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2007年10月15日 (月)

価格拘束についての米国最高裁判例

 大阪の弁護士有志を中心とした「独禁法公正取引研究会」という任意の研究会があります。私の関心としては、もともと、豊田商事事件の関係で消費者法としての側面から独占禁止法を勉強せねばというところから参加してきたものです。
 この研究会は発足以来20年くらい、毎月大阪弁護士会館で例会を続けているのですが(スゴクこじんまりとですけどね)、今回のこのブログ記事は、今月11日の研究会での報告に関してです。

 テーマは、今年の6月に出た米国連邦最高裁の判決で、Leegin Creative Leather Products, Inc., v. PSKS, Inc., dba Kay'S Kloset. . . Kay’Shoes という事件なのですが、重要な米国最高裁判例なのにまだあまり紹介されていません。以前、神戸大学の泉水教授が判決直後にブログで「これはまいったな」とコメントされてましたが・・・

 メーカーが、商品の売り先の小売業者の消費者に対する売値を決めたり、安売りを禁止したりすることは、日本の独占禁止法上は、再販売価格の拘束として違法(再販売価格維持行為)であり、しかも、このような行為は原則違法であるとされます。つまり、再販売価格維持行為というのは基本的に違法というのが一般的な考え方です。

 この考え方は、日本の独占禁止法の母国であるアメリカでももちろん同じで、アメリカでは、このような行為は「当然違法」とされ、周辺の事情を具体的に考慮するまでもなく違法ということになっていました。
 ところが、このような再販売価格の拘束行為は「当然違法」ではなく、「合理の原則」にしたがうべきなので、控訴審に差し戻すという新しい最高裁判決が出ました。これが上記の判決です。ここでは細かい説明は省きます(私の能力の問題ですが)。今回の研究会で報告いただいた土谷弁護士、メステッキ弁護士のお二人が、どこかに書かれたら、詳しくはそれを見てください・・(そのときは、ここでご紹介します。)

 今回の研究会では、5:4という裁判官の意見が分かれた状況の背景というか、アメリカの最高裁判事の考え方の傾向についても面白いお話を聞かせてもらえましたし、「当然違法」から「合理の原則」への変更となれば、弁護士としても(企業へのアドバイスが難しくなるので)大変だぁというような話も面白かったですね。

 今回の判決により安売りへの抑制が強まる可能性があるという点で消費者側として無視できない判例変更でもあります。

【追記】(10/19)
 本判決については、
 国際商事法務9月号に松下満雄「再販売価格維持は合理の原則で律すべきであるとする米最高裁判決」
 NBL867号に渋谷年史「米国ビジネス法のダイナミクスVol.9 再販価格維持について合理の原則を適用するとしたleegin判決」
 が出ています。判決の事案、多数意見、反対意見については、前者に詳しく出ています。

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