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2019年3月15日 (金)

シュークリームの不当表示(原材料の産地)

 先日、静岡県措置命令を出したという記事を書いたばかりですが、その当日(3/13)、大阪府不当表示に対する措置命令を出していました。

 景品表示法の改正により、平成26年12月から都道府県による措置命令が出せるようになって、4年を経過しましたが、本年1月末現在で都道府県による措置命令は、わずかに14件です。大阪府は、これでようやく3件目(3件とも食品ですね。)のはずですが、それでも多いほうで、ほとんどの都道府県では、まだ1回も措置命令が出ておらず(宮城、神奈川、愛知など大都市を抱えているところを含む)、出したところも、東京を含めて1回だけのところがほとんどです。一番多いのは、静岡で、先日のを含めて4件となっています。

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 今回の事案は、大阪府が、株式会社ヤムヤムクリエイツ(大阪府東大阪市)に対し、同社が販売する「プチリッチシュー」、「焦がしシュークリーム」の表示について、不当表示(優良誤認)に該当するとして、措置命令を行ったものです。

 → 大阪府報道発表資料

 これは、同社が運営する菓子販売店「Baby Magic」、「BAKED MAGIC」およびという「楽天市場」に出店している「焦がしシュークリーム専門店 ベイクドマジック/Baked Magicにおいて「プチリッチシュー」、「焦がしシュークリーム」という商品を販売していたが、例えば、商品の持ち帰り箱やwebサイトにおいて、「食べて幸せな笑顔になってもらうため、安心安全素材を徹底的に厳選しました。材料には、新鮮な卵に北海道産生クリーム、北海道産小麦をたっぷり使用し、熟練した職人技術により、従来のプチシューのイメージを大幅に覆す、焼きたてサクサク食感の風味豊かなプチリッチシューが完成しました。」と記載したり、、「こだわり厳選した素材を使用 シュー生地は国産の小麦粉を使用し、パイ生地を合わせたオリジナルブレンド」と記載し、あたかもの材料に国産の小麦粉を使用するかのように表示して、あたかも菓子の材料に北海道産の小麦を多量に使用するかのように表示していました。   

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 しかし、実際には、材料として使用された小麦粉は、アメリカ産及びカナダ産の小麦を原料とする小麦粉とアメリカ産の小麦を原料の大半とする小麦粉の2種類であり、国産小麦(北海道産には限定されない)はアメリカ産小麦を原料の大半とする小麦粉のみに一部ブレンドされているに過ぎず、また、国産小麦も北海道産に限定されたものではなかったというものです。

2019年3月13日 (水)

また「小顔矯正」に対する措置命令(静岡県)

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 3月11日付で、静岡県が、頭蓋骨矯正による小顔効果を謳うサービスを提供する株式会社ドラミカンパニー(静岡市駿河区)に対し、不当表示(優良誤認)であるとして、景品表示法に基づく措置命令を行っています。

 → 静岡県サイト

 小顔矯正サービスに関しては、先月も東京都措置命令を出したばかりですね。過去の同様の小顔矯正に関する不当表示の記事のリンクも含めて、当ブログでも書いていますので、興味のある方はどうぞ。

 → 「小顔矯正に対する東京都の措置命令(景表法)」 (2/22)

 今回の事案は、株式会社ドラミカンパニーが、その運営するプラチナフェイス静岡御幸町店のwebサイトにおいて、例えば「ご存知でしたか?頭蓋骨って動くんです!」「骨を直接動かしますので、小顔効果も持続性も段違いです。」「他店にはない「骨が動く」感覚を、ぜひ実感してみてください。」などといった表示を行うことにより、あたかも頭蓋骨を動かすことで小顔になり、その効果が持続するかのように思わせる表示を行っていました。    
 これに対し、静岡県が、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めましたが、提出された資料は、合理的な根拠を示すものとは認めらないものだったので、不当表示(優良誤認)と認定されたものです(不実証広告)

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 上に挙げた当ブログの記事でもわかるように、小顔矯正の表示は基本的に不当表示になるはずなのですが、今でも「小顔矯正」で検索すると、多くの店で表示して宣伝されていることがわかります。時にはテレビの情報番組などで紹介されることすらあるので、びっくりするのですが。
 現在の景品表示法は、課徴金制度が導入されていますので、場合によっては高額の課徴金を支払うことにもなりかねませんので、業者の方は表示内容にくれぐれもご注意ください。

2019年3月 7日 (木)

おせち料理の「歳末特別価格」(消費者庁)

 昨日(3/6)、消費者庁は、株式会社ライフサポート(大阪市西区)が販売するおせち料理の広告表示が、景品表示法に違反する不当表示(有利誤認)に該当するとして、措置命令を行っています。   

 → 消費者庁公表資料(PDF)

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 これは、ライフサポートが自社webサイトおよび「Yahoo!ショッピング」上の自社webサイトにおいて、おせち料理商品7種について、例えば、「数量限定 歳末特別価格! 年末のおせちお急ぎください!なくなり次第終了! 通常価格28,800円(税別) ↓ ↓ ↓ 残りわずか!! 今なら!!8,000円お値引き 歳末特別価格20,800円 税別」と記載するなどして、あたかも「通常価格」と称する価額は、ライフサポートにおいて本件商品について通常販売している価格であり、「歳末特別価格」と称する実際の販売価格が当該通常販売している価格に比して安いかのように表示していましたが、実際には、「通常価格」と称する価額は、ライフサポートにおいて本件商品について最近相当期間にわたって販売された実績のないものであった、というものです。
 ※右画像は、消費者庁資料より

 いわゆる不当な二重価格表示の事案です。だいたい、おせち料理ですので、「歳末特別価格!」というのがおかしいですよね。普通、歳末以外に通常価格で売ってるおせち料理ってありません。二重価格表示の運用については、以下の消費者庁ガイドライン5頁以下をごらんください。

 → 「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」 (PDF)

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 おせち料理のネット上の不当表示事案というと、2011年正月に話題になった「スカスカおせち」事件が思い出されます。
 グルーポンのwebサイトで宣伝していたバードカフェ(株式会社外食文化研究所)のおせち料理が実際に届けられた商品が宣伝と全く違う食材だったり、重箱の中がスカスカだったりなどと、2010年末に実際に届けられた人が続々と写真をweb掲示板にアップしたりして炎上した事件ですので、ご記憶の方も多いと思います。
 この「スカスカおせち」事件でも、消費者庁から不当表示として措置命令が出されたのですが、この措置命令が対象としたのは、話題となった商品の中身の問題(優良誤認)だけではなく、今回のライフサポートと同じく、不当な二重価格表示(有利誤認)も含まれています。    
この事案については、当ブログでも何回か書いてますので、次にリンクをしておきます。

 → 「グルーポンのおせち事件」 (2011/1/3)

 → 「グルーポンのおせち事件の続報」 (2011/1/30)

 → 「バードカフェおせち事件に関する措置命令及び要請(景品表示法・消費者庁)」
                            (2011/2/22)

2019年3月 1日 (金)

不当表示に対する課徴金納付命令2件(消費者庁)

 昨年、景品表示法に基づく措置命令が出された不当表示2事案で、消費者庁課徴金納付命令を出しましたので、ご紹介です。

 先日(2/22)、株式会社TSUTAYA(東京都渋谷区)に対し、同社の動画配信サービスに係る不当表示について、課徴金納付命令を行いました。これは、昨年5月に出された措置命令の事案に関するもので、当ブログでも取り上げています。

 本件の課徴金は、1億1753万円とかなり高額になっています。

 → 消費者庁公表資料(PDF)

 → 「TSUTAYAの動画配信サービスなどについての不当表示(消費者庁)」(2018/5/30)


 次に、これも昨年5月に不当表示がなされたとして景品表示法に基づく措置命令が出されていた案件なのですが、「塚田農場」などを運営する株式会社エー・ピーカンパニー(東京都港区)に対して、本日、消費者庁は、課徴金納付命令を行っています。 

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 同社が、「塚田農場」などの運営店舗のメニューの表紙に、「地鶏一筋」を記載された印影を掲載し、メニューに「地鶏は野生の旨味」、「在来種の血統『地鶏』はほんの一部」などと記載し、「みやざき地頭鶏」の写真や流通過程の図を掲載するなどしていましたが、実際には、「チキン南蛮」にはブロイラーを、「月見つくね」、「塩つくね」にはほとんどブロイラーを、「椎茸つくね南蛮」には地鶏ではない親鶏等を使用していたというものです。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 昨年の措置命令の内容の詳細については、こちらも当ブログに書いてますので、ご参考まで。

 → 「「塚田農場」の地鶏メニューがブロイラーだった事案」 (2018/5/22)

 全国に店舗を展開しているだけに、課徴金の額はこちらも、結構高額になるのかな、と思ってましたが、対象期間が短いこともあり、合計で、981万円となっています。なお、景品表示法違反による課徴金の金額は、基本的には、対象期間の対象商品の売上金額の3%となります。

2019年2月22日 (金)

小顔矯正に対する東京都の措置命令(景表法)

 本年2月20日、東京都は、小顔になる効果を標ぼうする美容サービスを提供する事業者であるS.O.M株式会社(東京都中央区)および株式会社ビューネス(東京都港区)に対し、小顔になるかのような表示が不当表示(優良誤認表示)であるとして、景品表示法に基づく措置命令を行っています。

 → 東京都発表資料

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 この両社は、それぞれ自社のwebサイトにおいて、あたかも、サービスを受けることによって、頭蓋骨の歪みやずれが矯正されることにより小顔になるかのように表示するなどしていましたが、東京都が、景品表示法に基づき、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、両社はそれぞれ資料を提出しましたが、当該資料は、合理的な根拠を示すものとは認められませんでした(不実証広告制度)。

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 このような、いわゆる小顔矯正サービスに関しては、2012年、2013年、2016年に消費者庁および広島県から複数の業者に対して同様に措置命令が出されており、当ブログでも下記の通り取り上げています。

 なお、当時は、不当表示に関して課徴金制度はありませんでしたが、今回は売上額によっては、課徴金納付命令の対象となる可能性があります。

 → 「小顔矯正サービス事業者の不当表示に対する措置命令(消費者庁)」 (2016/6/30)

 → 「「小顔矯正」の宣伝表示を不当表示とした広島県の措置命令(他1件)」 (2016/3/10)

 → 「「身長伸ばし」「美顔矯正術」の不当表示措置命令(消費者庁)」 (2012/7/11)

2019年2月19日 (火)

不倫の相手方の損害賠償責任に関する最高裁判決

 本日、最高裁で出ました不倫の相手方の損害賠償責任に関する判決が話題になっていますが、報道記事やその見出しなどは、かなりミスリーディングなものもありますので、ご注意ください。

 → 判決文(裁判所サイト)

 今回の事案は、消滅時効の問題も絡んでおり、最高裁判決だけを見ても、一般の人が理解することは容易ではありません。

 決して、不倫の相手方には、ほとんどの場合に損害賠償責任が生じない、というようなことを最高裁が言ったのではありませんので、ご注意ください。

 ちょっと、次の予定の関係で時間がありませんので、山田祥也弁護士のブログ記事をご紹介しますので、興味のある方はお読みください。

 → 【民法】第三者に対する離婚自体慰謝料に関する最高裁判決について

2019年2月14日 (木)

新聞購読勧誘の不当景品に関する立入検査報道

 報道によれば、昨日(2/13)、大阪府消費生活センターが、大阪府の系列販売店による景品表示法違反の疑いで、産経新聞大阪本社に立入検査に入った、とのことです。

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 複数の販売店が、電動アシスト自転車などの高額景品と引き換えに、一人暮らしの高齢者などに長期の新聞購読契約を勧誘しており、大阪府消費生活センターが、産経新聞に対し、販売店への指導を求めていたが、改善されないため、立入検査に踏み切ったとみられる、とされています。また、契約者の解約申し出に応じず、高額の解約金を要求したりなど、各地の消費者センターに多数の苦情が寄せられていた、と報じられています。

 ご承知の通り、景品表示法は、不当に高額な景品類を規制していますが、景品類の規制について景品表示法自体は具体的に定めておらず、その6条に「内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。」としています。
 この規定に基づいて、消費者庁(33条1項による内閣総理大臣からの権限委任)による告示で、景品規制の具体的な内容を定めることになります。なお、消費者庁設置以前については、公正取引委員会の所管でしたので、以前のものについては、当時の公正取引委員会の告示がそのまま適用されることになります。

 これにより、一般的な景品規制の内容については、「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」、「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」という告示を見ることになるのですが、新聞の発行、販売の事業者については、これとは違う特別の規制がなされています。

 1つは、「新聞業における景品類の提供に関する事項の制限」(告示)です。このような業種別の景品規制告示は、新聞業の他に、雑誌業不動産業医療用医薬品業、医療機器業及び衛生検査所業の計4業種について、定められていますので、これらの事業者に関しては、こちらの規制内容を見ないといけないことになりますので、注意が必要です。

 さらに、新聞業の景品に関しては、もう1つ、新聞公正取引協議会の公正競争規約「新聞業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」があります。公正競争規約ですので、当該協議会の加盟事業者のみを拘束するものではありますが、主要な新聞社は加盟していると思います。

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 これらの規制全体の細かい内容については省略しますが、一般的な定期購読契約の勧誘の際の景品(懸賞によらないもの)については、原則として取引価額の8%又は6ヶ月分の購読料金の8%のいずれか低い金額が上限となっています。   
したがって、例えば、1年の購読契約だとすると、6ヶ月のほうが低くなります。仮に月5000円の購読料(産経はもっと安いと思いますが)だとすると、6ヶ月で30000円で、その8%は2400円ですので、2400円を超えるような景品を提供することは違法ということになります。電動アシスト自転車などは、当然、これを上回るので景品表示法に違反することになります。
 懸賞による場合も、上記のような契約だとすると、50000円が原則上限になりますので、新品の電動アシスト自転車であれば、これを超えると思います。

 なお、今回は、消費者庁ではなく、大阪府が立入検査に入っていますが、景品表示法の権限については、消費者庁から公正取引委員会(33条2項)や都道府県知事(同条11項)に委任できることになっており、地域が限られた景品表示法違反(不当表示、不当景品)の事案については、都道府県が調査して、措置命令を発することができるようになっています。

2019年1月18日 (金)

酵素健康食品のダイエット効果の不当表示(消費者庁)

 昨日(1/17)、消費者庁は、株式会社はぴねすくらぶ(福岡市中央区・旧:メディア・プライス)が販売する健康食品「酵母と酵素 de さらスルー」の表示について、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)に該当するとして、措置命令を行っています。消費者庁及び公正取引委員会九州事務所の調査の結果によるものです。

消費者庁公表資料 (PDF)

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 これは、はぴねすくらぶが、自社webサイト上で、例えば、「酵素 酵母 乳酸菌の発酵パワーでダイエット!」、「食べることが大好きなあなたへ!」、「『酵母と酵素deさらスルー』は、生きた酵素と酵母、乳酸菌、さらに白キクラゲ由来のエイドライフリーWJをたっぷり配合した新しいダイエットサプリ。」等と記載するなどして、本件の健康食品が、あたかも、摂取するだけで、特段の食事制限をすることなく、含有成分の作用により、容易に痩身効果が得られるかのように示す表示をしていたというものです。   
 消費者庁は、景品表示法に基づいて、はぴねすくらぶに対して、これらの表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、資料が提出されましたが、資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められず、優良誤認表示が認定されたものです(不実証広告)。

 はぴねすくらぶは、この措置命令に関して、自社webサイトに「お詫びとお知らせ」を掲載しましたが、措置命令の内容に反論することなく、 「・・・・あたかも、特段の食事制限をする事なく本品摂取だけで容易に痩身効果が得られるかのように示す表示をしておりました。本件表示は、本件商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものより著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものでした。」不当表示を行ったことを認めたうえで、謝罪をしています。

 酵素食品については、昨年10月にも優良誤認表示であるとして、別の会社に対して消費者庁が措置命令・課徴金納付命令(1814万円)を命じていますが、それに続くものですね。「酵素」、「酵母」、「発酵」などをマジックワードとした健康食品は他にも多くありますが、イメージだけで根拠のない表示の商品には手を出さないことが肝心かと思います。

 → 「酵素飲料の新聞広告に対する措置命令・課徴金納付命令(消費者庁)」    
                         (2018/10/30)

 なお、本件の表示の一部については、いわゆる打消し表示として、「※使用感・結果には個人差があります。」と記載していたようですが、消費者庁は、これについて、「当該記載は、一般消費者が当該表示から受ける42粒入りの効果に関する認識を打ち消すものではない。」としています。

2019年1月 9日 (水)

民法(相続法)の改正(遺言の方式緩和)の施行

 民法には、債権や物権などの分野のほかに「家族法」についての規定もあり、大きく「親族法」(結婚や親子などについての規定)と「相続法」(相続についての規定)に分かれます。 

 そのうち、相続分野について大きな改正が昨年7月になされました。この改正の施行日は原則として、今年2019年7月1日なのですが、規定によって段階的に施行されることとなっており、今度の日曜日1月13日には、遺言に関する改正部分が施行となります。

 → 法務省サイト

 今回の相続法の改正事項は、

1 配偶者の居住権を保護するための方策

2 遺産分割に関する見直し等

3 遺言制度に関する見直し

4 遺留分制度に関する見直し

5 相続の効力等に関する見直し

6 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

7 その他

となっています。
 このうち、上記の通り、の内の「自筆証書遺言の方式を緩和する方策」の施行が2019年1月13日「配偶者居住権及び配偶者短期居住権の新設等」の施行が来年2020年4月1日となり、その他の部分の施行が2019年7月1日となります。なお、民法改正と合わせて、新たに自筆証書遺言の保管制度(法務局で保管してもらえる)ができましたが、その法律(法務局における遺言書の保管等に関する法律)の施行は、2019年7月10日となっています。

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 各改正点についての詳細な説明は省略しますが(ご相談、講演のご依頼などお待ちしております。)、1月13日から施行される自筆証書遺言の方式の緩和について、少し触れておきます。

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 自筆証書遺言(つまりは公正証書ではなく、自分で書く遺言書のこと)は厳格な方式が要件として定められており、全文を自分で書く必要がありました。それを、遺言の内、財産目録の部分は、自筆でなくてもOKという改正です。しかし、財産目録部分については、各頁に本人が署名押印しなければなりません。

 財産目録といっても、形式が特に定められているわけではなく、法務省の解説では、パソコンで作成した財産目録はもちろんのこと、銀行預金通帳のコピーや不動産登記の登記事項証明書などを添付するような形でもよいようです。相続財産の多い人にとっては、遺言書の作成が楽になりますね。

 ただ、その他の形式要件は変更になっておらず、財産目録以外の部分はパソコンなどで作成しては駄目で自筆であることが必要だとか、作成日付を必ず入れるなどといった点は注意しないと、本人が作ったことが仮に明らかであったとしても、法律的には無効の遺言となってしまいますので、ご注意ください。なるべく、弁護士、司法書士にご相談されることをお薦めいたします。

※ 画像は法務省サイトより

2019年1月 7日 (月)

ZOZO社長のお年玉宣言と独禁法・景表法

 新年あけましておめでとうございます。
   本年もよろしくお願い申し上げます。


 昨年から、いろいろと話題の多い株式会社「ZOZO」代表取締役社長の前澤友作さんが1月5日に、前澤氏のTwitterアカウントをフォローして、RT(リツイート)してくれた人、100人に100万円をプレゼントすると宣言して、また話題になっています。総額1億円ですね。

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 これについて、景品表示法上、大丈夫なの、というネット上の声もあるようです。これについて、見ていきたいと思います。

 まず、景品表示法上の「景品」の定義は、

①顧客を誘引するための手段として

②事業者が自己の供給する商品又は役務(サービス)の取引(不動産に関する取引を含む。)に付随して

③取引の相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益

であって、内閣総理大臣が指定するものをいうと定義されています。

 ここでは、②の要件に関して2つ問題があって、「事業者が自己の・・・」とあるので、お金は会社であるZOZOではなく、社長個人の私財から個人として提供している、という点と、取引附随性はない、という点です。

 前者については、法人と個人とはいえ、法人の営業活動に関して、オーナー社長が提供しているのだから、実質的には事業者が提供しているのと同一視できるのではないか、とみる余地はあるような感じはします。

 後者については、このような、事業者の商品やサービスの購入取引とは全く無関係に誰でも応募し、当選する可能性がある形態のものは、「オープン懸賞」と呼ばれ、取引附随性がありませんので、本来、景品表示法の適用対象外のものです。
【追記】ただ、フォローを条件としていますので、フォロワーのアカウントを収集するという行為、データ収集は取引に附随すると見られるのではないか、ということもできるような気もしますが、ここではひとまず置きます。)

 ただし、かつて公正取引委員会消費者庁設置前は景品表示法も所管)は、独占禁止法上の「不公正な取引方法」の指定として、「広告においてくじの方法等による経済上の利益の提供を申し出る場合の不公正な取引方法」という告示を出していました。
 そして、その告示運用基準(通達)に、「この告示に規定する「正常な商慣習に照らして過大な金銭、物品その他の経済上の利益」については、1000万円を超える額の経済上の利益はこれに該当するものとする。ただし、この範囲内で公正競争規約を締結している業種にあつては、当該公正競争規約の定めるところを参酌する。」(注:1000万円は平成8年改正後)とあり、要するに「オープン懸賞」の場合には、景品表示法ではなく、独占禁止法上、1000万円を超える賞金等が禁止されていたのです。

 しかし、この「オープン懸賞」についての上限規制も、あんまり意味はないよね、ということで、平成18年に撤廃されました。したがって、現在、独占禁止法景品表示法による規制はなくなっています。もっとも、本件は100万円なので、どっちにしても問題ないのですが。

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 ということで、冒頭の前澤氏の100万円提供は、独占禁止法景品表示法による規制はない、ということに一応はなります。もっとも、独占禁止法上の別の規制(例えば、不公正な取引方法欺まん的顧客誘引など)に該当するような場合は別ですし、上で書いたいくつかの点の評価によっては、「オープン懸賞」ではなく、「一般懸賞」として、景品表示法の対象とされる可能性も考えられなくもありません(この場合は、最高額は10万円なので、抵触してしまいます。)。

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