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2008年3月10日 (月)

児童ポルノDVDの外国からの輸出罪についての最高裁決定

 もうひとつ、刑事事件の最高裁の決定です。
 児童買春・児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(児童ポルノ禁止法、児童ポルノ処罰法)7条6項児童ポルノを外国から輸出する罪の成否についてのもの。

 平成20年3月4日 最高裁決定 (上告棄却)→ 最高裁サイト

 タイに居住していた被告人が、児童ポルノのDVDを、日本のネットオークションに出品して、その落札者に対して、国際郵便でDVDを送付したという事案です。
 児童ポルノ禁止法7条6項(児童ポルノを外国から輸出する罪)は、その輸出が「不特定の者に販売する目的で」あることが要件になっています。しかし、この事案では、日本に向けて郵送する際には、既に特定された落札者に向けて送られているわけですので、「不特定の者に販売する目的で」輸出されたことにならないのではないか、という弁護人主張についての判断です。

 児童ポルノ事件では有名な大阪の奥村徹弁護士が弁護人として上告したものですが、最高裁は、刑訴法405条の上告理由に当たらない、としたうえで、職権で以下のような判断を行いました。
「被告人は,本件児童ポルノであるDVDを送付する時点では,特定の者にあてて国際スピード郵便に付している。しかし,被告人は,児童ポルノであるDVDをインターネット・オークションに出品して不特定の者から入札を募り,入札期間の終了時点で最高値の入札者を自動的に落札者とし,その後当該落札者にあてて落札されたDVDを送付したものであって,
本件輸出行為は,上記DVDの買受人の募集及び決定並びに買受人への送付という不特定の者に販売する一連の行為の一部であるから,被告人において不特定の者に提供する目的で児童ポルノを外国から輸出したものというを妨げない。法7条6項にいう『第4項に掲げる行為の目的で』との要件を肯認した第1審判決を是認した原判断は,結論において相当である。」

 要するに、オークション出品から輸出までの一連の行為をとらえて、最後の輸出行為自体の時点では特定の者であるが、全体的にみれば、不特定の者といってよい、としたものですね。

 この最高裁決定の原審である名古屋高裁判決(平成18年5月30日)も見てみましたが、弁護人の主張は多岐にわたっています。そのうち、上記論点についての原審判決の判断を参考のため抜粋しておきます。
「・・・児童ポルノ処罰法7条6項,4項は,児童ポルノを不特定又は多数の者に提供する目的のある場合を処罰しているところ,関係証拠によると,被告人が児童ポルノをインターネットオークションに出品し,これを落札した者には,その者が誰であっても輸出する意思であったことは明らかであり,現に多数の者に輸出されていることからも,被告人にそのような目的のあったことが優に認められる・・・」

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