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2008年5月の記事

2008年5月31日 (土)

書名「時効の管理」と著作権・不正競争行為の判決

 大阪地裁(26民)平成20年5月29日判決
   著作権侵害差止等請求事件
(最高裁サイト知的財産裁判例集より)

 時効に関する法律実務書として、「時効の管理」という文言を題号(書名)に含む書籍の著作者が、同じく「時効の管理」という文言を含む題号の書籍の発行会社、販売会社、編著作者を被告として、書籍の頒布等の差止と損害賠償(800万円)の支払を求めた裁判です。
 結論は、原告の請求が棄却されています。

 原告の請求は、被告らの行為が、
(1)原告の著作権及び著作者人格権の侵害
(2)不正競争防止法2条1項2号(主位的)、1号(予備的)該当性

というものです。

 判決は、まず、上記(1)(著作権・著作者人格権侵害行為該当性)に関して、「時効の管理」という表現は、思想又は感情を創作的に表現したものということはできず、著作物ではないとして、原告の請求を認めませんでした。

 また、上記(2)(不正競争行為該当性)に関しては、書籍の題号は、普通は出所の識別表示として用いられず、書籍内容を表示するものとして用いられるものであり、需要者(購入者等)も、普通は書籍題号を書籍内容を表示するものとして認識するが、出所の識別表示としては認識しない、としました。

 そして、需要者は、「時効の管理」の部分を、時効に関する法律書という内容を表現したと認識するにすぎず、それ以上に商品等表示と認識するものとは認められず、仮に原告書籍の存在が広く知られていたとしても、「時効の管理」の表示が原告の商品等表示として周知・著名となったとすることはできない、としています。
 また、被告書籍の題号「時効管理の実務」についても、出所を表示するもの(商品等表示)ということはできないとしました。

 つまり、原告の題号は、不正競争防止法にいう「周知商品等表示」や「著名商品等表示」ということはできないし、被告書籍の題号も同法の「商品等表示」ともいえない、ということで、不正競争防止法に基づく請求は理由がない、と結論づけています。

 なお、書籍・雑誌等の題号の著作権法不正競争防止法に関する判決としては、「スイングジャーナル事件」東京地裁平成11年2月19日判決、「おとなの特選街事件」東京地裁昭和62年10月23日判決、などがあります。また、判決ではなく、和解で終了した事件ですが、「父よ母よ!事件」東京地裁平成9年1月22日和解の東京地裁が出した和解勧告理由も参考になります。

 書籍・雑誌ではないですが、最近の事例として、アニメ「超時空要塞マクロス」のタイトルに関する同様の判決(「商品等表示」を認めず)として、知的財産高裁平成17年10月27日判決があります。

2008年5月30日 (金)

適格消費者団体を名乗る『消費料保全確認通知書』(?)

 適格消費者団体の話を書いたので、その余談です。

 内閣府は、昨年11月、注意喚起として、
「『適格消費者団体 特定非営利活動法人 全国消費生活保全協会』という名称により、『消費料保全確認通知書』なるハガキを送付している者がありますが、内閣府において、そのような名称の団体を適格消費者団体として認定した事実はありません。
 これに対し、連絡をすることで、新たな個人情報を聞き出されたり、架空請求されるなどのおそれがありますので、連絡しないようにご注意ください。」

というのを公表しています。 → こちら

 送られてくるハガキの中身の文章についても、PDFで公開されていますが、要するに、ハガキの受取人に対して、「契約会社」(?)が料金未払い等で裁判を起こしたことを通知する、というものです。
 そして、この全国消費生活保全協会という団体は、「原告側からの最終通告、またご本人様と訴訟内容の正当性を確認する機関」(?)となっているようです。これだけだと、ここは一体何を企んでいるのか良く分からないのですが、最後に1行、「万が一、心辺りが無い場合早急にご連絡下さい。」とあって、「裁判取り下げ期日 本書到達後3日以内」となっています。
 おそらくは、これによって慌てて連絡してきた人の個人情報を得たり、ひょっとすると、振り込め詐欺的な支払を要求するのではないか、と推測します。
 なお、ハガキの中にわざわざ「※最近、個人情報を悪用し民事裁判制度を利用する業者の手口もみられます。」と記載してあります(笑)。

 メールと違って、ハガキはそれなりに送るにもコストがかかるのに・・・と思うのですが、以前、大阪府警の人に、架空請求事件に関して、同じような質問をしたところ、当然、コスト以上の利得があるからやるのだ、ということでした。ご注意下さい。

6番目の適格消費者団体(ひょうご消費者ネット)

 消費者団体訴訟の原告となることができる適格消費者団体として、5月28日、新たに「特定非営利活動法人 ひょうご消費者ネット」(神戸市中央区)が認定されています。
 → ひょうご消費者ネットのサイト

 既に認定されている5つの適格消費者団体(名称、所在地、認定年月日)は、以下の通りです。このうち全国消費生活相談員協会のみが社団法人で、他は全て特定非営利活動法人(いわゆるNPO)です。

◎ 消費者機構日本      (東京都千代田区) 平成19年 8月23日
◎ 消費者支援機構関西    (大阪市中央区)  平成19年 8月23日
◎ 全国消費生活相談員協会  (東京都港区)   平成19年11月 9日
◎ 京都消費者契約ネットワーク(京都市中京区)  平成19年12月25日
◎ 消費者ネット広島     (広島市中区)   平成20年 1月29日

 西日本、特に関西が積極的ですね。

 なお、実際に消費者団体訴訟が提起されているのは、今のところ、2件だと思います(下記記事参照)。

 当ブログの消費者団体訴訟関連記事
 → 「消費者団体訴訟制度の動き:まとめを兼ねて」(3/29)
                 と これにリンクした記事 

2008年5月28日 (水)

「ロコ・ロンドン取引」についての注意喚起(国民生活センター)

 少し前に、「ロコ・ロンドン取引」と呼ばれる投資勧誘の問題について触れました。
 →「ロコ・ロンドン取引の賭博性を認めた東京高裁判決」(3/29)

 5月27日、国民生活センターは、この「ロコ・ロンドン取引」に関して、改めて注意を呼びかけるとともに、経済産業省に対して、「ロコ・ロンドン取引」に関する消費者被害の未然防止・拡大防止のために、早急に必要な法整備を行うことを要望しています。
 → 「相談急増『ロコ・ロンドン取引』
                -『勧誘されてもかかわらない』『絶対にお金を預けない』-」

 → 詳細情報(記者説明会資料 PDF)

 国民生活センターの公表によれば、相談件数が、06年度は263件、07年度は946件、ということであり、契約当事者のうち、60歳代以上が約70%を占め、80歳代以上の契約当事者も200件近くに及んでいる、とのこと。平均契約金額は約412万円となっています。
 また、この取引の問題点として、(1)「不招請勧誘」が禁じられていない。(2)業者に参入規制がない 。(3)取引の仕組み自体が複雑で理解しにくく、一般の消費者が手を出すにはリスクが高すぎる。(4)特定商取引法による規制後も相変わらず相談が寄せられている。の4点を挙げています。

独占禁止法・景品表示法改正案への学者からの意見書

 昨日(5/27)、時事通信が、「経済法学者ら48人、反対声明=独禁法改正案、審判廃止問題で 」という記事を出しています。

 4月半ばに、独禁法学者の泉水文雄教授(神戸大)がブログ「独占禁止法の部屋ブログ」で少し触れておられたので、ちょっと気になっていたのですが、上の記事が出たので、調べてみると、舟田正之教授(立教大)のサイトに意見書がありました。
 → Mr.舟田の経済法ルーム
 ここには、舟田教授の個人的考え方も併せて掲載されています。どうやら法律時報5月号に出ていたようです(同じ号には消費者法学会設立に関する特集もありますね。読んでおかなくては。)。

 詳細は見ていただくとして、この意見の骨子は、改正案の中身のうち、2つの点に強く反対する、というものです。

 ひとつは、不公正な取引方法への課徴金制度導入の内、4つの類型(共同の供給拒絶、差別対価、不当廉売、再販売価格維持行為)への導入に対する反対で、これは、独占禁止法の体系的整合性に欠けるとしています。

 もうひとつは、改正案の附則19条1項で、公取委の審判手続に関して、政府が「全面にわたって見直すものとし、平成20年度中に検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」とされている点です。この見直しに関しては、公取委の審判制度を廃止する方向で現在検討されているものですが、今回の意見書は、この廃止への方向性を批判し、審判制度を維持すべきという立場にたっています。

 3月に国会に提出された独占禁止法景品表示法の改正案ですが、国会があのような状態ということもあって、審議は進んでいません。今国会での改正はないかもしれない、という状況です。なお、景品表示法への消費者団体訴訟制度の導入についての改正法案のほうは、既に成立していますので、ご注意を。

2008年5月27日 (火)

「自招危難」に正当防衛を認めなかった最高裁決定

 たまには、刑事事件の裁判の紹介を。。。

 以前、ここで、正当防衛が認められた無罪判決を紹介しました。
 → 「正当防衛を認めた無罪判決」(07/4/24)
 これは奈良地裁の判決で、大学構内の学生同士の喧嘩における一方の傷害行為についての刑事事件で、正当防衛(刑法36条)の成否が問題となり、その要件の内、「侵害の急迫性が認められるか否か」という点が争点となったものでした。この奈良地裁判決は、侵害の確実な予期がなく、侵害の単なる可能性を予期していたにすぎないときや、不意打ちといえるほど予想外の場面で侵害を受けたときは、たとえ行為者に積極的加害意思があったとしても、急迫性は否定されない、として正当防衛の成立を認めて無罪を言い渡したものです。

 さて、今回の最高裁決定は、喧嘩ともいえるケースですが、こちらは、結論として正当防衛を認めませんでした。

 最高裁第2小判平成20年5月20日決定( 上告棄却)
 傷害被告事件

 事案は、
 本件被害者A(51)が、朝、ごみ集積所にごみを捨てていたところに徒歩で通り掛かった被告人(41)が、Aの姿を不審と感じて声を掛けるなどしたことから、言い争いとなり、被告人が、いきなりAの左ほおを手拳で1回殴打し、すぐ走って立ち去りました。
 Aは「待て。」などと言いながら自転車で被告人を追い掛け、「殴打現場から約26.5m先を左折して約60m進んだ歩道上」で被告人に追い付き、自転車に乗ったまま、後方から被告人の背中の上部又は首付近を強く殴打したため、被告人は前方に倒れました。
 起きあがった被告人は(ここからが被告人の傷害行為)、護身用に携帯していた特殊警棒を衣服から取り出し、Aの顔面や防御しようとした左手を数回殴打する暴行を加えて、加療約3週間を要する顔面挫創、左手小指中節骨骨折の傷害を負わせました。
 というものです。
 つまり、
 最初のごみ集積場での言い争い → そこでの被告人による暴行
 → 被告人の立ち去り → 被害者が自転車で追いかけて暴行
 → 起きあがって、被告人が特殊警棒による殴打(本件傷害行為)
となります。

 最高裁決定は、この事実関係によれば、「被告人は,Aから攻撃されるに先立ち,Aに対して暴行を加えているのであって,Aの攻撃は,被告人の暴行に触発された,その直後における近接した場所での一連,一体の事態ということができ,被告人は不正の行為により自ら侵害を招いたものといえる」とし、「Aの攻撃が被告人の前記暴行の程度を大きく超えるものでないなどの本件の事実関係の下においては,被告人の本件傷害行為は,被告人において何らかの反撃行為に出ることが正当とされる状況における行為とはいえないというべきである。」として、正当防衛の成立を否定した原審判決の判断は、結論において正当としたものです。

 本件は、正当防衛の成立に関し、いわゆる「自招危難」の場合に正当防衛を否定した事例、ということになります。

 しかし、本件の事実関係において、被害者Aが最初の現場から、100メートルほど自転車で被告人を追いかけて暴行をしたという行為が、「被告人の暴行に触発された,その直後における近接した場所での一連,一体の事態」と評価できるかどうか、というのは評価が分かれるところかもしれません。
 なお、本件事案では、仮に上記論点で(最高裁の結論とは反対に)正当防衛を否定しないとしても、被告人の行為は相当性を欠き過剰防衛ではないか(刑法36条2項参照)、などという議論もあるかと思います。

2008年5月23日 (金)

スーパーの納入業者への不当行為に対する排除命令(公取委)

 公正取引委員会は、本日、株式会社マルキョウ(福岡県の食品スーパー)に対し、独占禁止法19条・大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法1項、2項及び7項に違反するとして、排除措置命令を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)
 同社は、自社サイトで、この排除命令に応諾することを公表し、「全社をあげてコンプライアンス体制の見直しを行い、再発防止に努め信頼の回復に取組んでまいります。」としています。

 「大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法」というのは、独占禁止法が禁止する不公正な取引方法を具体的に規定した公正取引委員会告示の1つです(平成17年5月13日公正取引委員会告示第11号)。
 今回は、この告示の1項(不当な返品)、2項(不当な値引き)、7項(納入業者の従業員等の不当使用等)に該当する行為を行ったとして排除命令が出されたものです。この告示は、他に、3項(不当な委託販売取引)、4項(特売商品等の買いたたき)、5項(特別注文品の受領拒否)、6項(押し付け販売等)、8項(不当な経済上の利益の収受等)、9項(要求拒否の場合の不利益な取扱い)、10項(公正取引委員会への報告に対する不利益な取扱い)を規定しています。下請法と同じような趣旨の規定ですね。
 → この告示の全文(公取委サイト)

【違反行為の概要】
(1) マルキョウは、食品仕入部門の取扱商品について、メーカー等が定めた賞味期限の2か月前の日、精米日から2週間を経過した日等の独自の販売期限を定め、当該販売期限を経過した商品について、自社と継続的な取引関係にある納入業者で取引上の地位が自社に対して劣っている業者に対し、当該販売期限を経過したことを理由とし、あらかじめ合意により返品の条件を定めていないなどにもかかわらず、当該商品を返品している。

(2) マルキョウは、食品、菓子、雑貨の各仕入部門の取扱商品について、商品回転率が低いこと、店舗を閉店することとしたこと、季節商品の販売時期が終了したこと又は陳列棚からの落下等により商品が破損したことを理由として、商品の返品又は割引販売を行うこととし、次の行為を行っていた。
ア 納入業者に対し、商品回転率が低いこと等を理由とし、あらかじめ合意により返品の条件を定めていないなどにもかかわらず、当該商品を返品していた。
イ 納入業者に対し、その納入価格から当該割引販売前の価格に100分の50を乗じる等の方法により算出した額の値引きをさせていた。

(3) マルキョウは、食品、デイリー、菓子、精肉、雑貨の各仕入部門に係る納入業者に対し、「大判」と称するセールや、棚卸し又は棚替えに際して、(納入業者従業員の技術・能力を要しない)店舗における商品の陳列又は補充、棚卸し、棚替え等の作業を行わせるとともに、納入業者に対し、「店舗クリニック」と称し、店舗の陳列棚の清掃等の作業を行わせることとし、あらかじめ派遣の条件について合意することなく、かつ、派遣のために通常必要な費用を負担することなく、従業員等を派遣させていた。

【排除措置の概要】
(1) 前記2(1)の行為を取りやめるとともに、当該行為を取りやめる旨及び今後当該行為と同様の行為を行わない旨を取締役会において決議しなければならない。
(2) 前記2(2)(3)の行為を取りやめている旨を確認すること及び今後当該行為と同様の行為を行わない旨を、取締役会において決議しなければならない。
(3) 前記(1)(2)に基づいて採った措置を自社と継続的な取引関係にある食料品又は雑貨の納入業者に通知するとともに、自社の従業員に周知徹底しなければならない。
(4) 今後、前記2の行為と同様の行為を行ってはならない。
(5) 今後、次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
ア 納入業者との取引に関係する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成
イ 納入業者との取引に関係する独占禁止法の遵守についての役員及び仕入担当者に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査

2008年5月22日 (木)

2007年の個人情報漏洩事件調査報告書(JNSA)

 先日(5/19)、日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)が、「【速報版】2007年度 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」を公表しています。
 これは、JNSAが、2007年1~12月に国内で起きた個人情報漏洩事件に関する新聞やインターネットニュースなどで報道された個人情報漏洩事件の記事などをもとに情報を集計し、漏洩した組織の業種、漏洩人数、漏洩原因、漏洩経路などの分類・評価を行ったものということです。

 → 同調査報告書【速報版】に関するJNSAサイトの公表記事
 → 同調査報告書【速報版】(PDF)

 これによれば、漏洩人数(被害者数)は、前年と比較して大幅に増加して、約3053万人となり、これに伴って想定損害賠償総額(JNSAの独自の算定による)も大幅に増加して約2兆2710億円だったとされています。

 一方で、漏洩事件数は864件で、前年より129件減少していて、件数は減少傾向にあるとのことで、特に一件当たりの漏洩人数の少ない事件や一件当たりの想定損害賠償額の低い事件といった規模の小さいものの件数が、全体的に減少傾向にあるようです。

 また、情報漏洩の原因は、「紛失・置忘れ」が20.5%、「管理ミス」が20.4%、「誤操作」が18.2%、「盗難」が16.6%、「ワーム・ウイルス」が8.3%となっていて、このうち、「管理ミス」の件数、割合が、大きく増加、「誤操作」の割合も増加していて、一方で、「紛失・置忘れ」「盗難」の件数が減少しているとのことです。

 漏洩した経路は「紙媒体経由」が全体の40%を占めているとのことで、情報漏洩とはいっても、ネットやメモリ経由のデジタルデータ自体の漏洩に比べても、印刷等の紙媒体の漏洩がまだまだ大きなシェアを占めているということですね。これらは、主に紛失や置忘れ、盗難によって個人情報の漏洩・流出事件とされているものと思われます。

 上にも書いた「想定損害賠償額」の算定に興味が引かれるところですが、この報告書には算定方法自体の記載はありません。今回の1人あたりの平均想定損害賠償額は、約3万8000円とされています。

2008年5月21日 (水)

19年度の独占禁止法違反事件の処理状況

 本日、公正取引委員会は、「平成19年度における独占禁止法違反事件の処理状況について」を公表しています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

「迅速かつ実効性のある事件審査を行うとの基本方針の下,①国民生活に影響の大きい価格カルテル・入札談合,②中小事業者等に不当に不利益をもたらす優越的地位の濫用や不当廉売・差別対価,③経済発展の核となるIT・公益事業分野及び知的財産分野における新規参入阻害行為など,社会的ニーズに的確に対応した多様な事件に厳正かつ積極的に対処」したということだそうです。
(【追記】公取委事務総長の記者会見の概要も公表されています。→ 公取委事務総長会見記録(5/21) )

 平成19年度における審査事件の概況としては、
 計24件、延べ193名の事業者に対し法的措置(入札談合14件,価格カルテル6件,不公正な取引方法3件,事業者団体による構成事業者の活動の不当な制限1件)をとり、法的措置を採った全事件の平均審査期間は約9か月ということです。

 刑事告発は、緑資源機構の林道調査測量設計業務の入札談合事件、課徴金については、延べ162事業者に対して、112億9686万円の納付命令が確定しています。

 改正独占禁止法の運用状況の主なものとしては、
  課徴金の引き上げに関しては、18事件において課徴金納付命令が行われたところ、内15事件について、改正法による引上げ後の算定率による課徴金の納付が命じられ、違反を繰り返した事業者に対する割増算定率が適用された事業者は6事件における18名、早期離脱による軽減算定率が適用された事業者は3事件における12名となっています。
 課徴金減免制度に関しては、74件の報告等が行われ(平成18年1月以降の件数は179件)、16事件に係る延べ37事業者について、これらの事業者の名称等を公表したということです。
 犯則調査に関しては、上記緑資源機構の事件について、犯則調査を実施した結果、検事総長に告発を行っています。
 審判及び審判審決に関しては、19件の審判手続を開始する一方,33件の審決を行っており、19年度中の審判係属事件は105件(うち85件は課徴金納付命令に係るもの)となっています。

2008年5月20日 (火)

ネット通販会社からの個人情報漏洩事件

 共同通信の報道では、「ネット通販のオズ・インターナショナルは20日、同社運営のサイトからクレジットカード番号など利用者の個人情報が流出したと発表した。」ということです。中国からの不正アクセスで流出した模様で、流出は最大2万件に達する可能性があるようですね。

 オズ・インターナショナルのサイトによれば、「このたび『アイドラッグストアー』『アイビューティーストアー』が中国からSQLインジェクションによる不正アクセスを受け、過去に『アイドラッグストアー』『アイビューティーストアー』をご利用になったお客様の個人情報の一部が流出した可能性が高いことが判明いたしました。
 現在確認されている流出項目はクレジットカード番号と有効期限、ログインパスワード等です。
 今後の流出を防ぐために、既にセキュリティ保護は強固なハードウェア、ソフトウェアを採用し、セキュリティの大強化を行い、現在も改善に最善をつくしております。
 また、お客様のクレジット情報はただちに削除をいたしました。
 今回の事件により、お客様に金銭的なご迷惑がかからないよう、取り計らっておりますのでこの点はご安心戴きたく御願い申し上げます。」

としています。

 詳細はまだ分かりませんが、クレジットカード番号と有効期限が漏洩すれば、被害が拡大する恐れがあります。

懸賞サイトに登録したら出会系メールが来た・・・という記事(日経パソコン)

 今日、とある会社で聞いたので、ご紹介。

 日経パソコンのサイトの記事なのですが、『記事の芽』というコラムの、本日(5/20)付「懸賞サイトに登録したら、3週間で500通以上の迷惑メールが……」というのです。

 内容は、筆者が、「懸賞サイトに応募したら、途端に迷惑メールが送られてくるようになった」という話をたびたび聞いていたので、迷惑メールの特集記事を執筆した際に、複数の懸賞サイトにアドレスを登録してみたところ、その話が本当だったという体験記です。
 登録当日から、迷惑メールが届き始め3週間後には累計で507通、4週間後には673通に達したということで、そのほとんどは、いわゆる「出会い系サイト」からのメールで、いくつかの出会い系サイトに既に登録され、それらのサイトを通じて、多数の女性から自己アピールのメールが次々と送られてきたようです。

 この出会系メールの内容がなかなか面白い。これ以上引用するのもどうかと思いますので、興味のある方は、上でリンクしている元記事をご覧ください(いつまで出ているのかは知りませんので、リンクが切れてたらすみません。)。

2008年5月19日 (月)

20年度新司法試験の問題公表(法務省)

 先日、旧司法試験の短答式試験問題の公表につき「(旧)司法試験の短答式試験問題公表(法務省)」(5/13)を書きましたが、本日、法務省は今年の新司法試験の問題を公表しています。
 前に書いたように新司法試験は短答式と論文式を一気にやってしまいますので、
・短答式試験(公法系科目・民事系科目・刑事系科目)
・論文式試験(公法系科目・民事系科目・刑事系科目・選択科目)
の全部の公表です。
 → 法務省サイト「平成20年度新司法試験問題」

 このうち、公法系科目の論文式試験問題の第1問は、「インターネット上の有害情報からの子どもその他の利用者の保護等を図るためのフィルタリング・ソフトウェアの普及の促進に関する法律」という名称の、青少年をネット上の有害情報から守るためにフィルタリング・ソフトの普及促進を図る趣旨の法律に違反した事案(刑事事件)における憲法上の問題点を問う問題です。

 問題を見ると、この法律の条文はもちろん、これについての内閣府令や内閣府の広報資料(フィルタリング・ソフト法Q&A)まで添付されているので、大変もっともらしくできていますが、実際には、このような法律はありません。

 現在、自民党も民主党も、青少年を有害情報から守るためのネット規制法を検討中で、これについてはいろいろと賛否の論議が起こっています。自民党案の名称は「青少年の健全な育成のためのインターネットの利用による青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案」というようです。これらは、試験問題の法律とは異なり、フィルタリングだけに関する法案ではありません。

 情報法が試験科目でないからといって、油断しちゃいかん、ということですね。学生諸君だけではなく、某法科大学院で情報法の講義を担当している私自身の自戒をこめて・・・。

2008年5月18日 (日)

最近のスポーツ界の仲裁・調停に関するメモ

 スポーツネタのついでに、スポーツ仲裁・調停に関するまとめ記事。

 今年1月6日に、このブログで、義足の陸上選手、オスカー・ピストリウス(南アフリカ)が健常者のレースに出場することについて、国際陸連が出場を禁止したことについて触れました。
 → 「マラソンと『助力』についてのウダ話」(1/16)

 しかし、今日の報道では、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が、出場を認める裁定を下したようです。義足が健常者より有利になるのか、という点が大きな問題でしたが、今回は義足が有利にはならないと認められました。ただ、今回の裁定は、義足の使用一般についてのものではなく、この選手の今回の事例に限定しているということです。

 また、正月明けには、陸上女子の小林祐梨子選手に関するJSAAの調停の記事も書きました。
 → 「小林祐梨子選手(陸上)のJSAA調停不成立」(1/8)

 この小林選手とは別の事案ですが、ここで触れた日本スポーツ仲裁機構(JSAA)が、先日(5/8)、スポーツ仲裁規則による仲裁申立の事案について仲裁判断がなされました。
 → JSAAサイト公表資料

 これは、女子カヤックフォアの北京五輪予選大会に、日本代表選手として選考されなかった申立人が、選考基準等が不公正・不合理として、仲裁判断を求めたものです。しかし、JSAAは、申立を却下しました。それは、選手選考基準等にはその決定を取り消すべきほどの不公正・不合理なところがあるとまではいえない、ということです。ただし、本件の紛争が生じた経緯を踏まえ、選手選考等にあって、選手への配慮・選考方法等の周知等に努められることを求めると付言されています。

 なお、サッカーの我那覇選手がJリーグから受けたドーピング禁止規定違反の処分撤回を求めて調停をスポーツ仲裁裁判所(CAS)に申し立てていた件では、裁定が出るのは遅くても6月3日というような発表がなされているようです。

【追記】(5/28)
 スポーツ仲裁裁判所(CAS)が5月27日、我那覇選手の訴えを認め、Jリーグ公式戦6試合の出場停止処分の無効と仲裁に関する費用としてJリーグに2万ドル(約206万円)の負担も命じた、と報じられています。報道によれば、CASは1審制で裁定は最終決定となる、とのことです。

2008年5月17日 (土)

水着のスピード社を独禁法違反で提訴(アメリカ)

 米国の水着メーカーTYRスポーツが、5月15日、話題の水着「レーザー・レーサー」のメーカーであるスピード社(英国)独占禁止法違反の疑いで、米連邦裁判所に提訴した、と報じられています。

 昨日結構記事を書いたのでどうしようかな、と思いましたが、独禁法違反での訴訟という話なので、私としても放っておけないかなということで、ひとまず、週末向けに記事にしてみました。

 訴訟の相手方(被告)が、スピード社だけでなく、アメリカの水泳連盟なども含まれているのかどうか現在の報道だけではちょっと即断できません。時事通信の報道では、原告との契約を無視し、スピード社製品を着て大会に出場した男子自由形の水泳選手も相手方としたということになっていますね。
 それにしても、現時点の報道だけでは、細かい法的な理屈が良くわかりません。また、スピード社、米国水泳連盟、コーチなどが、どのような行為を行ったのか、という肝心な事実関係もほとんど明確にはなっていません。

 そのうえ、アメリカの独占禁止法(反トラスト法・・これは、1つの法律ではありませんよ。日本の独占禁止法は、いろんな意味でかなり違います。こういったことに関して、積極的に訴訟を提起するという法的対応も、日米では全く違いますので、単純に中身についての判断はできないと思います。

 まぁ、この水着問題は、オリンピックをひかえて大きな話題にもなっていますし、単純な言葉の問題として、「スピード社の独占じゃないか!」というのは素朴な感覚とは思います。日本のメーカーも日本選手については契約上の保護はされるとしても、比べて速く泳げないとすれば、今後のイメージ的な影響は大きくなってきていますよね。
 ただ、商品がすぐれているために販路を独占したというだけでは、独占禁止法違反とはならないのは当然で、冷静に法律上の要件を満たすかどうか検討しないといけません。

 さて、原告同様に、ライバル企業として大変なことになる日本の企業は、日本の独占禁止法違反を理由として、スピード社を訴えることはできるでしょうか?もちろん、現時点では、日本の選手に関してはスピード社の水着が着られないので、アメリカのライバル企業とは、かなり立場が違いますが。
 逆に、スピード社の水着を着られない日本水泳選手からは、消費者の立場として、スピード社や日本の水泳連盟などに対して、何らかの法的な請求をすることはできるでしょうか? 具体的に、北京五輪でスピード社製の水着を着るための法的戦略は立てられないでしょうか。
 こういう相談を我々法律家が受けたとして、どう答えるべきか、なかなか良い演習問題かもしれませんね。

 一方で、いろんなスポーツの用具で日本のメーカーが大きなシェアを占めているものも多いのは事実ですから、法的構成はともかくとしても、日本企業が現実的にはこのような訴訟を起こすことは考えにくいのではないかと思います(いや、相談があれば是非ちゃんと乗りますよ。・・笑・・)。これが通るなら、逆に訴えられる日本企業も結構あるのでは?。

 もうひとつスポーツ関連の演習問題としては、協栄ジムと契約が切れた亀田一家が日本でプロボクシングができないのは独占禁止法違反か?というのは、同じような問題でしょうか。アメリカなら訴訟になるでしょうか?

2008年5月16日 (金)

農業機械部品の製造の下請法違反勧告(公取委)

 本日、公正取引委員会は、株式会社井関松山製造所、株式会社井関熊本製造所、株式会社井関新潟製造所の3社に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)に違反する事実が認められたとして、勧告を行いました。
 また、本件では、この違反行為が、親会社である井関農機株式会社の指示に基づき行われていたということで、井関農機にも指導を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 約10億円の返還というのはすごいですね。

 なお、公取委は、中小企業庁と共同して、全国10都市(10会場)において、親事業者の発注担当者等を対象に、下請法及び下請中小企業振興法の趣旨・内容の周知徹底を目的とした講習会を開催することを公取委サイトで告知、募集しています。 → こちら

【違反事実の概要】
 3社は、業として行う販売の目的物たる農業機械の部品の製造の全部又は一部を下請事業者に委託しているところ、井関農機から、同社が3社の下請事業者に対し「コストダウン協力金」と称して負担するよう要請した額を、下請事業者に支払うべき下請代金から差し引くよう指示された。
ア 井関松山製造所は、井関農機の前記指示に基づき、指示された額を下請事業者に支払うべき下請代金の額から差し引くことにより、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。
 なお,井関松山製造所は既に下請事業者の一部に対し、減額の一部(8億4864万9092円)を返還している。
イ 井関熊本製造所は、井関農機の前記指示に基づき、指示された額を下請事業者に支払うべき下請代金の額から差し引くことにより、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。
 なお、井関熊本製造所は既に下請事業者の一部に対し、減額の一部(5826万2556円)を返還している。
ウ 井関新潟製造所は、井関農機の前記指示に基づき、指示された額を下請事業者に支払うべき下請代金の額から差し引くことにより、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。

【勧告の概要】
ア(ア) 井関松山製造所は、井関農機の前記指示に基づいて、下請代金の額から減じていた額(総額10億2247万5040円)から前記返還額を差し引いた額(1億7382万5948円)を当該下請事業者(50名)に対して速やかに支払うこと。
(イ) 井関熊本製造所は、井関農機の前記指示に基づいて、下請代金の額から減じていた額(総額6922万6983円)から前記返還額を差し引いた額(1096万4427円)を当該下請事業者(9名)に対して速やかに支払うこと。
(ウ) 井関新潟製造所は、井関農機の前記指示に基づいて、下請代金の額から減じていた額(総額52万5000円)を当該下請事業者(1名)に対して速やかに支払うこと。
イ 3社は、前記減額行為が下請法に違反するものである旨及び今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じることをしない旨を取締役会の決議により確認すること。
ウ 3社は、今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じることがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置について井関農機と協議した上で決定し、当該措置を講じるとともに、その内容等を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
エ 3社は、前記ア,イ及びウに基づいて採った措置を取引先下請事業者に周知すること。

【井関農機に対する指導について】
 井関農機は、3社の下請事業者に対して「コストダウン協力金」と称して下請代金の減額の要請を行い、3社に対し、3社が下請事業者に支払うべき下請代金から当該要請した額を差し引くよう指示していたものであるところ、この行為により、前記違反行為が生じたものであると認められたことから、公正取引委員会は、井関農機に対し、今後、同様の行為を行わないよう指導した。

ジャパネットたかたの顧客名簿流出事件の判決

 報道によれば、昨日(5/15)、テレビ通販大手のジャパネットたかたの元社員が、約51万人分の顧客情報をコピーして流出させたとして、会社側が損害賠償請求を求めていた裁判で、大量の顧客情報を流出させたなどとして、同社が男性に1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があり、長崎地裁佐世保支部西村裁判官は、会社の請求通り、1億1千万円の支払いを命じた、とのことです。

 判決内容が詳しくはわかりませんが、報道記事などから見る限りは、 会社は、損害額について、過去の判例を基に1人当たり5千円と見積もって、計約25億7千万円に上ると試算している、とのことなので、これがその通りだとすると、この損害のうち、一部(内金請求)である1億円と弁護士費用として1000万円を請求したのではないかと思います(あくまでも想像です。)。

 1人5000円というのは、私も関与したヤフー個人情報漏洩事件の判決のことではないか、と思うのですが、あちらの原告は、個人情報を流出された顧客個人であり、その精神的損害(慰謝料)として1人5000円という結果となったものです(不満ですが)。
 → このブログの昨年6月21日付記事
  「ヤフーBB個人情報漏洩事件控訴審判決(大阪高裁)」
  (他にもありますが、興味ある方は上の記事のリンクで見て下さい)。

 しかし、今回の裁判は、原告は名簿を流出された会社の立場であり、このような1人あたりの損害額基準をそのまま使うことができるのかしら・・・・というのが、直感的な現時点での感想です。もっとも、会社は、この事件で、一時営業自粛などをしていましたので、実際の経済的損失も相当なものになったとは思うので、結果として必ずしも認容金額が高すぎるとは言えませんが。
 このあたりは、判決をきちんと読まないで決めつけることはできませんので、このへんにしておきます。

 もうひとつ気になったのが、何故、長崎地裁佐世保支部??というのだったのですが、「ジャパネットたかた」って、本店が長崎県佐世保市にあるのですねぇ。また、社名は、テレビで有名な高田明社長の姓に由来するものですが、「たかだ」ではなく、「たかた」と濁りません。
 

韓国の戸籍制度の廃止

 私の関係する某社の会議で韓国の戸籍制度がなくなった、という話が出ました。恥ずかしながら、私は全く知らなかったのですが、今年1月から廃止されたようです。

 日本に在住されている韓国籍の人は大変たくさんおられるので、日本での不動産登記など、この方たちの相続手続などにも大きな関連があります。婚姻や帰化などの手続にも関係するでしょう。
 詳しくは省略しますが、廃止前の古い戸籍(除籍)をとるにも、原則として日本人は駄目というようなことになっているようで、法律家の実務にも支障が出ているという話を、冒頭の会議とは別に、ある弁護士からも聞きました。

 日本人にとっては余りにも当たり前の(日本的な意味での)戸籍制度は、日本以外には、日本の統治下にあった韓国台湾が制度を残していただけです。したがって、世界的に見ると、極めて特殊な制度ということになりますね。今はあまり議論されていませんが、そのうち日本でも戸籍制度の要否が大きな問題となるかもしれませんね。

 我々日本の弁護士や司法書士は、戸籍の調査によって相続関係を確認していくという方法を当然のものと慣れ親しんでいるですが、韓国のように戸籍がなくなったら、相続関係はどうやって調査したり証明するのだろうかと思ってしまいます。

 他の国では戸籍がありませんので、例えば、アメリカでは公証制度を利用して証明するようですが、私は残念ながら良く知りません(無知ですみません)。どうやって相続関係を調査するのかしら・・・

2008年5月15日 (木)

平成19年度下請法運用状況・企業間取引公正化への取組(公取委)

 ということで、昨日の朝のこのブログ記事の予想が見事に当たって(苦笑)、昨日(5/14)、公正取引委員会は、昨年度の下請代金支払遅延等防止法(下請法)の運用状況等を公表しています。日経の昨日朝刊の記事の内容は、そのまんま。

 昨日は結構いそがしく、煮詰まってる部分も多かったので、この大当たりくらいは、誰か賞金でも賞品でも(賞状だけはいらん)くれないかいな(小笑)。

 公取委の発表概要は以下の通り。 あの日経記事が、他社を抜いた良い記事と評価されるとすれば嘆かわしい。あの記事の価値が高いのであれば、ちょっと公取委の公表内容を整理するだけで、4月上旬には簡単に書けます。来年から書きたければ、私に言いなさい。各社の入札で書きますわ(苦笑)。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)
 → 公取サイト事務総長定例会見(5/14)

 さて、前から言ってるのですが、下請の中小零細企業は、もっと下請法などを活用して声を上げるべきだと思うのですけどね。
 文句を言うとかえって仕返しされてまずいという不安はすごく良くわかりますが、このような不況が続く中で、あきらめきっているだけでは、強い者からの押し付け行為が続くだけだと思います。もちろん、そう簡単ではない難しい問題は多いとは思いますけれども、事情によっては、いろいろと考えることは出来ると思います。
 下請問題に詳しい弁護士などに相談されることを是非お奨めしますよ。

第1 下請法の運用状況
 1 下請法違反行為に対する勧告
  ① 19年度勧告件数13件〔平成16年改正下請法施行以降最多〕
  ② 勧告は、いずれも下請代金減額事件
   (内1件は、買いたたき行為も勧告〔買いたたき事案の初勧告〕)
  ③ 13件の内、役務委託等における違反は8件〔過去最多〕
      (内、道路貨物運送分野の違反は7件〔過去最多〕)

 2 下請代金の減額分の返還及び下請代金の支払遅延利息の支払状況
  ① 下請代金減額事件の勧告・警告により、下請事業者3,736名に
   対し、総額10億8804万円の減額分返還を指導
   〔平成16年改正下請法施行以降最多〕
  ② 下請代金支払遅延事件の警告により、下請事業者3,525名に
   対し、総額7244万円の遅延利息を支払うよう指導
   〔平成16年改正下請法施行以降最多〕

 3 「成長力底上げ戦略」を踏まえた取組状況
  (1) 下請法特別調査
    改正下請法に基づき新たに適用対象とされた分野の内、道路貨物
   運送に係る役務の提供、放送番組・映像制作に係る情報成果物の作
   成及び金型の製造に係る各委託取引を重点分野とした調査を実施し、
   4件の勧告と250件の警告を行った。
  (2) 下請法違反事件に係るフォローアップ調査

第2 違反行為の未然防止
 1 親事業者向け調査票の見直し
 2 下請法の普及・啓発

第3 企業間取引の公正化への取組
 1 大規模小売業者と納入業者との取引の公正化に向けた取組
 2 荷主と物流事業者との取引等の公正化に向けた取組

   物流事業分野における荷主と元請間の取引及び下請取引における不
   当行為に対する調査を専門に行う「物流調査タスクフォース」を設
   置(平成20年2月)など。

2008年5月14日 (水)

電気通信設備の管理に関するソフトバンクモバイルに対する指導(総務省)

 本日付で、総務省が、ソフトバンクモバイル株式会社に対する指導を公表しています。
「度重なる重大な事故の発生を踏まえ、総務省は、本日付けで同社に対し、電気通信設備の適切な管理の徹底を図るよう文書により指導しました。」ということです。

 「度重なる重大な事故」とは何かいな、ということになりますが、総務省が、ソフトバンクモバイルの携帯電話サービスにおいて、本年4月9日以降の1か月間で重大な事故に該当するサービス中断の報告を3件受け、これらの報告によれば、いずれの事故もシステムの信頼性向上対策や障害の極小化対策等、設備管理のために必要かつ適切な措置が十分になされていなかったと認められたということらしい。

 具体的には、(1)今年4月9日に5時間32分、全国的に第3世代携帯電話の音声通話発着信不可、(2) 5月5日に3時間08分、一部地域での第2世代携帯電話の全サービス利用不可、(3)5月6日に発4時間44分、一部地域での第3世代携帯電話のパケット通信サービス利用不可というもの。

 詳しくは、総務省サイトをご覧下さい。
 → 総務省「電気通信設備の適切な管理の徹底に関するソフトバンクモバイル株式会社に対する指導について」

2007年度下請法事件の日経記事

 今日の日経朝刊が、公正取引委員会「下請けいじめ」の監視強化をして、昨年度は是正勧告が13件で、過去30年で最多であった旨の記事を載せています。
 他の新聞には出ていません。

 以下、どうでもいい話です。

 先日(5/7)、公取委の景品表示法に関する昨年度の報告については、このブログでも紹介しましたが、下請法に関しての昨年度の報告は、公取委サイトを見ても、今の所まだ公表がなされていないようです。
 一昨年度分の報告公表は、下請法景品表示法に関しては、昨年の同じ5月23日に公表されているのですが、今年は景品表示法のほうが先になっていて、下請法は現時点で未公表です。

 上の日経の記事は、公取委の報告を公表前に書いたのでしょうか。記事の内容自体は、昨年度の公取の事件公表を拾うなどしていけば書ける内容ではあるのですけども。
 今日あたり、公取委が公表するのかな。

 以上、どうでもいい話でした。

【追記】(5/14夜)
 どうでもよかったのですが、今朝に書いた上の記事は図星でしたね。
 本日、公取委が下請法の昨年度報告を公表しております。
 → 公取委サイト報道発表資料 「平成19年度下請法の運用状況について」(PDF)

2008年5月13日 (火)

中国産キャビアをロシア産と表示した百貨店への排除命令(公取委)

 先日(4/16)、フカヒレの不当表示について書いたところですが、今回は、キャビアです。どちらもサメ関連の高級食材と無理矢理こじつけようかと思ったら、キャビアの親のチョウザメは、サメの仲間ではないそうですね。

 本日、公正取引委員会は、株式会社そごう及び株式会社西武百貨店が販売する「ロシア フレッシュキャビア」と称する瓶詰めのキャビアを2個詰め合わせた商品に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)及び同項3号(商品の原産国に関する不当な表示)に違反する事実が認められたとして、2社に対して、排除命令を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 なお、公取委は、昨年12月20日付で、食品や家具などの商品の表示に関して、今回の排除命令と同様に、景品表示法4条1項1号(優良誤認)、同項3号(商品の原産国に関する不当な表示)違反のおそれがあるとして、百貨店など大規模小売業者10社に対する警告を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(07/12/20)
 このときの警告対象には今回の2社は入っていませんでしたが、今年の2月に、このキャビアの不当表示事件が発覚、公表し、当時報道されています。

(違反事実の概要)
 2社は、平成19年の歳暮用商品として瓶詰めキャビアセットを販売するに当たり、一般消費者に配布したカタログ、自社の店舗に設置した写真パネル及びオーダーカード並びに2社がインターネット上に開設したウェブサイトにおいて、それぞれ「ロシア フレッシュキャビア」と記載することにより、あたかも、当該商品のキャビアは、ロシア連邦産であってフレッシュキャビアであるかのように示す表示をしていたが、実際には、中華人民共和国産であってパスチャライズキャビアであった。

 公取委の(注)によれば、保存期間を長くするために低温殺菌処理が施された「パスチャライズキャビア」と、低温殺菌処理が施されていない「フレッシュキャビア」とがあり、その鮮度,風味,食感等が低温殺菌処理を行うことにより変化するため、一般に、フレッシュキャビアはパスチャライズキャビアより良質なものとして好まれる傾向にある、ということです。

(排除措置の概要)
ア 前記表示は、当該商品の原産国について一般消費者に誤認される表示である旨及び当該商品の内容について一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

【追記】
 
景品表示法4条1項3号というのは、原産国表示の規制そのものではなく、「前二号(注:優良誤認と有利誤認)に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認めて公正取引委員会が指定するもの」というものです。
 この規定に基づいて、公取委告示「商品の原産国に関する不当な表示」が定められていて、この告示の2号が、「外国で生産された商品についての次の各号(略)の一に掲げる表示であつて、その商品がその原産国で生産されたものであることを一般消費者が判別することが困難であると認められるもの」となっており、これに該当するとされたものです。

(旧)司法試験の短答式試験問題公表(法務省)

 法務省サイトに旧司法試験の今年度までの短答式試験問題(PDF)が公表されています。興味のある方は挑戦してみて下さい。
 この試験の合格者が、7月に論文式試験を受験し、その合格者が、秋の口述式試験を受けるという長丁場のシステムです。
 → 法務省サイト「第二次試験短答式試験問題」

 なお、これは、従前からのいわゆる「旧司法試験」で、2011年には廃止され、既に実施されている「新司法試験」(法科大学院=ロースクールの卒業が必要な試験)に一本化される予定です。
 「新司法試験」には、短答式と論文式だけで、口述式はありません。また短答式の直後に論文式が行われるので、短答式の合否に関わらず、全員が論文式を受験することになっています。

 私は当然ながら「旧司法試験」組ですが、なにしろ、昭和57年度司法試験ですので、今の「旧司法試験」とも科目や出題内容など随分違っています。短答式試験問題も、ちょうど昔の詰め込み記憶が中心だった問題から、今の方式に切り替わる過渡期だったように思います。そのため、今の問題はずいぶん文章が長くなっていますね。そのかわり、今は憲民刑3科目計60問ですが、以前は、3科目で90問でした(確か、そうだったよな)。

 上に「第二次試験」とありますが、「旧司法試験」というのは、正確には第一次試験と第二次試験に分かれています。しかし、第一次試験については、大学のいわゆる教養部の単位取得(学部を問わず。)ということで免除されますので(だから、大学3回生から受験できます。)、ほとんどの受験生は、第一次試験を受けません。
 したがって、普通「司法試験」というのは、第二次試験のことを指していたのですが、「新司法試験」では、第一次、第二次というような制度はありません(ロースクール卒業が前提ですので、当然ですが。)。

 新司法試験についての説明は
 → 法務省サイト「新司法試験Q&A」 
をご覧ください。

2008年5月10日 (土)

「消費者庁」が所管すべき法律等についての意見書(日弁連)

 5月8日に日本弁護士連合会(日弁連)が、「『消費者庁』が所管すべき法律等についての意見書 」を公表しています。
 → 日弁連サイト 意見書全文(PDF)

 このブログでも触れたとは思いますが、日弁連は、本年2月15日付「『消費者庁』の創設を求める意見書」を出していますが、いよいよ、実現に向けて進んでいる状況の中で、この意見書は、さらに「消費者庁」の組織構成と所管すべき法律について提言するものです。

 この意見書は、消費者庁の組織についての意見と、消費者庁が取り扱うべき法律についての意見とからなっています。

 ここのところは、私の個人的意見は置いておいて、ひとまずご紹介。

2008年5月 9日 (金)

外資系企業等のコンプライアンス整備状況などの調査(公取委)

 公正取引委員会は、本日、「外資系企業等におけるコンプライアンスの整備状況及び弁護士の立場からみた企業コンプライアンスに関する調査 -独占禁止法を中心としてー 」という事務総局の報告書を公表しています。
 → 公取サイト報道公表資料「報告書」(PDF)

 これは、公取委が、我が国で事業を行う外資系企業に対しアンケート調査をし、外資系企業の我が国におけるコンプライアンスの状況を取りまとめて、同時に国内企業に対してもアンケート調査を行い、両者のコンプライアンスの状況の違いについても検討を行うこととしたもので、さらに、独占禁止法改正法の施行等により、企業のコンプライアンスの向上が求められることになり、企業の意識がどのように変化したか等について、弁護士に対してアンケート調査を行っており、これらの結果を踏まえて、企業におけるコンプライアンスの現状について整理を行ったものが、今回の報告書、ということです。

 20年近く前、独占禁止法の勉強をしている中で、それまで知らなかった「コンプライアンス(法令遵守)」という言葉に触れ、アメリカの企業のコンプライアンス・プログラムやコンプライアンス・マニュアルの実際を見るにつけ、日米の企業の法令遵守に対する対応の大きな違いに驚いたものです。
 現在のコンプライアンス問題の状況を見ると、様変わりという所かもしれませんが、実態はどうなのでしょうね。

 さて、報告書の目次は以下の通り(ちょっと省略してます)。

第1部 外資系企業等におけるコンプライアンスの整備状況
Ⅰ アンケート調査の対象等
Ⅱ アンケート調査結果

 1 コンプライアンスの整備及び組織体制状況
 2 独占禁止法関係のコンプライアンスの取組
  (1)独占禁止法違反に対する認識
  (2)独占禁止法遵守の規程の策定状況
  (3)独占禁止法に関する法令遵守の研修の実施状況
  (4)独占禁止法に関する社内監査の実施状況
  (5)独占禁止法に関するヘルプラインの設置状況
 3 独占禁止法関係のコンプライアンスの実効性確保
  (1)独占禁止法違反への対応
  (2)海外の事業所等で競争法違反が発見された際の対応
  (3)自社のコンプライアンスの取組に対する評価
  (4)独占禁止法関係のコンプライアンスの徹底
  (5)独占禁止法違反に対する懲戒処分の内容
  (6)コンプライアンスの取組への経営トップの関与
  (7)独占禁止法違反による法的処分の自主的な公表
 4 独占禁止法改正に伴うコンプライアンスの取組の見直し
  (1)独占禁止法改正によるコンプライアンス・マニュアルの見直し
  (2)独占禁止法改正法の社内周知
  (3)独占禁止法違反行為についての社内監査
  (4)課徴金減免制度の利用
  (5)課徴金減免制度の評価
 5 諸外国との比較
 6 調査結果を踏まえた考え方
  (1)コンプライアンスの整備及び組織体制状況
  (2)独占禁止法関係のコンプライアンスの取組
  (3)独占禁止法関係のコンプライアンスの実効性確保
  (4)独占禁止法改正に伴うコンプライアンスの取組の見直し
  (5)総括

第2部 弁護士の立場からみた企業コンプライアンスに関する調査
 1 調査の概要
 2 調査結果
   (1)企業コンプライアンスに関する認識
   (2)独占禁止法改正に伴う企業のコンプライアンスに関する認識
     の変化
   (3)課徴金減免制度に関する評価等について
  (4)企業における独占禁止法関係のコンプライアンスが有効に機
     能するために留意している点等

【追記】(5/9)
 同日に、公正取引委員会は、「公共調達における改革の取組・推進に関する検討会報告書」を公表しています。→ 概要(PDF)
 談合問題など公共調達の入札に関するものではありますが、企業のコンプライアンスの向上に関わるものである点では、上記の報告書とも関連するものです。

2008年5月 8日 (木)

平成19年度景品表示法運用状況及び消費者取引の適正化への取組(公取委)

 今朝の朝刊各紙に出てますが、公正取引委員会が昨日(5/7)「平成19年度における景品表示法の運用状況及び消費者取引の適正化への取組」を公表しています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 詳細は直接見ていただくとして、公表内容の概略は後記の通りです。

【追記】(5/9)
  5月7日の公取委事務総長定例会見で、この公表内容についての若干のやり取りが出ています。 → 公取委サイト定例会見ページ
 一部、消費者庁問題についても質疑で触れられていますが。

〈概 要〉
第1 景品表示法事件の処理状況
 
 平成19年度の公取委による景品表示法の事件処理件数は、排除命令56件、警告19件、注意520件の計595件。排除命令は全て表示事件(景品事件はなし)で、表示事件の排除命令の件数としては過去最高の件数。
 このうち景表法4条2項(不実証広告)適用件数は35件。

 都道府県が景表法に基づいて行った指示の件数は28件。全て表示事件で、食品に係る不当表示が21。
 〔川村注:なお、この都道府県による景表法の指示については、先日フカヒレの事件で書きましたが、近年、都道府県による指示件数は増加しているとのことであり、運用が活発化していると指摘しています。〕

第2 消費者取引の適正化への取組状況
1 景表法等の見直し
  (1) 一定の不当表示への課徴金制度の導入(改正法案の提出)
                       →現在国会審議中
  (2) 適格消費者団体による団体訴訟制度の導入 →成立

2 公正競争規約の設定等
 平成19年度以降現在までに設定された公正競争規約は
 ① しょうゆの表示  ② もろみ酢の表示 ③ 食用塩の表示
    に、それぞれ関するもの。

3 消費者モニター,消費者取引適正化推進員及び電子商取引調査員制度の活用 
 このうち、電子商取引関係だけに注目すると、
〈電子商取引監視調査システムによる常時監視の実施〉として、
「・・一般消費者約80名に「電子商取引調査員」を委嘱し,インターネット上の広告表示の調査を委託して,電子商取引監視調査システムを通じて問題となるおそれがあると思われる表示について報告を受けている。電子商取引調査員からの報告は,景品表示法違反事件の端緒の発見,景品表示法の遵守について啓発するメールの送信等に活用している。
平成19年度は,
電子商取引調査員から942件のインターネット上の広告表示について報告を受けた。また,平成19年度報告分のうち,「消費者向け電子商取引における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項」(平成14年6月公表)に照らして問題があると認められた67サイトの管理者に対し,景品表示法の遵守について啓発するメールを送信することにより,同管理者に自主的な表示の改善を促している。この結果,ほとんどの表示について改善がみられるなど一定の成果を上げている。」

〈インターネット上の広告表示適正化に関する国際的取組への参加 〉として、
「 ・・ICPEN(消費者保護及び執行のための国際ネットワーク)の枠組の下で,参加各国の関係当局がインターネット上の広告表示について共通のテーマを選定し,法令違反の疑いがないかを一斉に点検する International Internet Sweep Daysに参加するなど,諸外国の関係当局との連携を深めている。
 平成19年度においては,9月に,「Who can you trust?(誰を信用しますか?)」をテーマとして実施されたInternational Internet Sweep Daysに参加し,
公正取引委員会は「電子商取引における効果・性能保証の強調表示」を点検の対象とした。電子商取引調査員から報告を受けた339件(252事業者320サイト)について点検した結果,景品表示法上問題となるおそれがあると思われる表示を行っていた42サイト40事業者の管理者に対し,景品表示法の遵守について啓発するメールを送信した。」
 となっています。

〔川村注:やらないよりはいいかもしれませんが、実態から考えて、どちらも、1年間でこの程度の件数では、とても実効性があるとは思えませんね。〕

4 景表法の普及・啓発,消費者団体との意見交換

5 関係行政機関との連携強化等
  第1回食品表示連絡会議(平成20年2月・関係5省庁)
  第1回悪徳商法関係省庁連絡会議(平成20年3月・関係5象徴等)

6 諸外国との連携

2008年5月 7日 (水)

電子商取引等準則の改定案パブコメ(経産省)

 経済産業省からの意見公募(パブコメ)が5月3日になされています。
 「電子商取引及び情報財取引等に関する準則改定案」に対するものです。
 休日でも公示するのですねぇ。4連休の初日公示では、実質的な募集期間が短くなってしまいますね。義務的な意見公募というわけではありませんので、期間は自由と言われればそれまでですけれども。
 受付締切日は、本年6月2日となっています。

 「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(以下、「準則」)は、経済産業省が平成14年3月に「電子商取引等に関する準則」として策定・公表したもので、電子商取引等に関する様々な法的問題点について、民法をはじめとする関係法令がどのように適用されるのか、その解釈を示し、取引当事者の予見可能性を高め、取引の円滑化に資することを目的として作られたものです。その後5回の見直し・改訂を行われており(名称も変わりました。)、今回さらなる改訂についてのパブコメとなったわけです。

 → パブコメの詳細は、こちらへ 「意見募集中案件詳細」

 まだ、ちゃんと中身はちゃんと読めてませんが、ざっと見たところ、改正部分は、

第1 電子商取引 の内、
 ◎ 2(電子商取引に特有の取引携帯)の
   (1)「電子商店街運営者の責任」の一部修正
 ◎ 3(消費者保護)の
   (3)「ウェブ上の広告表示の適正化」に
       薬事法・健康増進法および貸金業法等による規制を追加

第2 情報財取引 の内、
 ◎ 1(ライセンス契約)に
   (8)「SaaS・ASPのためのSLA」を追加
 ◎ 2(知的財産)の
  (5)「ID・パスワード等のインターネット上での提供」の一部修正
  (6)「使用機能、使用期間等が制限されたソフトウェアの制限の解除
      方法を提供した場合の責任」の追加
  (12)「他人のホームページにリンクを貼る場合の法律上の問題点」
     の一部修正  

というような所のようです。

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