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2007年7月27日 (金)

(知財高裁)人形作品の写真集の著作権判決

著作権ネタが続いてますが、ご容赦。もっとも前回(23日)のは「著作権」ではないですけども。

平成19年7月25日知的財産高裁判決 損害賠償等請求控訴事件
 →  http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070725164336.pdf

 控訴人が制作した人形作品を被写体とした写真等が編集・掲載された写真集は控訴人が創作したものであり、その著作権は専ら控訴人に帰属するにもかかわらず、被控訴人がその著作権者であるとして、出版社から写真集の制作に関して金銭を受け取った行為は、控訴人の著作権を侵害する不法行為を構成するなどして、損害賠償を求めた事案。

 この原審(横浜地裁)判決は、①本件写真集の著作権が控訴人に帰属すると認めることはできない、また、②控訴人は本件各人形を使用して本件写真集を制作・出版することを許諾していたと認められるから、被控訴人の各行為は不法行為を構成しないとして、控訴人(一審原告)の請求を棄却したのですが、
 控訴審(知財高裁)も、基本的に原審判決を維持して、控訴を棄却しました。

 私も、何年か前に、制作した人形作品の写真を中心とした本に関する裁判の被告代理人をしたことがあります。この事件は、上の事件とは異なり、その本に使われていた写真を使って、別商品を販売していた企業などに対して、人形作品の制作者が原告となって、複数企業を著作権侵害で裁判所に訴えたものでした(私は被告の1社の代理人でした)。

 その裁判で問題となったのは、人形作品の制作者が、その写真の著作権を有するか、という点でした。
 ここでは深く触れませんが、簡単に言ってしまえば、原則として、答えはノーです(写真撮影者も自分ならば問題は少ないですが)。したがって、この手の訴訟を提起する場合は、どういう権利に基づいて、どういう請求を行うかということを慎重に検討する必要があります。

 そのこととも関連するのですが、冒頭の知財高裁判決の最後の個所に補足として、一審での主張整理の不備に関して言及されていますが、そこのところにまとめてあるのが、結構、参考になりそうなので、一部を抜粋しておきます。

①著作権の保護を求めようとする著作物は何か(本件各人形か,本件各人形を被写体とする各写真か,控訴人の作成した本件文章か,本件写真集か)
②著作権の保護の対象が本件写真集であるとすれば,原著作物との関係はどのようなものか(独立の著作物か,二次的著作物か,編集著作物か)
③控訴人が著作権を取得した原因は何か(具体的にどのような創作的な活動を実施したか)
④被控訴人のいかなる具体的行為を著作権侵害行為に当たる不法行為と主張するのか(被控訴人が本件出版社をして本件写真集を出版させた行為か,被控訴人が本件出版社から金銭を受領した行為か)
⑤被控訴人の行為は,控訴人の有するいかなる具体的な支分権(複製権,翻案権など)との関係で侵害行為となるのか

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