価格で販売するよう要請させている。
イ ハマナカは、前記の小売業者に対する要請の実行を確保するため、小売業者が当該要請に応じない場合には、当該小売業者又は当該小売業者の取引卸売業者に対するハマナカ経緯との出荷を停止するなどしている。
(2)
 ハマナカは、平成19年5月ころ、インターネットを利用した方法によりハマナカ毛糸を販売する場合においても、値引き限度価格以上の価格で販売するよう要請するとともに、卸売業者をして、当該卸売業者がハマナカ毛糸を販売している小売業者に対し、値引き限度価格以上の価格で販売するよう要請させている。

(排除措置命令の概要)
(1)ハマナカは、前記行為を取りやめるとともに、取締役会において当該行為を取りやめる旨および今後、当該行為と同様の行為を行わない旨を決議しなければならない。
(2)ハマナカは、(1)に基づいて採った措置を、卸売業者および小売業者に対し通知するとともに、一般消費者に周知し、かつ、自社の従業員に周知徹底しなければならない。
(3)ハマナカは、今後、ハマナカ毛糸の販売に関し、前記と同様の行為により、小売業者の販売価格を制限してはならない。

 

2008年6月20日 (金)

「まねきTV」事件訴訟は請求棄却(東京地裁)

 報道されている内容しかわからないので速報のみ。
 インターネットによるテレビ視聴システムの業者を、放送局が訴えている一連の事件の内、今日は、「まねきTV」事件の1審判決(東京地裁)があったようです。結果は、原告(放送局)の敗訴(請求棄却)ということです。

 この事件は、去年の3月頃にこのブログでも書きましたが、仮処分段階でも、東京地裁も東京高裁も、やはり放送局側の著作権侵害の主張を認めていませんでした。

 一方、先日(5/28)の判決で放送局側の主張が認められた、日本デジタル家電「ロクラク」のサービスについても、このブログでも取り上げましたが(6/1)、こちらは、訴訟に先立つ仮処分でも放送局側の主張が認められていました。
 → 「日本デジタル家電のテレビ録画視聴サービスの判決(東京地裁)」

 今回の判決の中身については、ある程度想像はつきますが、来週に恐らく判決が公開されると思いますので、それを確認してからご紹介します。

【追記】(6/23)
 本日、最高裁サイトに公開されました。

シンポジウムをもう1つ 「携帯電話と消費者」(日弁連)

 もう1つ、日本弁護士連合会(日弁連)のシンポジウムをご紹介。
 ただ、これも私は行きたいのですが、当日、島根県出雲市で講師の仕事があって参加できません。こっちは、電子商取引やら景品表示法の話をしてきます。

 さて、シンポですが、東京霞ヶ関の弁護士会館で、事前申込みは不要ということです。
 → 日弁連サイト紹介記事

◎「携帯電話と消費者
    -適正な携帯電話サービスのあり方を考える-」

 日弁連サイトの紹介では、「本シンポジウムでは、消費者トラブル事例を通じて、現場の声、事業者の意見、現行の立法・約款の問題点を整理し、ユビキタス社会を目指す前提として、誰もが安心して携帯電話を使えるような消費者保護の視点をもった携帯電話サービスのあり方や立法・約款規制の必要性の有無などを探っていきたいと思います。」ということです。
  • 日 時  7月5日(土)13:00~17:00
  • 場 所  弁護士会館2階 講堂クレオBC
                  (千代田区霞が関1-1-3)
  • 参加費等 無料
  • 内 容  問題提起   トラブル事例の紹介・報告
         パネルディスカッション
          携帯電話に関する様々な問題について
           パネリスト
            吉田 正彦(総務省総合通信基盤局
                 電気通信事業部消費者行政課企画官)
            新美 育文 (明治大学法学部教授)
            長田 三紀 (東京都地域婦人団体連盟事務局次長)
            携帯電話事業者(予定)
            齋藤雅弘(日弁連消費者問題対策委員会委員)
           コーディネーター
            横山哲夫・弘中絵里
                (日弁連消費者問題対策委員会幹事)
          質疑応答 など

消費者庁関連シンポ:東西1件ずつ

 消費者問題がらみのシンポジウムを2つばかりご紹介。

 まず、日本弁護士連合会(日弁連)のシンポジウム
「消費者庁で消費者被害はどう救済され、どう防止されるか」
◎日 時  6月21日(土)13:00~16:00
◎場 所  弁護士会館2階 千代田区霞が関1-1-3
◎参加費等 無料・事前申込不要
◎内 容
   消費者行政推進会議取りまとめについて
        吉岡 和弘 氏(弁護士・消費者行政推進会議委員)
   これまでの被害事例とその問題点   各弁護団からの報告
   パネルディスカッション
    パネリスト
    ・佐野 真理子(主婦連合会事務局長、消費者行政・推進会議委員)
    ・吉田 直美(盛岡市消費生活センター主査)
    ・中村 雅人(弁護士)
    ・池本 誠司(弁護士)
    ・江野 栄(弁護士)
 → 日弁連サイト紹介記事

次に、私も所属しているNPO法人消費者支援機構関西(KC’s )の通常総会の記念シンポジウムです。
「『消費者庁』構想とKC’sのできること
 -消費者契約法から特定商取引法・景品表示法に広がって-」

◎日 時 6月28日(土)14:00~16:30
◎場 所 大阪科学技術センター8階 (大阪市西区うつぼ公園横)
◎参加費等 無料
◎内 容
  KC’s が提起した「差止訴訟」の内容とその課題
    五條 操(KC’s検討委員、弁護士)
  「消費者庁」構想の今
    片山 登志子(日弁連消費者行政一元化推進本部副本部長、KC’s副理事長)
  パネルディスカッション
   「適格消費者団体への期待と役割が大きくなる中で、
    KC’sは何ができるのか・・・」
    パネリスト
     夷石多賀子(元東京都職員、日本女子大学非常勤講師)
     加納 克利(内閣府国民生活局消費者団体訴訟室 室長)
     黒木 理恵(KC’s検討委員会委員長、弁護士)
    コーディネーター 飯田 秀男(KC’s常任理事)
 ※会員外で参加される方は下記ウェブサイトの通り申込み下さい。
 → 消費者支援機構関西サイト(PDF)

 で、実は、私はどっちも残念ながら参加できませんのです。申し訳ない。

2008年6月18日 (水)

賃貸住宅の広告の不当表示

 本日、公正取引委員会は、株式会社エイブル(東京都港区)が媒介する賃貸住宅に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)及び同項3号に違反するとして、排除命令を行いました。
 4条1項3号というのは、1号、2号の優良誤認、有利誤認以外の不当表示であって公取委が指定しているもののことです。このブログでも最近キャビアの原産国の不当表示について書きましたが、その件もこの3号で、公取委が告示で指定しているものの内、「商品の原産国に関する不当な表示」についてでした。今回は、「不動産のおとり広告に関する表示」(末尾に貼り付けておきます。)に該当するとされたものです。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 同社のWebサイトでの説明によれば、発生原因は「システムへ入力したデータの人為的なチェックミス及びシステムの誤操作による誤表示」ということですが、「当社は、先般の公正取引委員会の立入り調査を受け、直ちにしかるべき措置を講じおりますが、この度の排除命令を厳粛に受け止め、今後は、全社を上げてコンプライアンスの徹底を図り再発防止に努めてまいります。」としています。

( 違反事実の概要)
 エイブルは、一般消費者に対し、住宅の賃貸借を媒介するに当たり、インターネット上に開設したウェブサイトや賃貸住宅情報誌に掲載した広告において、交通の利便の不当表示や建物の建築年月の不当表示、存在しない物件の表示、賃借中の物件の表示を行っていた。
 例えば、交通の利便の表示については、駅から徒歩約26分を要するのに、あたかも、徒歩16分の地点に所在するかのように表示したものとか、建築年月の表示については、1979年2月建築の物件を1996年5月に建築されたものであるかのように表示していたもの。これらは、4条1項1号(優良誤認)の問題。
 存在しない物件や賃借中(つまり新たに賃借できない)の物件の表示については、前述のおとり広告に該当。(下記告示の1号と2号に該当)

(排除措置の概要)
ア 前記優良誤認についての表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、前記おとり広告該当の表示は、実際には取引することができない不動産又は取引の対象となり得ない不動産についての表示である旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

「不動産のおとり広告に関する表示」(昭55・4・12公取委告示)
 自己の供給する不動産の取引に顧客を誘引する手段として行う次の各号の一に掲げる表示
1 取引の申出に係る不動産が存在しないため、実際には取引することができない不動産についての表示
2 取引の申出に係る不動産は存在するが、実際には取引の対象となり得ない不動産についての表示
3 取引の申出に係る不動産は存在するが、実際には取引する意思がない不動産についての表示

【追記】(6/18)
 上記は、公取委の排除命令ですが、不動産の表示に関する公正競争規約との関係がどうなっているのか、今のところ、よくわかりません。公正競争規約に基づく公正取引協議会の措置が優先するはずですが・・・エイブルは公正取引協議会の構成員ではなかったのかな?

2008年6月17日 (火)

インテリア製品の製造委託の下請法違反(不当減額)

 1ヶ月ぶりの下請法違反事件勧告ですね。

 本日、公正取引委員会は、株式会社ニトリ(札幌市)に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)に違反するとして同社に対して勧告を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料

(違反事実の概要)
 ニトリは、自社が販売する家具及びインテリア用品の製造を下請事業者に委託しているところ、コストダウンを図るため、下請事業者との間で、「協定販売促進費」と称して、平成18年2月21日から同19年2月20日までの期間の下請代金の額が一定額を超えた場合又は前記期間における下請代金の額が平成17年2月21日から同18年2月20日までの期間における下請代金の額に比して所定の率を超えて増加した場合には、下請代金の額に一定率を乗じて得た額をニトリに支払う旨の協定を締結していた。
 ニトリは、平成18年5月から同19年8月までの間、前記協定を締結した下請事業者に対し、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、当該下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた(減額した金額は,下請事業者計71名に対し,総額3億2945万6054円である。)
 なお、ニトリは、既に下請事業者に対し減額分を返還している。

(勧告の概要)
ア 前記減額行為が下請法の規定に違反するものである旨及び今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じることをしない旨を取締役会の決議により確認すること。
イ 前記アに基づいて採った措置及び下請代金の額から減じていた額を下請事業者に対し支払った旨並びに今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じることがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じるとともに、その内容等を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 前記ア及びイに基づいて採った措置並びに下請代金の額から減じていた額を下請事業者に対し支払った旨を取引先下請事業者に周知すること。

六甲のおいしい水(2リットル限定)の不当表示(景表法)

 これは、「六甲のおいしい水」という商品名自体が問題になったわけではないので、ご注意を。
 本日、公正取引委員会は、ハウス食品株式会社(大阪府東大阪市)が販売する「六甲のおいしい水」に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するとして、排除命令を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 どうやら、「六甲のおいしい水」の内、容量2 リットルの商品については、採水地が、それまでは神戸市灘区篠原南町(六甲山と神戸港の間です。阪急六甲駅の近く。)であったのが、平成17年1月ころから、神戸市西区井吹台東町(六甲山系の西側)に変更したようです。地質的なことなどは良く知りませんが、この採水地の変更により、六甲山系の花崗岩を通っていないことになり、不当表示ということになったようです。

 なお、ハウス食品のサイトの発表によれば、
 平成19年10月に公正取引委員会から調査・協力要請があり、当社は六甲山地の花崗岩層に接触した雨水が地下水流となり、六甲工場周辺地下にまで流れ込んでいるという専門家の見解もふまえ、その科学的根拠等を資料で示し、優良誤認には該当しないという説明をし、理解を求めてきたが、公取委は合理的根拠を示すものではないとして、今回の排除命令に至った旨を説明しています。
 同社は、指摘を受けたラベル表記は、本年1月18日製造分より削除しており、また、「本件はラベル表記に関する指摘であり、『六甲のおいしい水 2リットル』の安全性には全く問題はございません。」としています。

(違反事実の概要)
ハウス食品は、六甲のおいしい水の内、平成17年1月ころ以降販売している容量2リットルの商品について、取引先販売業者を通じて一般消費者に販売するに当たり、あたかも、当該商品の内容物が、六甲山系の花崗岩の割れ目を通ることにより当該花崗岩のミネラル分が溶け込んだ水であるかのように表示していたが、実際には六甲山系の花崗岩の割れ目を通ることにより当該花崗岩のミネラル分が溶け込んだ水であるとはいえず、かかる表示は,実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示であった。

(排除措置の概要)
ア 前記表示は、一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

2008年6月16日 (月)

平成19年度の企業結合の主要事例(公取委)

 先週金曜日(6/13)に、公正取引委員会から、「平成19年度における主要な企業結合事例について」が公表されています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 公正取引委員会が、主要な企業結合事例に係る審査結果について取りまとめて毎年公表しているものです。
 なお、企業結合審査における独占禁止法の適用の考え方や事前相談への対応方針については、「企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」(「企業結合ガイドライン」)および「企業結合計画に関する事前相談に対する対応方針」として策定・公表されています(平成19年3月改定)。
 → 「企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」(PDF)
 
→ 「企業結合計画に関する事前相談に対する対応方針」(PDF)

 今回の公表事例を目次から見ると(一部匿名あり)、

事例1 日立製作所とGEによる原子力事業の統合
事例2 三菱ウェルファーマと田辺製薬との合併
事例3 旭化成ケミカルズ及び日本化薬の産業用火薬事業の統合
事例4 新日本製鐵による王子製鉄㈱の株式取得
事例5 サンエツ金属による新日東金属からの事業の全部の譲受け
事例6 島津製作所による三菱重工業のターボ分子ポンプ事業の統合
事例7 TDKによるアルプス電気からの磁気ヘッド製造事業用の固定資産の譲受け
事例8 トプコンによるソキアの株式取得
事例9 三交ホールディングスによる名阪近鉄バスの株式取得
事例10 メディセオ・パルタックホールディングスによるコバショウの株式取得
事例11 A社とB社の事業統合

 ということです。

2008年6月14日 (土)

消費者庁設置の最終報告(消費者行政推進会議)

 昨日(6/13)、政府の消費者行政推進会議が最終報告「消費者行政推進会議取りまとめ~消費者・生活者の視点に立つ行政への転換~」を公表しています。

 内容的には、各マスコミで報道されている通りで、消費者庁の設置に関するもので詳しくは省きますが、参考のため上記の最終報告へのリンクをしておきます。
 → 首相官邸サイト・消費者行政推進会議(第8回議事次第)
      ※報告本文と概要などが資料(PDF)として添付されています。

2008年6月13日 (金)

「No.1表示」と「見にくい表示」の実態調査(公取委)

 本日、公正取引委員会が、表示に関する実態調査報告書を2つ公表しています。
「No.1表示に関する実態調査報告書」(PDF)
「見にくい表示に関する実態調査報告書―打消し表示の在り方を中心に―」(PDF)
の2つです(別に、両者の概要のPDFも有り)。

「No.1表示に関する実態調査報告書」のほうは、商品などの広告で、「No.1」「第1位」「トップ」「日本一」などと強調する表示について、実態調査を行って、景品表示法上の考え方なども示しています。

「見にくい表示に関する実態調査報告書―打消し表示の在り方を中心に―」は、消費者モニターによって見にくい表示を調査したもので、その中でも、「打消し表示」についての景品表示法上の検討に重点を置いています。
 ここで言う「打消し表示」というのは、事業者は表示に際して、消費者に特に訴求したい点を「強調表示」するわけですが、それだけでは通常は予期できない事項(例外条件、制約条件、追加的な費用を要する旨、特定の原材料が使用されているかのような表示をしているが実際には含まれていない旨等)で、一般消費者が商品・サービスを選択するに当たって重要な考慮要素となるものの表示のことを指しています。
 それで、「一般に,打消し表示は,事業者にとっては,一般消費者に対する商品・サービスの訴求効果を削ぐ効果を有するものであるために,積極的に表示したいと考えるような事項ではなく,他方,一般消費者にとっても,通常は予期できない事項であるため,一般消費者を誘引する際に事業者の側から積極的に情報提供しなければ,一般消費者には正しい情報が伝わらない」ことになりますので、この「打消し表示」の見にくいものについて特に取り上げているということのようです。

今度は、経済産業省関連を名乗る架空請求

 昨日、経済産業省が、「経済産業省の部局や経済産業省の関連団体かのような名称を名乗る架空請求による二次被害が発生しています!!」という注意喚起を公表しています。
 → 経産省サイト公表記事

 それによると、
「最近、経済産業省に寄せられる消費者相談において、いかにも経済産業省の部局又は経済産業省と関連のある団体かのような、以下の紛らわしい名称を名乗る組織による架空請求についての相談があります。
 これは、当省から業務停止命令を受けた事業者の不当勧誘によって被害を受けた消費者に対して「損害を取り戻すための費用が必要」などとして、有りもしない「費用」を請求する架空請求事案です。」
ということで、これまでに使われたことのある組織の名称として、

「中央経済産業局」
「経済産業振興会」
「経済産業協会(司法調査課)」

が挙げられています。ご注意下さい。

それにしても、いろいろとやってくるもんだ。

2008年6月12日 (木)

消臭剤等の除菌効果などの不当表示(景品表示法)

 本日、公正取引委員会は、小林製薬株式会社が販売する「トイレの銀の消臭元」と称する芳香消臭剤と「銀のブルーレットおくだけ」と称する水洗トイレ用芳香洗浄剤及び「銀のブルーレットおくだけつめ替用」と称する同詰め替え商品に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反する事実が認められたとして、排除命令を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 この件に関しては、当ブログの「『銀イオンの除菌効果』不当表示の自主公表」(2/13)に書いていますが、小林製薬が既に公表していたものです。ただし、今回の排除命令では、この記事で説明していた不実証広告(景品表示法4条2項)の規定を使わず、正面から効果がないことを認定しています。会社も効果のないことを認めざるを得なかったのかもしれません(想像です。)。
 同社も、本日、自社サイトにて本件につき公表しています。
 → 小林製薬サイト

【違反事実の概要】
 小林製薬は、トイレの銀の消臭元及び銀のブルーレットおくだけ2商品を取引先販売業者を通じて一般消費者に販売するに当たり、当該商品の容器の表面に「銀イオンで除菌」、「除菌」、「銀イオンで黒ズミを防ぐ」「銀イオンの働きで黒ズミの発生を防ぎ、便器をきれいに保ちます。」などと、それぞれ記載していたが、実際には、除菌したり黒ずみの発生することを防ぐことができるものではなかった。

【排除措置の概要】
ア 前記表示は、一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を取締役会の決議により確認するとともに、再発防止策を講じ、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
イ 今後、同様の表示を行わないこと。

 なお、今日は、景品表示法関係では、テレビ朝日の販売する運動機器「ロデオボーイⅡ」の減量効果に関する不当表示で、同社に対して警告が出されています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

2008年6月11日 (水)

特商法・割販法改正法案の審議状況(参議院)

 書きかけのような記事で恐縮です。

 特定商取引法割賦販売法の改正法案については、今日の参議院で可決成立しそうだ、という情報が入っていたのですが、私のわかる限りでは、可決していないようですね(間違ってたらごめんなさい。)。※追記参照※

 首相の問責決議の前に、必要な決議を午前中にやってしまうらしいということで、確かに少年法改正やネット有害規制の新法などいくつかの法律が可決成立していますが、これまでの報道を見る限りは、その中に特定商取引法等改正法が入っていないようです。

【追記】(6/11)
 上の本文を書いたのは、今日の夕方です。その後、夜になって産経と東洋経済のネット報道で、(ネット規制法の成立と関連して)割賦販売法の成立も報じているようです(割賦販売法の改正は特定商取引法の改正と同じ改正法案)。しかし、他では確認できず、また、関連のメーリングリストでも誰からも報告メールがなく、私としては、今のところ???というところです。
 明日にはわかる話ですが。

【追記】(6/12)
 今朝(6/12)の朝刊には、改正法成立が報じられているので、参議院サイトで確認すると可決成立となっていました。
 午前成立の13法案の1つだったのか、それとも、問責決議案の直前に滑り込んだのか。
 前者のような気がしますが、朝日が夕刊に書いていた「成立した主な法律」の中にも入れられてないし、他も同種の記事で一切触れなかったところを見ると、マスコミはあまり注目してないのかしら。
 指定商品制度の撤廃などの今回の改正は、かなり重要な改正だと思いますが。。。

2008年6月10日 (火)

ヤミ金融事件など最高裁判決3つ(最高裁)

 今日(6/10)は、最高裁判所第3小法廷の興味深い判決が3つ出されており、即日、最高裁サイトで公表されています(速い!!)。
 → 最高裁サイト 最高裁判所判例集ページ
 3つの記事にするのもしんどいので、まとめてどうぞ。

 1つは、民事訴訟法248条の損害額の裁量認定に関して、
「・・・・損害額の立証が極めて困難であったとしても,民訴法248条により,口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づいて,相当な損害額が認定されなければならない。そうすると,被上告会社の上記採石行為によって上告人に損害が発生したことを前提としながら,それにより生じた損害の額を算定することができないとして,上告人の本件土地1の採石権侵害に基づく損害賠償請求を棄却した原審の上記判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。」として、高裁判決を破棄して、差し戻したもの。

 次に、五菱会のヤミ金融に関して、借り主が損害賠償を求めた訴訟につき、借り入れた元本部分の金額についても損害として算定できるか、を判断したものです。たぶん、これを一番マスコミが取り上げると思いますが、最高裁判決は、
「反倫理的行為に該当する不法行為の被害者が,これによって損害を被るとともに,当該反倫理的行為に係る給付を受けて利益を得た場合には,同利益については,加害者からの不当利得返還請求が許されないだけでなく,被害者からの不法行為に基づく損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として被害者の損害額から控除することも,上記のような民法708条の趣旨に反するものとして許されないものというべきである。」とし、「・・前記事実関係によれば,著しく高利の貸付けという形をとって上告人らから元利金等の名目で違法に金員を取得し,多大の利益を得るという反倫理的行為に該当する不法行為の手段として,本件各店舗から上告人らに対して貸付けとしての金員が交付されたというのであるから,上記の金員の交付によって上告人らが得た利益は,不法原因給付によって生じたものというべきであり,同利益を損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として上告人らの損害額から控除することは許されない。」として、元本部分に関する借り主の敗訴部分を破棄して、これも高裁に差し戻しました。

 そして、預託金会員制のゴルフクラブの会員が、そのクラブの名称を用いてゴルフ場を経営していた会社の会社分割によりその事業を承継し引き続き同クラブの名称を使用している被上告人に対して、会社法22条1項が類推適用されると主張して預託金の返還等を求めた訴訟で、最高裁判決は、事業譲渡に関する最高裁判決を引用したうえで、
「・・・このことは,ゴルフ場の事業が譲渡された場合だけではなく,会社分割に伴いゴルフ場の事業が他の会社又は設立会社に承継された場合にも同様に妥当するというべきである。」として、
 会員である上告人の控訴審敗訴部分を取り消したうえで、上告人の請求を認容しました。

 最近の最高裁判決は、補足意見や反対意見も結構読み応えがあり面白いです。ただ、残念ながら、こちらもそれを全部フォローする時間がありませんです。興味のある方は、各判決の補足意見、反対意見もお読み下さい。特に法学の学生の方は是非お読みになって、各裁判官の意見をじっくり味わっていただければと思います。

新旧司法試験の短答式試験結果の公表(法務省)

 先月、このブログでも司法試験短答式試験について記事を2つばかり書きましたが、今月になって、法務省は、新旧の司法試験の短答式試験結果などをサイトで公表しています。
 → 平成20年度旧司法試験第二次試験短答式試験の結果
 → 平成20年新司法試験の結果について

 短答式試験の正解も出ていますよ。

 詳しくは、上のリンクで見ていただけますが、これらのうち、旧司法試験のほうだけを見ると(郷愁を込めて・・・でも、まだ実施されているのに「旧」というのもどうかと思うのですが)、

 ○ 出願者数  21,972人 対前年度比21.5%減
 ○ 受験者数  18,201人 対前年度比21.9%減
 ○ 合格者数   1,605人 対前年度比27.7%減
 ○ 年齢別構成    平均年齢  33.36歳
               最高年齢者 68歳
               最低年齢者 20歳
               24歳以下 208人
               25歳以上 1,397人
 ○ 性別構成     男  性  1,340人
               女  性    265人
 ○ 大学別合格者数一覧 ※出願者数は省きました。
    東京大   252   早稲田大  222
    中央大   150   慶應義塾大 143
    京都大   106   明治大    62
    同志社大   38   一橋大    34
    北海道大   32   東北大    31
    日本大    30   九州大    30
    大阪大    27   神戸大    27
    立命館大   22   名古屋大   22
    法政大    21   上智大    20
    青山学院大  19   関西大    17
    立教大    17   首都大学東京 13
    関西学院大  12   専修大    12
    金沢大    12   学習院大   11
    千葉大    11   横浜国立   10
    その他   202

2008年6月 8日 (日)

特定商取引法・割賦販売法改正と消費者団体訴訟・迷惑メール規制

 昨日、NPO法人の「消費者ネット関西」の定時総会があり、私も理事の1人ということもあって出席してきました。その総会の記念講演会として「消費者による消費者のための消費者庁」というテーマで原早苗さん(消費者行政推進会議委員)の講演がありました。
 現在、福田首相自らが推進する消費者庁の設置作業のまっただ中におられる原さんのお話には聴き入ってしまうとともに、短期間に厄介で様々な調整作業に献身されているそのご活躍の様子には感銘を受けました。
 → (ご参考)消費者行政推進会議のページ(首相官邸サイト内)

 そのお話の中に、現在、国会に提出されている「特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案」(以下、「特商法等改正案」とします。なお、衆議院は可決済。)が今国会で成立するかどうか、微妙なところになっているというのがありました。現在の政局の関係です。そういえば、このブログで何度も話題にしてきた独占禁止法等の改正法案は全く審議が進んでおらず、こちらは、ほぼ成立が難しい状況と言われています。

 さて、この「特商法等改正案」というのは、特定商取引法割賦販売法の対象として、これまで続いてきた「指定商品・指定役務」制度をやめて、商品・役務全般に対象を拡げるという極めて重要な改正が含まれています。また、特定商取引法による迷惑宣伝メール規制強化も入っています。迷惑メール規制強化に関しては、先日、総務省所管の特定電子メール法の改正は可決成立しており、そっちの法律と両輪の関係にある特定商取引法における改正がまだできていない、という中途半端な状況になっています。

 また、消費者団体訴訟制度特定商取引法違反行為(景品表示法も)にも拡げるという改正については、このブログの「景品表示法・特定商取引法に消費者団体訴訟を導入する法律成立」(4/25)に書いた通り、上の「特商法等改正案」とは別の消費者契約法等の改正法案の内容になっているので、既に国会で可決成立済みです。
 ただ、問題は、この団体訴訟制度導入の施行日なのです。原則的な施行日は来年4月1日なのですが(したがって景品表示法違反についての団体訴訟はこの日が施行日になります。)、特商法違反行為の団体訴訟制度に関しては、上記「特商法等改正案」施行日からとなっていて、「特商法等改正案」が成立しないことには、いつまでも特商法への団体訴訟制度が施行できないということになります。

 今週の国会の動きが注目されます。

【追記】(6/10)
 情報によれば、何とか明日11日の参議院本会議で可決成立しそう・・・という方向になってきたようですね。

2008年6月 6日 (金)

国民生活センターからの注意喚起2題などなど

 先日から、東京地検を名乗る不審電話の記事を書いていますが、同様の「不審もの」2件について、国民生活センターが注意を呼びかけています。
 → 国民生活センターサイト

 ひとつは、「『東亜保険株式会社』を名乗る業者に注意!!」
 これも、どうやら個人情報の収集目的と思われますね。

 もうひとつは、「無料サイトがきっかけで出会い系サイトのトラブルに-期待を抱かせる巧妙な手口で不当な請求-」というのですが、これは、無料の懸賞サイト、占いサイト、着メロサイトなどに登録したら、勝手に出会系サイトに登録されてメールが届くなどの相談が増えているという話。
 そうです。当ブログ5月20日付「懸賞サイトに登録したら出会系メールが来た・・・という記事(日経パソコン)」でご紹介した事案を含むものですね。

 国民生活センターのサイトを見てたら、3月28日付で、「国民生活センター委員をかたる架空請求について」というのまでありました。

 何とかしないといけませんねぇ。

2008年6月 5日 (木)

システム手帳「fILOFAX」の原産国不当表示(公取委)

 公正取引委員会は、本日、日本シイベルヘグナー株式会社(東京都港区)が販売する「fILOFAX」(ファイロファックス)ブランドのシステム手帳に係る表示について、景品表示法4条1項3号(商品の原産国に関する不当な表示)に違反するとして、同社に対して、排除命令を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 原産国が英国である、と明記していたわけではなく、下記の通りの国旗の表示方法(詳しくは上記の公取委サイトの現物を参照下さい)であったわけで、この手のブランド商品の表示の問題としては、結構、影響があるのではないかと思われますね。

(違反事実の概要)
 日本シイベルヘグナーは、fILOFAXブランドのシステム手帳を取引先販売業者を通じて一般消費者に販売するに当たり、小売店の店頭に陳列された商品の見本に挟み込んだインデックスに英国の国旗をデザインしたものを記載するという表示をしていたが、当該商品のうち、大部分の商品の原産国は中国であり、その他の商品の原産国はインドであった。

(排除措置の概要)
ア 前記表示は、fILOFAXブランドのシステム手帳の原産国について一般消費者に誤認される表示である旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

鋼管・鋼矢板の価格カルテル(公取委)

 昨日(6/4)、公正取引委員会は、鋼管杭及び鋼矢板の製造販売業者に対し、独占禁止法3条(不当な取引制限の禁止)に違反する行為を行っていたとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行いました。価格カルテル・談合関連では良く見る会社名がまた出てきてます。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 課徴金納付命令については、JFEスチール、新日本製鐵、クボタが、総額20億3006万円の支払を命じられています。
 課徴金減免制度(リニエンシー)の適用については、違反行為を行った4社の内、住友金属が公取委の調査着手前に違反を自主申告したため、課徴金納付命令の対象外となりました。
 また、新日鉄は2番目に申告して、課徴金が50%減額されています。そして、クボタは鋼管杭、JFEスチールは鋼矢板について、それぞれ3番目に申告したとして、課徴金が30%減額されています。
 → 公取委サイト減免制度適用事業者公表ページ
 → 公取委サイト課徴金減免制度ページ

(違反行為概要)
(1)鋼管杭

 JFEスチール、クボタ、新日本製鐵、住友金属工業は、特定鋼管杭について、建設業者の区分ごとに、建設業者向け販売価格を現行価格から一定価格以上に引き上げることにより、公共の利益に反して、我が国における特定鋼管杭の販売分野における競争を実質的に制限していた。
(2)鋼矢板
 JFEスチール、新日本製鐵、住友金属工業株式会社は、特定鋼矢板について、大手ゼネコン向け、大手ゼネコン以外の建設業者向けについて、それぞれ、一定価格以上に引き上げることを合意することにより、公共の利益に反して、我が国における特定鋼矢板の販売分野における競争を実質的に制限していた。

2008年6月 3日 (火)

続:東京地検を名乗る悪質電話

 昨日(6/2)、東京地方検察庁を名乗る不審な電話について書きましたが、今日、東京地検は改めて注意喚起の公表をしています。
 → 東京地検サイト当該ページ

 これを見ると、やはり個人情報を聞き出そうとするもののようですね。

いわく、

 東京地方検察庁を名乗る悪質電話にご注意下さい。
 最近,東京地方検察庁の名を騙った不審な電話がかけられているという情報が多数寄せられております。
 不審な電話の内容は,次のとおりです。
1 音声ガイダンスにより,「東京地検です,昨日,召喚状を発送しましたので,プッシュホンで0か7を押してください。」と流れた上,ボタンを押すと「○○○○-○○○○にかけてください。」などと言われ,電話が切断するもの
2 肉声により「あなたはカード詐欺の被害に遭っています。あなた名義のクレジットカードが偽造されており,あなたの被害額は○○○円で,今,供託金を支払えば被害金が戻ることがありますので,さしあたり,住所等を教えてください。」などと言って,個人情報を聞き出そうとするもの
です。
 電話をかけてきた者が,電話を受けたお宅の名字をあらかじめ知っていたとの情報もあり,今後,電話連絡により様々な手口を用いて,住所などの個人情報を聞き出したり,金銭の支払いを求めるといった悪質行為が予想されますので,十分にご注意下さい。
 また,東京地方検察庁を名乗る不審な電話やメール,郵便物等が送られた場合は,当庁までご相談下さい。

 というものです。

 検察庁も意地でも検挙してほしいものです。
 さて、どういう犯罪に該当するでしょうか?

担保不動産の任意売却に関する今朝の日経報道

 本日、日経が「担保不動産を迅速に処分、手続き簡素化 自民調査会方針」という報道をしています。
 要するに、自民党司法制度調査会が、担保不動産の任意売却に関する制度改正の方針を固め、次期国会に法案提出を目ざすというものです。

 担保(多くは抵当権、根抵当権)の付けられた不動産を換価して、債権者の配当に充てるには、本来的には裁判所による競売手続によることになるわけですが、債権者(担保権者)の同意を得て、裁判所手続によらずして、売却して、代金を配当するというのが任意売却です。

 さて、上の報道だけを見ると、今の競売手続とは別に、任意売却についても売却しやすくするように法律を改正する、つまり、早い話が、担保権者全員の同意がなくても任意売却が可能な制度を作ろうということのようですね。
 ただ、この件については、政府が規制改革の一環として検討を進めてきた「非司法競売手続」の導入の動きと関連しているものです。
 今日のところは、日経記事以上の詳しい材料はなく、また、特にコメントする時間もない(能力も、か)ですので、ひとまず、下に関連リンクだけしておきます。

 なお、この動きにコメントを続けておられる不動産鑑定士さんのブログでは、今回の自民党司法制度調査会は、法務省競売制度研究会の案のうち、「新B案」で結論をとりまとめる方向と伝聞する、としておられます。
 → ブログ「鄙からの発信」(5/30記事)

〈関連リンク〉
◎ 法務省・「競売制度研究会報告書」 平成20年3月
◎ 日弁連・「非司法競売手続に関する意見書」 平成19年11月
◎ 日弁連・「非司法競売手続に関する追加意見書」平成20年3月
◎ 大阪弁護士会・「非司法競売手続の導入に反対する会長声明」(PDF)
     平成20年2月(他弁護士会からも同種のものが出てます。)
◎ 内閣府・「不動産競売制度の改善方策に関する調査」
    関連業者・専門資格者アンケート 調査結果概要
(PDF)
     平成19年12月
◎ 内閣府など・「不動産競売制度に関する国民意識調査」調査結果概要
    (PDF)平成19年12月

【追記】(09/3/17)
 自民党が任意売却促進の法案をまとめたとの報道が日経でありましたので、こっちの記事へのリンク記事を書いておきました。
 → 「担保不動産の任意売却促進の法案(自民党)」(09/3/17)

2008年6月 2日 (月)

今度は東京地検を名乗る悪質電話だそうな

 4月30日付で「東京裁判所」を名乗る不審電話について書きました。
 → 「裁判所からの自動アナウンスの不審電話??」(4/30)

 今度は、法務省や検察庁のサイトに、「東京地方検察庁を名乗る悪質電話にご注意ください」というのが出ていました。内容は、後記の通りですが、上記の裁判所を名乗るのと大変良く似ています。どういう目的でどのような者がやっているのか、気持ち悪いですね。

〈公表内容〉
 最近,悪質電話の相談が多数寄せられております。
 その内容は,音声ガイダンスにより,「東京地検です。昨日,召喚状を発送しましたので,プッシュホンで0か7を押してください。」と流れた上,ボタンを押すと,「●●●●-●●●●にかけてください。」などと言われ,電話が切断するというものです。
 東京地方検察庁では,このような音声ガイダンスを利用した電話連絡は,一切しておりませんので,十分ご注意ください。
 また,東京地方検察庁を名乗る不審な電話やメール,郵便物等が送られた場合は,当庁までご相談ください。

【追記】(6/3)
 東京地検が追加記事を出してましたので、本日(6/3)付の別記事書きました。

2008年6月 1日 (日)

日本デジタル家電のテレビ録画視聴サービスの判決(東京地裁)

 28日に出た日本デジタル家電「ロクラクⅡビデオデッキレンタル」と称するサービスについての判決です。この手のサービスの判決も増えてきましたが、それぞれのサービス内容なども微妙に違ってたりしていて整理して理解するのが大変ですね。判決文も長いですし。

 東京地裁判決平成20年5月28日 著作権侵害差止等請求事件
              (最高裁サイト知的財産裁判例集より)

 本件は、被告が製造したハードディスクレコーダーの親機を日本国内の保管場所に設置しておいて、これに対応する子機を海外の利用者に貸与又は譲渡して、親機側が受信・録画したテレビ放送を、子機から視聴できるというサービスです。
 NHKと民法放送局が原告となって、著作権侵害であるとして、日本デジタル家電(浜松市)に損害賠償と差止を求めていた事件です。

 なお、この事件の仮処分事件については、1年前に、このブログで紹介しています。
 → 「テレビ番組ネット転送サービスに対する仮処分認容」(07/3/31)
 → 「番組転送サービス仮処分:続報」(07/4/6)

 判決は、いわゆる「カラオケ法理」を前提としたうえで、本件サービスを成り立たせる重要な意味を有する親機の設置場所を提供して管理支配することで、日本国外の利用者が格段に利用しやすい仕組みを構築しており、この親機の果たす役割からすれば、被告は本件サービスを提供しているものということができ、テレビ番組等の複製行為を管理支配して、それによる利益を得ている、と認定し、(被告は複製行為の主体ではなく、各利用者の私的使用にすぎないとした被告の主張を斥けて)複製行為の主体が被告であるとして、著作権侵害を認めたものです。

【追記】(09/1/27)
 知財高裁で、本日、逆転判決が出ました。
 → 「日本デジタル家電「ロクラクⅡ」事件逆転判決(知財高裁)」

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