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2007年4月18日 (水)

写真のHP無断掲載についての著作権侵害判決

 創価学会機関誌「聖教グラフ」に掲載された創価学会名誉会長の写真を複製等して、ホームページに掲載した行為が複製権侵害、公衆送信権侵害及び同一性保持権侵害に当たるとして、創価学会が、ホームページ開設者に対して損害賠償を請求した事例です。
 出版物の画像等を無断でコピーして、ホームページに掲載してコメントを付けるというような行為はよく見かけますが、それについて、裁判所がひとつの判断を示した事例ということになろうかと思います。判決理由にはいくつか突っ込みたい点もあるのですがね。

 → http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070417100022.pdf

 東京地裁平成19年4月12日判決
 平成18年(ワ)第15024号 損害賠償請求事件

 判決は、元の写真を誰か第三者によって白黒にされ上下左右の一部を切除して作成された写真をそのまま複製し、自らのホームページに掲載する行為も、客観的には、著作物の改変行為であり、著作権法20条1項同一性保持権侵害行為に当たる、としています。つまり、自分自身で白黒にしたり、一部切除しておらず、他人が改変した写真をそのまま複製して掲載することも同一性保持権の侵害に該当するのだ、ということになります。

 また、本件のホームページの掲載内容からすれば、掲載行為を、著作権法32条1項の「引用」すなわち「公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれる」引用と認めることはできない、としました。この理由の中で、写真の使用の態様が、「本件写真の著作者の制作意図にも強く反し」ていることが、「引用」に非該当の1つの判断要素になっていると見られる点については疑問があります。この点は、北海道大学町村泰貴教授が既に指摘されているところです。

 そして、被告の行為は著作権(複製権,公衆送信権)、同一性保持権を侵害するものと認められると判断したうえで、通常の実施料相当額が20万円であると算定し、本件は、原告の制作意図に反することを殊更に意図した形態で掲載したもので、通常の許諾の場合の金額と同一に論じることはできないとして、著作権侵害行為の損害額(原告の請求は200万円)を30万円としました。
 さらに、著作者人格権侵害(同一性保持権侵害)に基づく慰謝料(原告の請求は200万円)としては、改変の態様として特に悪性が強い態様ともいえず、本件写真が商業用に撮影された写真ではないこと、約2年2か月の間インターネット上に掲載されていたことを考慮しても慰謝料は5万円が相当と判断しました。
 そして、弁護士費用(原告の請求は40万円)については、5万円が相当因果関係のある損害としています。

 したがって、判決合計40万円の支払を被告に命じたものです(原告創価学会の請求総額は440万円でした。)。

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