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2007年6月26日 (火)

「学校裏サイト」管理人の不起訴

 インターネット掲示板で、中学生を実名で中傷する書き込みを放置したとして、名誉棄損のほう助容疑で書類送検された掲示板管理人が、25日、大阪地検嫌疑不十分不起訴処分としたと報道されています。
 → 書類送検時の当ブログ記事(4/27)
       「掲示板中傷放置で、名誉毀損幇助」

 報道内容では、同地検は、名誉毀損罪ではなく、侮辱罪に当たると判断したとのこと。

 ほう助(幇助)は、刑法62条に規定され「従犯」とされていますが、刑法64条「拘留又は科料のみに処すべき罪」については、教唆犯従犯は(特別な規定がない限り)罰せられないこととなっています。

 名誉毀損罪(刑法230条)だと懲役禁錮、罰金の刑がありますが、侮辱罪(刑法231条)は、拘留科料しかありません。したがって、ほう助では罰せられないことになります。

 ここで、名誉毀損侮辱の適用の違いが出てくるのは、「事実を摘示」したかどうかというところだと思います。

【追記】
 したがって、このような掲示板の悪質書き込み放置についての管理人の刑事責任そのものについては、踏み込めないまま不起訴になったという結果になりました。
 書き込みが、「事実の摘示」であって、名誉毀損罪に該当するような場合はどうなるのか、という問題が残ったことになります。

【追記の追記】(08/5/24)
 上の件に関する民事訴訟が提起されていたようで、08年5月23日、大阪地裁(山下郁夫裁判長)は、管理人に約55万円の支払いを命じる判決を言い渡したようですね。「管理人として被害拡大を防ぐ義務を負っていたのに放置した」として不法行為の成立を認めたとのことです。

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コメント

肝心の侮辱内容を書き込んだ人が13歳の女子中学生で、被害を受けたのも13歳の女子中学生だったはずなので、おそらく一般の成人した社会人とは違い、名誉棄損が成立する範疇が狭いのも一因ではないでしょうか?
あと書き込みの内容もhttp://www.itmedia.co.jp/news/articles/0704/27/news078.htmlによると「うざい」「ブス」などの内容だったので侮辱という判断は妥当だと思いますがいかがでしょうか?

 刑事事件はもっぱら事務所の他の弁護士に任せていて、正直言って適切な回答は約束できません。間違ってたらご指摘下さい。学生時代の記憶を引っ張り出しながらの雑感ですので。

 「匿名希望」さんの前半のご指摘については、「成立する範疇が狭い」という意味がわかりませんが、
 書き込み者の年齢的な属性が法律的に幇助犯の成立にどう影響するか、という理論的な側面の問題と、種々の理由で正犯となる書き込み者の刑事責任を問えない(問いづらい)ことが、実際上、幇助犯の立件に影響するか、という実際上の問題の2つの点があるのでしょうか。
 もちろん、幇助犯(従犯)の成立のためには、正犯の刑事責任能力が必要であるという立場(通説ではないと思いますが、よく知りません)に立てば、書き込み者が刑事責任能力のない人物であれば、幇助犯も成立しないということになるのでしょうけど。
 
 後半については、エントリーに書いたように、両罪の構成要件的な違いは、書かれた内容が「事実」かどうかという解釈の問題になります。
 「うざい」というのは、おそらく「事実」の摘示には、普通は該当しないでしょう。
 「ブス」が「事実」摘示かというのを、ここでまじめに書いても、ネット上ではおかしな揚げ足取り(そういうのは取り合いませんが)に発展する恐れもありますので省きます。他にいろいろ想起される言葉もありますが、ある意味で「事実」を表す言葉であるとともに、「事実」とは無関係に他人を罵倒するためにも使われるという微妙な使われ方をする言葉です(両方の意味で使われる場合ももちろんあります)。
 そして、これが「事実」か否かを評価・認定すること自体が問題になってくる性質のものですね。これは、評価方法自体が難しいという意味と、評価すること自体にいろいろ問題が生ずるという意味の両方ですが。
 純粋に理論的に考えれば、このような言葉も「事実」と解される可能性も否定できないと私は思います。ただ、実際問題として、名誉毀損で起訴することは、通常の事案では困難なのではないでしょうか。

 完全な答えになっていませんが、ご容赦。

 はじめまして。
 今回の不起訴、皆様は如何お思いでしょうか? 侮辱罪と言う事ですが、その行われた場所はインターネットです。 特定出来る私学の中学で、学年と生徒のフルネームを明記したスレッドを立ちあげられていたそうです。 クラスの一部の生徒に悪口を言われたのと訳が違います。 レス内の一部ではなくスレッドだったので目立ち、私学と言うと中高一貫か幼稚園から大学まである学校が多いですが、学校内で噂が大きくなり多くの生徒と保護者が見た事でしょう。 気付いた時は生徒もその家族もさぞ腹立たしかったことでしょう。 その生徒さんはもう学校を辞めているかもしれません。 被害に遭う未成年者は法律で守ってもらえないのでしょうか? 刑事では何も罰せられない未成年達が多く利用するサイトの運営管理者が立派な成人男性だなんて・・・・ 無責任な行為が許されるのでしょうか? 被害の大きさは刑事事件では何ら関係ないのでしょうか?    

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