2008年5月17日 (土)

水着のスピード社を独禁法違反で提訴(アメリカ)

 米国の水着メーカーTYRスポーツが、5月15日、話題の水着「レーザー・レーサー」のメーカーであるスピード社(英国)独占禁止法違反の疑いで、米連邦裁判所に提訴した、と報じられています。

 昨日結構記事を書いたのでどうしようかな、と思いましたが、独禁法違反での訴訟という話なので、私としても放っておけないかなということで、ひとまず、週末向けに記事にしてみました。

 訴訟の相手方(被告)が、スピード社だけでなく、アメリカの水泳連盟なども含まれているのかどうか現在の報道だけではちょっと即断できないのですが、時事通信の報道では、原告との契約を無視し、スピード社製品を着て大会に出場した男子自由形の水泳選手も相手方としたということになっていますね。

 もちろん、その原告会社にとっては経営上大変な問題であることは間違いありません。ただし、現時点の報道だけでは、細かい法的な理屈が良くわかりません。

 アメリカの独占禁止法(反トラスト法・・これは、1つの法律ではありませんよ。日本の独占禁止法は、いろんな意味でかなり違いますし、こういったことに関して、積極的に訴訟を提起するという対応も、日米では全く違うものと思いますので、単純に判断はできないと思います。

 まぁ、この水着問題は、オリンピックをひかえて大きな話題にもなっていますし、単純な言葉の問題として、「スピード社の独占じゃないか!」というのは素朴な感覚とは思います。日本のメーカーも契約上の保護はされるとしても、比べれば早く泳げないとすれば、今後のイメージ的な影響は大きくなってきていますよね。
 ただ、販路を独占したというだけでは、独占禁止法違反とはならないのは当然で、冷静に法律上の要件を満たすかどうか検討しないといけません。

 さて、原告同様に、ライバル企業として大変なことになる日本の企業は、日本の独占禁止法違反を理由として、スピード社を訴えることはできるでしょうか?もちろん、現時点では、日本の選手に関してはスピード社の水着が着られないので、アメリカのライバル企業とは、かなり立場が違いますが。
 逆に、スピード社の水着を着られない日本水泳選手からは、消費者の立場として、スピード社や日本の水泳連盟などに対して、何らかの法的な請求をすることはできるでしょうか? 具体的に、北京五輪でスピード社製の水着を着るための法的戦略は立てられないでしょうか。
 こういう相談を我々法律家が受けたとして、どう答えるべきか、なかなか良い演習問題かもしれませんね。

 一方で、いろんなスポーツの用具で日本のメーカーが大きなシェアを占めているものも多いのは事実ですから、法的構成はともかくとしても、日本企業が現実的にはこのような訴訟を起こすことは考えにくいのではないかと思います(いや、相談があれば是非ちゃんと乗りますよ。・・笑・・)。これが通るなら、逆に訴えられる日本企業も結構あるのでは?。

 もうひとつスポーツ関連の演習問題としては、共栄ジムと契約が切れた亀田一家が日本でプロボクシングができないのは独占禁止法違反か?というのは、同じような問題でしょうか。アメリカなら訴訟になるでしょうか?

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2008年5月16日 (金)

農業機械部品の製造の下請法違反勧告(公取委)

 本日、公正取引委員会は、株式会社井関松山製造所、株式会社井関熊本製造所、株式会社井関新潟製造所の3社に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)に違反する事実が認められたとして、勧告を行いました。
 また、本件では、この違反行為が、親会社である井関農機株式会社の指示に基づき行われていたということで、井関農機にも指導を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 約10億円の返還というのはすごいですね。

 なお、公取委は、中小企業庁と共同して、全国10都市(10会場)において、親事業者の発注担当者等を対象に、下請法及び下請中小企業振興法の趣旨・内容の周知徹底を目的とした講習会を開催することを公取委サイトで告知、募集しています。 → こちら

【違反事実の概要】
 3社は、業として行う販売の目的物たる農業機械の部品の製造の全部又は一部を下請事業者に委託しているところ、井関農機から、同社が3社の下請事業者に対し「コストダウン協力金」と称して負担するよう要請した額を、下請事業者に支払うべき下請代金から差し引くよう指示された。
ア 井関松山製造所は、井関農機の前記指示に基づき、指示された額を下請事業者に支払うべき下請代金の額から差し引くことにより、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。
 なお,井関松山製造所は既に下請事業者の一部に対し、減額の一部(8億4864万9092円)を返還している。
イ 井関熊本製造所は、井関農機の前記指示に基づき、指示された額を下請事業者に支払うべき下請代金の額から差し引くことにより、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。
 なお、井関熊本製造所は既に下請事業者の一部に対し、減額の一部(5826万2556円)を返還している。
ウ 井関新潟製造所は、井関農機の前記指示に基づき、指示された額を下請事業者に支払うべき下請代金の額から差し引くことにより、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。

【勧告の概要】
ア(ア) 井関松山製造所は、井関農機の前記指示に基づいて、下請代金の額から減じていた額(総額10億2247万5040円)から前記返還額を差し引いた額(1億7382万5948円)を当該下請事業者(50名)に対して速やかに支払うこと。
(イ) 井関熊本製造所は、井関農機の前記指示に基づいて、下請代金の額から減じていた額(総額6922万6983円)から前記返還額を差し引いた額(1096万4427円)を当該下請事業者(9名)に対して速やかに支払うこと。
(ウ) 井関新潟製造所は、井関農機の前記指示に基づいて、下請代金の額から減じていた額(総額52万5000円)を当該下請事業者(1名)に対して速やかに支払うこと。
イ 3社は、前記減額行為が下請法に違反するものである旨及び今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じることをしない旨を取締役会の決議により確認すること。
ウ 3社は、今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じることがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置について井関農機と協議した上で決定し、当該措置を講じるとともに、その内容等を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
エ 3社は、前記ア,イ及びウに基づいて採った措置を取引先下請事業者に周知すること。

【井関農機に対する指導について】
 井関農機は、3社の下請事業者に対して「コストダウン協力金」と称して下請代金の減額の要請を行い、3社に対し、3社が下請事業者に支払うべき下請代金から当該要請した額を差し引くよう指示していたものであるところ、この行為により、前記違反行為が生じたものであると認められたことから、公正取引委員会は、井関農機に対し、今後、同様の行為を行わないよう指導した。

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ジャパネットたかたの顧客名簿流出事件の判決

 報道によれば、昨日(5/15)、テレビ通販大手のジャパネットたかたの元社員が、約51万人分の顧客情報をコピーして流出させたとして、会社側が損害賠償請求を求めていた裁判で、大量の顧客情報を流出させたなどとして、同社が男性に1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があり、長崎地裁佐世保支部西村裁判官は、会社の請求通り、1億1千万円の支払いを命じた、とのことです。

 判決内容が詳しくはわかりませんが、報道記事などから見る限りは、 会社は、損害額について、過去の判例を基に1人当たり5千円と見積もって、計約25億7千万円に上ると試算している、とのことなので、これがその通りだとすると、この損害のうち、一部(内金請求)である1億円と弁護士費用として1000万円を請求したのではないかと思います(あくまでも想像です。)。

 1人5000円というのは、私も関与したヤフー個人情報漏洩事件の判決のことではないか、と思うのですが、あちらの原告は、個人情報を流出された顧客個人であり、その精神的損害(慰謝料)として1人5000円という結果となったものです(不満ですが)。
 → このブログの昨年6月21日付記事
  「ヤフーBB個人情報漏洩事件控訴審判決(大阪高裁)」
  (他にもありますが、興味ある方は上の記事のリンクで見て下さい)。

 しかし、今回の裁判は、原告は名簿を流出された会社の立場であり、このような1人あたりの損害額基準をそのまま使うことができるのかしら・・・・というのが、直感的な現時点での感想です。もっとも、会社は、この事件で、一時営業自粛などをしていましたので、実際の経済的損失も相当なものになったとは思うので、結果として必ずしも認容金額が高すぎるとは言えませんが。
 このあたりは、判決をきちんと読まないで決めつけることはできませんので、このへんにしておきます。

 もうひとつ気になったのが、何故、長崎地裁佐世保支部??というのだったのですが、「ジャパネットたかた」って、本店が長崎県佐世保市にあるのですねぇ。また、社名は、テレビで有名な高田明社長の姓に由来するものですが、「たかだ」ではなく、「たかた」と濁りません。
 

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韓国の戸籍制度の廃止

 私の関係する某社の会議で韓国の戸籍制度がなくなった、という話が出ました。恥ずかしながら、私は全く知らなかったのですが、今年1月から廃止されたようです。

 日本に在住されている韓国籍の人は大変たくさんおられるので、日本での不動産登記など、この方たちの相続手続などにも大きな関連があります。婚姻や帰化などの手続にも関係するでしょう。
 詳しくは省略しますが、廃止前の古い戸籍(除籍)をとるにも、原則として日本人は駄目というようなことになっているようで、法律家の実務にも支障が出ているという話を、冒頭の会議とは別に、ある弁護士からも聞きました。

 日本人にとっては余りにも当たり前の(日本的な意味での)戸籍制度は、日本以外には、日本の統治下にあった韓国台湾が制度を残していただけです。したがって、世界的に見ると、極めて特殊な制度ということになりますね。今はあまり議論されていませんが、そのうち日本でも戸籍制度の要否が大きな問題となるかもしれませんね。

 我々日本の弁護士や司法書士は、戸籍の調査によって相続関係を確認していくという方法を当然のものと慣れ親しんでいるですが、韓国のように戸籍がなくなったら、相続関係はどうやって調査したり証明するのだろうかと思ってしまいます。

 他の国では戸籍がありませんので、例えば、アメリカでは公証制度を利用して証明するようですが、私は残念ながら良く知りません(無知ですみません)。どうやって相続関係を調査するのかしら・・・

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2008年5月15日 (木)

平成19年度下請法運用状況・企業間取引公正化への取組(公取委)

 ということで、昨日の朝のこのブログ記事の予想が見事に当たって(苦笑)、昨日(5/14)、公正取引委員会は、昨年度の下請代金支払遅延等防止法(下請法)の運用状況等を公表しています。日経の昨日朝刊の記事の内容は、そのまんま。

 昨日は結構いそがしく、煮詰まってる部分も多かったので、この大当たりくらいは、誰か賞金でも賞品でも(賞状だけはいらん)くれないかいな(小笑)。

 公取委の発表概要は以下の通り。 あの日経記事が、他社を抜いた良い記事と評価されるとすれば嘆かわしい。あの記事の価値が高いのであれば、ちょっと公取委の公表内容を整理するだけで、4月上旬には簡単に書けます。来年から書きたければ、私に言いなさい。各社の入札で書きますわ(苦笑)。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)
 → 公取サイト事務総長定例会見(5/14)

 さて、前から言ってるのですが、下請の中小零細企業は、もっと下請法などを活用して声を上げるべきだと思うのですけどね。
 文句を言うとかえって仕返しされてまずいという不安はすごく良くわかりますが、このような不況が続く中で、あきらめきっているだけでは、強い者からの押し付け行為が続くだけだと思います。もちろん、そう簡単ではない難しい問題は多いとは思いますけれども、事情によっては、いろいろと考えることは出来ると思います。
 下請問題に詳しい弁護士などに相談されることを是非お奨めしますよ。

第1 下請法の運用状況
 1 下請法違反行為に対する勧告
  ① 19年度勧告件数13件〔平成16年改正下請法施行以降最多〕
  ② 勧告は、いずれも下請代金減額事件
   (内1件は、買いたたき行為も勧告〔買いたたき事案の初勧告〕)
  ③ 13件の内、役務委託等における違反は8件〔過去最多〕
      (内、道路貨物運送分野の違反は7件〔過去最多〕)

 2 下請代金の減額分の返還及び下請代金の支払遅延利息の支払状況
  ① 下請代金減額事件の勧告・警告により、下請事業者3,736名に
   対し、総額10億8804万円の減額分返還を指導
   〔平成16年改正下請法施行以降最多〕
  ② 下請代金支払遅延事件の警告により、下請事業者3,525名に
   対し、総額7244万円の遅延利息を支払うよう指導
   〔平成16年改正下請法施行以降最多〕

 3 「成長力底上げ戦略」を踏まえた取組状況
  (1) 下請法特別調査
    改正下請法に基づき新たに適用対象とされた分野の内、道路貨物
   運送に係る役務の提供、放送番組・映像制作に係る情報成果物の作
   成及び金型の製造に係る各委託取引を重点分野とした調査を実施し、
   4件の勧告と250件の警告を行った。
  (2) 下請法違反事件に係るフォローアップ調査

第2 違反行為の未然防止
 1 親事業者向け調査票の見直し
 2 下請法の普及・啓発

第3 企業間取引の公正化への取組
 1 大規模小売業者と納入業者との取引の公正化に向けた取組
 2 荷主と物流事業者との取引等の公正化に向けた取組

   物流事業分野における荷主と元請間の取引及び下請取引における不
   当行為に対する調査を専門に行う「物流調査タスクフォース」を設
   置(平成20年2月)など。

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2008年5月14日 (水)

電気通信設備の管理に関するソフトバンクモバイルに対する指導(総務省)

 本日付で、総務省が、ソフトバンクモバイル株式会社に対する指導を公表しています。
「度重なる重大な事故の発生を踏まえ、総務省は、本日付けで同社に対し、電気通信設備の適切な管理の徹底を図るよう文書により指導しました。」ということです。

 「度重なる重大な事故」とは何かいな、ということになりますが、総務省が、ソフトバンクモバイルの携帯電話サービスにおいて、本年4月9日以降の1か月間で重大な事故に該当するサービス中断の報告を3件受け、これらの報告によれば、いずれの事故もシステムの信頼性向上対策や障害の極小化対策等、設備管理のために必要かつ適切な措置が十分になされていなかったと認められたということらしい。

 具体的には、(1)今年4月9日に5時間32分、全国的に第3世代携帯電話の音声通話発着信不可、(2) 5月5日に3時間08分、一部地域での第2世代携帯電話の全サービス利用不可、(3)5月6日に発4時間44分、一部地域での第3世代携帯電話のパケット通信サービス利用不可というもの。

 詳しくは、総務省サイトをご覧下さい。
 → 総務省「電気通信設備の適切な管理の徹底に関するソフトバンクモバイル株式会社に対する指導について」

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2007年度下請法事件の日経記事

 今日の日経朝刊が、公正取引委員会「下請けいじめ」の監視強化をして、昨年度は是正勧告が13件で、過去30年で最多であった旨の記事を載せています。
 他の新聞には出ていません。

 以下、どうでもいい話です。

 先日(5/7)、公取委の景品表示法に関する昨年度の報告については、このブログでも紹介しましたが、下請法に関しての昨年度の報告は、公取委サイトを見ても、今の所まだ公表がなされていないようです。
 一昨年度分の報告公表は、下請法景品表示法に関しては、昨年の同じ5月23日に公表されているのですが、今年は景品表示法のほうが先になっていて、下請法は現時点で未公表です。

 上の日経の記事は、公取委の報告を公表前に書いたのでしょうか。記事の内容自体は、昨年度の公取の事件公表を拾うなどしていけば書ける内容ではあるのですけども。
 今日あたり、公取委が公表するのかな。

 以上、どうでもいい話でした。

【追記】(5/14夜)
 どうでもよかったのですが、今朝に書いた上の記事は図星でしたね。
 本日、公取委が下請法の昨年度報告を公表しております。
 → 公取委サイト報道発表資料 「平成19年度下請法の運用状況について」(PDF)

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2008年5月13日 (火)

中国産キャビアをロシア産と表示した百貨店への排除命令(公取委)

 先日(4/16)、フカヒレの不当表示について書いたところですが、今回は、キャビアです。どちらもサメ関連の高級食材と無理矢理こじつけようかと思ったら、キャビアの親のチョウザメは、サメの仲間ではないそうですね。

 本日、公正取引委員会は、株式会社そごう及び株式会社西武百貨店が販売する「ロシア フレッシュキャビア」と称する瓶詰めのキャビアを2個詰め合わせた商品に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)及び同項3号(商品の原産国に関する不当な表示)に違反する事実が認められたとして、2社に対して、排除命令を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 なお、公取委は、昨年12月20日付で、食品や家具などの商品の表示に関して、今回の排除命令と同様に、景品表示法4条1項1号(優良誤認)、同項3号(商品の原産国に関する不当な表示)違反のおそれがあるとして、百貨店など大規模小売業者10社に対する警告を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(07/12/20)
 このときの警告対象には今回の2社は入っていませんでしたが、今年の2月に、このキャビアの不当表示事件が発覚、公表し、当時報道されています。

(違反事実の概要)
 2社は、平成19年の歳暮用商品として瓶詰めキャビアセットを販売するに当たり、一般消費者に配布したカタログ、自社の店舗に設置した写真パネル及びオーダーカード並びに2社がインターネット上に開設したウェブサイトにおいて、それぞれ「ロシア フレッシュキャビア」と記載することにより、あたかも、当該商品のキャビアは、ロシア連邦産であってフレッシュキャビアであるかのように示す表示をしていたが、実際には、中華人民共和国産であってパスチャライズキャビアであった。

 公取委の(注)によれば、保存期間を長くするために低温殺菌処理が施された「パスチャライズキャビア」と、低温殺菌処理が施されていない「フレッシュキャビア」とがあり、その鮮度,風味,食感等が低温殺菌処理を行うことにより変化するため、一般に、フレッシュキャビアはパスチャライズキャビアより良質なものとして好まれる傾向にある、ということです。

(排除措置の概要)
ア 前記表示は、当該商品の原産国について一般消費者に誤認される表示である旨及び当該商品の内容について一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

【追記】
 
景品表示法4条1項3号というのは、原産国表示の規制そのものではなく、「前二号(注:優良誤認と有利誤認)に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認めて公正取引委員会が指定するもの」というものです。
 この規定に基づいて、公取委告示「商品の原産国に関する不当な表示」が定められていて、この告示の2号が、「外国で生産された商品についての次の各号(略)の一に掲げる表示であつて、その商品がその原産国で生産されたものであることを一般消費者が判別することが困難であると認められるもの」となっており、これに該当するとされたものです。

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(旧)司法試験の短答式試験問題公表(法務省)

 法務省サイトに旧司法試験の今年度までの短答式試験問題(PDF)が公表されています。興味のある方は挑戦してみて下さい。
 この試験の合格者が、7月に論文式試験を受験し、その合格者が、秋の口述式試験を受けるという長丁場のシステムです。
 → 法務省サイト「第二次試験短答式試験問題」

 なお、これは、従前からのいわゆる「旧司法試験」で、2011年には廃止され、既に実施されている「新司法試験」(法科大学院=ロースクールの卒業が必要な試験)に一本化される予定です。
 「新司法試験」には、短答式と論文式だけで、口述式はありません。また短答式の直後に論文式が行われるので、短答式の合否に関わらず、全員が論文式を受験することになっています。

 私は当然ながら「旧司法試験」組ですが、なにしろ、昭和57年度司法試験ですので、今の「旧司法試験」とも科目や出題内容など随分違っています。短答式試験問題も、ちょうど昔の詰め込み記憶が中心だった問題から、今の方式に切り替わる過渡期だったように思います。そのため、今の問題はずいぶん文章が長くなっていますね。そのかわり、今は憲民刑3科目計60問ですが、以前は、3科目で90問でした(確か、そうだったよな)。

 上に「第二次試験」とありますが、「旧司法試験」というのは、正確には第一次試験と第二次試験に分かれています。しかし、第一次試験については、大学のいわゆる教養部の単位取得(学部を問わず。)ということで免除されますので(だから、大学3回生から受験できます。)、ほとんどの受験生は、第一次試験を受けません。
 したがって、普通「司法試験」というのは、第二次試験のことを指していたのですが、「新司法試験」では、第一次、第二次というような制度はありません(ロースクール卒業が前提ですので、当然ですが。)。

 新司法試験についての説明は
 → 法務省サイト「新司法試験Q&A」 
をご覧ください。

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2008年5月10日 (土)

「消費者庁」が所管すべき法律等についての意見書(日弁連)

 5月8日に日本弁護士連合会(日弁連)が、「『消費者庁』が所管すべき法律等についての意見書 」を公表しています。
 → 日弁連サイト 意見書全文(PDF)

 このブログでも触れたとは思いますが、日弁連は、本年2月15日付「『消費者庁』の創設を求める意見書」を出していますが、いよいよ、実現に向けて進んでいる状況の中で、この意見書は、さらに「消費者庁」の組織構成と所管すべき法律について提言するものです。

 この意見書は、消費者庁の組織についての意見と、消費者庁が取り扱うべき法律についての意見とからなっています。

 ここのところは、私の個人的意見は置いておいて、ひとまずご紹介。

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2008年5月 9日 (金)

外資系企業等のコンプライアンス整備状況などの調査(公取委)

 公正取引委員会は、本日、「外資系企業等におけるコンプライアンスの整備状況及び弁護士の立場からみた企業コンプライアンスに関する調査 -独占禁止法を中心としてー 」という事務総局の報告書を公表しています。
 → 公取サイト報道公表資料「報告書」(PDF)

 これは、公取委が、我が国で事業を行う外資系企業に対しアンケート調査をし、外資系企業の我が国におけるコンプライアンスの状況を取りまとめて、同時に国内企業に対してもアンケート調査を行い、両者のコンプライアンスの状況の違いについても検討を行うこととしたもので、さらに、独占禁止法改正法の施行等により、企業のコンプライアンスの向上が求められることになり、企業の意識がどのように変化したか等について、弁護士に対してアンケート調査を行っており、これらの結果を踏まえて、企業におけるコンプライアンスの現状について整理を行ったものが、今回の報告書、ということです。

 20年近く前、独占禁止法の勉強をしている中で、それまで知らなかった「コンプライアンス(法令遵守)」という言葉に触れ、アメリカの企業のコンプライアンス・プログラムやコンプライアンス・マニュアルの実際を見るにつけ、日米の企業の法令遵守に対する対応の大きな違いに驚いたものです。
 現在のコンプライアンス問題の状況を見ると、様変わりという所かもしれませんが、実態はどうなのでしょうね。

 さて、報告書の目次は以下の通り(ちょっと省略してます)。

第1部 外資系企業等におけるコンプライアンスの整備状況
Ⅰ アンケート調査の対象等
Ⅱ アンケート調査結果

 1 コンプライアンスの整備及び組織体制状況
 2 独占禁止法関係のコンプライアンスの取組
  (1)独占禁止法違反に対する認識
  (2)独占禁止法遵守の規程の策定状況
  (3)独占禁止法に関する法令遵守の研修の実施状況
  (4)独占禁止法に関する社内監査の実施状況
  (5)独占禁止法に関するヘルプラインの設置状況
 3 独占禁止法関係のコンプライアンスの実効性確保
  (1)独占禁止法違反への対応
  (2)海外の事業所等で競争法違反が発見された際の対応
  (3)自社のコンプライアンスの取組に対する評価
  (4)独占禁止法関係のコンプライアンスの徹底
  (5)独占禁止法違反に対する懲戒処分の内容
  (6)コンプライアンスの取組への経営トップの関与
  (7)独占禁止法違反による法的処分の自主的な公表
 4 独占禁止法改正に伴うコンプライアンスの取組の見直し
  (1)独占禁止法改正によるコンプライアンス・マニュアルの見直し
  (2)独占禁止法改正法の社内周知
  (3)独占禁止法違反行為についての社内監査
  (4)課徴金減免制度の利用
  (5)課徴金減免制度の評価
 5 諸外国との比較
 6 調査結果を踏まえた考え方
  (1)コンプライアンスの整備及び組織体制状況
  (2)独占禁止法関係のコンプライアンスの取組
  (3)独占禁止法関係のコンプライアンスの実効性確保
  (4)独占禁止法改正に伴うコンプライアンスの取組の見直し
  (5)総括

第2部 弁護士の立場からみた企業コンプライアンスに関する調査
 1 調査の概要
 2 調査結果
   (1)企業コンプライアンスに関する認識
   (2)独占禁止法改正に伴う企業のコンプライアンスに関する認識
     の変化
   (3)課徴金減免制度に関する評価等について
  (4)企業における独占禁止法関係のコンプライアンスが有効に機
     能するために留意している点等

【追記】(5/9)
 同日に、公正取引委員会は、「公共調達における改革の取組・推進に関する検討会報告書」を公表しています。→ 概要(PDF)
 談合問題など公共調達の入札に関するものではありますが、企業のコンプライアンスの向上に関わるものである点では、上記の報告書とも関連するものです。

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2008年5月 8日 (木)

平成19年度景品表示法運用状況及び消費者取引の適正化への取組(公取委)

 今朝の朝刊各紙に出てますが、公正取引委員会が昨日(5/7)「平成19年度における景品表示法の運用状況及び消費者取引の適正化への取組」を公表しています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 詳細は直接見ていただくとして、公表内容の概略は後記の通りです。

【追記】(5/9)
  5月7日の公取委事務総長定例会見で、この公表内容についての若干のやり取りが出ています。 → 公取委サイト定例会見ページ
 一部、消費者庁問題についても質疑で触れられていますが。

〈概 要〉
第1 景品表示法事件の処理状況
 
 平成19年度の公取委による景品表示法の事件処理件数は、排除命令56件、警告19件、注意520件の計595件。排除命令は全て表示事件(景品事件はなし)で、表示事件の排除命令の件数としては過去最高の件数。
 このうち景表法4条2項(不実証広告)適用件数は35件。

 都道府県が景表法に基づいて行った指示の件数は28件。全て表示事件で、食品に係る不当表示が21。
 〔川村注:なお、この都道府県による景表法の指示については、先日フカヒレの事件で書きましたが、近年、都道府県による指示件数は増加しているとのことであり、運用が活発化していると指摘しています。〕

第2 消費者取引の適正化への取組状況
1 景表法等の見直し
  (1) 一定の不当表示への課徴金制度の導入(改正法案の提出)
                       →現在国会審議中
  (2) 適格消費者団体による団体訴訟制度の導入 →成立

2 公正競争規約の設定等
 平成19年度以降現在までに設定された公正競争規約は
 ① しょうゆの表示  ② もろみ酢の表示 ③ 食用塩の表示
    に、それぞれ関するもの。

3 消費者モニター,消費者取引適正化推進員及び電子商取引調査員制度の活用 
 このうち、電子商取引関係だけに注目すると、
〈電子商取引監視調査システムによる常時監視の実施〉として、
「・・一般消費者約80名に「電子商取引調査員」を委嘱し,インターネット上の広告表示の調査を委託して,電子商取引監視調査システムを通じて問題となるおそれがあると思われる表示について報告を受けている。電子商取引調査員からの報告は,景品表示法違反事件の端緒の発見,景品表示法の遵守について啓発するメールの送信等に活用している。
平成19年度は,
電子商取引調査員から942件のインターネット上の広告表示について報告を受けた。また,平成19年度報告分のうち,「消費者向け電子商取引における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項」(平成14年6月公表)に照らして問題があると認められた67サイトの管理者に対し,景品表示法の遵守について啓発するメールを送信することにより,同管理者に自主的な表示の改善を促している。この結果,ほとんどの表示について改善がみられるなど一定の成果を上げている。」

〈インターネット上の広告表示適正化に関する国際的取組への参加 〉として、
「 ・・ICPEN(消費者保護及び執行のための国際ネットワーク)の枠組の下で,参加各国の関係当局がインターネット上の広告表示について共通のテーマを選定し,法令違反の疑いがないかを一斉に点検する International Internet Sweep Daysに参加するなど,諸外国の関係当局との連携を深めている。
 平成19年度においては,9月に,「Who can you trust?(誰を信用しますか?)」をテーマとして実施されたInternational Internet Sweep Daysに参加し,
公正取引委員会は「電子商取引における効果・性能保証の強調表示」を点検の対象とした。電子商取引調査員から報告を受けた339件(252事業者320サイト)について点検した結果,景品表示法上問題となるおそれがあると思われる表示を行っていた42サイト40事業者の管理者に対し,景品表示法の遵守について啓発するメールを送信した。」
 となっています。

〔川村注:やらないよりはいいかもしれませんが、実態から考えて、どちらも、1年間でこの程度の件数では、とても実効性があるとは思えませんね。〕

4 景表法の普及・啓発,消費者団体との意見交換

5 関係行政機関との連携強化等
  第1回食品表示連絡会議(平成20年2月・関係5省庁)
  第1回悪徳商法関係省庁連絡会議(平成20年3月・関係5象徴等)

6 諸外国との連携

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2008年5月 7日 (水)

電子商取引等準則の改定案パブコメ(経産省)

 経済産業省からの意見公募(パブコメ)が5月3日になされています。
 「電子商取引及び情報財取引等に関する準則改定案」に対するものです。
 休日でも公示するのですねぇ。4連休の初日公示では、実質的な募集期間が短くなってしまいますね。義務的な意見公募というわけではありませんので、期間は自由と言われればそれまでですけれども。
 受付締切日は、本年6月2日となっています。

 「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(以下、「準則」)は、経済産業省が平成14年3月に「電子商取引等に関する準則」として策定・公表したもので、電子商取引等に関する様々な法的問題点について、民法をはじめとする関係法令がどのように適用されるのか、その解釈を示し、取引当事者の予見可能性を高め、取引の円滑化に資することを目的として作られたものです。その後5回の見直し・改訂を行われており(名称も変わりました。)、今回さらなる改訂についてのパブコメとなったわけです。

 → パブコメの詳細は、こちらへ 「意見募集中案件詳細」

 まだ、ちゃんと中身はちゃんと読めてませんが、ざっと見たところ、改正部分は、

第1 電子商取引 の内、
 ◎ 2(電子商取引に特有の取引携帯)の
   (1)「電子商店街運営者の責任」の一部修正
 ◎ 3(消費者保護)の
   (3)「ウェブ上の広告表示の適正化」に
       薬事法・健康増進法および貸金業法等による規制を追加

第2 情報財取引 の内、
 ◎ 1(ライセンス契約)に
   (8)「SaaS・ASPのためのSLA」を追加
 ◎ 2(知的財産)の
  (5)「ID・パスワード等のインターネット上での提供」の一部修正
  (6)「使用機能、使用期間等が制限されたソフトウェアの制限の解除
      方法を提供した場合の責任」の追加
  (12)「他人のホームページにリンクを貼る場合の法律上の問題点」
     の一部修正  

というような所のようです。

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2008年4月30日 (水)

裁判所からの自動アナウンスの不審電話??

 最高裁判所サイトの本日(4/30)の新着情報に「裁判所を騙った不審な電話にご注意ください」というのが出ていました。

 その内容は、最近、『東京裁判所』(こういう名前の裁判所はない)と名乗って調停等の次回期日を告げて出頭するように要請する自動アナウンスの電話がかけられているという情報が寄せられている、というものです。
 不審な電話の特徴として、
 ・ 女性の声の自動アナウンス
 ・ 「東京裁判所」などと名乗り、調停期日の次回期日を告げて
  出頭するように要請
 ・ 再度アナウンスを聞く場合は1番を,問い合わせをする場合は
  9番を押すように要請

とのことですね。もちろん、本当の裁判所では、出頭を要請するような自動アナウンスサービスは行われていません。
 ただ、この情報だけでは、何の目的の行為なのか、よく分かりませんね。

 一週間ほど前に、読売の報道(石川の地方版かな)で、金沢市内で、裁判所を装う不審電話が3件あったことが分かったということで、実在しない「東京裁判所」を名乗り、「出頭しないので連絡しました」というテープが流れた、ということが報じられています。同様の記事は、北国新聞でも出されているようです。ひょっとして、石川近辺限定の事案なのでしょうか。
 録音された女性の声で「こちらは東京裁判所です。あなたが出頭しなかったので連絡しました。詳しい内容を聞きたい場合は9番を押してください」というテープが流れたので、9番を押すと女性が電話に出て、「名前を名乗って下さい」と尋ねてきた、ということです。

 何らかの意図で、名前などの個人情報(おそらく、住所や電話番号その他の情報)を得て、悪用しようとしているのでしょうね。単なる名簿作りとは思えませんので、気持ち悪いですね。

 前にこのブログでも書いたと思いますが、昨年7月には、同じく最高裁判所サイトにおいて、電話で「裁判員に選任された。連絡等の必要があるので、住所、氏名、家族構成、職業などを教えて欲しい。」などと個人情報を聞き出そうとする悪質事例があったことが公表されています。

 何でもかんでも疑ってかからなきゃ身が守れないという嫌な時代になってしまいましたですね。

【追記】(5/2)
 その後、各社で報じられてますね。どうやら北陸限定ではないようで。
 上にも書きましたけど、「東京裁判所」はありません。実在するのは「東京高等裁判所」「東京地方裁判所」「東京簡易裁判所」「東京家庭裁判所」ですので、裁判所から電話があるのなら、「東京裁判所」と言うはずはありません。まして自動アナウンスなので、そんな言い間違いをすることは絶対にないですので、ご注意を。
 もっとも、ちゃんと名称を言ったとしても、同じ事ですが。

【追記の追記】(5/12)
 本日、最高裁のサイトに「ひきつづき,裁判所を騙った不審な電話にご注意ください」という続きのお知らせが出ました。
 それによれば、5月に入ってからも同様の情報が裁判所に多く寄せられているとのことです。

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2008年4月29日 (火)

「租税特別措置法」と「酒税法(^^;)」

 GW連休ですね、しつこく酒税の話題です。最初は、問題となってるガソリンの話ですが、最後には酒税法に行き着きます。。。マクラのほうが長いけど。

 さて、「租税特別措置法」は、ガソリンの税金だけじゃなく、各種の税法の特例法で、その趣旨は、1条に書かれています。
「当分の間、所得税、法人税、相続税、贈与税、地価税、登録免許税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税(中略)その他の内国税を軽減し、若しくは免除し、若しくは還付し、又はこれらの税に係る納税義務、課税標準若しくは税額の計算、申告書の提出期限若しくは徴収につき、」所得税法や法人税法、相続税法、酒税法など各種の税法の特例を設けることについて規定する法律ということになっています。

 この法律第6章(消費税法等の特例)第3節(88条の5~90条の3)「揮発油税法 及び地方道路税法 の特例」となっていて、今問題のガソリンの税金について特例が定められています。
 そして、ここの89条(揮発油税及び地方道路税の税率の特例)2項には、
「平成5年12月1日から平成20年3月31日までの間に揮発油の製造場から移出され、又は保税地域から引き取られる揮発油に係る揮発油税及び地方道路税の税額は、(中略)揮発油1キロリットルにつき、揮発油税にあつては48600円の税率により計算した金額とし、地方道路税にあつては5200円の税率により計算した金額とする。 」
とあって、今年3月末までの期限ですが、これを延長する政府案が期限までに可決できないため、4月からガソリン代の「ハッピー・エイプリル」状態が出現したものです。

 ところで、今回の「租税特別措置法」の改正は、「所得税法等の一部を改正する法律案」(以下、改正法案)の一部に規定され(→「法律案要綱」財務省サイト)、所得税法など他の税法改正と一体の形となっているため、「租税特別措置法」関係以外の改正部分も進まない形となります。(3月末で期限をむかえた他の税金についてまで混乱することを避けるため、「 国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法の一部を改正する法律」などが成立して最低限の応急手当がなされています。 )

 そして、この改正法案には、酒税法自体の改正も、その中に入っていて、改正法案87条の8「みなし製造の規定の適用除外の特例」です。
 これが、下記の関連記事に関係する改正部分ということになります。
 これは酒税法43条の適用除外を定めるもので、「酒場、料理店その他酒類を専ら自己の営業場において飲用に供することを業とする者がその営業場において飲用に供するため」、自分の店(営業場)で蒸留酒類と他の物品との混和をする場合については適用しない、とされていて、北海道ニセコのペンションのような自家製梅酒の提供事例は適法とする改正が考えられていたわけですが、現時点では、この部分の改正もガソリンと道連れとなっており、いまだに実現していません。
【追記】(4/30)
 本日午後、衆議院にて、再可決され、改正法案が成立したようですね。ガソリンなどの税率上げについては、5/1からすぐj実施という報道です。

【追記の追記】(5/2)
 上記の酒税法43条(みなし製造)の特例については、公布日(4/30)から適用されるとされています。
 なお、今回の改正法案成立による全体の各改正点の内容等については、財務省および国税庁のサイトでご覧ください。
 酒税法43条の関係については、国税庁サイトのQ&Aに、上記の新規定の説明がもう載っていました。これを見ると、この例外規定の適用を受けたい事業者は、税務署に開始申告書を提出しないといけないようですね。
  → 国税庁サイト お酒についてのQ&A「自家醸造」

〈関連記事等〉
 → 「酒の製造・販売免許制度と果実酒」(07/5/16)
 → 「船場吉兆の梅酒製造販売と酒税法」(07/12/25)
 → 春陽法律事務所HP法律コラム(08/02)
    「梅酒を造ったり、飲ませたり、の違法性」

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