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2008年4月の記事

2008年4月30日 (水)

裁判所からの自動アナウンスの不審電話??

 最高裁判所サイトの本日(4/30)の新着情報に「裁判所を騙った不審な電話にご注意ください」というのが出ていました。

 その内容は、最近、『東京裁判所』(こういう名前の裁判所はない)と名乗って調停等の次回期日を告げて出頭するように要請する自動アナウンスの電話がかけられているという情報が寄せられている、というものです。
 不審な電話の特徴として、
 ・ 女性の声の自動アナウンス
 ・ 「東京裁判所」などと名乗り、調停期日の次回期日を告げて
  出頭するように要請
 ・ 再度アナウンスを聞く場合は1番を,問い合わせをする場合は
  9番を押すように要請

とのことですね。もちろん、本当の裁判所では、出頭を要請するような自動アナウンスサービスは行われていません。
 ただ、この情報だけでは、何の目的の行為なのか、よく分かりませんね。

 一週間ほど前に、読売の報道(石川の地方版かな)で、金沢市内で、裁判所を装う不審電話が3件あったことが分かったということで、実在しない「東京裁判所」を名乗り、「出頭しないので連絡しました」というテープが流れた、ということが報じられています。同様の記事は、北国新聞でも出されているようです。ひょっとして、石川近辺限定の事案なのでしょうか。
 録音された女性の声で「こちらは東京裁判所です。あなたが出頭しなかったので連絡しました。詳しい内容を聞きたい場合は9番を押してください」というテープが流れたので、9番を押すと女性が電話に出て、「名前を名乗って下さい」と尋ねてきた、ということです。

 何らかの意図で、名前などの個人情報(おそらく、住所や電話番号その他の情報)を得て、悪用しようとしているのでしょうね。単なる名簿作りとは思えませんので、気持ち悪いですね。

 前にこのブログでも書いたと思いますが、昨年7月には、同じく最高裁判所サイトにおいて、電話で「裁判員に選任された。連絡等の必要があるので、住所、氏名、家族構成、職業などを教えて欲しい。」などと個人情報を聞き出そうとする悪質事例があったことが公表されています。

 何でもかんでも疑ってかからなきゃ身が守れないという嫌な時代になってしまいましたですね。

【追記】(5/2)
 その後、各社で報じられてますね。どうやら北陸限定ではないようで。
 上にも書きましたけど、「東京裁判所」はありません。実在するのは「東京高等裁判所」「東京地方裁判所」「東京簡易裁判所」「東京家庭裁判所」ですので、裁判所から電話があるのなら、「東京裁判所」と言うはずはありません。まして自動アナウンスなので、そんな言い間違いをすることは絶対にないですので、ご注意を。
 もっとも、ちゃんと名称を言ったとしても、同じ事ですが。

【追記の追記】(5/12)
 本日、最高裁のサイトに「ひきつづき,裁判所を騙った不審な電話にご注意ください」という続きのお知らせが出ました。
 それによれば、5月に入ってからも同様の情報が裁判所に多く寄せられているとのことです。

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2008年4月29日 (火)

「租税特別措置法」と「酒税法(^^;)」

 GW連休ですね、しつこく酒税の話題です。最初は、問題となってるガソリンの話ですが、最後には酒税法に行き着きます。。。マクラのほうが長いけど。

 さて、「租税特別措置法」は、ガソリンの税金だけじゃなく、各種の税法の特例法で、その趣旨は、1条に書かれています。
「当分の間、所得税、法人税、相続税、贈与税、地価税、登録免許税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税(中略)その他の内国税を軽減し、若しくは免除し、若しくは還付し、又はこれらの税に係る納税義務、課税標準若しくは税額の計算、申告書の提出期限若しくは徴収につき、」所得税法や法人税法、相続税法、酒税法など各種の税法の特例を設けることについて規定する法律ということになっています。

 この法律第6章(消費税法等の特例)第3節(88条の5~90条の3)「揮発油税法 及び地方道路税法 の特例」となっていて、今問題のガソリンの税金について特例が定められています。
 そして、ここの89条(揮発油税及び地方道路税の税率の特例)2項には、
「平成5年12月1日から平成20年3月31日までの間に揮発油の製造場から移出され、又は保税地域から引き取られる揮発油に係る揮発油税及び地方道路税の税額は、(中略)揮発油1キロリットルにつき、揮発油税にあつては48600円の税率により計算した金額とし、地方道路税にあつては5200円の税率により計算した金額とする。 」
とあって、今年3月末までの期限ですが、これを延長する政府案が期限までに可決できないため、4月からガソリン代の「ハッピー・エイプリル」状態が出現したものです。

 ところで、今回の「租税特別措置法」の改正は、「所得税法等の一部を改正する法律案」(以下、改正法案)の一部に規定され(→「法律案要綱」財務省サイト)、所得税法など他の税法改正と一体の形となっているため、「租税特別措置法」関係以外の改正部分も進まない形となります。(3月末で期限をむかえた他の税金についてまで混乱することを避けるため、「 国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法の一部を改正する法律」などが成立して最低限の応急手当がなされています。 )

 そして、この改正法案には、酒税法自体の改正も、その中に入っていて、改正法案87条の8「みなし製造の規定の適用除外の特例」です。
 これが、下記の関連記事に関係する改正部分ということになります。
 これは酒税法43条の適用除外を定めるもので、「酒場、料理店その他酒類を専ら自己の営業場において飲用に供することを業とする者がその営業場において飲用に供するため」、自分の店(営業場)で蒸留酒類と他の物品との混和をする場合については適用しない、とされていて、北海道ニセコのペンションのような自家製梅酒の提供事例は適法とする改正が考えられていたわけですが、現時点では、この部分の改正もガソリンと道連れとなっており、いまだに実現していません。
【追記】(4/30)
 本日午後、衆議院にて、再可決され、改正法案が成立したようですね。ガソリンなどの税率上げについては、5/1からすぐj実施という報道です。

【追記の追記】(5/2)
 上記の酒税法43条(みなし製造)の特例については、公布日(4/30)から適用されるとされています。
 なお、今回の改正法案成立による全体の各改正点の内容等については、財務省および国税庁のサイトでご覧ください。
 酒税法43条の関係については、国税庁サイトのQ&Aに、上記の新規定の説明がもう載っていました。これを見ると、この例外規定の適用を受けたい事業者は、税務署に開始申告書を提出しないといけないようですね。
  → 国税庁サイト お酒についてのQ&A「自家醸造」

〈関連記事等〉
 → 「酒の製造・販売免許制度と果実酒」(07/5/16)
 → 「船場吉兆の梅酒製造販売と酒税法」(07/12/25)
 → 春陽法律事務所HP法律コラム(08/02)
    「梅酒を造ったり、飲ませたり、の違法性」

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2008年4月26日 (土)

ブロガーの承諾なき「RSS広告」について

 RSSリーダーと言っても、使っていない人にはわかりにくいと思うのですが・・・という私も、難しい事はわからないですけども。
 ともかく、いろんなブログなどを読むのに、記事が更新されたかどうかいちいちブログを訪問していては大変面倒です。で、このRSSリーダーという仕組みを使うと、新しく記事が更新(投稿)されると、このブログにこういうタイトルの記事が入ったよ、というのを自動的に知らせてくれるのです。だから、そのお知らせが入ってタイトルなどを見て興味があれば、見に行けばいいということになっていて、便利です。私のこのブログについてももちろん設定可能です。

 私も他の人のいくつかのブログについて登録して利用していますが、私の趣味に関係するブログの1つについて、本来の内容と関係のない広告記事がRSSリーダーに入ってくるようになりました。
 その広告の中身も怪しげな投資商法的なものであったりするため、当初は、このブログ管理者(ブロガー)は、怪しげな仕事に関係しているのかな、もう読むのやめよかな、と思ったほどでした。
 しかし、良く見ると、そのブログ自体にはそのような広告記事は一切記載されていないうえに、必ず、本来のブログ記事の投稿と一緒にRSSリーダーに入ってきます(つまり、見かけ上は2つの記事を連続投稿したように)。しかし、投稿者欄を見ても、その当該ブロガーが投稿した記事として(つまり、記事とは別の広告ですよ、とはなっていない。)、RSSリーダーには表示されるので、知識のない私のような者が最初に見れば、そのブロガーさん自身が広告記事を投稿したものだと思ってしまいます。

 で、少し検索してみると、『RSS広告』といって、こういうRSSリーダーを利用した広告手法が一般的に存在しているのを知りました。
 また、当該ブロガーが知らずに利用されているケースもあるようで、楽天のブログについて、何人かの人がブログで問題にしておられるの見ました。私が見たのも楽天のブログです。

 ブログサービス事業者としては、当然ながら広告収入が入るわけです。ブログサービスは一般的には無料の場合が多いですから、ブログサービス事業者が何らかの形で広告料収入を得ようとすることは当然でしょう。
 けれども、この広告は、RSSリーダーを読んでいる者(少なくとも私)には、迷惑メールと同じで迷惑です(もっとも、みんなが迷惑なら、広告としての効果は少なく淘汰されるでしょうけども。)。
 さらに、一方のブロガー側としても、本人が承知の上ならば、バナー広告同様ご自由ということかもしれませんが、全く知らないうちに利用されているケースでは、上で書いたように、自分で気づかないまま、読み手側に品性を疑われてしまうということも充分あり得るわけです。それだけではなく、ひょっとすると、商売がたきや嫌いな企業、悪徳企業の宣伝に利用されている可能性もあるわけですよね。だとすれば、ブロガーの信用をけがすことにもなり、単に「気分が悪い」というようなレベルの問題ではなく、実質的な損害を発生させることにすらなりかねません。
 仮に私のブログをRSSリーダーにわざわざ登録いただいている方々にそのような広告が届くことになるとすれば、私は許せないし、たぶん、さっさと別のブログサービスに移転すると思います(大丈夫でしょうね。自分のブログをわざわざ登録したりしてしませんからねぇ。)。

〈要するに・・・まとめ〉
 『RSS広告』は、迷惑メール防止法特定商取引法での迷惑メール規制には、おそらく要件上引っかからないのだと思いますが、「不招請勧誘」の手段として受信者側に迷惑なのは全く同様です。
 そして、ブログサービス事業者が当該ブロガーに事前了解を得ることもなしにやっているとすれば一層問題です(細かいブログ利用規約のどこかに事前の包括的な承諾文言がある、などという理屈は、この場合論外でしょう。皆が想定していないような重要な事項は、ちゃんと具体的に事前に説明すべきと思います。)。
                                  以 上

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2008年4月25日 (金)

個人情報保護の基本方針の一部変更等の閣議決定

 行政も国会も、連休前にいろいろと片づけようとしているのか、連発になってしまいました。速報だけですけど。

 本日、「個人情報の保護に関する基本方針の一部変更及び個人情報の保護に関する法律施行令の一部を改正する政令」が閣議決定されました。

 従前の「基本方針」との主な変更点は、いわゆる「過剰反応」問題についての取組や、消費者等の権利利益の一層の保護について、追加されている点などです。

【追記】(5/2)
 一部変更された上記基本方針や改正政令については、内閣府のサイト「個人情報の保護」から見ることができます。
 なお、政令のほうの内容は、以前このブログの下記記事で書いた点についてのものです。
 → 「個人情報保護法の政令改正案のパブコメ:市販名簿関連」
                          (3/6)

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景品表示法・特定商取引法に消費者団体訴訟を導入する法律成立

 さきほど、発表されたところですが、景品表示法特定商取引法消費者団体訴訟制度を導入すること等を内容とする「消費者契約法等の一部を改正する法律案」が、本日の参議院本会議で可決し、成立しました。

 以下は、公正取引委員会のサイトでの報道発表に基づくものですので、景品表示法関連部分のみになっておりますが、、本法には、特定商取引法への消費者団体訴訟制度の導入が含まれています
施行期日は、平成21年4月1日とされています。〈【追記】(6/8)ただし、特商法部分の施行は、別途審議される特商法・割販法改正法の施行日からとされており、現時点で同法が未成立のため、未定ということになっています。〉
 → 公取委サイト報道発表(PDF)

 改正法の内容
(1)   消費者契約法の一部改正
ア  適格消費者団体の認定・監督における行政機関相互の連携
 内閣総理大臣は、適格消費者団体の認定をしようとするときは,所定の事由について公正取引委員会の意見を聴くものとする。【15条2項】
 また、公正取引委員会は、内閣総理大臣が適格消費者団体に対して適当な措置をとることが必要であると認める場合には、内閣総理大臣に対し、その旨の意見を述べることができるものとする。【38条1項1号】
イ  差止請求権の行使状況に関する情報共有
  内閣総理大臣は、適格消費者団体による差止請求権の行使状況について、電磁的方法を利用して同一の情報を閲覧することができる状態に置く措置その他の方法により、公正取引委員会に伝達するものとする。【23条5項】 

(2)  景品表示法の一部改正
  適格消費者団体は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して、商品又は役務の内容について著しく優良であると誤認される表示や、商品又は役務の取引条件について著しく有利であると誤認される表示をする行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該行為の差止請求をすることができることとする。【11条の2】

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製紙業者の再生紙不当表示事件の排除命令(景表法)

 先日来、既に報道されてきた再生紙に関する不当表示事件の排除命令です。
 本日、公正取引委員会は、製紙会社8社(以下「8社」)が販売するコピー用紙に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するとして、8社に対して排除命令を行いました。
 8社は、王子製紙株式会社、紀州製紙株式会社、大王製紙株式会社、中越パルプ工業株式会社、日本製紙株式会社、北越製紙株式会社、丸住製紙株式会社、三菱製紙株式会社
 → 公取委サイト報道発表(PDF)
  なお、8社に対する排除命令自体のPDFファイルも公取委報道発表ページにあります。

(違反事実の概要)
 8社は、古紙から抽出したパルプ(古紙パルプ)を原材料に用いたコピー用紙(再生紙コピー用紙)を取引先販売業者を通じて一般消費者に販売するに当たり、当該商品の包装紙、当該商品の包装紙に貼付した商品ラベル、当該商品を詰めた箱又はウェブサイトに、それぞれ当該商品の原材料に用いられた古紙パルプの割合(古紙配合率)を示す記載をしていたが、実際の古紙配合率は、記載された古紙配合率をそれぞれ大きく下回るものであった。 

(排除措置の概要)
ア  前記表示は、一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を公示すること。
イ  再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ  今後、同様の表示を行わないこと。 

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「消費者庁」創設の首相表明

 4月23日、福田首相「消費者庁」創設を表明しました。
 また、25日午前の閣僚懇談会では、、「消費者庁」の創設について「創設の趣旨を踏まえ、各省庁の立場を超えて取り組んでもらいたい」と述べ、官僚側の抵抗排除に向けて各閣僚に指導力の発揮を求めた、とのことです(共同配信記事)。
 → 首相官邸HP「消費者庁(仮称)の創設に向けて」
 → 主張官邸HP「消費者行政推進会議」

 これに対して、4月23日付で日本弁護士連合会(日弁連)の会長談話が出されています。
 → 日弁連サイト「消費者庁(仮称)創設に関する会長談話」
 この会長談話では、「・・・消費者庁を創設し、消費者行政全般についての司令塔として位置づけること、消費者に身近な問題を取り扱う法律は消費者庁に移管すること、すき間への対応や被害者救済を視野に入れた新法の検討を進めること、地方消費者行政を強化することなどを明確にし、国民目線の消費者行政への転換の姿勢を打ち出したことは、高く評価できるものである。」としています。
 日弁連では、5月15日夜に日弁連会館2階講堂にて、シンポジウム「安全をめぐる消費者行政の問題点と消費者庁のあり方」を開催します。このシンポジウムは、食品安全・製品安全の現状と問題点を明らかにするとともに、「消費者庁」において取り組むべき課題等について公開の場で議論し、消費者行政推進会議の最終取りまとめに反映させたいとして開催されるものです。
 → 日弁連シンポジウム
    「安全をめぐる消費者行政の問題点と消費者庁のあり方」

 一方、民主党は、この自民党案に対抗して、「消費者保護官法案」を今国会に提出する予定としています。これは、消費者の権利を守る役割を担う保護官を内閣から独立した形で新設し、各省庁が持つ強制調査権限を行使するよう勧告する権限を持たせるなど、首相に準じた権威を持つ役職とするという制度を考えているようです。

 なお、消費者庁については、このブログでも、最近、次のような記事を書いています。
 → 「『消費者庁』の創設を求める意見書と緊急集会(日弁連)」(2/15)
 → 「消費者庁設置:自民党調査会決定と首相意向表明」(3/20)

(関連リンク)
仙台弁護士会「消費者が主役の消費者行政新組織の実現を求める会長声明」(4/23)

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2008年4月23日 (水)

燃費向上商品への排除命令に対する審判手続開始

 もう一丁がんばって書きますわ、というほどのものではありませんが。。。

 公正取引委員会が今年2月8日付で行った、自動車燃費向上等を標榜する商品の製造販売業者らに対する排除命令に対して、ニッポンエミール・すばるメディア・ピエラスの3社から審判請求があったため、4月21日、独占禁止法52条3項に基づいて審判手続を開始することとなりました。
 この2月の排除命令は、19社に対するものでした。詳しくは、下のリンク記事を見て下さい。
 前にも書きましたが、本件では景品表示法4条2項の「不実証広告」規定を使って公取委排除命令を行ったのですが、これにたいする不服申立としての興味がありますね。できれば、公取委側の代理人になりたいくらいですが、そういう制度はなさそうです(寂笑)。
 もちろん、申立会社側が、燃費向上の立証をすれば、それまでなんですけどね。

 → このブログ記事「燃費向上商品の不当表示に対する排除命令(景表法)」(2/8)
 → 排除命令の公取公表記事(PDF)

 ただ、この手の景品表示法の表示事案の場合、顧客からすれば、返品、代金返還の問題が生じます。これに関しては、詐欺:錯誤だとか債務不履行だとかの細かい話になるので、ちょっと省きますが、景品表示法自体は公法的な規制(行政の問題)であって、民事法的な効果とは直接的な関係はないので、そのあたりの問題が今後検討されなければなりませぬ。
 また、わかっていて買わせていたなら、景品表示法だけでなく、刑法上の詐欺罪として刑事責任の対象となるべきもんですけどね。

 それはそれとしても、景品表示法上、表示の正当性を証明できる根拠があるならば、審判手続よりも前に出せなければ、事業者としては問題があるという評価もあるかもしれません。
 本当に燃費向上の効果があると納得すれば、私も買うぞ。でも、もし表示とは違うなら、はっきりと認めて、顧客に弁償すべきとではないでしょうか。

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JASRACの私的独占行為容疑での立入検査(公取委)

 今日も東京出張でした。今回は東京地裁の裁判ですけども、先週から3回目の東京です。同じ日に東京出張がまとまれば効率がいいのですが、そういうわけにもいきません。
 さて、消費者庁創設の首相表明や、雑誌記事中のコメントについての損害賠償判決などなど、ここに書いておきたい話題が出てきてますが、とても整理する時間がなく、ぼちぼちと追いついて行きたいと思います(本業すら追いついていないのでご容赦)。

 さて、本日の報道で目立ってますが、音楽著作権管理事業に関して有利な内容の契約を放送局と結び、著作権管理市場への新規事業者参入を不当に締め出したとして、公正取引委員会が本日、独占禁止法違反(私的独占)の疑いで日本音楽著作権協会(JASRAC)に立入検査したとのことです。
 これについても、報道以上のことはわかりませんが、放送局としては、JASRAC管理の音楽は定額で使い放題なのに、他の事業者の管理する曲を使う場合は追加支出が生じる形となっているため、放送局が新規事業者の参入を制限している疑いがあると公取委は考えているようです。

 独占禁止法3条「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。」
 さかのぼって独占禁止法2条5項「この法律において「私的独占」とは、事業者が、単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法をもつてするかを問わず、他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。」

 なお、JASRACは、自らのサイトで、「公正取引委員会がJASRACに立入検査を行い、JASRACはこの検査に全面的に協力いたしました。
 今後の対応につきましては、検査の結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えています。」
としています。
 ちなみに、同サイトでは、4月9日に「コンプライアンス宣言」をされておられますね。その宣言の中の7項に、
「 日常業務の推進にあたっては、法令や社会規範及び協会の規程等に沿って業務を行います。
  (1) 著作権法、公益法人関連法、信託法、著作権等管理事業法、独占禁止法等の法令や社会規範等に沿って適切に業務を行います。 」

というのがありました。

 この件に関しては、「JASRAC」への立入検査という点と、新規参入妨害による「私的独占」の疑いによる立入検査という点に、興味が引かれるところですが・・・すみません・・・それ以上、検討する時間がありません。明日夜には、独禁法公正取引研究会で、下請法についての発表をしなければならないもので。。。

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2008年4月22日 (火)

司法試験(新・旧)の今年度受験予定者 

 本日付で、法務省から新・旧両方の平成20年司法試験の受験予定者・出願者数などが公表されました。
 新のほうは「受験予定者数」、旧のほうは「出願者数」と違いがあるのは、何か意味があるのかな?公表事項も異なりますけども。
 → 法務省サイト

 制度は異なりましたが、私たちの受験の時代も、連休明けに短答式試験があり、連休中は直前の勉強期間でしたので、遊びに行く人たちがうらやましかったのを覚えています。
 受験生の皆さんの健闘を祈りたいと思います。

 まずは、新司法試験から、
1 受験予定者数等 7,710人
  男 5,374人(69.70%) 女 2,336人(30.30%)
  受験回数 1回目 4,890人(63.42%)
       2回目 2,333人(30.26%)
       3回目 487人( 6.32%)
  既修・未修別 既修者・法学部卒 3,012人(39.07%)
         既修者・非法学部卒 412人( 5.34%)
         未修者・法学部卒 2,539人(32.93%)
         未修者・非法学部卒 1,747人(22.66%)

2 選択科目別受験予定者
  倒産法 1,822人(23.63%)租税法 370人( 4.80%)
  経済法 731人( 9.48%)知的財産法 1,173人(15.21%)
  労働法 2,457人(31.87%)環境法 442人( 5.73%)
  国際関係法(公法系) 154人( 2.00%)
  国際関係法(私法系) 561人( 7.28%)
 ※ 試験地別予定者数は省略。

 つづいて、旧司法試験(出願状況)については、出願者数は昨年度に比して6,022人減、減少率21.5%減の2万1,994人となり、5年連続の減少となった、ということです。それでも、2万人
  ○ 出願者総数  21,994人
      男17,784人   女4,210人 

  ○ 出願者1,000人以上の大学別内訳
      中央大学 2,357人  早稲田大学 2,258人
      東京大学 1,469人  慶應義塾大学 1,417人
      明治大学 1,120人

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2008年4月21日 (月)

総務省サイトのリニューアル

 何だか、今日も別の所から、某雑誌についての古い記事の紹介記事が続いて、そっちへの訪問が続いているようですが、それはそれとして、というか、その隙にひまつぶしを。。。

 本日総務省の公式サイトがリニューアルしてました。このサイトは以前から、日本標準時がトップページに出ていて、時計合わせに便利です(微笑み →※1)。
 ここは、前まで、他の官庁のサイトに比べて立ち上げるのが重かったのですが、軽くなったようですね。総務省は広範囲の業務を行っているので、どうしても重いのかな、と思ってましたが、改善されたようです。

 この総務省サイトにもある同省のキャッチフレーズは、
  「実はここにも総務省」  です。

 これを見て思い出したのが、破綻した石川銀行のキャッチフレーズです。
  「用もないのに石川銀行」

 あっ、別に総務省のキャッチフレーズにけちを付けてる訳では絶対にないですよ。何の脈絡もなく思い出した、というだけです。気を悪くなさらないで下さい。
 なお、経済産業省のサイトも最近リニューアルされてますね。

※1
 自分のパソコンの時刻合わせをしようとして、この画面上の日本標準時に、パソコンの内蔵時計を合わせて適用すると、画面上の日本標準時も同じ分だけずれてしまいますので、ご注意を。内蔵時計の時刻合わせが完了したら、総務省サイトの画面を更新すれば、サイト画面上の時計も正しい時刻に変わります。

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2008年4月19日 (土)

アクセス記録更新

 18日は、某会社の会議出席のため東京出張でした。

 さて、17日の午後6時頃から、突然、このブログへの大量のアクセスが始まりました。この状態は丸一日続いて、18日の午後6時ころ、ほぼ終息したようです。

 先日、当ブログを「ビジネス法務の部屋」で紹介いただいた時でさえ、トップの座を譲らなかった昨年3月9日のアクセス数の大記録を、17日は夕方からのアクセス急増だけであっさり超えてしまい、翌18日には当分破られなさそうな訪問者数、アクセスページ数の記録となったようです。
 ちなみに、昨年3月は、先日亡くなった川内康範氏のおふくろさん騒動に関する記事にアクセスが集中したものです。そのころはブログを始めたばかりで、アクセスされる人も今より随分少なかった時でしたが、当時は国民的話題だったので、キーワード検索で一時的にたくさんいらっしゃったというだけのものでした。

 さて、今回の大量アクセスの理由ですが、訪問者のリンク元を見てみると、関西の某私大の理工系の先生のサイトでした。ここの17日の記事に、とある雑誌に関する私のブログの古い記事2つをリンクされたためで、そこから飛んで来られた方が多数ありました。昨年2月と今年4月に書いた記事です。
 その後18日の夕方に当該サイトに新しい記事が投稿されて更新されたため、一挙にアクセスが減りました。それでも、まだ、アクセスしてこられる方が若干おられるので、いつもより多いですけどね。
 おそらく、普段のブログ訪問者の方々とは、ちょっと違う層の訪問者が多かったのではないかと想像しています。こちらは大歓迎ですが、あまりリピーターにはなっていただけないでしょうねぇ。それにしても、その大学の先生のサイトは、地味な作りの情報サイトなのに、毎日すごい数のアクセスのある人気サイトなんですね。

 興味のある方(いるかな?)のために、その先生のサイトを紹介しておきます。
  → 「セキュリティホール memo」

【追記】(4/19)
 で、ついさっき更新されたところでは、18日のココログの記事毎アクセスランキングで、上の古い両記事が8位と15位になってしまいました。特に8位だとココログのトップページでもろに紹介されてリンクされるので、そろそろ、そっち経由のアクセスが増え始めるのではないかしら。
 やっと、騒動が終息したと思ったのですが。。。

【追記の追記】(4/19)
 追記で心配していたのは杞憂に終わって、徐々にいつものペースに近づいてきて、落ち着いてきました。
 以前、NIFTYのトップページにアクセス数の多い記事がリンクされてたときに載った時には結構アクセスが増えたと思うのですが、やはり、NIFTYのトップページとココログのトップページとでは、影響力に差があるということでしょうか。

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2008年4月17日 (木)

下請へのラーメン等購入押し付けの下請法違反事件(公取委)

 本日、公正取引委員会は、九州産交運輸株式会社に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項6号(購入・利用強制の禁止)に違反するとして勧告を行いました。 
 → 公取サイト報道発表資料(PDF)

 ここのところ続いている自動車運送事業者に対する下請法違反勧告事件ですね。
 →「また・また・また貨物運送業者に対する勧告(下請法)」(3/28)など
 ただし、今回の事案は、よくある代金不当減額(下請法4条1項3号)ではなく、購入・利用強制の禁止(4条1項6号)です。要するに、下請事業者に対して、物品の購入を押しつけたというものですね。

(違反事実の概要)
 九州産交運輸は、貨物運送を下請事業者に委託しているところ、自社の利益を確保するため、ラーメン等の物品販売キャンペーンにおいて、役員及び従業員の知人のほか取引先に購入を要請するという方針のもと、あらかじめ、本社各部,支店,営業所等の部門ごとに、販売目標数量を定め、下請事業者に対し、下請事業者との取引に係る交渉等を行っている支店,営業所等の長又は配車担当者を通じて、具体的な数量を示し、販売目標数量に達していない場合には既に購入した者に対し再度要請するなどして、購入要請を行っていた。 
 下請事業者(241名)は、今後の九州産交運輸との取引を考えやむを得ず、前記要請を受け入れて、ラーメン等の物品を購入した(購入総額2469万1440円)。 

(勧告の概要)
ア 前記要請に基づき下請事業者が購入したラーメン等の物品の購入金額から当該物品の仕入価格に相当する額を控除した額(998万8770円)を下請事業者に対して速やかに支払うこと。 
イ  前記購入強制行為が下請法の規定に違反するものである旨及び今後、下請事業者の給付の内容を均質にし又はその改善を図るため必要がある場合その他正当な理由がある場合を除き、自己の指定する物を強制して購入させない旨を取締役会の決議により確認すること。 
ウ 今後、下請事業者の給付の内容を均質にし又はその改善を図るため必要がある場合その他正当な理由がある場合を除き、自己の指定する物を強制して購入させることがないよう、自社の発注担当者等に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じるとともに、その内容等を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。 
エ 前記に基づいて採った措置を取引先下請事業者に周知すること。  

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2008年4月16日 (水)

フカヒレの不当表示と千葉県の調査(景表法)

 16日の報道によれば、首都圏で中華総菜販売店「昇龍園」などを運営する「大和グループ」(本社千葉市)が、総菜「産直もやしとフカヒレの冷菜」のラベルに「フカゼラチン」と表示しなければならない食材を「フカヒレ」として販売していたことが分かった、ということです。
 「フカゼラチン」というのは人工(人造)フカヒレの原料に使われるようです。人工フカヒレをちょっと調べてみると、「豚ゼラチン」を原料にしているものも多いようなんですが、「フカゼラチン」という以上は、サメ由来のゼラチンなんでしょうねぇ?(【追記】毎日の記事によれば、サメの軟骨周辺のゼラチン質を人工的に固めたもののようですね。)

 これについて、報道では、千葉県が景品表示法違反(不当な表示の禁止)の疑いで聞き取り調査を進めており、会社側は自社サイトでこの事実を公表し、「結果として偽装表示になってしまったことに否定の余地はございません。チェック体制のミスに起因するもので、お客さまの信用を裏切り、深くおわび申し上げます」としている、とのこと。この会社のサイトを先程見に行ったのですが、「アクセス集中」ということで見られませんでした。
 まだ事案の内容に関して詳しくは分かりませんが、この会社も、この段階で自ら積極的に公表したこと自体は評価できるのではないか、と思います。
(【追記】(4/17)今日の時事の報道だと、3月下旬にフカヒレは入っていないのでは、という情報があったので、県が調べたところ、会社が大筋で認めた、ということなので、その通りだとすれば、どうやら「自ら積極的に公表」したと評価する必要はなさそうですね。公表しないよりマシですが。)

 さて、上の報道で、景品表示法違反(不当表示)事件について、千葉県が調査を進めているようなんですが、ご承知の通り、景品表示法の本来の執行機関は公正取引委員会です。
 なぜ、公取委ではなく、地方自治体である千葉県が調査しているかというと、景品表示法7条(都道府県知事の指示)の規定があり、同法違反行為については、都道府県知事が事業者に対し、行為をやめさせたり、再発防止に必要な事項などを指示することができる、となっています。
 さらに、この指示に従わない場合などは、都道府県知事から公取委に適当な措置を請求することができます(同法8条)。
 そして、これらの指示や措置請求を行うために必要があると認めるときは、都道府県知事は、事業者などに対し報告をさせたり、都道府県職員に事業所などの場所に立ち入ったり、帳簿書類などを検査させたりなどをすることができるものと規定されています(同法9条)。
 つまり、本件の千葉県の調査は、この規定に基づいてなされているものです。

【追記】(5/21)
 千葉県は注意の行政指導を行ったようです。

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国際航空貨物便の運送代金カルテルの疑いで立入検査(公取)

 本日(4/16)、国際航空貨物便の運送代金に関して、運送会社が価格カルテルを結んでいた疑いがあるとして、公正取引委員会は、日本通運近鉄エクスプレス、日本郵船系列の郵船航空サービスの大手3社を含む計13社と業界団体である社団法人航空貨物運送協会に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査に入った、と各社で報じられています。
 対象業者は他に、西日本鉄道阪急エクスプレス日新バンテック・グループ・ホールディングスなど。

 日本では、航空法によって、国土交通大臣の認可を受けて行う協定についての独占禁止法の適用除外規定が定められていて、国際航空運送協会(IATA)が定める協定がこの適用除外の協定にあたります。この適用除外規定については、昨年12月、廃止するように公取委が国交省に申し入れをしたり、EUなど既に適用除外を廃止したりしている所もあるなど最近もいろいろ話題になってます。
 けれども、冒頭の件は、この問題と関係はするものの、直接的には独禁法の適用除外制度の対象の事案ではありません。
 というのも、この適用除外規定は、航空運送事業者の間の協定に関する除外規定ですので、今回対象となったような一般の運送業者の間の価格協定はそもそも除外規定の対象にはなりませんので、価格について協定すれば、カルテルとして独禁法違反が問題となります。

 ところで、最近、欧州連合(EU)欧州委員会アメリカの司法省も、世界の航空会社による国際航空運送料金のカルテルについて調査を続けているようです。
 今年3月、EU欧州委員会が、定期旅客便の運賃をめぐって、航空会社が価格カルテルを結びEU競争法に違反した可能性があるとして、複数の航空会社を立ち入り調査したことを明らかにしていますし、アメリカ司法省は、昨年8月、大韓航空とブリティッシュエアラインに対して旅客・貨物運賃カルテルへの関与を認めたとして、それぞれに3億ドルの罰金を科したことが報じられていました。

 →(参考)公取委の研究会報告書(平成19年11月29日)(PDF)
  「国際航空市場の実態と競争政策上の課題について
       ―国際航空協定に関する独占禁止法の適用除外制度の
                                     在り方を中心としてー」 

【追記】(4/17)
 17日の報道では、米司法省が、16日、日本航空が国際貨物の航空運賃をめぐり、カルテルを結んでいたことを認め、1億1000万ドル(約111億円)の罰金の支払いに合意したと発表しています。EUなどとの連携の動きと見られますね。
 おりしも、4月13日には、京都で日本とEUの競争当局間の定期協議、引き続き14日からICN,国際競争ネットワークの第7回年次総会が開催されていましたが、このあたりのことも話題になっていたのでしょうね。

【追記の追記】(4/17)
 日本航空のサイト発表によれば、「弊社は、米国司法省がこれまで2年以上にわたり世界の主要国際航空貨物会社に対して実施してきた、米国・太平洋線国際航空貨物に係わる価格カルテル関する調査に協力してまいりましたが、本年4月16日(米国時間)、米国司法省と司法取引を行い、罰金110百万米ドル(約110億円)を支払うことなどに合意いたしました。」となっています。
 知らなかったのですが、現在の「株式会社日本航空」は持ち株会社で、旧来の日本航空の正式な社名は、「株式会社日本航空インターナショナル」なんですね。上記の司法取引を行った『日本航空』「日本航空インターナショナル」です。 ややこしや~。。。

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2008年4月15日 (火)

日本銀行松江支店情報流出事件の調査報告

 先日(3/24)書きました日本銀行松江支店の職員のパソコンからの内部情報流出事件について、本日、日本銀行から、調査報告書総裁談話が公表されています。
 → 「日本銀行情報流出事件と北海道警捜査資料流出事件訴訟判決」(3/24)
 → 日本銀行サイト公表資料(調査報告書、総裁談話)

 調査結果によれば、流出した情報は計34ファイルで、職員が、フロッピーディスクに格納して自宅に持ち帰り、個人所有パソコンに保存していたもの(当初発表数を修正)。
  このうち、金融機関とその融資先に関する機密度の高い情報としては、①金融機関の過去の決算分析に関するものと、②日本銀行が金融機関に委嘱している国庫国債事務の事務検査に関するものの2種類で、掲載されていた金融機関の数は13先、融資先の数は14先ということです。

 流出の経緯としては、職員の個人所有パソコンの内の1台にファイル交換ソフト(Cabos、Winnyおよびその亜種)が検出されていて、ただし、暴露ウイルス(ファイル交換ソフトを通じて勝手にファイルを流出させてしまうAntinnyなどのウイルス)そのものは検出されなかったものの、ある暴露ウイルスに感染した場合に特徴的に生成されるファイルが多数発見されたということです(当該職員があわててウイルスを削除したということなのかな?)。 ウイルスチェックソフトも2005年にサポート期限が到来しており、ウイルス定義ファイルは2001年のものであったとのことだったので(こりゃひどいですね。)、今回流出した情報は、当該パソコンが暴露ウイルスに感染し、ファイル交換ソフトを通じて流出したものであると判断しています。

 そして、反省すべき点として、
(1)職員の規範意識が十分ではなかった点
(2)情報流出を生じさせないための執務環境の整備が十分ではなかった点
(3)上司が部下の内部ルール違反を認識していなかった点

を挙げ、
 再発防止策として、
(1)情報の厳格な取扱いの再徹底
(2)情報流出を生じさせない執務環境の整備
(3)内部におけるチェック体制の強化

を挙げています(詳しくは、上記の日銀公表資料をご覧ください)。

 今回の件で、関係者の処分として、当該職員1名に停職1ヶ月(自主退職)、管理・監督者6名に戒告(内、現支店長、全支店長は給与自主返上10%1ヶ月)がなされています。

 情報流出事件後の対応の参考にもなる事案です。比較的早期に調査、処分を行って結果公表をしている点は評価できるとは思います。・・・総裁が不在だったにもかかわらず・・・

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「不動産トラブル事例データベース」配信開始(国交省)

 国土交通省が昨日(4/14)発表していたのですが、不動産の取引に関する紛争等を類型的に取りまとめた「不動産トラブル事例データベース」のサイトの運用を4月14日より開始した、とのことです。
 → 国交省サイトの発表
 → 「不動産トラブル事例データベース」

 国交省によれば、
 データベース化した不動産取引に係る紛争事案を消費者がインターネット環境を使って検索することにより、判例、特定紛争、行政処分といった事例毎に、要旨、概要、紛争の結末や留意点などの情報を入手することができます。
 国土交通省としては、これらの情報を広く一般に提供することにより、
不動産取引に係る紛争の未然防止や、早期解決等が図られることを期待するものであります。
 現在、データベースに登録している紛争等の事例数は165件となっていますが、今後、時代に即した新たな事例などの追加更新を行い、データベースの充実を図っていく予定です。

 ということです。

 いくつかの事例は見てきましたが、まだ全体的に目を通すことはできてませんので、感想は保留しておきます。
 ただ、これからの事例の集積を待つ必要はありますが、業者にせよ、消費者にせよ、参考にはなることは期待できますね。

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2008年4月12日 (土)

KIDS-CRICコピーライト・ワールド(おじゃる丸編)

 週末の知的娯楽のご案内・・・というわけでもありませんが。

 社団法人「著作権情報センター(CRIC)」のサイトは、著作権のことをいろいろ調べるのに便利です。

 で、このサイトに子供向けに「KIDS-CRIC コピーライト・ワールド」というページがあって、NHK教育テレビでおなじみのおじゃる丸がキャラクターになっていて、楽しげです。

 けれども、子供向けとはいえ、内容的にはきちんとしていて、大人が著作権の基本を勉強するにも、充分にお奨めです。

 この中の、「バーチャルタウン」では、学校、会社、家庭、インターネット、放送に関して、日常的に著作権が問題となる基本的なところがわかりやすく解説されていますし、「クイズ・ゲームの広場」の「CRIC式自己診断テスト」や「クイズ・コピーライト道場」などは、大人でも結構歯ごたえがあります。クイズの中身も、微妙なところを突いていて、甘く見ていると間違えたり、きちんと理解していない個所は悩んでしまうかもしれません。一度チャレンジしてみて下さい。
 また、教師や生徒向けの「コピーライト教室」も一般の方にとっても参考になりますよ。

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2008年4月11日 (金)

「遺言の日」は何月何日?

 来週の火曜日、4月15日は、「遺言の日」ということらしいです。「良い遺言」の語呂合わせということのようですけども。
 「遺言」は、一般的には「ゆいごん」というほうが多いように思いますが、法律家は「いごん」と発音します。どっちでも間違いではありません。

 で、全国の弁護士会では、この日に記念行事を行うようで、大阪弁護士会でも、近畿税理士会との共催で、「遺言の日記念行事 相続の準備はできていますか?」を開催します。
                   → 全国の記念行事はこちら(日弁連サイト) 

 大阪弁護士会サイトからの宣伝チラシによれば、
 「資産家じゃないから…」、「うちの子らは兄弟仲がよいから…」、「相続でもめるなんてないわ」とお考え方、本当にそうですか?「私の財産や事業を家族がうまく引き継いでくれるか心配だ。どうしたらよいだろう?」と思ったことはありませんか?
 あなたの大切な財産や事業を円満にご家族に引き継いでもらうには、遺言作成が最良の対策です。
 遺言は、弁護士や税理士にご相談を!

 ということです(参加は無料)。  → 大阪弁護士会イベント情報

 日 時  平成20年4月15日(火)  午後1 時から
 場 所  大阪弁護士会館 大阪市北区西天満1-12-5
 内 容  午後1時~ (2階ホール)
        寸 劇 ~「向日葵家(ひまわりけ)」の相続問題~
       午後2時30分~午後4時(1階法律相談センター)
        無料相談会
          弁護士や税理士による遺言・相続の無料相談
            ※相談者多数の場合、寸劇聴講者を優先
              希望者は、寸劇終了後2時30分迄に受付

                  問合せ先 06-6364-1227
                   (大阪弁護士会委員会担当室) 

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2008年4月10日 (木)

フェスティバルゲート(大阪)のテナントからの損害賠償請求事件判決

 経営破綻したアミューズメント施設「フェスティバルゲート」(「フェスゲ」 大阪市浪速区)の売却を巡り、公募型入札で落札した韓国系の開発会社が、契約締結期限の3月31日になっても売買契約締結を留保し、契約が成立していないことが、各マスコミで報道されています。
 大阪市交通局の車庫跡地の土地信託事業として作られたもので、レジャー施設ビルの中をジェットコースターが走るということで1997年開業当初はかなり話題になったものの2年目以降利用者が激減して破綻したものです。でも、私は結局一度も行かなかったです。

 さて、今回、落札した開発会社が売買契約を留保した理由として、今年3月18日に言い渡されたばかりの大阪地裁判決の影響が挙げられています。

 大阪地裁平成20年3月18日判決
 平成17年(ワ)第12617号損害賠償等請求事件

  (最高裁サイトの下級裁判所判例に掲載・・3ヶ月で消えますが)

 この判決の事案は、フェスティバルゲート開業時からテナントとして飲食店を経営していた原告会社が、賃貸人であり、実質的な施設運営主体となった信託銀行2行大阪市を被告として、不法行為ないしは賃貸借契約上の債務不履行に基づいて、損害賠償を請求するとともに、大阪市に対しては、大阪市が原告に対して申し立てた賃借区画明渡調停や仮処分事件での不法行為(名誉・信用毀損)に基づく損害賠償と謝罪広告を請求したものです。

 判決は、信託銀行2行に対して約1億4000万円の損害賠償支払(連帯責任)を認め、大阪市に対する請求については、損害賠償、謝罪広告とも請求棄却としました。
 この手の事業における自治体の責任というのも興味あるところですが、分量の関係上、以下では、大阪市に対する請求(棄却)