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2007年12月の記事

2007年12月28日 (金)

2007年、締めのご挨拶

 今年も数日で終わろうとしています。私の事務所も今日まで。今年もいろいろありました。
 さっきまで訴状作成作業をしていたという綱渡り状態ですが、それも何とか済ませました(年越しになった仕事もたくさんありますけども)。
 最新の判例時報に掲載された判決についても年内に書くつもりが、果たせそうになく、年明けに持ち越しです。

 さて、このブログも今年の1月下旬から始めたのですが、約11ヶ月で280ばかりの記事を書くことができました。数だけは立派なもんですが、来年は質を追求していかなくてはなりませんね。

 弁護士のブログもたくさんあります。
 大阪の弁護士でも、ヤフー情報漏洩弁護団などで大変お世話になっている壇俊光弁護士「壇弁護士の事務室」など多くの読者を獲得しているブログもありますし、その中でも、山口利昭弁護士の「ビジネス法務の部屋」は、質量ともに圧倒されるブログですが、先日とうとう2007アルファブロガーに選出されました。考えてみると、お二人とも私の大学の後輩ですが、不肖の先輩の私にはそんな才能もなく、ぼちぼちと来年も続けたいと思います。
 それでも、お陰様で、毎日、多くの方に訪問いただき拙文をお読みいただいておりますことに感謝しています。

 たぶん、これが今年最後になると思いますが、来年が読者の皆さん、および、読者でない皆様すべてにとって、平和で健康な良い年になりますことをお祈りしつつ、今年の締めといたします。
 一年間ありがとうございました。よいお年をお迎え下さい。

2007年12月27日 (木)

ネットオークションに関する提言

 NPO法人「消費者支援機構関西」が、そのサイトで、「インターネットオークションにおけるトラブルの防止と消費者保護について」という提言を発表しています。
 この提言は、
  (1)インターネットオークションの概要
  (2)インターネットオークションにおける消費者被害
  (3)KC’sが取り組んだオークション被害者支援活動
  (4)オークション主催者による被害補償、不正行為防止に向けた取組
  (5)インターネットオークションのあり方とその健全な運営についての提言
からなっています。

 提言をまとめた「消費者支援機構関西」(略称 KC’s・ケーシーズ)は、今年8月に消費者契約法上の「適格消費者団体」として内閣総理大臣から認定を受けており、消費者契約法に違反する事業者の不当な行為に対して差止請求訴訟の原告となることがができる団体です。

 この適格消費者団体は、ここの他に、
  ◎ NPO法人「消費者機構日本」(東京)
  ◎ 社団法人「全国消費生活相談員協会」(東京)
  ◎ NPO法人「京都消費者契約ネットワーク」(京都)

があり、現在全部で4団体となっています。この内、京都消費者契約ネットワークは先日(25日)に認定を受けたばかりです。
 また、この他にも、各地で認定を目指している消費者団体があります。

2007年12月26日 (水)

使っていないのに「カシミヤ70%」(景表法)

 公正取引委員会は、本日(12/26)、株式会社ユナイテッドアローズが販売する衣料品に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)違反の事実が認められたとして、排除命令を行いました。
 → http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.december/07122601.pdf

 これに関連するのですが、このブログ8月4日付「中国製カシミヤ製品の不当表示と景品表示法」の記事で、別の2社のカシミヤ100%表示についての排除命令などについて書きました。今回の件もこの関連なのでしょうけど、今回はネパールからの輸入品のようです。
 で、この8月4日付記事の下のほうを見てもらうと、今回の排除命令の対象会社が輸入ズボンの原産国表示に関する不当表示事件でも排除命令を受けていることがわかります。

 もっとも、この業者に故意や過失があったかどうかの問題は別のことにはなり、業者の悪質性とは必ずしも結びつきません。
 けれども、これらの事件から言えることは、仕入れた商品の表示については、製造業者や仕入れ先による表示内容を安易に信用することはできず、販売業者もかなり注意を払わなければ、このような事件に巻き込まれるのだ、ということになります。
 なお、商品回収、返金等、同社の対応については同社のwebサイトにも掲載されています。

今回の排除命令の違反事実の概要
 ユナイテッドアローズは、国内の卸売業者等を通じてネパールから輸入したストールを自社の「ジュエルチェンジズ」と称する小売店舗において一般消費者に販売するに当たり、商品の下げ札に「カシミヤ70%」と記載することにより、あたかも当該商品の原材料としてカシミヤが70パーセント用いられているかのように表示していたが、実際には、当該衣料品にカシミヤは用いられていなかった。

法廷用語の日常語化プロジェクト報告書(日弁連)

 日本弁護士連合会(日弁連)のサイト内の「裁判員制度」サイトに、「法廷用語の日常語化に関するプロジェクトチーム最終報告書」(12/19)が公表されています。

 日弁連の裁判員制度実施本部のプロジェクトチームの報告書で、なんだか難しそうなタイトルですが、中身は、裁判員制度の実施を前に、法律知識のない一般の人にも、裁判所で使われる言葉をわかりやすく説明し、法律家にもその認識をもってもらおう、というような趣旨で作られているようです。法律家以外の言葉の専門家の方々もこのプロジェクトチームに参加されています。
 なので、この報告書自体が、一般向けに、法律用語や裁判制度についてのやさしい解説書、用語辞典として使えるようになっています。新聞などでよく出てくる裁判や犯罪・刑罰についての言葉を調べる場合にもいいかもしれません。
 もっとも、法律用語といっても、裁判員制度を前提としていますので、民事裁判についての記載はなく、刑事裁判に参加するために必要となる刑事手続きや犯罪・刑罰関係の用語の説明です。

 法律専門家ではないけれども、法律、特に刑事関係に興味のある方にはお奨めです。私は、これには一切関与しておりませんが、たまたま見て面白かったので、紹介させていただきました。

2007年12月25日 (火)

船場吉兆の梅酒製造販売と酒税法

 どうやら、あの「船場吉兆」が、酒税法上の許可を得ないで梅酒を製造、販売していたとして、国税局も調べを進めているとのことです。

 梅酒などを自家製造して販売することが違法になるというのは、以前このブログでも書きました。詳しくはこちらをどうぞ。
 → 「酒の製造・販売免許制度と果実酒」(5/16)

 梅酒といえども、法律上例外的に製造が許されているのは自己消費分だけです。小料理屋だとかスナックだとかで、お客に出すようなのは酒税法上、違法とされているので、ご注意。
 しかも、例外は「酒類の消費者が自ら消費するため」(酒税法43条11項)という規定です。
 この規定を厳密に考えれば、自分以外の家族に飲ませるためでも駄目じゃないかと思われますが、国税庁の通達では「同居の親族が消費するためのものを含むものとし、他人の委託を受けて混和するものは含まないものとする。」とされていますので、同居家族のために作る(自家消費する)のはセーフという運用のようです。でも、これによっても、別居している子供とか親戚、あるいは、近所の友人にあげるために作るのは、販売ではなくても、違法ということになります。なお、この国税庁通達では、「自ら」には法人は含まないとされています。

 興味のある方は、酒税法43条(みなし製造)酒税法施行令50条をよくお読みください。
 なお、前にも書いたのですが、酒税法上の「果実酒等」と、梅酒などとは違いますので、酒税法を読む際には、お気をつけ下さい。

【追記】(1/11)
 朝日が、与党の酒税法の改正方針を報じていますね。与党の来年度税制改正大綱に示されているのですが、飲食店などにおいて、一定の要件の下での「みなし製造」規定の不適用の方向での改正方針ということのようです。
 これは、以前(5/16)書いたニセコの事案については、セーフとなる改正ですが、自分の飲食店などで客に供する場合に限られるので、商品として客に販売するのは、この改正方針でも合法とはなりません。
        【この関連】(08/5/1)
    → 「『租税特別措置法』と『酒税法(^^;)』」(08/4/29)

【追記の追記】(08/2/8)
 今朝の各社の報道では、
 大阪、福岡両国税局が国税犯則取締法に基づいて、船場吉兆と前社長にそれぞれ4万円の罰金相当額を納付するよう通告していたことが分かった、とのこと。さらに、5年間に製造した分にかかる酒税計約7万円も追徴課税したもようで、既に全額が納付されたらしいということです。

2007年12月20日 (木)

不当廉売についての公取委の変節:怪しからぬ

 タイトルとは関係なく、今日は、公取委が、大規模小売り業者による魚の一夜干しや鶏肉加工食品や家具に係る表示についての不当表示(景表法違反)の警告を行った、というのがあります。
 → http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.december/071220.pdf

 で、怪しからぬ本題に
 昨日の公取委事務総長の記者会見として公取委サイトに公表されています。怪しからぬ。
 以下は公取サイトの事務総長定例会見の概要
 詳しくは → http://www.jftc.go.jp/teirei/h19/kaikenkiroku071219.html

 その一部を後に載せます。ちょっと、サイズの関係で文章は変えてます。
【追記】(12/21)
 何故怪しからぬのかは、
 → 「不当廉売規制と安売り規制は違うよ」(11/13)
 → 「不当廉売と課徴金(昨日の続き)」(11/14)

会見概要
(問)独禁法調査会において,不当廉売に課徴金を適用すべきという声が非常に多く出ましたが,どのように考えていますか。

(事務総長)確かに,今朝の独禁法調査会において,不当廉売,あるいは差別対価等を課徴金の対象にすべきであるという強い意見があり,引き続き,その具体的な内容について議論していこうということであったと聞いております。私どもも,そういう強い声があるということも踏まえまして,具体的にどういう制度設計があり得るのかということを真剣に考えていきたいと思います。

(問)大まかな方向性としては適用対象にする方向で,その制度設計,構成要件等を今後検討していくということですか。

(事務総長)どういう制度設計があり得るのかということを真剣に検討していきたいということです。

(問)公取委「独占禁止法の改正等の基本的考え方」では,不当廉売に起因する排除型私的独占には課徴金を課すとしていますが,自民党の主張は,排除型私的独占に達する前に不当廉売に課徴金をかけられないかという議論と思いますが,不当廉売にも課徴金を課すということに関して前向きなのかどうか,現段階での見解を聞かせてください。

(事務総長)「基本的考え方」では,不当廉売等によって競争が実質的に制限される私的独占に該当する行為を課徴金の対象とすることによって,不当廉売等についての抑止もある程度図られるのではないかという考えであったわけですが,競争の実質的制限に至る前の段階でも課徴金の対象にすべきではないかという声が非常に強いということですので,そういう点についてどういう具体的な制度設計があり得るのかを検討していきたいということです。

(問)どういう制度設計があり得るかを考えたいという御発言の意味は,「基本的考え方」において示された課徴金の対象をもう少し幅広に考え,純粋な意味での不当廉売についても対象にするということが考え得るので,それを前提に制度設計を考えたいということですか。

(事務総長)不当廉売を課徴金の対象とすることはなかなか難しいということで「基本的考え方」はまとめているわけですが,具体的にどういう制度設計があり得るのかということを考えたいということです。

(問)与党の声なども踏まえて,方針が変わりつつあると考えてよいのですか。

(事務総長)方針が変わりつつあるといいますか,従来の「基本的考え方」で課徴金の対象にしたいと考えておりました類型に加えて,そのような強い要請がある不当廉売等につきまして,課徴金の対象にできるかどうか,あるいは,できるとした場合,どういう具体的な内容,制度があり得るのかということを検討したいということです。

(問)不当廉売には,消費者に資する安売りと,不公正な安売りがあり,線引きが難しいという意見もありますが,課徴金のの構成要件を検討するに当たって,どのような尺度,考え方で線引きしていくのですか。

(事務総長)不当廉売については,基本的に競争を阻害するおそれがあるかどうかとなってまして,不当廉売の考え方については,従来から小売業を中心に明らかにしてきております。そういう従来の運用等も踏まえまして,課徴金の対象ということになりますと,要件をさらに明確化し,こういう要請もあるわけですから,そういう点も踏まえながら具体的な制度をどうするかということを検討しなければならないと思っております。

(問)今日の独禁法調査会では,累犯性が要件になり得るのではないかという意見もありしたが,その点についても検討対象になるのですか。

(事務総長)そういう内容も含めて検討したいと考えております。

2007年12月19日 (水)

ヤフーBB個人情報漏洩事件最高裁決定を受領

 先日(12/15記事参照)お知らせしたヤフーBB個人情報漏洩事件についての最高裁決定を入手しました。

 控訴審判決後半年以内の最高裁の判断で、予想通りというか、具体的な理由は書かれていません。
 もっとも、実際には最高裁判決や決定の大部分はこういった「三行半(みくだりはん)」の形式的な書式です。これは、上告事由がないから上告を棄却、というのと、上告受理申立としても上告受理をすべきものとは認められない、という両方の判断結果を示しています。
 なので、残念ながら法律的な観点からはあまり意味はないのですが、かえって一般の方には珍しいかもしれないと思うので、参考のため、以下に、本件決定の「主文」と「理由」の全文を載せておきます。
 なお、双方(原告個人らとヤフー株式会社。ソフトバンクBBからは上告等なし。)からの上告及び上告受理申立ですので、決定としては2つ出されてますが、中身は一緒です(それぞれ、ちょうど双方が反対の形になるだけです。)。

〈主文〉
 本件上告を棄却する。
 本件を上告として受理しない。
 上告費用及び申立費用は上告人兼申立人らの負担とする。

〈理由〉
1.上告について
 民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲及び理由の不備・食違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しない。

2.上告受理申立について
 本件申立ての理由によれば、本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。

 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

2007年12月18日 (火)

個人情報保護法:経済産業分野 ガイドライン改正案(経産省)

 先日、日経に報じられていた件ですが、経済産業省は、本日(12/18)、「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」の改正案に関する意見募集(パブリックコメント)を公表しました。

 それによれば、個人情報の取扱いを要する委託業務に関し、委託元が十分に監督を行っていなかったことに起因して、委託先、再委託先から個人情報が漏えいする事案が頻発している状況を踏まえ、類似する個人情報漏えい事案の防止に向けて、ガイドラインの見直しを行い、改正案をとりまとめた、とのことです。
 意見募集期間は平成20年1月17日( 木)まで。

主な改正点としては、下記の通り、
(1)委託先に対する必要のない個人データの提供を禁止したこと
(2)委託元による委託先に対する必要かつ適切な監督 の内容を明確化したこと〈①委託先を適切に選定すること②受託者との間で必要な契約を締結すること③受託者における委託された個人データの取扱状況を把握すること〉

となっています。
 → 詳しくは、経産省サイト

【追記】(08/3/1)
 08年2月29日に改正が告示されました(施行3/1)。
 →個人情報保護法「経済産業分野を対象とするガイドライン」改正(経産省)
                       (08/3/1)

不当減額事案もう1つ(下請法)

 本日(12/18)、公正取引委員会は、東京アート株式会社に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)違反の事実が認められたとして、勧告を行いました。
 不当減額の勧告事案が続きましたね。
 →  http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.december/071218.pdf

  違反事実の概要
 
東京アートは、ショッピングバッグ,紙器製品等の製造及びこれらのデザイン等の情報成果物の作成の全部又は一部を下請事業者に委託しているところ、コストダウンを図るため、下請事業者に対して、「歩引き」と称して下請代金の額に一定率を乗じて得た額を負担するよう要請した。
 同社は、前記要請に応じた下請事業者に対し、下請代金の額に一定率を乗じて得た額を当該下請事業者に支払うべき下請代金の額から差し引くことにより、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、当該下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。

  勧告の概要
ア  平成18年2月から同19年3月までの間に、「歩引き」と称して下請代金の額から減じていた額(総額4462万7636円)を下請事業者(121名)に対して速やかに支払うこと。

イ  前記減額行為が下請法の規定に違反するものである旨及び今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じない旨を取締役会の決議により確認すること。

ウ  今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じることがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じるとともに、その内容等を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。

エ  前記ア,イ及びウに基づいて採った措置を取引先下請事業者に周知すること。

貨物運送業者の下請法違反(不当減額)

 昨日(12/17)、公正取引委員会は、昭和冷蔵株式会社に対し、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)違反の事実が認められたとして、勧告を行っています。
 → http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.december/07121701.pdf

  違反事実の概要
 昭和冷蔵は、貨物自動車運送の全部又は一部を下請事業者に委託しているところ、自社の利益を確保するため、下請事業者に対して、「値引き」等と称して下請代金の額に一定率を乗じて得た額を負担するよう要請した。
 昭和冷蔵は、前記要請に応じた下請事業者に対し、下請代金の額に一定率を乗じて得た額を当該下請事業者に支払うべき下請代金の額から差し引くことにより、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、当該下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。

勧告の概要
ア  平成18年3月から同19年5月までの間に、「値引き」等と称して下請代金の額から減じていた額(総額4254万7476円)を下請事業者(7名)に対して速やかに支払うこと。

イ  前記減額行為が下請法の規定に違反するものである旨及び今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じない旨を取締役会の決議により確認すること。

ウ  今後,下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じることがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じるとともに、その内容等を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。

エ  前記ア,イ及びウに基づいて採った措置を取引先下請事業者に周知すること。

2007年12月16日 (日)

外注先への個人情報提供の厳格化へ(経産省)

 日経が12/15に報じたところでは、経済産業省は一般企業が持つ顧客の個人情報の流出防止策を強化し、ダイレクトメールや顧客データの作成などを外注する際、クレジットカード番号など個人情報の提供を原則禁止する、とのことです。
 個人情報保護法施行後も重要情報の流出が相次いでいることから、企業に厳しい管理を求めて消費者を保護するということで、17日に公表し、来年2月にも適用する、ということ。

 で、これは、個人情報保護法の改正ということなのかな。それともガイドラインのレベルの話でしょうか?個人情報保護法自体は経済産業省ではなく、内閣府の所管だと思うので、経産省の公表だとすると、ガイドラインの話という可能性が高そう。どっちにせよ、明日の公表ではっきりすることですけど。

 最近は外注だとか、アウトソーシングだとか、でコスト削減することが多いようですが、確かに、そのような企業の自分の利益のための行為によって、その企業の責任がいい加減になるというのは許されないですね。外注による責任逃れは、個人情報保護の問題には限らないものですが。

【追記】(12/18)
 報道では、17日公表となっていましたが、今のところ経産省サイトなどにも発表されていないようですね?

【追記の追記】(12/18)
 おっと、やっと出たようですね。本日付の別記事で書いておきますが、下に概要のみ記載。 

「個人情報保護法についての経済産業分野を対象とするガイドラインの改正案」に関する意見募集について   

 本件の概要 :
  個人情報の取扱いにかかる委託業務に際して、重大な個人情報の漏えい事案が相次いでいることから、「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」(平成19年厚生労働省・経済産業省告示第1号)の改正案を策定し、パブリックコメントの手続をとろうとするもの。主な改正点は、委託先に対して提供する必要のない個人データの提供禁止など。
担当 : 商務情報政策局 情報経済課  

2007年12月15日 (土)

ヤフーBB個人情報漏洩事件判決・最高裁で確定

 昨日(12/14)、最高裁から弁護団事務局の岡田弁護士に電話連絡があり、ヤフーBB個人情報漏洩事件について、大阪高裁判決に対する双方からの上告(上告受理申立)を退ける決定がなされたとのことです。
 まだ、決定の書面は届いていないので、ここで発表しようかどうか迷ってたんですけど、今朝の新聞に出ていたので、書いておきますね。

 大阪高裁控訴審判決の当ブログ記事(事件概要も書いてます)
 → ヤフーBB個人情報漏洩事件控訴審判決(大阪高裁)

 結論はともかくとして、若干の法的論点についてどのような判断がされているか興味のあるところなんですが、決定までの期間が短かったので、実質的な判断理由の記載はないのかもしれません。来週には決定が届くでしょうから、またお知らせします。

 今のところでの原告弁護団コメントとすれば、「決定書が届いていないので、コメントできません。」というところでしょうか。

【追記】(12/19)
 本日付で決定の中身について書きました。
  → 「ヤフーBB個人情報漏洩事件最高裁決定を受領」

 「決定書は届きましたのですが、コメントしにくいです。」というところでしょうか(苦笑)。

2007年12月14日 (金)

居酒屋チェーンの霜降り馬肉(景表法)

 本日(12/14)、公正取引委員会は,食肉の製造販売業者・食品の小売業者が販売する馬肉商品に係る表示、並びに、飲食店を営む事業者3社が提供する馬肉を用いた料理に係る表示について景品表示法4条1項1号(優良誤認)違反が認められたので、排除命令を行いました。

 業者は、株式会社ファンシー(製造販売)、株式会社トーホー(A-プライス)、株式会社モンテローザ(白木屋など)、株式会社村さ来本社(村さ来)、マルシェ株式会社(居心伝・酔虎伝・八剣伝)です。
 → http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.december/07121402.pdf

〈排除措置の概要〉
  表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を公示すること。 
  再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。 
  今後、同様の表示を行わないこと。 

 要するに、霜降り馬肉だと称して、実際には、馬肉に馬脂を注入する加工を行ったものであったとのことですね。対象となった居酒屋では、「とろ馬肉」などと称していたようです。馬肉まで、こんな表示で客を釣らないといけないようになったのだなぁと、何となく感心してしまいました。

2007年12月12日 (水)

自民党独禁法調査会が独禁法の審判制度廃止を求める方向

 日経が、報じてますね(他もかな)。

 本日の自民党独占禁止法調査会で、独禁法上の制度である公取委の「審判制度」の廃止を求める方向で一致した、とのこと。経団連などが強く求めていた方向です。
 日本弁護士連合会(日弁連)の意見書では、審判と裁判の両制度の選択制を打ち出していました。

 昨日、この関係の話を、内輪の研究会(独禁法・公正取引研究会)で話したばかりです。
 参考のため、関係先にリンクしておきます。

 → 独占禁止法基本問題懇談会(内閣府)の報告書
 → 独占禁止法の改正等の基本的考え方(公取委)
 → 独占禁止法基本問題懇談会報告書に対する意見書(日弁連)
 → 独占禁止法の抜本改正に向けた提言(経団連)

原油価格上昇を理由とする下請法違反行為の情報提供要請など(公取など)

 原油価格上昇でガソリン、軽油、灯油などの価格が上がって、いろんな事業者がコスト高に苦しむ状況になってきています。
 経済産業省が公表した『原油価格上昇の我が国産業への影響に関する調査結果』(11/27)によれば、原油価格の上昇による中小企業の収益への影響は拡大し、収益が圧迫されている中小企業の割合は9割を超えており、また、原油価格上昇の取引価格への転嫁が困難な中小企業の割合も約9割に上っていて、中小企業をめぐる経営環境は依然として厳しい状況にあるとのことです。つまり、中小企業はコストが上昇したからといって、代金(価格)にそのまま反映(転嫁)できない状況にあって苦しい、ということですね。
 また、逆に、大企業が自身の原油価格上昇コストを下請企業の負担として押しつけるといった「下請いじめ」をしかねない状況ということにもなります。

  そんな中で、昨日(12/11)開催の「原油高騰・下請中小企業に関する緊急対策関係閣僚会議」「原油価格の高騰に伴う中小企業,各業種,国民生活等への対策の強化について(基本方針)」が了承され、これを踏まえて、下請代金支払遅延等防止法(下請法)違反の疑いのある行為に関する情報提供を促すために、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会に対して、公正取引委員会事務総長及び中小企業庁長官連名で、文書要請が行われました。 

  この要請の概要は、「原油価格高騰に伴う価格転嫁が困難な中小企業の割合が依然として高水準にあることを踏まえ,傘下団体を通じて,①下請事業者が下請法違反の疑いのある行為に直面するなど下請取引上の問題がある場合には,公正取引委員会又は中小企業庁の相談窓口へ積極的に情報提供を行っていただきたいこと,②公正取引委員会及び中小企業庁は,調査等に当たり情報提供者が特定されないよう万全を期していること,を会員企業に周知徹底するよう要請。」ということです。そして、公正取引委員会及び中小企業庁は、寄せられた情報を踏まえ、下請法違反事実が認められた場合には、厳正に対処する、ともしています。
 → 要請全文その他

 なお、同様に、上記基本方針に基づいて、国土交通省経済産業省は、本日付にて「軽油価格高騰下における下請・荷主適正取引の推進のための緊急協力要請について」を公表し、貨物自動車運送業などに関して、「現下の軽油価格高騰に対処するため、十分な協議による運賃改定の必要性等、全国の経済団体等に対し下請・荷主適正取引推進のための緊急協力要請を実施します。」とのことです。

2007年12月11日 (火)

ネットバンキング不正引出件数が急増(金融庁)

 今年8月26日のこのブログで、「ネット銀行口座不正引き出し急増(全銀協)」という記事を書きました。全国銀行協会の調査で、インターネットバンキングの預金不正引き出しが急増していることが分かった、というものです。

 これに関連して、先日(12/6)、金融庁が平成19年度上半期(4~9月)のインターネットバンキングの不正引出被害件数や被害額が、昨年度1年間の被害の件数、被害額を上回ってしまっていることを公表しています。
 → 情報セキュリティニュースサイト「Security NEXT」(12/7記事)

 この金融庁の発表は、「偽造キャッシュカード等による被害発生等の状況について」というもので、ネットバンキングだけではなく、偽造キャッシュカード犯罪、盗難キャッシュカード犯罪、盗難通帳犯罪による預金等の不正払戻し等の被害について、各金融機関からの報告を基に被害発生状況及び金融機関による補償状況を取りまとめたものです。ただし、他の犯罪・不正と比べて、ネットバンキングに関する被害急増が際だった結果となっています。

2007年12月10日 (月)

割賦販売法と特定商取引法に関する産業構造審議会の報告書(経産省)

 本日、経済産業省のサイトにおいて、産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会消費経済部会特定商取引小委員会の各報告書が公表されています。
 下に目次だけ転載して、全文については報告書のPDFにリンクを張っておきます。

 → 割賦販売分科会基本問題小委員会報告書
はじめに
第1章 消費者トラブルの実態
 1.我が国における消費者トラブルの実態
  (1)消費者トラブルの傾向
  (2)相談事例の分析
  (3)クレジットカード情報及び個人信用情報の漏洩
 2.クレジット業界における自主的取組状況
 3.欧米における販売信用法制の現状
第2章 制度整備の基本的方向性と具体的措置
 1.悪質な勧誘販売行為を助長する不適切な与信の排除
  (1)個品割賦購入あっせん業者に対する規制の強化
  (2)不適正与信の排除に向けた民事ルールの導入
 2.過剰与信防止のための措置
 3.クレジットカード情報の保護強化
 4.横断的事項(法律の適用対象の拡大)
  (1)割賦の定義の見直し
  (2)指定制の見直し
 5.自主規制機能の強化
 6.政府の執行体制の強化
おわりに

 → 消費経済部会特定商取引小委員会報告書
はじめに
第1章 特定商取引に関する消費者相談の状況
 1.全般的傾向
 2.高齢者等を巡る消費者相談の状況
 3.個品割賦購入あっせんとの関係
 4.散見される新たな手口
 5.迷惑広告メールの状況
 6.通信販売をめぐる状況
 7.特定商取引法の指定制の問題
 8.団体訴訟(訴権)制度
 9.消費者相談を踏まえた検討項目
第2章 取引類型間で横断的な事項
 1.限定列挙方式から原則適用方式へ
 2.消費者団体訴訟(訴権)制度の導入へ
 3.法執行の強化に向けて
第3章 訪問販売に対する規律の強化へ
 1.勧誘規律の強化
 2.過量販売の取消
 3.訪問販売協会による会員管理の強化
 4.参入規制の可否
 5.「訪問販売」の範囲の精査
第4章 通信販売におけるトラブル解消に向けた対応
 1.迷惑広告メール対策の強化
 2.返品条件表示ルールの徹底
 3.更なる課題の取扱
おわりに

2007年12月 6日 (木)

ホーチキ子会社の下請法違反勧告(公取委)

 今日は、公取委の公表としては、以前書いた八木通商やビームスなども当事者になっていた輸入ズボンの原産地表示事件(景品表示法)に関して、(株)トゥモローランド、(株)ワールドに対する審判審決というのが出てますが、省略。
→ 10/13付「衣料品の原産国表示についての判決(景表法)」

 もうひとつ別の医療用医薬品取引のカルテルに関する課徴金納付の審決の公表もありますけど。

で、本題。
 公正取引委員会は本日(12/6)、火災報知機大手ホーチキの子会社、ホーチキメンテナンスセンター(東京)に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)及び同項5号(買いたたきの禁止)に違反するとして勧告を行いました。
 → http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.december/07120604.pdf

 日経の報道によれば、下請法の適用範囲がサービス業などにも広がった04年の同法改正以降、最大の減額幅だった、とのことです。

〈違反事実の概要〉
 ホーチキメンテナンスセンターは、消防用設備の保守点検業務を下請事業者に委託しているところ、

(ア) 自社の経費削減を図るため、下請事業者に対して、「出精値引」と称して、下請代金の額に一定率(10.5パーセントから17.5パーセントの間の率をいう。) を乗じて得た額を負担するよう要請し、下請代金の額に一定率を乗じて得た額を当該下請事業者に支払うべき下請代金の額から差し引くことにより、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、当該下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた(減額した金額は、下請事業者計20名に対し、総額2億1551万5911円。)。
 なお、同社は、既に下請事業者に対し減額分を返還している。

(イ)当委員会が下請法の規定に基づき調査を開始したことから、前記アの行為を取りやめることとした上で、下請事業者に対して,それぞれの事業者と十分な協議を行うことなく一方的に、下請代金の額から一定率を乗じて得た額を差し引いて支払っていた額を、一律にそのまま以後に支払う下請代金の額とすることを定めた。
 当該下請代金の額は、下請事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低いものであった。 

asianetcomが訪問されました(「百度」?)

 このブログへの訪問者は、だいたい一般の仕事時間がほとんどで、朝8時台から夕方6時くらいが中心になっています。その後夜12時くらいまでも若干ありますが、普通の人の寝る時間には当然ながら訪問者は数えるほどになります。

 さて、今朝、アクセス状況を見てみると朝の6時台7時台にかなりの訪問数があるので、見ると、中国のasianetcom.netというところを通じて来ている。多くのページを順番に舐めるように除いているところからして、クローラ(ロボット)なのだろうと思い、ちょっと検索で調べてたら、中国の検索サイト「百度」(Baidu)関連らしい、というような話が出てきます。以前、ここのクローラの巡回による過負荷が問題となって、百度が謝罪したとか何とかの記事も見ましたけど、今はどうなのでしょう?

 で、ついでに「百度」の検索サイトを見てみると、Google風のデザインで立派に日本語対応もしていました。もうちょっと突っ込んで遊んでみたかったのですけど、ここのところ忙しく時間がないため探索は中途半端のままになってます。

2007年12月 5日 (水)

銀行の自己査定資料と文書提出命令

 民事訴訟手続における「文書提出命令」の対象文書になるかどうかについての最高裁の決定です。あまり日常生活には関係なさそうですが、金融実務などには結構影響がありそうです。

 監督官庁の検査時に見せる資料だからといって、一般的に「内部文書ではない」としてしまうと、ほとんどの資料について同じような結論となってしまいそうな気もしますね。

 最高裁第二小法廷決定 平成19年11月30日 (破棄差戻し)

 銀行が、融資先であるAについて、同社に対して有する債権の資産査定を行う前提となる債務者区分を行うために作成し、監督官庁による査定結果の正確性についての事後的検証に備える目的もあって保存していた自己査定資料に関する文書提出命令です。

 原審の東京高裁は、本件文書は、もっぱら銀行内部の者の利用に供する目的で作成され、外部の者に開示することが予定されていない文書であって、開示されると銀行内部における自由な意見の表明に支障をきたし、銀行の自由な意思形成が阻害されるおそれがあることなどを理由として、民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に該当するとして、文書提出命令を認めませんでした。

 しかし、最高裁の今回の決定は、原審の上記判断は是認できない、としました。
 その理由として、
 銀行は、法令により資産査定が義務付けられており、本件文書は、資産査定のために必要な資料であり、監督官庁による資産査定に関する検査において、資産査定の正確性を裏付ける資料として必要とされているものであるから、銀行自身による利用にとどまらず,銀行以外の者による利用が予定されているものということができる。
 そうすると、本件文書は、もっぱら内部の者の利用に供する目的で作成され、外部の者に開示することが予定されていない文書であるということはできないので、民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらない、
 としたものです。

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