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2007年6月 5日 (火)

新聞再販制度と新聞宅配契約の実態

 日経新聞に、竹島公正取引委員長が、4日の与党国会同意人事プロジェクトチームで、新聞再販制度を維持する方向で考えると述べたと報じられています。

 「再販」という略語は結構使われますが、必ずしも正確に理解されていません。
 例えば、ある商品について、製造業者 → 販売業者 → 消費者 と流通するとして、「販売業者 → 消費者」の段階での販売価格(小売価格)を、製造業者が決定する(販売業者に守らせる)行為は、「再販売価格の維持行為」として、原則的に独占禁止法違反(不公正な取引方法)になります。つまり、販売業者が消費者に商品を販売する小売価格は、販売業者が自主的に決定できなければならず、販売業者が単に安売りをしたからといって、製造業者が、販売業者に制裁を加えて安売りを止めさせるという行為は違法です(単なる安売りだけでは「不当廉売」に該当しません。)。

 しかし、独禁法上、例外が認められており、再販売価格維持行為が認められている商品があります(23条)。
 ひとつは、公取委が指定する「指定商品」ですが、これは以前は化粧品などに認められていましたが、現在はこの「指定商品」はありません
 もうひとつは、「著作物」です。なお、著作権法などでいう「著作物」というのは相当に広い概念ですが、独禁法上のこの「著作物」は限定的に解され、書籍、雑誌、新聞、レコード、音楽テープ、音楽用CDの6品目とされています。これらについて独禁法の例外とすることが現在の社会状況で妥当なのかという問題になるわけです。

 新聞の販売については、以上のような問題だけではなく、いろいろと独禁法上の問題が指摘されています(新聞をはじめとするマスコミは全く取り上げませんが)。新聞についての特殊指定の廃止の問題など、その最たるものです。この特殊指定は違法な指定であり即時に廃止すべきと私は考えますが、今回はこの問題は省略します。

 長々と書いてしまいましたが、今日言いたかったことは、新聞業界がそれほどまでに再販制度を維持する必要性がある(つまり、消費者への販売価格の統制の必要)と主張する割には、新聞販売の現場の実態を見ると、(既に、再販制度の有無とは無関係に)乱売廉売合戦になっているのではないかという点です。

 私自身が最近経験したことですが、自宅に新聞販売店が来て、契約更新を依頼にきました。そして、2年だか3年だかの契約更新をしてくれれば、2万何千円かの商品券をくれるといいます。しかも、よく聞いてみると、私の契約の期間は、まだ1年以上残っています。つまり、1年も先の契約更新をさせて、そのおまけに2万円余の商品券をくれるというわけです。もし、私が転居などで新聞が不要になり、契約継続不能になれば、販売店は商品券返せ、というのでしょうか?消費者問題をやっている他の人たちの話を聞いてみれば、このような販売実態は、別に私の周りだけではなさそうです。

 いつもの蛇足ですが、もし、ある英会話学校が(もちろん仮定の話です)、まだ1年分も受講料を前払いしている生徒に対して、さらに2年分契約してくれれば、2万円の商品券をあげる、といって勧誘し、キャンセルした生徒には、その商品券を返せと言ったとしても、新聞などマスコミは、それは当然の営業行為で許されると考えるのですかね?

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コメント

新聞業界に籍を置く者です。
ご意見ごもっともと思いました。
私自身、業界の問題に関連して独禁法などを調べるうち、新聞の再販や特殊指定は撤廃されるべきものと考えるようになりました。

ただ、1カ所引っかかる記述があります。
「この特殊指定は違法な指定であり即時に廃止すべき」という「違法」とは、何をもってそう判断できるのでしょうか?
その点に限らず、法の専門家の視点で、新聞の特殊指定についても、ぜひ稿を変えて論じてほしいのですが。

コメントいただいて、本当にありがとうございます。

特殊指定については、仮に、新聞業界のいう要素がある事を前提にしても、あの指定というのは、「不公正な取引方法」を具体的に規定するための指定です。その指定で、値引きは駄目だとかいうのは、違う問題です。これについては、「業界人」さんのコメントを見る前に次の記事を投稿しましたので、それを見ていただければと思います。法的に、仮に何らかの必要性があるとしても、あのような指定は絶対にできないはずです。
なので、公取委としては、本来おかしな指定なので廃止したかったのですが、できなかったのだと思います。断念したにもかかわらず、ホームページにわざわざあのリンクを張っているところに公取の無念さを私は感じています。
もし、新聞だけにそのような特殊性があるならば、不公正取引の特殊指定ではなく、法律で特に定めなければなりません。
立場の違いの問題ではなく、当然のことだと思っています。

ただ、この新聞離れのご時世とブロードバンドの発展の中で、新聞業界が、そのような次元で争っていても仕方ないのではないかと思います。音楽業界は、既に、著作物であるレコードや音楽テープは商売にならず、CDさえも、再販どころではない状態になっているのでしょう。私は素人ですので、いい加減なコメントかもしれませんが、新聞業界も、再販にしがみついていてもしょうがないような気がします。

難しい問題で、言葉足らずかも知れません。これからもご指導お願いします。

特殊指定についてのエントリーも読ませていただきました。
私のような素人目にも、独禁法と新聞の特殊指定の間には、
法的に整合性を欠く、あるいは論理的に矛盾があるのではないか、
と強く考えさせられる面があったので、あらためて納得しました。
有難うございます。

 いえいえ、言葉足らずで申し訳ないです。
 お忙しいのに、読んでいただいて光栄です。
 もし、時間があれば、他のエントリーもごらんいただければ幸いです。あまり参考にならないかもしれませんが。

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