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2007年5月 7日 (月)

熟年離婚と年金分割

 このブログでは、情報法だ、独禁法だ、知財だ、と書いてますが、結構うちの事務所でも、離婚やら相続やら親子関係やらの家事事件の取扱の割合はかなり多いのです。で、今日はそのお話です。

 その中で、このところ、自治体の法律相談を含めて、やはり、年金分割制度の話を知っての熟年離婚というか、中高年離婚について女性側からの相談がよくあります。マスコミでもよく取り上げられている団塊世代の大量退職年金分割制度の実施を待っての女性側からの離婚という流れです。報道だけではないのだな、というのが実感です。

 この年金分割の制度についての説明は今回は省略しますが、年金分割制度だけでは大した利益にならないことも多いですし、まだ、過渡的な制度の段階であることも知っていただきたいところです。
 それと、相談をしていて、ここ半年ばかり私が気になっているのは、奥さんの側が、離婚できることを前提に相談されていること、と、慰謝料財産分与は考えずに年金分割のことだけを考えておられることなのです。

 しかし、夫側が離婚を拒否しているとなると、離婚は簡単にできるものではありません。家庭裁判所での調停裁判が必要ですし、これまで、「積年の恨み」という腹の中の憤りは充分あるとしても、長年の間、夫は何も思わずに平穏な夫婦生活を送っていたとなると、簡単に妻の希望だけで離婚はできません。
 一方だけの思いで離婚するには、裁判で離婚を認めてもらわなければならないのです。そのためには、民法上の法定離婚事由というのが必要なのですが、長年、奥さんが一方的に黙って我慢してきたという場合には、必ずしも簡単に認められるものではありません。
 ですから、年金のことより、第一にそのことを十分に検討していかなければなりません。

 また、結構、夫側に財産がある場合に、年金分割の額よりは、慰謝料財産分与の金額を十分に考えた方がいいのに、単純に年金のことだけでいいと思っておられる女性の方もおられるのですね。

 今回の年金分割の制度は、確かに大きな制度改革ではあるのですが、離婚の本質を変えるものではありませんし、慰謝料財産分与といった一時金の大切さも変わるわけではありません。したがって、年金分割ができるようになったからといって、熟年離婚が容易になったわけではないことは充分に認識していただいたうえで、まずは老後の生活設計と離婚についての夫の対応を自分で考え、次には夫婦でよく話し合って、広い視野で離婚と今後の生活を考えて進んで行っていただきたいと思う次第です。

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