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2017年3月10日 (金)

「RikaTan」4月号(ニセ科学特集)を読む

 雑誌「RikaTan」(リカタン・理科の探検、発行SAMA企画)4月号を読んでいます。

 4月号の特集が「ニセ科学を斬る!2017」ということで興味があり、また、ニセ科学関連の研究会などで私自身がお会いしたことのある先生方が何人も書いておられることもあって、昨日買ってきた次第です。

 RikaTanでは、毎年のようにニセ科学特集を組まれているようですが、今回の特集も、以下の通り盛りだくさんです(特集以外の記事もかなり盛りだくさんなのですが)。

 読み応えのある記事がたくさんですので、どれかを選んで紹介するというのも難しいのですが、冒頭の菊池聡先生の「超常現象と疑似科学の心理学」は、中高生への調査結果を基にした面白い報告になっていますし、発酵食品の好きな私は、小波先生の酵素に関する記事は大変興味深く読ませていただきました。

 本号の特集のねらい 左巻 健男

 超常現象と疑似科学の心理学 菊池 聡

 『反オカルト論』の反響 高橋 昌一郎

 放射能とニセ科学 菊池 誠

 メディアを賑わす「地震予知」のニセ科学性 上川 瀬名

 天然・自然vs. 人工・合成 桝本 輝樹

 週刊誌の健康・医療記事はどこまで信用できるのか? 小内 亨

 なぜ、このようながん治療法を信じてしまったのか 左巻 健男

 酵素、発酵、酵母- ごっちゃになってません? 小波 秀雄

 インチキ? それとも広告範囲? くられ

 幽霊の科学性をあえて評定する 石川 幹人

 EM は水質を浄化できるか 飯島 明子

 「縦波の重力波」とは一体何か? 長島 雅裕

 行政や教育現場に忍び寄るニセ科学 大石 雅寿

 消費者問題としての「ニセ科学」 平林 有里子

 マルチ商法とニセ科学の親和性について 猫 小次郎

 住民と行政を惑わした「ホタルの光」 松﨑 いたる

 科学/ 非科学/ 疑似科学 夏目 雄平

2017年3月 9日 (木)

健康食品による目の症状改善についての不当表示に対する措置命令

 昨日に引き続いて、本日も景品表示法違反の不当表示に対する措置命令が出ています。昨日のは有利誤認表示でしたが、本日は、健康食品の優良誤認表示ですね。

  → 消費者庁公表資料 (PDF)

 本日、消費者庁は、株式会社だいにち堂(長野県安曇野市)に対し、同社が販売する「アスタキサンチン アイ&アイ」と称する食品の表示について、措置命令を出しました。

 これは、同社が新聞に掲載した広告(表示期間平成28年6月27日~30日)において、あたかも、その食品を摂取することにより、ボンヤリ・にごった感じの目の症状を改善する効果が得られるかのように示す表示をしており、この表示に対して、消費者庁は、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されましたが、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった、というものです(不実証広告。7条2項)。

 新聞広告には、「クリアな毎日に『アスタキサンチン』」と題し、「つまり、だいにち堂の『アスタキサンチン アイ&アイ』でスッキリ・クリアな毎日を実感、納得の1粒を体感出来ます。」などと記載されていました(実際の広告については、上記消費者庁公表資料に掲載されています。)。

 なお、本件の不当表示の期間は平成28年の4月以降ですので、課徴金の対象ともなり得ますが、表示期間が短いですので、課徴金対象期間(表示期間とは異なります。)の売上額によっては、課徴金の要件を満たさないかもしれません。

【後記】(3/11)

 報道によれば、対象となっただいにち堂は、優良誤認表示に該当しないとして法的な対処を検討している、とのことで、争う姿勢を見せています。措置命令に不服の場合は、裁判所に取消訴訟を提起することになります。

2017年3月 8日 (水)

寝具の二重価格表示における有利誤認表示(措置命令)

 景品表示法違反の不当表示というと、「優良誤認表示」(同法5条1号)が多いのですが、これは、「有利誤認表示」(5条2号)の案件です。

 本日、消費者庁は、株式会社布屋商店(富山県高岡市)が販売する寝具等に係る表示について、有利誤認表示であるとして措置命令を行いました。

  → 公表資料(公取委) ※消費者庁のサイトではPDFでの公表ですので、こっちにしました。

 これは、布屋商店の運営店舗において販売する寝具についての店頭の表示物(ポップ)や商品に貼るシールに価格(表示価格)を記載して、別の「割引札」と称する店頭表示物に、「表示価格よりレジにて30%割引」のような記載をすることにより、あたかも、表示価格は通常の販売価格であり、その表示価格から割り引いて販売するかのように表示していましたが、実際には、その表示価格は、同社の店舗において販売された実績のないものであった、というものです。

 つまり、値引きの基準となる通常の販売価格の表示が、実際には通常の販売価格ではなかった、ということになります。

 本件のような価格表示は、いわゆる二重価格表示とよばれるもので、基準となる価格(上記の表示価格)が適正なものでなければなりません。本件では、そもそも、販売実績のない価格が表示されていたわけですので、当然に不当なものですが、二重価格表示における表示方法については、「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」において、消費者庁の運用が具体的に記載されていますので、ご参照ください。

「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」 (PDF)

 なお、本件不当表示の対象表示期間は、平成28年3月下旬ですので、課徴金制度の対象とはなりません。

2017年3月 3日 (金)

「判例による不貞慰謝料請求の実務〔主張・立証編〕」(LABO刊)

 一昨年に出版された「判例による不貞慰謝料請求の実務」(中里和伸著)については、当ブログでもご紹介しました。不貞行為の慰謝料については、実際に法的な紛争になることも多く、私たち弁護士にとっては(自分自身が不貞とは無縁の人であってもです〈笑〉)関与する機会の多い分野といっても良いかと思います。実際に、私が関わっている不貞慰謝料請求の訴訟手続の中で、この本は非常に参考になりました。

 → 「書籍の紹介:「判例による不貞慰謝料請求の実務」(中里和伸著)」(2015/8/ 5)

 そして、この本の姉妹編となる「判例による不貞慰謝料請求の実務〔主張・立証編〕」(中里和伸・野口英一郎著・LABO刊)が出版とのことで、3月10日発売開始予定となっています。Amazonでは予約受付中となっていますが、ありがたいことに編集者よりご恵贈いただき、一足先に入手できましたので〔関係性明示(笑)〕、ここにご紹介させていただきます。なお、東京地裁や日弁連会館の地下の書店では既に販売が開始されているようです。

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 前の本が、不貞慰謝料に関する多くの裁判例を整理して、理論的な問題や具体的な慰謝料の算定等について紹介されていたのに対し、本書は実際の民事訴訟手続における「主張・立証」活動を対象としています。
 したがって、特に我々弁護士にとっては極めて実践的で有益な内容になっていますね。

 目次は以下の通りですが、巻末の裁判例一覧には、前の本の出版以降に出された裁判例が追補となっています。また、書式集も実務的に役立つものが掲載されています。

 序 章 不貞行為の歴史
 第1章 不貞慰謝料請求訴訟の提起から終結に至るまでの時系列の流れ
 第2章 不貞慰謝料請求訴訟における典型的な主張と反論の構造
 第3章 民事訴訟における事実認定
 第4章 不貞行為の証拠の入手方法と裁判例
 第5章 不貞慰謝料請求訴訟と渉外問題
 第6章 不貞慰謝料請求訴訟と弁護士職務基本規程

 〔裁判例一覧〕
 〔実務に役立つ書式集〕

水素水関連商品の不当表示に対する措置命令(消費者庁)

 水素水関連商品の広告表示については、以前から問題になっていましたが、本日、消費者庁は、株式会社マハロ(東京都港区)、株式会社メロディアンハーモニーファイン(大阪府八尾市)、千代田薬品工業株式会社(東京都千代田区)に対し、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認表示)として、措置命令を出しました。不実証広告(景品表示法7条2項)に基づくものです。

 水素水関連商品の問題については、当ブログでも何度か取り上げており、過去の不当表示事件などについては、以下の過去記事をご覧ください。

 → 「水素水商品に関する報告書(国民生活センター)」 ( 2016/12/15)

 → 「マルチ大手業者に対する業務停止命令(特定商取引法)と「水素水」の効能表示」 (2016/3/12)

 今回の措置命令の対象商品は、マハロが「ビガーブライトEX」(清涼飲料水)、メロディアンハーモニーファインが「水素たっぷりのおいしい水」(清涼飲料水)、千代田薬品工業が「ナチュラ水素」(食品)です。

 対象となった表示はいずれもwebサイト上の表示で、対象商品を摂取するだけで、特段の運動や食事制限をすることなく、著しい痩身効果が得られるかのように示したり、脂質代謝を促進し、血糖値の急上昇も抑制する効果が得られるかのように示したり、炎症を抑制し、肩こりや筋肉痛を軽減、ニキビ、吹き出もの、かぶれを解消する効果が得られるかのように示したりしていたというもの。

 これらについて、消費者庁が、3社に対して、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、2社からは資料が提出されたが、裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかったため、不実証広告規定により優良誤認表示とみなされたものです。

 なお、対象となった表示の期間が、いずれも平成28年4月1日以前ということですので、同日に施行された不当表示に対する課徴金制度の適用はありません。    

2017年2月27日 (月)

クロレラ最高裁判決についての記事を「文化通信」より転載

 消費者契約法の「勧誘に際し」の解釈に関してのクロレラチラシ配布差止請求訴訟の最高裁判決(本年1月24日)について、2月13日付のメディア専門誌「文化通信」に拙稿が掲載されました。

 文化通信社のご了解を得て、当ブログ右上の【コラム】に追加しましたので、興味のある方はご覧ください。

【コラム3】クロレラチラシ配布差止訴訟最高裁判決が広告に与える影響

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2017年2月23日 (木)

ステマ規制に関する日弁連意見書と「昆虫表紙」マーケティング

 日本弁護士連合会(日弁連)が2月16日に「ステルスマーケティングの規制に関する意見書」を出しています。

  → 日弁連サイト (報告書本文はこのページからリンクされたPDFへ)

 詳しくは報告書を読んでいただきたいのですが、意見の趣旨は、次の通りです。

「不当景品類及び不当表示防止法第5条第3号に基づく内閣総理大臣の指定に、下記の指定を追加すべきである。

               記

 商品又は役務を推奨する表示であって次のいずれかに該当するもの   

  1. 事業者が自ら表示しているにもかかわらず,第三者が表示しているかのように誤認させるもの
  2.    
  3. 事業者が第三者をして表示を行わせるに当たり、金銭の支払その他の経済的利益を提供しているにもかかわらず、その事実を表示しないもの。      
    ただし、表示の内容又は態様からみて金銭の支払その他の経済的利益が提供されていることが明らかな場合を除く。」

 つまり、いわゆるステルスマーケティング(ステマ)の広告・表示について、景品表示法が定める不当表示のうち、「優良誤認表示」「有利誤認表示」に並んで規定されている5条3号の「告示」に基づく不当表示に追加せよ、というものです。

 この5条3号に基づく「告示」は現在、

  商品の原産国に関する不当な表示
  無果汁の清涼飲料水等についての表示
  消費者信用の融資費用に関する不当な表示
  おとり広告に関する表示
  不動産のおとり広告に関する表示
  有料老人ホームに関する不当な表示
 

の6つが出されており、これにステマに関する告示を追加しようということですね。

 ステマについては、このブログでは何度も取り上げておりますが、日弁連が具体的な規制として、景品表示法改正による規制の意見を出したことは有意義であろうと思います。


 ステマに少し関連して、もうひとつ面白い記事を見つけました。dot.という朝日新聞系のサイトに掲載された「「ジャポニカから虫が消えた」騒動は“つくられた”ものだった」という記事です。 

 一昨年末に、「ジャポニカ学習帳」の表紙から、昆虫の写真が消え、花の写真になっていた、と新聞で報じられ、その理由のひとつが「昆虫は気持ち悪いというクレームが増えたため」だった、ということで、主にネット上で論議がわき起こったものです。その後、この昆虫版は復刻され、すぐに売り切れた、ということでした。そして、今回の記事は、これにはコンサルタントによる仕掛けがあった、と紹介されています。

 昆虫の表紙がその2年ほど前に廃止されていたのは間違いないようですが、これを聞いたコンサルタントのアイデアで、社長に取材に来た新聞記者にこの昆虫の表紙の話をして、それが記事になり、目論見が当たって広く議論となって、マーケティングとしてうまくいった、ということです。

 これは、ステマとはいえないですし、虚偽の話をしたわけでもなく、直接、法的にどうこうということではないと思います。しかし、いわゆる「炎上マーケティング」的な宣伝活動であり、こういったマーケティングに不快感を持つ消費者も多いのではないかと思います。私は、このジャポニカ学習帳の件は記事で読む限りでは、特に問題があるとまでは考えませんけれども、同様の手法で、消費者が誤認するようなマーケティングが行われる可能性はあり、注意が必要ではないか、と思いますし、事業者も広告、マーケティングについてのコンプライアンスのチェックは十分に行ってほしいと思います。

 もっとも以前からのファッション界などが流行やブームを作り出す、というのも同じようなものかもしれませんが。

2017年2月21日 (火)

割賦販売法上の取消権(不実告知)についての最高裁判決

 先日の消費者契約法の解釈に関する判決に引き続き、消費者と業者間の契約の取消等に関して、本日、最高裁判所が興味深い判決を出しました。クレジット契約の名義貸しの事案において、割賦販売法(割販法)に基づく取消(不実告知)に関する新しい判断を示して、高裁判決を破棄し、裁判を札幌高裁に差し戻したものです。

 本件は、資金繰りに困っていた販売業者に頼まれて、既存顧客であったクレジット名義人が上告人ら(複数)で、信販(クレジット)会社が被上告人です。もともとは、信販会社(原告)が、契約名義人の名前でクレジットの分割払いを続けていた販売業者が倒産して支払が止まったため、契約名義人を被告として、未払い分の支払を請求した裁判です(反訴もあるようですが省略します。)。

 控訴審判決は、本件の販売業者の告げた内容が、取消の原因となる「不実告知」に該当しないとするなどとして、契約名義人にクレジットの支払義務があると判断して、信販会社の請求を認めました。

 しかし、本日の最高裁判決は、本件告知内容は不実告知に該当するとし、さらに契約の動機や経緯に関して審理が必要として、高裁に差し戻したものです。なお、山﨑敏充裁判官の反対意見が付いています。

  → 判決文(裁判所サイト)

 本件の販売業者は,上記の依頼をするに際し,上告人らに対して、「ローンを組めない高齢者等の人助けのための契約締結」であり、「高齢者等との売買契約や商品の引渡しは実在する」ことを告げ、「支払については責任をもってうちが支払うから、絶対に迷惑は掛けない。」などと告げていたものでした。つまり、名義を借りる理由として、他の顧客が存在して、高齢者などでクレジット契約ができない人がいるから、ということを言って、自分の資金繰りの目的は言っていなかったようです。

 本件で争点は、

① 契約のうち、改正割販法の施行(平成21年12月1日)以降に締結されたもの
 については、改正割販法35条の3の13第1項により立替払契約の申込みの意
 思表示を取り消すことができるか否か、

② 改正割販法の施行前の契約については、改正前割販法30条の4第1項(抗弁
 権の接続)により本件販売業者に対して生じている売買契約の無効等の事由を
 もって被上告人に対抗することが信義則に反するか否か、

です。

 改正割販法35条の3の13第1項では、「契約の締結について勧誘をするに際し、次に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認」をした場合(不実告知)などは、契約の意思表示を取り消せる、としています。・・・上記①

 また、改正前はそのような取消権がなかったのですが、改正前割販法30条の4第1項(改正後も同内容の規定となっています。)には、信販会社に対するいわゆる抗弁権の接続の規定があり、販売業者に対して生じている事由を、信販会社に対しても主張できる、という規定になっています。この主張を行うことが、本件では信義則に反しないか、ということですね。・・・上記②

 札幌高裁の判決では、   

  1.  まず、割販法の「不実告知」の対象となる事項について、割販法30条の4第1項6号の重要事項には、「立替払契約又は売買契約に関する事項であって購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものであれば、契約内容や取引条件のみならず、契約締結の動機も含まれる。」として、契約の動機も、不実告知の対象となるとしました。この判断は、今回の最高裁判決でも維持されており、重要な判断です。      
  2.    
  3.  次に、本件において販売業者が契約名義人に対して告げた内容が、不実告知に該当するかどうか(上記①)ですが、これについては、該当しない、としました。    
     その理由は、契約締結の主たる動機は、販売業者が、契約名義人らが信販会社に対して支払う金銭を補塡すると約束した点にあり、販売業者は契約の締結時に、その支払をする意思なしに約束をしたということはできないから、販売業者が告げた内容に虚偽はない。高齢者等の人助けのための契約締結である、などと告げた内容は契約名義人らの判断に影響を及ぼすこととなる重要なものには当たらず、不実告知の対象とはならない、として、否定したものです。      
  4.    
  5.  改正前契約に関する抗弁権接続の問題に関しては、信販会社からの契約確認電話に対し、契約名義人らは、契約締結の意思があり、商品を受け取っていると回答しており、上記の通り改正後の「不実告知」の対象ともなっていない、販売業者の不正の意図を知らなかったとしても、名義貸しは一般常識に照らして不正な取引であることは認識することができたもので、販売業者との契約が無効であることを理由に信販会社に対抗することは、信義則に反する、として、これも否定しました。

 これに対して、今回の最高裁判決は、   

  1.  上記札幌高裁判決の1の判断(契約の動機も不実告知の対象)は是認できる、としました。      
  2.    
  3.  上記2の点について、名義貸しであったとしても「それが販売業者の依頼に基づくものであり、その依頼の際、契約締結を必要とする事情、契約締結により購入者が実質的に負うこととなるリスクの有無、契約締結によりあっせん業者に実質的な損害が生ずる可能性の有無など、契約締結の動機に関する重要事項について販売業者による不実告知があった場合には、これによって購入者に誤認が生じ、その結果、立替払契約が締結される可能性もあるといえる。このような経過で立替払契約が締結されたときは、購入者は販売業者に利用されたとも評価し得るのであり、購入者として保護に値しないということはできないから、割賦販売法35条の3の13第1項6号に掲げる事項につき不実告知があったとして立替払契約の申込みの意思表示を取り消すことを認めても,同号の趣旨に反するものとはいえない。」としました。      
     そして、本件では、名義貸しを必要、とする高齢者等がいること上記高齢者等を購入者とする売買契約及び商品の引渡しがあること並びに上記高齢者等による支払がされない事態が生じた場合であっても本件販売業者において確実に改正後契約に係る上告人らの被上告人に対する支払金相当額を支払う意思及び能力があることといった、契約締結を必要とする事情、契約締結により購入者が実質的に負うこととなるリスクの有無及びあっせん業者に実質的な損害が生ずる可能性の有無に関するものということができる。したがって、上記告知の内容は、契約締結の動機に関する重要な事項に当たるものというべきである。」として、販売業者の改正後契約の契約名義人に対する告知は割販法35条の3の13第1項6号の「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たるというべき、としました。      
  4.    
  5.  以上の判断をもとに、札幌高裁上記2(不実告知)の判断、それを前提とした上記3(抗弁権の接続)の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があるので、控訴審判決は破棄し、契約名義人らの誤認の有無(争点①)、契約に応じた動機や経緯など(争点②)について、さらに審理が必要だとして、差し戻しを命じたものです。

 この判決により、札幌高裁での差戻審において、最高裁判決に示された事項について審理が続けられることになります。

2017年2月20日 (月)

少年犯罪の減少傾向は続く

 一年ほど前に、少年犯罪の件数の動きについて、当ブログで書きました。

  → 「平成27年版犯罪白書から少年犯罪件数を見てみた。」 (2015/12/25) 

 ここでは、こう書いています。

少年による刑法犯の検挙人員(触法少年の補導人員を含む。以下同。)の推移には、昭和26年の16万6,433人をピークとする第一の波、39年の23万8,830人をピークとする第二の波、58年の31万7,438人をピークとする第三の波という三つの大きな波が見られ、59年以降は平成7年まで減少傾向にあり、その後、若干の増減を経て、16年から毎年減少していて、26年は戦後最少の7万9,499人(前年比12.1%減)となっています。人口比についても、16年から毎年低下し、26年は、678.4(前年比85.4pt低下)となり、最も人口比の高かった昭和56年(1,721.7)の半分以下となっています。」

 要するに、実際には、少年犯罪の件数はどんどん減っているのだ、平成26年は戦後最少になった、ということなのですが、平成28年版の犯罪白書も出ていますので、一年経ってその傾向がどうなったかを見ておきたいと思います。

 結論を言えば、平成27年には、戦後最少であった平成26年の7万9,499人のさらに17.0%減の6万5,950人となっています。

やはり、少年犯罪が増加しているというのは都市伝説ということになりますね。

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                         「平成28年版犯罪白書」(法務省)より


2017年2月14日 (火)

日本サプリメントに対する措置命令及びトクホ等に関する景表法の取組要請(消費者庁)

 昨日(2/13)付の「文化通信」(文化通信社発行)に拙稿「クロレラチラシ配布差止訴訟最高裁判決が広告に与える影響」が掲載されました。
【追記】(2/27)
この記事を、文化通信社の承諾を得て、当ブログに転載いたしました。
 → 【コラム3】クロレラチラシ配布差止訴訟最高裁判決が広告に与える影響

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 興味のある方にはご一読いただきたいのですが、これとも関連する健康食品の広告・表示に対する消費者庁措置命令および業界への取組要請が以下のように出されました。


 本日、消費者庁は、日本サプリメント株式会社(大阪市北区)に対し、同社の特定保健用食品(トクホ)の表示について、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認表示)に該当するとして、措置命令を行っています。 

 また、同時に、トクホ等に関する景品表示法の取組として、

① 特定保健用食品の許可要件を満たさない商品に対する厳正な対応

② 特定保健用食品及び機能性表示食品の全商品のウェブサイト等における表示監視

を行うこととし、この取組方針をトクホの全許可事業者及び機能性表示食品の全届出事業者に対し通知して、社内体制の確認等所要の対応を要請しています。

 なお、今回の不当表示の期間には、課徴金制度施行後の昨年4月以降も含まれておりますが、今日のところは課徴金納付命令は出されていないようです。さて、今後どうなるでしょうか。

   → 消費者庁公表資料(PDF)

 日本サプリメントは、既に昨年9月、消費者庁からトクホの許可を取り消されています。トクホの取消は制度が始まってから初めてのことです。

 今回の不当表示は、

 対象健康食品の容器包装や新聞折り込みチラシ、新聞テレビwebサイトの広告に、トクホの許可を受けた商品である旨や、「血圧が高めの方に適した食品です。」、「血糖値が気になり始めた方に適した食品です。」などと記載していたが、実際には、各商品は、トクホの許可等の要件を満たしていないものであった、というものでした。
 要するに、トクホの許可を受けた健康食品として広告宣伝、表示をしていたけれども、実際の商品については、許可の要件となっていた品質管理(試験検査)などが行われていなかった、というものです。

 上の文化通信の記事にも書いたのですが、今回も単に当該事業者のみならず業界全体に対して、消費者庁が取組要請を行っているように、健康食品の広告・表示については、消費者庁は厳しい目を向けています。事業者は消費者目線での商品提供、広告を行っていただきたいものです。

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