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2008年3月24日 (月)

日本銀行情報流出事件と北海道警捜査資料流出事件訴訟判決

 日本銀行松江支店職員のパソコンからの情報流出が報道されていますね。3月21日朝に、日銀松江支店に「インターネット上に当店のものと思われる資料が掲載されている」旨の連絡が匿名であり、それが同支店の職務関連資料で、特定の金融機関等に関する情報が含まれていた、ということです。個別企業の信用に関わる資料もあったようです。

 日本銀行のサイトでの説明では、「情報が記載されていた金融機関等に対しては、個別に事情を説明させていただき、謝罪致しました。また、情報の掲載がこれまでに確認されたサイトに対しては情報の削除依頼を行い、削除済となっています。」となっています。

 ただ、情報は単に2ちゃんねるなどの掲示板に掲載されていたというのではなく、職員のパソコンが感染していたウイルスによって、P2Pソフトを介してネット上にばらまかれてしまっているようです(実際にファイルがどの程度流出してしまったかは不明ですが)。今日の報道では、6件の文書の流出が確認されており、当該職員のパソコンには39件の内部文書ファイルがあったということなので、判明している以外にも情報が流出している恐れがかなりあると見るべきでしょう。

 流出文書を貼り付けたような掲示板の記事をいったん削除しても、また改めて掲載される可能性は充分にあるわけで、本件に限らずこのようなネット上への流出情報を完全に回収することは不可能に近く、取り返しのつかないことになったり、被害がずっと継続するというようなケースも考えられます。

 自衛隊員や警察官などのパソコンからこのような機密情報が流出する事件は最近よく聞かれるのですが、民事裁判になったものとして、被疑者の捜査情報が、北海道警の警察官が自宅に持ち帰った私有パソコンからウイルス感染により情報流出したという同様の事件につき、北海道警察本部長、当該警察署長、管理担当者らの不法行為が成立するとして、国家賠償法に基づいて、当該被疑者が北海道に対して損害賠償(慰謝料200万円)を求めた訴訟があります。
 1審の札幌地裁(平成17年4月28日判決)は、当該文書をパソコン内に保存したまま自宅に持ち帰り、インターネットに接続させた行為は、捜査関係文書の保存、管理という点において捜査関係文書の作成という職務行為と関連して一体不可分のものというべきであって職務行為に当たるとして、被告の北海道に責任を認めて慰謝料40万円の支払を命ずる原告一部勝訴の判決を言い渡しました。
 しかし、2審の札幌高裁(平成17年11月11日判決)は、警察官の職務行為又は社会通念上職務の範囲に属すると見られる場合に当たらず、また、ウイルスによる流出の予見可能性もなかったとして、原告逆転敗訴の判決を言い渡しています(最高裁にて確定している模様)。

 同じような事件であっても、その職務行為性や管理の実態によっても判断は異なりますし、ウイルスによる流出についての予見可能性というのも判断の微妙なところですし、北海道警の訴訟では、現実に1,2審で判断が分かれたわけですが、今回の日銀の事件を考えるうえでは参考になる裁判例だと思います。

【追記】(4/15)
 本日(4/15)、日銀は、本件内部情報流出問題の調査結果と関係者の処分を発表しています。これについては、別の記事にしました。
 → 「日本銀行松江支店情報流出事件の調査報告」(4/15)

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