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2008年3月 1日 (土)

(続)庁内LAN掲示板への記事掲載判決について

 先日、速報した判決が最高裁サイトに出たので、中身について、ちょっと書きます。

 東京地裁平成20年2月26日判決
 平成19年(ワ)第15231号 著作権侵害行為差止等請求事件

 事案は、社会保険庁が管理運営する庁内LANシステム内に新聞報道等掲示板があり、その掲示板に職員が、同庁に関連する新聞や雑誌の記事を複写・掲載していた。そして、この掲示板に、原告の週刊誌記事(4本の連載記事)を掲載した、というもの。

 原告の請求内容は、差し止めについては、
 1 掲示板からの削除請求 と 2 将来の掲載行為の予防的差止請求 の2つですが、1については、判決は、既に削除済であるとして認めませんでした。
 2については、原告の請求は、「LANシステム上に原告の著作物を掲載してはならない。」旨のものだったところ、判決は、「社会保険庁LANシステムの電子掲示板用記録媒体に当該著作物を記録し,又は当該著作物を公衆の求めに 応じ自動送信させてはならない。」旨の表現で認めています(原文は変えてます)。ここは、実務的には参考になりますね。

 そして損害賠償請求については、原告の374万円と遅延損害金の請求に対して、判決は42万0500円と遅延損害金を認めました。損害の算定の判断も争点ですが、本稿では省略します。

 さて、この判決は、掲示板用の記録媒体に本件著作物を順次記録した行為について、公衆送信権侵害を認めました。

 そして、著作権法42条1項(「著作物は・・・行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には,その必要と認められる限度において,複製することができる。」)の適用については、この規定が、特定の場合に,著作物の複製行為が複製権侵害とならないことを認めた規定であり,この規定が公衆送信権(自動公衆送信の場合の送信可能化を含む。)の侵害行為について適用されないことは明らかである、として、そもそも公衆送信権侵害行為についてはこの規定が適用されないと判断しています。

 さらに、この規定は行政目的の内部資料として必要な限度において複製行為を制限的に許容したものだから、本件のように、社会保険庁全体の多数の者の求めに応じ自動的に公衆送信を行うことを可能にした本件記録行為については、実質的にみても、著作権法42条1項の拡張的な適用をする余地がないことは明らかである、としました。

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