庁内LAN掲示板への雑誌記事掲載と著作権侵害
報道によれば、週刊現代の「まやかしの社保庁改革を撃つ」という連載記事を社会保険庁の庁内LANの電子掲示板に掲載していたことが、著作権侵害に該当するとして、筆者(ジャーナリストの岩瀬達哉氏)が国を被告として掲載の差し止めと損害賠償を請求していた裁判で、本日(2/26)、東京地裁が、差し止めと約40万円の損害賠償の支払を命じる判決を言い渡した、とのことです。
基本的には、雑誌や新聞の記事を権利者に無断で、デジタル化しLANで配信できる状態にすれば、通常は複製権の侵害ということで、著作権法違反になります。なお、他人の著作物と「引用」との関係については、以前、「著作権法で許される『引用』」(07/7/23)というのを書いていますので、そちらをご覧ください。
今回の裁判では、報道記事を見る限り、複製権の制限規定である著作権法42条が問題となったようです。この規定は、「行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる」としているので、国側は、この規定に該当して複製が許されると主張したようです。
判決の詳しい理由はわかりませんが、記事によれば「自動配信を可能とする今回の複製は行政目的にあたらない」と判断したようです。たぶん、判決は近日中に最高裁サイトで速報されると思いますので、また補充したいと思っています。
詳細がわからないので、現時点での感想ですが、もし、社会保険庁を批判した雑誌記事について社会保険庁の職員の多くが読める掲示板に掲載したということだとすれば、著作権法42条が例外として認める「行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合」とはいえないと思います。
【追記】(2/28)
やはり出ましたよ。→ 最高裁知的財産裁判例
判断内容については、週末にでも別記事で書くつもりです。
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