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2008年5月31日 (土)

書名「時効の管理」と著作権・不正競争行為の判決

 大阪地裁(26民)平成20年5月29日判決
   著作権侵害差止等請求事件
(最高裁サイト知的財産裁判例集より)

 時効に関する法律実務書として、「時効の管理」という文言を題号(書名)に含む書籍の著作者が、同じく「時効の管理」という文言を含む題号の書籍の発行会社、販売会社、編著作者を被告として、書籍の頒布等の差止と損害賠償(800万円)の支払を求めた裁判です。
 結論は、原告の請求が棄却されています。

 原告の請求は、被告らの行為が、
(1)原告の著作権及び著作者人格権の侵害
(2)不正競争防止法2条1項2号(主位的)、1号(予備的)該当性

というものです。

 判決は、まず、上記(1)(著作権・著作者人格権侵害行為該当性)に関して、「時効の管理」という表現は、思想又は感情を創作的に表現したものということはできず、著作物ではないとして、原告の請求を認めませんでした。

 また、上記(2)(不正競争行為該当性)に関しては、書籍の題号は、普通は出所の識別表示として用いられず、書籍内容を表示するものとして用いられるものであり、需要者(購入者等)も、普通は書籍題号を書籍内容を表示するものとして認識するが、出所の識別表示としては認識しない、としました。

 そして、需要者は、「時効の管理」の部分を、時効に関する法律書という内容を表現したと認識するにすぎず、それ以上に商品等表示と認識するものとは認められず、仮に原告書籍の存在が広く知られていたとしても、「時効の管理」の表示が原告の商品等表示として周知・著名となったとすることはできない、としています。
 また、被告書籍の題号「時効管理の実務」についても、出所を表示するもの(商品等表示)ということはできないとしました。

 つまり、原告の題号は、不正競争防止法にいう「周知商品等表示」や「著名商品等表示」ということはできないし、被告書籍の題号も同法の「商品等表示」ともいえない、ということで、不正競争防止法に基づく請求は理由がない、と結論づけています。

 なお、書籍・雑誌等の題号の著作権法不正競争防止法に関する判決としては、「スイングジャーナル事件」東京地裁平成11年2月19日判決、「おとなの特選街事件」東京地裁昭和62年10月23日判決、などがあります。また、判決ではなく、和解で終了した事件ですが、「父よ母よ!事件」東京地裁平成9年1月22日和解の東京地裁が出した和解勧告理由も参考になります。

 書籍・雑誌ではないですが、最近の事例として、アニメ「超時空要塞マクロス」のタイトルに関する同様の判決(「商品等表示」を認めず)として、知的財産高裁平成17年10月27日判決があります。

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