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2008年3月 5日 (水)

前記事の続き:景品表示法と団体訴訟

 今回、消費者団体訴訟制度が導入される改正案が国会に提出された特定商取引法景品表示法の内、景品表示法について昨日の記事の続きです。
 というよりも、今日は、東京で、日本弁護士連合会(日弁連)消費者問題対策委員会があって、私はその独禁法部会に出席していたのですが、今回の景品表示法の団体訴訟導入に関して意見の叩き台を出す役目を仰せつかったので、そのまとめを兼ねてなのですが・・・

 まず、今回、団体訴訟についての手続的な面は消費者契約法の中の改正で対応していますが、その点は置くとして、差止請求権の中身は景品表示法の改正になります。それは、新たに後記の11条の2が新設されることになっています。

 とすると、この法律の体裁から考えて、景品表示法4条2項「不実証広告」の規定は、この団体訴訟で消費者団体が利用することはできないと思われます。
 「不実証広告」というのは、景品表示法4条2項により、公正取引委員会が商品・サービスの内容について実際のものよりも著しく優良であると示す表示等(優良誤認表示)に該当するか否かを判断するために必要があると認めるときは、その表示をした事業者に対し、期間を定めて表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求め、資料が提出されない場合に当該表示を不当表示とみなすことができるとするもので、このブログでも何度か書いてますが、この規定によって、排除措置が出されている不当表示が結構あります(なお、有利誤認については、この規定は使えません。)。

 ということは、消費者団体訴訟での差止請求では、通常の民事訴訟の立証責任の考え方にしたがって、不当表示であることを原告の消費者団体側が主張し、立証しなければなりません。
 しかし、例えば、健康食品の効能、効果や、最近のカビよけや燃費向上に関する不当表示事案で、それが効き目のないことを消費者団体側が主張立証することは困難な場合が多いと思われます。したがって、景表法4条2項と同様に、この団体訴訟においても、当該表示が不当表示ではないことを事業者側が主張立証すべきという「立証責任の転換」が図られるべきであると思われます。そのためには、4条2項同様の民事訴訟上の推定規定を置くことが必要だと思います。

 なお、今回の改正案のように、このような法律上の推定規定が置かれないとしても、広告などに置いてその商品の表示が正しいかどうかについては、消費者向けに表示する以上は、本来その事業者が資料等を有しているはず、という観点からして、訴訟において事業者からそれなりの資料が出されない場合は、表示が不当なものであるという認定がなされても不公平ではないと思いますので、裁判所としては、事業者側に正当な表示であることを証明する資料の提出を促し、それが充分になされない場合には、不当表示であることを積極的に認定するという事実認定をなすべきと考えます(訴訟法でいう「事実上の推定」)。

景品表示法11条の2(改正案)
  消費者契約法(平成12年法律第61号)第2条第4項に規定する適格消費者団体は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。

1 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のもの又は当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると誤認される表示をすること。

2 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示をすること。

景品表示法4条2項(現行)
 公正取引委員会は、前項第1号に該当する表示(注:優良誤認)か否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、第6条第1項及び第2項の規定(注:公取委による排除命令)の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。

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