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2007年3月 3日 (土)

刑事事件の時効(時効談義:その2)

 まず、刑事事件についての時効です。前に書いたように、これにも「公訴時効」と「刑の時効」があります。ただし、通常、問題になるのは「公訴時効」のほうです。ニュースなどで、たとえば「グリコ森永事件の時効が成立」という場合には、この「公訴時効」を意味しています。

 一方、「刑の時効」というのは、刑法に規定されており(31条~)、裁判で刑の言い渡しを受けた者が、法定の期間の経過によりその刑の執行が免除されるという制度のことで、あまり一般的には問題になることは少ないですね。

 ということで、以下は通常問題となる「公訴時効」についての話です。これは、刑事訴訟法に規定されています(250条~) 。簡単に言ってしまうと、「公訴時効」という名前の通り、犯罪を犯してから一定の期間が経過すれば、もう起訴(公訴の提起)できない、という制度です。

 最近のドラマなどは、比較的まともになってますが、以前の刑事ドラマなんかで、犯罪者が捕まらずに長年逃げていて、時効の期間が終了する直前に、主人公の刑事に追いつめられ捕まってしまうというようなのが、よくありました。しかし、これは間違いです。警察に逮捕されただけでは時効の進行は止まらないのです。期間が終わるまでに、刑事事件として起訴しなければなりません。したがって、いくら犯人を追いつめて手錠をかけても、それから犯人を取り調べて検察庁に送検し、検察官によって、起訴しなければならないのですから、どんなに急ぐにしても、ドラマのように時効まで後1時間という時点で手錠をかけたのでは普通はとても間に合いません。

 「公訴時効」の期間は、刑事訴訟法250条に規定があります。

 1.死刑にあたる罪については25年

 2.無期の懲役又は禁錮にあたる罪については15年

 3.長期15年以上の懲役又は禁錮にあたる罪については10年

 4.長期15年未満の懲役又は禁錮にあたる罪については7年

 5.長期10年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金にあたる罪については5年

 6.拘留又は科料にあたる罪については1年

※なお、最近の法改正で、死刑に当たる罪については15年から25年に、無期の懲役又は禁錮に当たる罪については10年から15年に延長され、また、長期15年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については10年の時効期間が設けられました(平成17年1月1日に施行)。今回、ネット上の記事をいくつか見ましたが、古い法律に基づいて解説されているものも多いですので(改正前に書かれた記事であれば、当然なのですが)、ご注意ください。なお、この改正に関して付則で、改正前の犯罪については改正前の時効期間が適用されることに決められています。

 ここに書かれている長期何年とか、死刑などという刑ですが、刑法などに書かれている刑の種類、期間が基準です。決して、それぞれ当該個別の犯罪事件について言い渡される刑(処断刑)によって変わるのではありません(でなけりゃ、判決してからでないと、時効期間がわかりませんよね。)。例えば、詐欺罪であれば、10年以下の懲役ですから一番長期は10年となり、(上記5の長期10年未満ではなく)長期15年未満の懲役の罪として、7年が「公訴時効」の期間ということになるのです。窃盗罪も同じですね。殺人罪だと重いのは死刑ですので、(改正前は15年でしたが)25年が「公訴時効の期間となりますね。

 国外へ逃げている場合などの時効の停止については刑事訴訟法255条共犯がいる場合の時効の停止については同法254条2項を参照してください。

 細かいことを言えば、期間の起算点である「犯罪行為の終わったとき」(刑事訴訟法253条1項)というのはいつからか、など種々論点はありますが、刑事事件の時効に関しては、このあたりで終わります。

(民事事件の時効へ続く・・・たぶん)

 

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