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2007年6月28日 (木)

新聞販売店が新聞社を訴えた裁判の控訴審判決(その1)

平成19年6月19日福岡高裁判決
  地位確認等請求控訴事件(破棄自判)

  最高裁HPより
   → http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070627111154.pdf

(事案の概要)
 新聞販売店経営者X1が、被告新聞社がした新聞販売店契約の更新拒絶には正当な理由がないと主張して、被告新聞社に対し、新聞販売店契約上の地位を有することの確認を求めるとともに、被告新聞社が継続的取引関係における供給者側の優越的地位を濫用し、営業権を違法に侵害したとして、不法行為に基づく損害賠償請求をし、
 同じく別の新聞販売店経営者X2が、被告新聞社が新聞販売店契約を不当に解除しようとしたことによって精神的苦痛を受けたなどとして不法行為に基づく損害賠償請求をした事案。

 原審判決(福岡地裁 久留米支部)は,X1の地位確認請求を認容したが,Xらの損害賠償請求をいずれも棄却した。

 これに対して、被告新聞社及びX1,2が控訴した。

 本件控訴審判決では、原告らの損害賠償請求を認め、X1については220万円、X2については110万円の支払を、被告新聞社に対して認めたものです。

(川村のコメント・・言い訳)
 すみません、まだちゃんと読めてません。近いうちに概説したいと思って、ひとまず(その1)と題していますが、判決に興味ある方は、上記の最高裁HP登載の判決をお読み下さい。一審判決と合わせて読まないと、わかりにくい部分もありますが。

 で、中途半端なコメントですみませんけど、控訴審判決で認定された「新聞業界を巡る情勢」というのが、判決としては、それなりに目新しかったので、以下に、ここだけ載せておきます。

新聞業界を巡る情勢
(ア) テレビ,ラジオはもとより,パソコンや携帯電話等のニュースメディアの普及,若者の活字離れ,不景気などを原因として,新聞の読者離れが進んでいる。このため,T地区でも,◎新聞の48店舗の平均普及率は平成2年11月に31.1パーセントであったものが,平成12年,13年の各6月には30.2パーセントに,平成14年6月に30.0パーセント,平成15年6月に29.5パーセントと漸減傾向にある。

(イ) 一般に,新聞社は,新聞販売店に販売する新聞代金と新聞に掲載する広告料を主な収入としているため,その販売部数が収入の増減に直結することから,販売部数にこだわらざるを得ない。そのようなところから,拡販競争の異常さが取り沙汰され,読者の有無とは無関係に新聞販売店に押し付けられる「押し紙」なるものの存在が公然と取り上げられる有り様である。販売部数にこだわるのは被告新聞社も例外ではなく,被告新聞社は極端に減紙を嫌う。被告新聞社は,発行部数の増加を図るために,新聞販売店に対して,増紙が実現するよう営業活動に励むことを強く求め,その一環として毎年増紙目標を定め,その達成を新聞販売店に求めている。このため,「目標達成は全◎店の責務である。」「増やした者にのみ栄冠があり,減紙をした者は理由の如何を問わず敗残兵である,増紙こそ正義である。」などと記した文書を配布し,定期的に販売会議を開いて,増紙のための努力を求めている。被告新聞社関係者は,被告新聞社の新聞販売店で構成する◎会において,「被告新聞販売店には増紙という言葉はあっても,減紙という言葉はない。」とも述べている。

(ウ) これに対して,新聞販売店も,新聞を購入することで代金の支払が発生するので,予備紙を購入することは当然負担にはなるが,その新聞に折り込む広告料が別途収入となり,それは定数を基準に計算されるので,予備紙が全て販売店の負担となる訳ではない。ただ,その差は新聞販売店側に不利な計算となる。
なお,この点について,被告新聞社は,1部当たりの折込広告料収入と新聞紙の仕入れ価格を比較すると,平成10年から平成12年までの3年間で,いずれもわずかに折込広告料が上回るというが,注文部数に応じて付加される◎会費,店主厚生会費,休刊チラシ代金などの諸経費を加えると大幅な赤字になるというのが実態であるものというべく,これは,予備紙を持つことを嫌う新聞販売店が多いという一般的指摘とも合致することからして,被告新聞社の上記主張は採用できない。

【追記】
 最高裁HPの掲載文では、被告新聞社につき、匿名でYと表記されていますが、これは一般的に被告をY(原告はX)と表記するため、その用法で使われているもので、イニシャル表記ではないと思います。
 これを、そのままYと表記すると、一般の方には、特定の新聞社と誤解(正解かもしれませんが、現時点では私は全く把握してません)されそうなので、表記を変えました。ただ、一部表記に、Yが残っていましたので書き換えました。

【追記の追記】
 ところが、Y新聞は、実際にY新聞だったんですねぇ。
 →  http://www.ohmynews.co.jp/news/20070622/12420

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