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2007年10月11日 (木)

単独相続させる旨の遺言と相続債務

 ここのところ忙しくて更新できなくなっており、ちょくちょく訪問いただいている方にはご迷惑おかけしてます。

 福岡高裁平成19年6月21日判決(控訴棄却)

 今日読んだ「金融法務事情1815号」の判決速報(49頁~)に出ていた高裁判決ですが、要するに「遺産全部を共同相続人の内の1人だけに相続させる旨の遺言をした場合に、遺留分侵害額の算定では、遺留分減殺請求者が負担すべき相続債務が存在しないものとして算定すべき」とした判決です。
 つまり、遺留分として請求できる金額を算定する方法について判断したのですが、その前提として、遺言によって全部を1人に相続させるとして指定されている場合には、(少なくとも相続人間では)その相続人が相続債務をすべて承継するのだ、としています。

 この結論は一般的には当たり前じゃないか、と思われるかもしれませんが、昭和34年6月19日の最高裁判決が、相続債務は当然に法定相続分により分割債務になるとしていますので、その判断との関係が問題になります。
 本件の福岡高裁判決の判断の主要部分は、
「本件遺言は、遺産分割の方法の指定とともに相続分の指定であると解されるところ、このように相続分が指定された場合、対債権者との関係ではともかく、少なくとも相続人間では、相続債務は、指定に従って承継されるというべきであって、相続分全部の指定を受けた被控訴人が相続債務の全部を承継するとともに、控訴人はこれを承継することはないから、控訴人の遺留分侵害額を算定するに際し、加算すべき相続債務は存しないというべきである。」というものです。

 実務的にも影響の大きい判決であり、最高裁がどう判断するか、興味あるところです。

【追記】(09/3/25)
 最高裁判決出ました。高裁判決を支持です。
 → 「単独相続の遺言と相続債務に関する最高裁判決」(09/3/25)

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