フォト

weathernews

ツイッターでつぶやく

無料ブログはココログ

« 犯罪収益移転防止法が3月から全面施行 | トップページ | 放火を認定した民事判決(火災保険金請求) »

2008年1月30日 (水)

フィルタリングと競争法

 産経の報じるところでは、携帯電話で未成年者が有害サイトを閲覧できないようにするフィルタリングサービス(以下、フィルタリング)について総務省が、携帯各社による過剰な規制に歯止めをかける方針を固めた、とのこと。ドコモ(DOCOMO)などは、自社が認定する「公式サイト」だけ閲覧可能とし、他の「一般サイト」にはアクセスさせないアクセス制限サービスを勧めているが、これでは健全な一般サイトまで利用できなくなる恐れがあり、携帯電話会社のサイト選別が市場をゆがめるとの批判が出ているためということです。

 この議論についての議事録などは近日中に出るのかと思いますので(かな?)、詳細はそれを待ちたいと思います。
  (配布資料は出ました。→末尾【追記の追記の追記】参照)

 安全性のための規制や拘束競争法(独禁法)との関係というのは以前からある論点なのですけども、青少年保護だけを重視すると、グレーゾーンも含めて閲覧できない範囲を拡げておかなかればならず、そうすると、多くの携帯サイトが排除される結果となることについて、競争法上どう考えるべきかということになるのでしょうか。
 そういえば、一昨年の情報ネットワーク法学会研究大会で、「フィルタリングと表現の自由」に関する報告がなされており、それも興味ある問題なのですが、今回はそれとはまた別の視点からの問題提起となります。

 実際問題として、「危ないゲームサイト/良いゲームサイト」、「危ない出会系サイト/まぁ仕方ないかのコミュニケーションサイト」の境界はあいまいですしね。漫画や小説の閲覧サイトも同様でしょう。私も子を持つ親の1人として、正直なところ悩んでしまうところです。

 ただ、言えることは、こういうことの議論を、通信事業者など経済界からの意見中心に決めてはならない、ということでしょう。競争法的な視野からも教育的な視野からも、教育者、保護者(親)、ユーザーなどそれぞれの立場から充分な検討が必要だろうと思います。

 私自身の個人的な感覚では(結論を出せるわけではありませんが)、青少年保護については、相当程度重視されるのが当然と思います。
 ただ、自分の会社の公認サイトのみ安全で閲覧できて、それ以外のサイトは全て駄目というシステムを強制するかのようなシステムは、青少年保護に名を借りた行き過ぎた市場制限だと思います。なるべくそういうことのないような柔軟なシステムによって、青少年保護が図れるような技術的検討ができればいいな、と思っています。

 それと、こういう問題は、悪質なサイトを青少年の目から遮断するということも必要なのかもしれませんが、目隠しすれば良し、ではなくて、正しい選択ができるような教育を家庭、学校、社会で行わなければいけないという面も忘れてはならないと思います。でなけりゃ、大人になってから同じ問題が生じるだけではないのかな。子供達にとても偉そうにいえないような事件を、教育者を含めた立派な肩書きの大人がたくさん起こしているのですものね。

【追記】(1/30)
 フィルタリングと総務省の関連情報
◎携帯電話におけるフィルタリングの普及促進について
    (平成19年2月16日 総務省・警察庁・文部科学省)
 都道府県、教育委員会、警察等に対し普及促進の啓発活動の取組を依頼

◎携帯電話等のフィルタリング導入促進に関する携帯電話事業者等への要請
    (平成19年12月10日 総務省)
  携帯電話・PHS事業者(DOCOMO、KDDI(au)、ソフトバンクモバイル、ウィルコム)と電気通信事業者協会に対し取組強化を要請。
 この要請で、契約時に原則としてフィルタリングサービスを利用するよう導入促進を図ることを強調しています。
 なお、総務省は、平成18年11月20日にも同様の要請を携帯電話事業者らに行っていますが、今回の要請は、原則導入の促進という点で強い要請になっています。

 この総務省の要請に応じて対策を示した各事業者の案につき、過剰規制の恐れがあるとして、総務省が逆に歯止めをかけようとしているというのが、冒頭の報道です。
 報道では、
フィルタリングの方式には(1)携帯電話会社の公式サイトから、有害の恐れのあるサイトを排除し、残ったサイトの閲覧を許可する「ホワイトリスト」(2)一般サイトを含め、有害情報サイトだけ遮断する「ブラックリスト」──の2方式があり、DOCOMOとKDDI(au)は原則ホワイトリストを適用し、希望者にはブラックリスト方式を提供する方針で、ソフトバンクと、PHSのウィルコムはブラックリスト方式を標準適用する。
 とされており、このうち前者のホワイトリスト方式を総務省が問題にしているということのようです。

【追記の追記】(1/30)
 続きの記事 → 「フィルタリングの話の続き」

【追記の追記の追記】(1/31)
 第3回「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の配布資料は、総務省サイトに掲載されました。楽天とミクシーのプレゼン資料がフィルタリングについて懸念を示しています。
 なお、議事録は前回の第2回まで掲載されています。

 

 

« 犯罪収益移転防止法が3月から全面施行 | トップページ | 放火を認定した民事判決(火災保険金請求) »

ニュース」カテゴリの記事

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

法律」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/183277/17893405

この記事へのトラックバック一覧です: フィルタリングと競争法:

« 犯罪収益移転防止法が3月から全面施行 | トップページ | 放火を認定した民事判決(火災保険金請求) »