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2007年6月22日 (金)

再審請求を認めなかった知財高裁の決定

 これは、特許権に関する訴訟についての、知的財産高等裁判所の却下決定です。
 再審に関する決定は珍しいので、紹介しておきます。

 「知的財産高等裁判所」については → 過去の記事

 知財高裁決定平成19年6月20日 損害賠償請求再審事件
    → 
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070622112213.pdf

 事案を簡単にまとめれば、
 原告被告双方が、ある装置の方式について、それぞれ特許権を持っていて、お互いに、相手の方式と同一又は類似の方式の装置を無断で製造、販売してはならないという契約をしていました。そして、被告が製造、販売した装置が、原告の方式と同一又は類似であり、被告が契約に違反したとして原告が債務不履行を理由とする損害賠償請求訴訟を提起したのですが、被告の製造した装置は、原告の方式と同一又は類似ではないと認定され、契約違反が認められず、原告は敗訴してしまいました。
 この原告敗訴判決の中で、被告の製造した装置が原告の方式に類似するかどうかを認定する材料として、裁判所は、被告の有する特許権の内容も検討していたのです。
 ところが、原告敗訴判決が確定後に、その被告の特許権が、特許庁により無効とされてしまいました
 そこで、原告は、このことが、民事訴訟法338条1項8号所定の事由(「判決の基礎となった・・・行政処分が、後の・・・行政処分により変更されたこと」)に該当するとして、再審を申し立てたのです。

 特許訴訟再審事由に関する論点として一般的なのは、原告の有する特許権を、被告が侵害したとして、特許権侵害に基づく損害賠償請求が認められ、原告勝訴の判決が確定した後に、その原告の特許権について特許庁により無効審決がなされ、特許権が無効になってしまった場合に、民事訴訟に敗訴した被告は、この特許無効を民事訴訟法338条1項8号所定の再審事由とすることができるか、というものです。
 本件決定の事案は、上の論点で前提としている特許権侵害を根拠とする損害賠償請求訴訟ではなく、契約違反(債務不履行)を理由とする損害賠償請求ですので、まず、その点で異なりますが、そのことは置いておくとしても、本件決定の事案と上の論点の事案とは、事例が異なっていますね。

 さて、本件決定に戻りますが、知財高裁は、
 判決の説示部分には、特許権Bに係る明細書の特許請求の範囲や発明の詳細な説明の記載に言及しているが、これは判断を導く上での認定資料の一つとして引用したものにすぎず、本件確定判決の判断は、特許権Bが有効であるか否かにより影響を受けるものではなく、本件確定判決は、本件特許の有効性を基礎とするものということはできない、だから、本件確定判決に民事訴訟法338条1項8号所定の事由があるとは解することはできない(要約)
 として、再審を認めませんでした。

(おわび)当初、本件の決定について、「判決」と書いてしまいましたが、「決定」の誤りです。訂正済ですが、お詫びします。

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