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2008年4月10日 (木)

フェスティバルゲート(大阪)のテナントからの損害賠償請求事件判決

 経営破綻したアミューズメント施設「フェスティバルゲート」(「フェスゲ」 大阪市浪速区)の売却を巡り、公募型入札で落札した韓国系の開発会社が、契約締結期限の3月31日になっても売買契約締結を留保し、契約が成立していないことが、各マスコミで報道されています。
 大阪市交通局の車庫跡地の土地信託事業として作られたもので、レジャー施設ビルの中をジェットコースターが走るということで1997年開業当初はかなり話題になったものの2年目以降利用者が激減して破綻したものです。でも、私は結局一度も行かなかったです。

 さて、今回、落札した開発会社が売買契約を留保した理由として、今年3月18日に言い渡されたばかりの大阪地裁判決の影響が挙げられています。

 大阪地裁平成20年3月18日判決
 平成17年(ワ)第12617号損害賠償等請求事件

  (最高裁サイトの下級裁判所判例に掲載・・3ヶ月で消えますが)

 この判決の事案は、フェスティバルゲート開業時からテナントとして飲食店を経営していた原告会社が、賃貸人であり、実質的な施設運営主体となった信託銀行2行大阪市を被告として、不法行為ないしは賃貸借契約上の債務不履行に基づいて、損害賠償を請求するとともに、大阪市に対しては、大阪市が原告に対して申し立てた賃借区画明渡調停や仮処分事件での不法行為(名誉・信用毀損)に基づく損害賠償と謝罪広告を請求したものです。

 判決は、信託銀行2行に対して約1億4000万円の損害賠償支払(連帯責任)を認め、大阪市に対する請求については、損害賠償、謝罪広告とも請求棄却としました。
 この手の事業における自治体の責任というのも興味あるところですが、分量の関係上、以下では、大阪市に対する請求(棄却)に関しては割愛します。

 原告は、(1)契約締結にあたっての説明・告知義務違反、詐欺的勧誘、(2)営業努力義務・営業日(営業時間)維持義務違反、(3)背信的運営、を損害賠償の根拠としたのですが、
 (1)については、詐欺的勧誘とまではいえないにしても、契約を締結するか否かの重要な判断材料に関し、説明・告知義務違反があったとしました。収支見通し、外周警備費支出などに関しては、施設の収支予測に関する重大な事項として事情を説明・告知すべき義務があったとするものです。
 (2)については、このような法的義務を認めませんでした。
 (3)については、過大な警備費用に関する杜撰な処理は「背任的行為と評価されても致し方のないもの」とするなど、受託銀行らの運営は、賃借人らに対しても背信的であったもので、上の(1)と合わせて一体として不法行為が成立する、と判断しました。
 なお、本件では、テナント側の過失相殺も認められており、原告の過失割合は7割と判断されて、結局、損害額である初期投下費用と累積赤字の3割が損害賠償額として認容されたものです。

 本件で注目できるのは、この施設が単なる事務所ビルや商業ビルとは異なり、遊戯施設を集客の核として、その効果で物販店、飲食店が潤う構造であるという差異があることを意識して判断がなされている点です。
 バブル期以降、日本全国に同種のアミューズメント集客施設がたくさん開業して、破綻していったことはご承知の通りで、この「フェスゲ」だけの問題に限るものではなく、本件判決の影響は少なくないものと思います。この手の施設を展開する事業者には、結構大きな波紋が拡がっているのではないかしら、と勝手に想像してます。

【追記】(4/11)
 今朝の日経の報道では、「フェスゲ」を一般競争入札で落札した韓国系企業「フェスティバル プラザ エーピーピー」が大阪市に「契約を目指し今月いっぱい検討したい」と伝えていた、とされてますね。まだ、同社が契約する可能性があるようです。

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