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2007年4月12日 (木)

「知的財産高等裁判所」の根拠探し

 特許権侵害事件などの訴訟の判決記事に、最近「知財高裁(知的財産高等裁判所)」という名前の高等裁判所の名称が出てきます。おおまかにいえば「最近できた裁判所で、知的財産関係の控訴事件の裁判をやる所でしょ」という理解でほぼ正しいです。平成17年4月1日に設立されているのです。しかし、この裁判所の制度上・法律上の位置づけをちゃんと理解していない法律家も結構多いのではないかと思います。

 結論からいうと、この知財高裁というのは、従来からの札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡にある8つの「高等裁判所」と、並列的に存在する高等裁判所ではありません。

 民事訴訟法6条は、特許権などに関する訴訟の特別な管轄を定めていますが、それらの事件について同条3項は「……終局判決に対する控訴は、東京高等裁判所の管轄に専属する。」となっています。ほかにも同法20条の2第2項(移送)310条の2(合議体の構成)でも、東京高裁という表現になっていて、知財高裁の名前は出てきません。

 それでは、知財高裁はどこに?と考えて、裁判所法を見ても「知財高裁」については規定されていません。
 もう少しマニアックに「下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律」を見ても、1条に「別表第一表の通り高等裁判所を、(中略)設立する。」とあって、その別表第一表には、上に書いた従来からの8つの高裁を列記しているだけで、知財高裁は、現在もどこにも規定がないのです。普通の小型の六法だと、ここで、謎のままで終わるかもしれません。

 で、正解に移りますが、この裁判所設置の根拠法は、「知的財産高等裁判所設置法」です。

 そして、この法律の2条は、「東京高等裁判所の管轄に属する事件のうち、次に掲げる知的財産に関する事件を取り扱わせるため、裁判所法22条1項の規定にかかわらず、特別の支部として、東京高等裁判所に知的財産高等裁判所を設ける。(後略)」となっています。

 つまり、この裁判所は従来の高裁と並列ではなく、東京高裁の「特別の支部」という位置づけなのです。

 したがって、民事訴訟法において東京高裁の管轄とされているはずの事件を知財高裁が審理することは、要するに東京高裁の支部である知財高裁が審理しているということになり、民事訴訟法の規定に反するものではない、ということになります。

ややこしいですね。

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