水着のスピード社を独禁法違反で提訴(アメリカ)
米国の水着メーカーTYRスポーツが、5月15日、話題の水着「レーザー・レーサー」のメーカーであるスピード社(英国)を独占禁止法違反の疑いで、米連邦裁判所に提訴した、と報じられています。
昨日結構記事を書いたのでどうしようかな、と思いましたが、独禁法違反での訴訟という話なので、私としても放っておけないかなということで、ひとまず、週末向けに記事にしてみました。
訴訟の相手方(被告)が、スピード社だけでなく、アメリカの水泳連盟なども含まれているのかどうか現在の報道だけではちょっと即断できないのですが、時事通信の報道では、原告との契約を無視し、スピード社製品を着て大会に出場した男子自由形の水泳選手も相手方としたということになっていますね。
もちろん、その原告会社にとっては経営上大変な問題であることは間違いありません。ただし、現時点の報道だけでは、細かい法的な理屈が良くわかりません。
アメリカの独占禁止法(反トラスト法・・これは、1つの法律ではありませんよ。)と日本の独占禁止法は、いろんな意味でかなり違いますし、こういったことに関して、積極的に訴訟を提起するという対応も、日米では全く違うものと思いますので、単純に判断はできないと思います。
まぁ、この水着問題は、オリンピックをひかえて大きな話題にもなっていますし、単純な言葉の問題として、「スピード社の独占じゃないか!」というのは素朴な感覚とは思います。日本のメーカーも契約上の保護はされるとしても、比べれば早く泳げないとすれば、今後のイメージ的な影響は大きくなってきていますよね。
ただ、販路を独占したというだけでは、独占禁止法違反とはならないのは当然で、冷静に法律上の要件を満たすかどうか検討しないといけません。
さて、原告同様に、ライバル企業として大変なことになる日本の企業は、日本の独占禁止法違反を理由として、スピード社を訴えることはできるでしょうか?もちろん、現時点では、日本の選手に関してはスピード社の水着が着られないので、アメリカのライバル企業とは、かなり立場が違いますが。
逆に、スピード社の水着を着られない日本水泳選手からは、消費者の立場として、スピード社や日本の水泳連盟などに対して、何らかの法的な請求をすることはできるでしょうか? 具体的に、北京五輪でスピード社製の水着を着るための法的戦略は立てられないでしょうか。
こういう相談を我々法律家が受けたとして、どう答えるべきか、なかなか良い演習問題かもしれませんね。
一方で、いろんなスポーツの用具で日本のメーカーが大きなシェアを占めているものも多いのは事実ですから、法的構成はともかくとしても、日本企業が現実的にはこのような訴訟を起こすことは考えにくいのではないかと思います(いや、相談があれば是非ちゃんと乗りますよ。・・笑・・)。これが通るなら、逆に訴えられる日本企業も結構あるのでは?。
もうひとつスポーツ関連の演習問題としては、共栄ジムと契約が切れた亀田一家が日本でプロボクシングができないのは独占禁止法違反か?というのは、同じような問題でしょうか。アメリカなら訴訟になるでしょうか?
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