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2008年3月28日 (金)

ヤフーオークション詐欺被害訴訟の判決(名古屋地裁)

 日本のネットオークション最大手のヤフー・オークションで、落札・入金しても商品が届かない詐欺被害にあった利用者780人が、オークションを主催するヤフーを被告として、計約1億5800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、本日昼過ぎに名古屋地裁でありました。
 報道によれば、黒岩裁判長は「同社は被害防止のため時宜に沿った注意喚起をしていた」として、被告ヤフーの損害賠償責任を認めず、原告らの請求を棄却したようです。
 原告は全国46都道府県に及んでおり、総落札点数は1086点。

 → 原告団のサイト(ちょっと読みにくいけども)

 このブログでも何度か紹介させていただいた、ネットオークションのシンポジウム(3/8 主催:消費者支援機構関西)には、この原告団の訴訟代理人をされていた名古屋の山森広明弁護士にもパネリストとして出席いただいていました。
 判決の詳細がわかりませんので現時点で結論についてはコメントしにくいですが、オークション主催業者は、単に取引の場を提供しているだけとは言えないと思いますので、個々のオークション取引のトラブル、被害発生について、どこまでの注意義務があるのか、という点が問題となる事案ですね。
 下にリンクした消費者支援機構関西の提言では、主催者のオークション運営のあり方に関して、以下の5項目の提言を行っています。
(1)出品者についての情報開示
(2)出品者についての調査義務
(3)代金決済制度の改善
(4)出品物、規約、苦情窓口等の表示の明確化
(5)トラブル回避のための利用者への啓蒙活動

 → シンポ(3/8)の模様
 → 消費者支援機構関西の提言
  
「インターネットオークションにおけるトラブルの防止と消費者保護について」

【追記】(3/29)
 上記の原告団のサイトに「判決要旨」がアップされていました。

 それによれば、原告ら詐欺被害者の主張は以下のようなものです。
 被告ヤフーには、詐欺の被害を生じさせないインターネットオークションシステムを構築するために、(1)詐欺の被害防止に向けた注意喚起、(2)第三者機関による信頼性評価システムの導入、(3)利用者に対する出品者情報の提供・開示(匿名性の排除)、(4)エスクローサービス利用の義務付け、(5)詐欺被害に対する補償制度の完備、をすべきであるのに怠った。

 これに対して、被告ヤフーの反論主張は、(1)注意喚起は十分に行っている、(2)日本には信頼性評価を行う第三者機関は存在しない、(3)被告ヤフーの判断で利用者情報を開示することは憲法、電気通信事業法の「通信の秘密」上、困難である、(4)エスクローサービスを利用するかどうかを利用者に委ねても不合理ではない、(5)補償制度は事後的な救済であって、これによって詐欺が防止できるわけではない、というもの。

 そして、裁判所は、
1.被告ヤフーには、詐欺の被害防止に向けた注意喚起を時宜に沿って行う義務はあるが、被告は時宜に沿った注意喚起を行っていたと認められる。
2.その他の原告主張の具体的義務(上記の(2)~(5))については、被告ヤフーにこれらの具体的義務を要求することは困難であるから認められない。

として、被告ヤフーに原告らの詐欺被害についての損害賠償責任はない、と判断しています。

【追記の追記】(4/9)
 原告サイトに判決文が載りましたので、別記事を書きました。
 → 「ヤフーオークションの運営者の注意義務(名古屋地裁判決続報)」(4/9)

【追記の追記の追記】(9/4)
 本日(9/4)、名古屋高裁で控訴審の第1回口頭弁論期日が開かれたようです。審理は終結し、判決は10月7日の予定とか。

【追記の追記の追記の追記】(11/18)
 結局11月11日に高裁判決があったようですね。
 → 「ヤフーオークション詐欺被害訴訟の控訴審判決(名古屋高裁)」(11/18)

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